JPH03118Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は自動車等の車輛用シートのシートフレ
ームに係り特にプラスチツクで成形されるシート
フレームに関するものである。

〈従来の技術〉 一般に、車輛用シートのフレーム、特に背もた
れとなるバツクフレームを一枚のプラスチツクパ
ネルで成形する場合においては、捩り剛性が十分
に得られないため、リクライニングの際の荷重に
耐えることができない。このため、従来は共にプ
ラスチツクからなるメインフレームと補強フレー
ムとによつてバツクフレームを構成し、これらの
間に閉断面を形成するように補強フレームをメイ
ンフレームに接合して捩り剛性不足を補つてい
た。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかしながら、補強フレームをメインフレーム
に取り付けるにあつては、ボルトあるいはリベツ
ト等の結合材を使用しているため、外観が劣ると
共に取り付け工数が多く、面倒となつていた。特
に目的とする剛性までの強度が得にくいため、荷
重に十分耐えることができないという問題点があ
つた。

本考案はこのような従来の問題点に鑑みてなさ
れ、十分な剛性が得られ、かつ取り付けが容易で
外観上優れたプラスチツクシートフレームを提供
することを目的としている。

〈問題点を解決するための手段〉 上記目的を達成するため、本考案によるプラス
チツクシートフレームは、メインフレームおよび
補強フレームのいずれか一方のフレームに連続状
の溝を形成すると共に、この溝内の全面にに接着
用テープを取り付け、他方のフレームを前記溝内
に嵌め込んで接着用テープによる接合を行なうよ
うにしたものである。

〈作用〉 一方のフレームに形成された溝内には他方のフ
レームが嵌込まれ、接着用テープによりフレーム
とフレームとの接合が行われる。

〈実施例〉 以下、本考案の一実施例を添付の図面を参照し
て具体的に説明する。

第１図は本考案を自動車用シートのシートバツ
クフレームに適用した実施例である。このシート
バツクフレームはプラスチツクからなるメインフ
レーム１と、プラスチツクからなるメインフレー
ム１の下半分の前面に接合される補強フレーム２
とからなつており、接合された状態では第２図の
ようにメインフレーム１との間にフレームに囲ま
れた中空部からなる閉断面４が形成されるように
なつている。この接合はメインフレーム１に連続
状の溝３が形成され、補強フレーム２の外周縁が
この溝３内に嵌め込まれ、接着用テープ５を介し
てメインフレーム１と補強フレーム２とが接着さ
れることで行われる。この場合、補強フレーム２
の上下端部の接合は第２図および第３図に示すよ
うな構造であり、又、補強フレーム２の左右端部
の接合は第４図に示す構造となつている。すなわ
ち、第２図および第３図に示すようにメインフレ
ーム１の上面には２条のリブ３ａ，３ｂが補強フ
レームの上下端部に沿つて沿設され、このリブ３
ａ，３ｂにより補強フレーム２の外周縁が嵌め込
まれる溝３が形成されるようになつている。この
２条のリブの内、補強フレーム２の内側に位置す
るインナーリブ３ａは補強フレーム２の立上り部
２ａに沿うように高く立設しており、一方、補強
フレーム２の外側に位置するアウターリブ３ｂは
補強フレームの板厚と略同等となるように低く立
設している。又、第４図に示すように、メインフ
レーム１の上面には補強フレーム２の左右端部に
沿つて２条のリブ３ａ，３ｂが沿設されており、
インナーリブ３ａが低く、アウターリブ３ｂが高
くなるように立設されて、アウターリブ３ｂが補
強フレーム２のサイド片２ｂに当接するようにな
つている。そして、これらのインナーリブ３ａお
よびアウターリブ３ｂは補強フレーム２の外周縁
に沿うように連結されており、これにより補強フ
レームの外周縁全体が溝３内に嵌め込まれるよう
に溝３が連続している。

前記接着用テープ５は以上のように形成された
溝３全面にわたつて取り付けられ、補強フレーム
２と溝３内壁との間に介在してフレームを接着す
るものである。この接着用テープ５は可撓を有す
る材質からなり、溝３の形状に合わせて溝内の全
面に設けられる。使用される接着用テープとして
は、フレームのプラスチツク材と同一材質のテー
プ基材中に高周波に反応して発熱するような鉄
粉、酸化鉄粉を混入させたテープが良好である。

次に、以上のようなシートフレームの製造工程
を説明する。

まず、メインフレーム１の溝３内の全面に接着
用テープ５を取り付ける。次に補強フレーム２の
外周縁を溝３内に嵌め込み、メインフレーム１と
補強フレーム２とで接着用テープ５を挾み、加圧
する。そして、この状態で接合部分に高周波コイ
ルを接近させる。これにより、接着用テープ内の
鉄粉あるいは酸化鉄粉等が発熱して、テープ基材
が溶融してメインフレーム１と補強フレーム２と
の接着が行われる。

なお、本考案においては上記とは反対に補強フ
レームに溝を形成し、メインフレームを溝内に嵌
め込まれるリブを形成してもよい。

〈考案の効果〉 以上のような本考案によると、メインフレーム
と補強フレームとの接合に際し、補強フレームの
外周縁の全周が溝内に嵌め込まれるため、あらゆ
る異なつた方向の力に対しても対応できると共
に、接着用テープが溝内の全面に設けられてメイ
ンフレームと補強フレームとが接着されているか
ら捩り剛性の大きなフレームとなる。又、補強フ
レームとメインフレームの組み付けも簡単であ
り、工数が削減できると共に、外観も向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の分解斜視図、第２
図はそのＢ−Ｂ線断面図、第３図は第２図Ｃ矢視
部の拡大断面図、第４図は第１図のＡ−Ａ線断面
図である。 １……メインフレーム、２……補強フレーム、
３……溝、４……閉断面、５……接着用テープ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) プラスチツクからなるメインフレームとプラ
   スチツクからなる補強フレームとの間に閉断面
   を形成するように補強フレームの外周縁がメイ
   ンフレームに接合されてなるシートフレームに
   おいて、 いずれか一方のフレームの接合部分に連続状
   の溝が沿設されると共にこの溝内の全面に接着
   用テープが取り付けられており、他方のフレー
   ムの接合部分が前記テープを介して前記溝内に
   接着されれていることを特徴とするプラスチツ
   クシートフレーム。 (2) 接着用テープが高周波に反応して溶融するテ
   ープである実用新案登録請求の範囲第(1)項記載
   のプラスチツクシートフレーム。