JPH0311523B2 - - Google Patents
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- JPH0311523B2 JPH0311523B2 JP57065910A JP6591082A JPH0311523B2 JP H0311523 B2 JPH0311523 B2 JP H0311523B2 JP 57065910 A JP57065910 A JP 57065910A JP 6591082 A JP6591082 A JP 6591082A JP H0311523 B2 JPH0311523 B2 JP H0311523B2
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Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F1/00—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
- H01F1/03—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
- H01F1/032—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials
- H01F1/04—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials metals or alloys
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F41/00—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
- H01F41/02—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
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- H01F41/0273—Imparting anisotropy
- H01F41/028—Radial anisotropy
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、永久磁石の製造法に関するものであ
る。さらに詳細には、多結晶マンガン−アルミニ
ウム−炭素系(Mn−Al−C系)合金磁石の製造
法に関し、特に高性能な多極着磁用Mn−Al−C
系合金磁石の製造法を提供するものである。
る。さらに詳細には、多結晶マンガン−アルミニ
ウム−炭素系(Mn−Al−C系)合金磁石の製造
法に関し、特に高性能な多極着磁用Mn−Al−C
系合金磁石の製造法を提供するものである。
Mn−Al−C系合金磁石は、主として強磁性相
である面心正方晶(τ相、L10型規則格子)の組
織で構成され、Cを必須構成元素として含むもの
であり、不純物以外に添加元素を含まない3元系
及び少量の添加元素を含む4元系以上の多元系合
金磁石が知られており、これらを総称するもので
ある。
である面心正方晶(τ相、L10型規則格子)の組
織で構成され、Cを必須構成元素として含むもの
であり、不純物以外に添加元素を含まない3元系
及び少量の添加元素を含む4元系以上の多元系合
金磁石が知られており、これらを総称するもので
ある。
また、このMn−Al−C系合金磁石の製造法と
しては、鋳造、熱処理によるもの以外に、温間押
出加工等の温間塑性加工工程を含むものが知られ
ている。特に後者は、高い磁気特性、機械的強
度、耐候性、機械加工性等の優れた性質を有する
異方性磁石の製造法として知られている。
しては、鋳造、熱処理によるもの以外に、温間押
出加工等の温間塑性加工工程を含むものが知られ
ている。特に後者は、高い磁気特性、機械的強
度、耐候性、機械加工性等の優れた性質を有する
異方性磁石の製造法として知られている。
多極着磁用Mn−Al−C系合金磁石の製造法と
しては、等方性磁石、圧縮加工によるもの、及び
あらかじめ温間押出加工等の公知の方法で得た一
軸異方性の多結晶Mn−Al−C系合金磁石に異方
性方向への温間自由圧縮加工によるもの(複合加
工法によるもの)が知られている。
しては、等方性磁石、圧縮加工によるもの、及び
あらかじめ温間押出加工等の公知の方法で得た一
軸異方性の多結晶Mn−Al−C系合金磁石に異方
性方向への温間自由圧縮加工によるもの(複合加
工法によるもの)が知られている。
圧縮加工によるものでは、径方向に高い磁気特
性が得られているが、比較的大きい加工率が必要
であること、不均一変形が起こる場合があるこ
と、不変形帯の存在が避けられないことなどの問
題点がある。複合加工法によるものでは、小さな
圧縮ひずみで径方向、弦方向を含む平面内の全て
の方向に高い磁気特性が得られている。複合加工
法で得た磁石は、特定の平面に平行に磁化容易方
向を有し、しかも前記平面内では磁気的に等方性
であり、かつ前記平面の垂線と前記平面に平行な
直線を含む平面内では異方性であるという構造で
ある(以下このような磁石を面異方性磁石とい
う)。
性が得られているが、比較的大きい加工率が必要
であること、不均一変形が起こる場合があるこ
と、不変形帯の存在が避けられないことなどの問
題点がある。複合加工法によるものでは、小さな
圧縮ひずみで径方向、弦方向を含む平面内の全て
の方向に高い磁気特性が得られている。複合加工
法で得た磁石は、特定の平面に平行に磁化容易方
向を有し、しかも前記平面内では磁気的に等方性
であり、かつ前記平面の垂線と前記平面に平行な
直線を含む平面内では異方性であるという構造で
ある(以下このような磁石を面異方性磁石とい
う)。
多極着磁用磁石の形状は一般には円筒体であ
り、主な着磁としては、第1図から第3図に示す
ような着磁がある。第1図は円筒磁石の径方向に
多極着磁した場合の磁石内部での磁路の形成を模
式的に示したものである。同様に第2図は円筒磁
石の外周に多極着磁した場合であり、第3図は内
周に多極着磁した場合のものである。第1図に示
した着磁を本明細書では径方向着磁と称し、第2
図のものを外周着磁、第3図のものを内周着磁と
称する。
り、主な着磁としては、第1図から第3図に示す
ような着磁がある。第1図は円筒磁石の径方向に
多極着磁した場合の磁石内部での磁路の形成を模
式的に示したものである。同様に第2図は円筒磁
石の外周に多極着磁した場合であり、第3図は内
周に多極着磁した場合のものである。第1図に示
した着磁を本明細書では径方向着磁と称し、第2
図のものを外周着磁、第3図のものを内周着磁と
称する。
第1図に示したように、系方向着磁では、磁路
はほぼ系方向に沿つており、前述した面異方性磁
石の構造が必ずしも適切ではないといえる。一
方、圧縮加工によるものでは、系方向に高い磁気
特性が得られているが、前述したように比較的大
きい加工率が必要であること、不均一変形が起こ
る場合があること、不変形帯の存在が避けられな
いことなどの問題点があつた。
はほぼ系方向に沿つており、前述した面異方性磁
石の構造が必ずしも適切ではないといえる。一
方、圧縮加工によるものでは、系方向に高い磁気
特性が得られているが、前述したように比較的大
きい加工率が必要であること、不均一変形が起こ
る場合があること、不変形帯の存在が避けられな
いことなどの問題点があつた。
本発明者らは、あらかじめ異方性化した多結晶
Mn−Al−C系合金磁石からなる中空体状のビレ
ツトに、530〜830℃の温度で、ビレツトの外周を
拘束した状態で、しかも少なくとも内周の一部分
を自由にした状態で、中空体の軸方向に圧縮加工
を施すことによつて、前記の問題点を解決し得る
ことを見出した。
Mn−Al−C系合金磁石からなる中空体状のビレ
ツトに、530〜830℃の温度で、ビレツトの外周を
拘束した状態で、しかも少なくとも内周の一部分
を自由にした状態で、中空体の軸方向に圧縮加工
を施すことによつて、前記の問題点を解決し得る
ことを見出した。
すなわち、公知のMn−Al−C系磁石用合金、
例えば68〜73重量%のMnと(1/10Mn−6.6)〜
(1/3Mn−22.2)重量%のCと残部のAlからなる
合金を530〜830℃の温度域で押出加工等の塑性加
工を施すことによつて異方性化した多結晶Mn−
Al−C系合金磁石を得ることができる。前記の
磁石として代表的なものとしては、前記の塑性加
工を押出加工とした場合に得られる、押出方向に
磁化容易方向を有する一軸異方性磁石と前述した
面異方性磁石などがある。前記の異方性化した多
結晶Mn−Al−C系合金磁石からなる中空体のビ
レツトに、ビレツトの外周を拘束した状態で、し
かも少なくとも内周の一部分を自由にした状態で
中空体の軸方向に圧縮加工を施すことによつて、
系方向に高い磁気特性を有する磁石を得ることが
できる。なおここでいう中空体というのは、ビレ
ツト内のある任意の方向(軸方向)に沿つて空洞
部分が存在するものをいい、もつとも簡単な形状
としては円筒がある。ビレツトの形状が中空体で
あり、しかもビレツトの内周の少なくとも一部分
を自由にした状態であるために、ビレツトの外周
を拘束した状態で軸方向に圧縮ひずみを与えても
空洞部分を減少させるようにして、塑性変形が行
われる。前記の軸方向への圧縮ひずみは空洞部分
がなくなるまで与えることができ、加工後のビレ
ツトはほぼ中実体となる。一方、所定の圧縮ひず
みを与えた後は、内周を成形する目的で金型等に
よつて拘束してもよい。
例えば68〜73重量%のMnと(1/10Mn−6.6)〜
(1/3Mn−22.2)重量%のCと残部のAlからなる
合金を530〜830℃の温度域で押出加工等の塑性加
工を施すことによつて異方性化した多結晶Mn−
Al−C系合金磁石を得ることができる。前記の
磁石として代表的なものとしては、前記の塑性加
工を押出加工とした場合に得られる、押出方向に
磁化容易方向を有する一軸異方性磁石と前述した
面異方性磁石などがある。前記の異方性化した多
結晶Mn−Al−C系合金磁石からなる中空体のビ
レツトに、ビレツトの外周を拘束した状態で、し
かも少なくとも内周の一部分を自由にした状態で
中空体の軸方向に圧縮加工を施すことによつて、
系方向に高い磁気特性を有する磁石を得ることが
できる。なおここでいう中空体というのは、ビレ
ツト内のある任意の方向(軸方向)に沿つて空洞
部分が存在するものをいい、もつとも簡単な形状
としては円筒がある。ビレツトの形状が中空体で
あり、しかもビレツトの内周の少なくとも一部分
を自由にした状態であるために、ビレツトの外周
を拘束した状態で軸方向に圧縮ひずみを与えても
空洞部分を減少させるようにして、塑性変形が行
われる。前記の軸方向への圧縮ひずみは空洞部分
がなくなるまで与えることができ、加工後のビレ
ツトはほぼ中実体となる。一方、所定の圧縮ひず
みを与えた後は、内周を成形する目的で金型等に
よつて拘束してもよい。
前記のビレツトが中空体の軸方向に磁化容易方
向を有する多結晶Mn−Al−C系合金磁石(一軸
異方性磁石)からなる場合には、前記の圧縮ひず
みが対数ひずみの絶対値で0.05以上必要である。
これは実施例で詳述するように、塑性加工前のビ
レツトは圧縮ひずみを与える方向に異方性化した
ものであり、径方向に高い磁気特性を示すような
構造の変化に最低0.05の圧縮ひずみが必要である
ためである。
向を有する多結晶Mn−Al−C系合金磁石(一軸
異方性磁石)からなる場合には、前記の圧縮ひず
みが対数ひずみの絶対値で0.05以上必要である。
これは実施例で詳述するように、塑性加工前のビ
レツトは圧縮ひずみを与える方向に異方性化した
ものであり、径方向に高い磁気特性を示すような
構造の変化に最低0.05の圧縮ひずみが必要である
ためである。
公知技術として、一軸方向性の角柱状磁石の軸
方向へ温間圧縮加工を施した例があるが、その目
的は一軸異方性からそれに垂直な一軸への磁化容
易方向の転換で、加工後も一軸異方性の角柱状磁
石である。前記公知技術による磁化容易方向の一
方向への転換には、約60〜70%以上の加工を要
し、これは対数ひずみの絶対値として約0.9〜1.2
以上という大きな値である。また、磁束収束型界
磁用磁石を得る例もあるが、一軸異方性の角柱状
磁石を塑性加工することによつて、磁化容易方向
をわずかに回転させ磁化容易方向を特定の点を通
る方向に収束されるものである。
方向へ温間圧縮加工を施した例があるが、その目
的は一軸異方性からそれに垂直な一軸への磁化容
易方向の転換で、加工後も一軸異方性の角柱状磁
石である。前記公知技術による磁化容易方向の一
方向への転換には、約60〜70%以上の加工を要
し、これは対数ひずみの絶対値として約0.9〜1.2
以上という大きな値である。また、磁束収束型界
磁用磁石を得る例もあるが、一軸異方性の角柱状
磁石を塑性加工することによつて、磁化容易方向
をわずかに回転させ磁化容易方向を特定の点を通
る方向に収束されるものである。
前記のビレツトが中空体の軸方向に垂直な平面
に平行に磁化容易方向を有する多結晶Mn−Al−
C系合金磁石(面異方性磁石)からなる場合に
は、塑性加工前のビレツトはすでに、前述したよ
うに系方向と弦方向を含む平面内のすべての方向
に高い磁気特性を示しているが、ビレツトの外周
を拘束した状態で、しかも少なくとも内周の一部
分を自由にした状態で軸方向に圧縮加工すること
によつて、径方向により高い磁気特性を示す磁石
を得ることができる。
に平行に磁化容易方向を有する多結晶Mn−Al−
C系合金磁石(面異方性磁石)からなる場合に
は、塑性加工前のビレツトはすでに、前述したよ
うに系方向と弦方向を含む平面内のすべての方向
に高い磁気特性を示しているが、ビレツトの外周
を拘束した状態で、しかも少なくとも内周の一部
分を自由にした状態で軸方向に圧縮加工すること
によつて、径方向により高い磁気特性を示す磁石
を得ることができる。
前述した圧縮加工は、必ずしも連続的な圧縮加
工である必要はなく、複数回に分割して与えても
良い。また、前記の圧縮加工を施したビレツトを
さらにビレツトの一部分にビレツトの軸方向に圧
縮加工を施すことによつて、圧縮加工を施された
部分は径方向により高い磁気特性を示す磁石とな
る。この圧縮加工も、複数回に分割して与えても
良い。
工である必要はなく、複数回に分割して与えても
良い。また、前記の圧縮加工を施したビレツトを
さらにビレツトの一部分にビレツトの軸方向に圧
縮加工を施すことによつて、圧縮加工を施された
部分は径方向により高い磁気特性を示す磁石とな
る。この圧縮加工も、複数回に分割して与えても
良い。
前述した圧縮加工の一例をビレツトの形状を円
筒として説明すると、第4図aに加工前の状態の
断面を示す。1はビレツト、2,3はポンチ、3
は外型である。第4図aに示すように外型4によ
つてビレツト1の外周を拘束する。なお、ここで
いう拘束というのは、加工前後のビレツトの外径
の変化がほとんどないようなものだけをいうので
はない。第4図に示したような金型を用いる場合
には外型4にビレツト1を挿入しやすくするため
に適当なクリアランスを取る必要がある。しかも
第4図aに示すように、ビレツトと内周は外周と
違つて金型等によつて拘束せず自由な状態であ
る。しかし、ここでいう内周を自由にした状態と
いうのは、塑性加工直前の状態をいい、例えば所
定の圧縮ひずみを与えた後は、内周を成形する目
的で金型等によつて拘束しても良い。また、前記
の圧縮加工を行うためには、少なくとも内周の一
部分が自由な状態であれば良いが、ビレツトが中
空体の軸方向に磁化容易方向を有する多結晶Mn
−Al−C系合金磁石からなる場合は、前述した
様に前記の圧縮ひずみが対数ひずみの絶対値で
0.05以上必要である。しかし、実際の応用上磁石
の一部分を一軸異方性のままで磁化容易方向を保
存させておきたい場合は、ビレツトの一部分の内
周を拘束することによつて、局部的に軸方向に圧
縮ひずみを与えない領域を作る方法でもよい。
筒として説明すると、第4図aに加工前の状態の
断面を示す。1はビレツト、2,3はポンチ、3
は外型である。第4図aに示すように外型4によ
つてビレツト1の外周を拘束する。なお、ここで
いう拘束というのは、加工前後のビレツトの外径
の変化がほとんどないようなものだけをいうので
はない。第4図に示したような金型を用いる場合
には外型4にビレツト1を挿入しやすくするため
に適当なクリアランスを取る必要がある。しかも
第4図aに示すように、ビレツトと内周は外周と
違つて金型等によつて拘束せず自由な状態であ
る。しかし、ここでいう内周を自由にした状態と
いうのは、塑性加工直前の状態をいい、例えば所
定の圧縮ひずみを与えた後は、内周を成形する目
的で金型等によつて拘束しても良い。また、前記
の圧縮加工を行うためには、少なくとも内周の一
部分が自由な状態であれば良いが、ビレツトが中
空体の軸方向に磁化容易方向を有する多結晶Mn
−Al−C系合金磁石からなる場合は、前述した
様に前記の圧縮ひずみが対数ひずみの絶対値で
0.05以上必要である。しかし、実際の応用上磁石
の一部分を一軸異方性のままで磁化容易方向を保
存させておきたい場合は、ビレツトの一部分の内
周を拘束することによつて、局部的に軸方向に圧
縮ひずみを与えない領域を作る方法でもよい。
次にポンチ2とポンチ3を用いてビレツトの軸
方向に加圧することによつて、ビレツトは軸方向
に圧縮されて第4図bに示す状態になる。前述し
た様に、例えば中空体を円筒とすると、外周とい
うのは円筒の外側の表面をいい、内周というのは
円筒の内側の表面をいう。
方向に加圧することによつて、ビレツトは軸方向
に圧縮されて第4図bに示す状態になる。前述し
た様に、例えば中空体を円筒とすると、外周とい
うのは円筒の外側の表面をいい、内周というのは
円筒の内側の表面をいう。
さらにビレツトの一部にビレツトの軸方向に圧
縮ひずみを与える一例を第5図に示した。第5図
aは、加工前の状態の断面を示している。5は下
型、6は固定用ポンチ、7は可動用ポンチであ
る。固定用ポンチ6と下型5によつて、ビレツト
を固定及び拘束し、可動用ポンチ7によつてビレ
ツト1を加圧することにより第5図bの示す状態
になり、これによつてビレツトの外周部のみ圧縮
加工される。ビレツトの一部分を前記の例では外
周部としたが、他の主なものとして内周部とする
方法などがあり、特殊な用途に対してはそれぞれ
に適した部分にすればよい。
縮ひずみを与える一例を第5図に示した。第5図
aは、加工前の状態の断面を示している。5は下
型、6は固定用ポンチ、7は可動用ポンチであ
る。固定用ポンチ6と下型5によつて、ビレツト
を固定及び拘束し、可動用ポンチ7によつてビレ
ツト1を加圧することにより第5図bの示す状態
になり、これによつてビレツトの外周部のみ圧縮
加工される。ビレツトの一部分を前記の例では外
周部としたが、他の主なものとして内周部とする
方法などがあり、特殊な用途に対してはそれぞれ
に適した部分にすればよい。
前記の一例で述べた様に、本発明のビレツトの
外周を拘束した状態で、しかも少なくとも内周の
一部分を自由にした状態で、中空体の軸方向に圧
縮加工を施すことによつて、内周も拘束した部分
は前記の塑性加工前の異方性の方向を保存し、内
周を自由にした部分は径方向に高い磁気特性を示
すように異方性構造が変化する。
外周を拘束した状態で、しかも少なくとも内周の
一部分を自由にした状態で、中空体の軸方向に圧
縮加工を施すことによつて、内周も拘束した部分
は前記の塑性加工前の異方性の方向を保存し、内
周を自由にした部分は径方向に高い磁気特性を示
すように異方性構造が変化する。
前述したような圧縮加工の可能な温度範囲につ
いては、530〜830℃の温度領域において、加工が
行えたが、780℃を越える温度では、磁気特性が
かなり低下した。より望ましい温度範囲としては
560〜760℃であつた。
いては、530〜830℃の温度領域において、加工が
行えたが、780℃を越える温度では、磁気特性が
かなり低下した。より望ましい温度範囲としては
560〜760℃であつた。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
実施例 1
配合組成で69.5重量%(以下単に%で示す)の
Mn、29.3%のAl、0.5%のC及び0.7%のNiを溶
解鋳造し、直径70mm、長さ60mmの円柱ビレツトを
作成した。このビレツトを1100℃で2時間保持し
た後、室温まで放冷する熱処理を行つた。次に潤
滑剤を介して、720℃の温度で直径45mmまでの押
出加工を行つた。さらに潤滑剤を介して680℃の
温度で直径31mmまでの押出加工を行つた。この押
出棒を長さ20mmに切断し、切削加工して、外径30
mm、内径15〜24mmの円筒ビレツトを数個作成し
た。このビレツトを用いて、第4図に示したよう
な金型を用いて円筒の外周を拘束し、しかも内周
を自由な状態にしながら680℃の温度で圧縮ひず
みを変えた塑性加工を行つた。なお第4図におい
て、外型4の内径は30mmである。加工後のビレツ
トから一辺約4mmの立方体試料を切り出し磁気特
性を測定した。なお、立方体の各辺は軸方向、径
方向及び弦方向に平行になるようにした。圧縮ひ
ずみεzに対する残留磁束密度Brの変化を第6図
に示す。第6図に示すようにεzが0.05で径方向の
Brは、軸方向のBrに比して大きくなり、εzがさ
らに大きくなると、さらに径方向のBrは増加す
る。この図からわかるように軸方向から径方向へ
磁化容易方向の転換がεzが0.05までの範囲で著し
く進行する。
Mn、29.3%のAl、0.5%のC及び0.7%のNiを溶
解鋳造し、直径70mm、長さ60mmの円柱ビレツトを
作成した。このビレツトを1100℃で2時間保持し
た後、室温まで放冷する熱処理を行つた。次に潤
滑剤を介して、720℃の温度で直径45mmまでの押
出加工を行つた。さらに潤滑剤を介して680℃の
温度で直径31mmまでの押出加工を行つた。この押
出棒を長さ20mmに切断し、切削加工して、外径30
mm、内径15〜24mmの円筒ビレツトを数個作成し
た。このビレツトを用いて、第4図に示したよう
な金型を用いて円筒の外周を拘束し、しかも内周
を自由な状態にしながら680℃の温度で圧縮ひず
みを変えた塑性加工を行つた。なお第4図におい
て、外型4の内径は30mmである。加工後のビレツ
トから一辺約4mmの立方体試料を切り出し磁気特
性を測定した。なお、立方体の各辺は軸方向、径
方向及び弦方向に平行になるようにした。圧縮ひ
ずみεzに対する残留磁束密度Brの変化を第6図
に示す。第6図に示すようにεzが0.05で径方向の
Brは、軸方向のBrに比して大きくなり、εzがさ
らに大きくなると、さらに径方向のBrは増加す
る。この図からわかるように軸方向から径方向へ
磁化容易方向の転換がεzが0.05までの範囲で著し
く進行する。
第6図に示す様に、公知の圧縮加工によるもの
に比較すると、非常に小さな圧縮ひずみで高い磁
気特性を示している。
に比較すると、非常に小さな圧縮ひずみで高い磁
気特性を示している。
このことは、換言すれば圧縮加工によるもので
は径方向に高い磁気特性を得るには大きな圧縮ひ
ずみを必要とするが、本発明の方法によると小さ
な圧縮ひずみで、高い磁気特性の磁石を得ること
ができる。
は径方向に高い磁気特性を得るには大きな圧縮ひ
ずみを必要とするが、本発明の方法によると小さ
な圧縮ひずみで、高い磁気特性の磁石を得ること
ができる。
さらにεz=0.69の加工を施したビレツトを外径
28mm、内径14mm、長さ10mmの円筒磁石として、6
極で第1図に示したような径方向着磁を施した。
着磁は2000μFのオイルコンデンサーを用い
1500Vでパルス着磁した。外周部の表面磁束密度
をホール素子で測定した。比較のために、前記の
直径31mmの押出棒を長さ20mmに切断し、切削加工
して直径20mm、長さ20mmの円柱ビレツトを作成
し、潤滑剤を介して680℃の温度で円柱軸方向に
自由圧縮した。なお、圧縮ひずみは0.69であつ
た。加工後のビレツトは面異方性磁石であり、前
記と同様に円筒状に切削加工して、着磁し、表面
磁束密度を測定した。
28mm、内径14mm、長さ10mmの円筒磁石として、6
極で第1図に示したような径方向着磁を施した。
着磁は2000μFのオイルコンデンサーを用い
1500Vでパルス着磁した。外周部の表面磁束密度
をホール素子で測定した。比較のために、前記の
直径31mmの押出棒を長さ20mmに切断し、切削加工
して直径20mm、長さ20mmの円柱ビレツトを作成
し、潤滑剤を介して680℃の温度で円柱軸方向に
自由圧縮した。なお、圧縮ひずみは0.69であつ
た。加工後のビレツトは面異方性磁石であり、前
記と同様に円筒状に切削加工して、着磁し、表面
磁束密度を測定した。
以上の両者の値を比較すると、本発明の方法で
得た磁石の表面磁束密度の値は、面異方性磁石の
それの約1.4倍であつた。
得た磁石の表面磁束密度の値は、面異方性磁石の
それの約1.4倍であつた。
さらに、本発明のさきほど着磁した磁石を第5
図に示すような金型を用いて680℃の温度で外周
部のみ圧縮加工した。なおポンチ6の外径(ポン
チ7の内径)は22mmである。加工後の外周部の長
さは8mmであつた。加工後のビレツトを切削加工
し外径28mm、内径14mmとして前記と同様に着磁し
て、局部的な加工の前後で表面磁束密度の値を比
較すると、加工後の方が0.2kG高くなつた。
図に示すような金型を用いて680℃の温度で外周
部のみ圧縮加工した。なおポンチ6の外径(ポン
チ7の内径)は22mmである。加工後の外周部の長
さは8mmであつた。加工後のビレツトを切削加工
し外径28mm、内径14mmとして前記と同様に着磁し
て、局部的な加工の前後で表面磁束密度の値を比
較すると、加工後の方が0.2kG高くなつた。
実施例 2
実施例1で得た直径31mmの押出棒を50mmに切断
して、潤滑剤を介して680℃の温度で直径22mmま
での押出加工を行つた。この押出棒を長さ20mmに
切断し、潤滑剤を介して680℃の温度で軸方向に
自由圧縮加工を施した。加工後のビレツトを切削
加工して外径30mm、内径22mm、長さ10mmの円筒体
とし、2個重ね合せて、第4図に示したような金
型を用いて(実施例1と同じ金型を用いて)680
℃の温度で円筒の外周を拘束し、しかも内周を自
由な状態にしながら圧縮加工した。加工後のビレ
ツトの長さは10mmであつた。加工後のビレツトを
実施例1と同様に切削加工した後、着磁して表面
磁束密度を測定したところ、実施例1で得た磁石
(局部的な圧縮加工前の磁石)と同様であつた。
して、潤滑剤を介して680℃の温度で直径22mmま
での押出加工を行つた。この押出棒を長さ20mmに
切断し、潤滑剤を介して680℃の温度で軸方向に
自由圧縮加工を施した。加工後のビレツトを切削
加工して外径30mm、内径22mm、長さ10mmの円筒体
とし、2個重ね合せて、第4図に示したような金
型を用いて(実施例1と同じ金型を用いて)680
℃の温度で円筒の外周を拘束し、しかも内周を自
由な状態にしながら圧縮加工した。加工後のビレ
ツトの長さは10mmであつた。加工後のビレツトを
実施例1と同様に切削加工した後、着磁して表面
磁束密度を測定したところ、実施例1で得た磁石
(局部的な圧縮加工前の磁石)と同様であつた。
本発明は、実施例によつて述べたように、あら
かじめ異方性化した多結晶Mn−Al−C系合金磁
石からなる中空体状のビレツトに、ビレツトの外
周を拘束した状態で、しかも少なくとも内周の一
部分を自由にした状態で、中空体の軸方向に圧縮
加工を施すことによつて、径方向に高い磁気特性
を有する磁石を得るものである。
かじめ異方性化した多結晶Mn−Al−C系合金磁
石からなる中空体状のビレツトに、ビレツトの外
周を拘束した状態で、しかも少なくとも内周の一
部分を自由にした状態で、中空体の軸方向に圧縮
加工を施すことによつて、径方向に高い磁気特性
を有する磁石を得るものである。
公知の方法によつて得られる磁石と比較する
と、圧縮加工によるものと比較すると、本発明で
は、小さな圧縮ひずみで径方向に高い磁気特性を
示し、不均一変形や不変形帯等の問題もなく、複
合加工法による面異方性磁石と比較すると、多極
着磁した場合より高い特性が得られる。
と、圧縮加工によるものと比較すると、本発明で
は、小さな圧縮ひずみで径方向に高い磁気特性を
示し、不均一変形や不変形帯等の問題もなく、複
合加工法による面異方性磁石と比較すると、多極
着磁した場合より高い特性が得られる。
本発明で得られる永久磁石は、高性能な多極着
磁に適する磁石であり、モータ、ジエネレータ、
メータ類など多方面への応用が可能である。
磁に適する磁石であり、モータ、ジエネレータ、
メータ類など多方面への応用が可能である。
第1図は円筒状磁石の径方向に多極着磁を施し
た場合の磁石内部での磁路の形成を模式的に示す
図、第2図は円筒状磁石の外周に多極着磁を施し
た場合の磁石内部での磁路の形成を模式的に示す
図、第3図は円筒状磁石の内周に多極着磁を施し
た場合の磁石内部での磁路の形成を模式的に示す
図、第4図及び第5図は本発明の塑性加工の一例
を示す金型の一部の断面図、第6図は実施例1で
の圧縮ひずみに対する残留磁束密度Brの変化を
示す図である。 1……ビレツト、2,3……ポンチ、4……外
型、5……下型、6……固定用ポンチ、7……可
動用ポンチ。
た場合の磁石内部での磁路の形成を模式的に示す
図、第2図は円筒状磁石の外周に多極着磁を施し
た場合の磁石内部での磁路の形成を模式的に示す
図、第3図は円筒状磁石の内周に多極着磁を施し
た場合の磁石内部での磁路の形成を模式的に示す
図、第4図及び第5図は本発明の塑性加工の一例
を示す金型の一部の断面図、第6図は実施例1で
の圧縮ひずみに対する残留磁束密度Brの変化を
示す図である。 1……ビレツト、2,3……ポンチ、4……外
型、5……下型、6……固定用ポンチ、7……可
動用ポンチ。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 あらかじめ異方性化した多結晶マンガン−ア
ルミニウム−炭素系合金磁石からなる中空体状の
ビレツトに、530〜830℃の温度で、ビレツトの外
周を拘束した状態で、しかも少なくとも内周の一
部分を自由にした状態で、中空体の軸方向に圧縮
加工を施すことを特徴とするマンガン−アルミニ
ウム−炭素系合金磁石の製造法。 2 前記ビレツトが、中空体の軸方向に磁化容易
方向を有する多結晶マンガン−アルミニウム−炭
素系合金磁石からなり、しかも前記圧縮ひずみが
対数ひずみの絶対値で0.05以上である特許請求の
範囲第1項記載のマンガン−アルミニウム−炭素
系合金磁石の製造法。 3 前記ビレツトが、中空体の軸方向に垂直な平
面に平行に磁化容易方向を有し、しかも前記平面
内では磁気的に等方性であり、かつ前記軸方向と
前記平面に平行な直線を含む平面内では異方性で
ある多結晶マンガン−アルミニウム−炭素系合金
磁石からなる特許請求の範囲第1項記載のマンガ
ン−アルミニウム−炭素系合金磁石の製造法。 4 あらかじめ異方性化した多結晶マンガン−ア
ルミニウム−炭素系合金磁石からなる中空体状の
ビレツトに、530〜830℃の温度で、ビレツトの外
周を拘束した状態で、しかも少なくとも内周の一
部分を自由にした状態で、中空体の軸方向に圧縮
加工を施した後、さらにビレツトの一部分に、中
空体の軸方向に圧縮加工を施すことを特徴とする
マンガン−アルミニウム−炭素系合金磁石の製造
法。 5 前記ビレツトが中空体の軸方向に磁化容易方
向を有する多結晶マンガン−アルミニウム−炭素
系合金磁石からなり、しかも前記ビレツトの外周
を拘束にした状態で、少なくとも内周の一部分を
自由にした状態での圧縮加工の圧縮ひずみが、対
数ひずみの絶対値で0.05以上である特許請求の範
囲第4項記載のマンガン−アルミニウム−炭素系
合金磁石の製造法。 6 前記ビレツトが、中空体の軸方向に垂直な平
面に平行に磁化容易方向を有し、しかも前記平面
内では磁気的に等方性であり、かつ前記軸方向と
前記平面に平行な直線を含む平面内では異方性で
ある多結晶マンガン−アルミニウム−炭素系合金
磁石からなる特許請求の範囲第4項記載のマンガ
ン−アルミニウム−炭素系合金磁石の製造法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57065910A JPS58182208A (ja) | 1982-04-19 | 1982-04-19 | マンガン−アルミニウム−炭素系合金磁石の製造法 |
US06/486,242 US4579607A (en) | 1982-04-19 | 1983-04-18 | Permanent Mn-Al-C alloy magnets and method for making same |
EP83302204A EP0092422B1 (en) | 1982-04-19 | 1983-04-19 | Permanent mn-al-c alloy magnets and method for making same |
DE8383302204T DE3365406D1 (en) | 1982-04-19 | 1983-04-19 | Permanent mn-al-c alloy magnets and method for making same |
US06/784,661 US4648915A (en) | 1982-04-19 | 1985-09-30 | Permanent Mn-Al-C alloy magnets |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57065910A JPS58182208A (ja) | 1982-04-19 | 1982-04-19 | マンガン−アルミニウム−炭素系合金磁石の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS58182208A JPS58182208A (ja) | 1983-10-25 |
JPH0311523B2 true JPH0311523B2 (ja) | 1991-02-18 |
Family
ID=13300585
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP57065910A Granted JPS58182208A (ja) | 1982-04-19 | 1982-04-19 | マンガン−アルミニウム−炭素系合金磁石の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS58182208A (ja) |
-
1982
- 1982-04-19 JP JP57065910A patent/JPS58182208A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS58182208A (ja) | 1983-10-25 |
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