JPH03115193A - ダイヤモンドの製造方法 - Google Patents

ダイヤモンドの製造方法

Info

Publication number
JPH03115193A
JPH03115193A JP25321689A JP25321689A JPH03115193A JP H03115193 A JPH03115193 A JP H03115193A JP 25321689 A JP25321689 A JP 25321689A JP 25321689 A JP25321689 A JP 25321689A JP H03115193 A JPH03115193 A JP H03115193A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diamond
substrate
boride
base body
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25321689A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Arai
荒井 真次
Masato Kamata
鎌田 真人
Atsuhito Sawabe
厚仁 澤邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP25321689A priority Critical patent/JPH03115193A/ja
Publication of JPH03115193A publication Critical patent/JPH03115193A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、ダイヤモンドの製造方法に係わり、特に、板
状、膜状、粒状等のダイヤモンド単体の製造に適したダ
イヤモンドの製造方法に関する。
(従来の技術) 近年、低圧下での気相成長法によるダイヤモンドの合成
が可能となり、この気相合成ダイヤモンドの種々の工業
的応用が提案されている(「ダイヤモンド薄膜」°犬塚
、澤邊、産業図書、1987年等参照)。
このダイヤモンドを気相から合成する方法として、各種
の化学気相成長法(CVD法)や物理気相成長法(PV
D法)が知られている。いずれの方法であっても、ダイ
ヤモンドの析出は、下地あるいは基板と呼ばれる基体の
表面に行われるのが一般的である。基体上に気相から合
成されたダイヤモンドは、基体に付いた状態で使用され
る用途と、何等かの方法で基体を除去したりあるいは基
体から分離された状態のダイヤモンド単体としての用途
が考えられる。例えば、基体に付いた状態のダイヤモン
ドは、工具被膜、耐食性保護膜、耐摩耗性摺動部材、ス
ピーカー用被覆振動板等に応用され、ダイヤモンド単体
は、ダイヤモンド膜を工具にろう付けした超硬チップ、
るつぼやパイプ等の成形体、スピーカー振動板、ヒート
シンク等への応用が検討されている(rNEW  DI
AMONDJ  Vol、3、No、3.1987年、
同Vo1.4、No、2.1988年等参照)。特に、
ダイヤモンド単体は、膜として利用する分野以外にも新
しい応用分野を開く材料として期待されている。例えば
、ダイヤモンドは、赤外から紫外の広い波長領域で高い
透光性を示すので、このような光学的特性を生かして超
精密光学機器用のレンズへの応用が考えられる。この場
合、ダイヤモンドとしては、基体に付いた膜状のものよ
りも、単体の方が好ましい。
ところで、このダイヤモンド単体の製造方法としては、
1000℃以上の耐熱性を有し、しかも熱伝導率の小さ
い素材からなる基体上に、気相成長法によりダイヤモン
ド膜を形成した後、基体を赤外線により加熱してダイヤ
モンド膜と基体との熱膨張差を利用して、ダイヤモンド
膜を剥離してダイヤモンド単体を得る方法が知られてい
る(特開昭80−141897号公報)。この方法では
、形成されたダイヤモンド膜と基体との付着力の強さを
考慮していないために、ダイヤモンドが基体に強固に付
着している場合にはダイヤモンドを基体表面から容易に
剥離できない。
一方、基体上にダイヤモンド膜を形成した後に基体を除
去する方法として、Stウェハー基板上にダイヤモンド
を析出させた後に基板を溶解除去することにより、ダイ
ヤモンド単体を分離する方法も知られている(特開昭8
1−151097号公報)。
さらに、ダイヤモンドとの熱膨張係数との整合性、ダイ
ヤモンドとの密着性に優れた素材を成形して得られた基
体を用い、ダイヤモンドを析出させた後に、この基体を
強酸等で溶解除去することにより、所定形状のダイヤモ
ンドを得る方法も知られている( rNEW  DIA
MONDJ Vo 1.3、No、3、p50.198
7年)。
しかし、上述の基体を溶解除去する方法は、基体を溶解
除去するのに長時間を要するために、製造効率が必ずし
も良いとは言えない。また、基体を形成する素材として
は、酸やアルカリ等の化学薬品で溶解できる物質である
ことが必要となり、基体として使用できる素材が制限さ
れてしまう。
さらに、基体は溶解されてしまうために、ダイヤモンド
の製造の都度に基体を準備する必要があり、製造コスト
の観点からも好ましくない。
ところで、ダイヤモンド膜を気相から析出させた場合、
使用する基体物質によってはダイヤモンド膜と基体との
界面付近に、基体物質と原料ガス構成成分に由来する、
炭化物等のある種の反応生成物が中間層として形成され
る。例えば、気相成長法によりSiウェハー基体上にダ
イヤモンド膜を形成した場合、基体とダイヤモンド膜と
の界面に基体を構成するSLやダイヤモンドとは相が異
なる第三の相が介在していることが観測されている( 
rNEW D I AMONDJ Vo 1.14、N
087.1989、plo)。基体とダイヤモンド膜と
の界面にどのような介在相が形成されるかはダイヤモン
ドの合成条件に依存し、ダイヤモンド以外の析出物とし
ての非晶質炭素やグラファイト、気相中に生成した化学
種と基体物質との反応生成物(炭化物等)等、結晶相、
非晶質相を問わず各種の介在相の形成が考えられる。例
えば、基体との反応生成物に関しては、SL基体を用い
た場合、SL基体上にSiCが中間層として形成される
ことが報告されている(「炭素材料学会節8回年令」昭
和58年12月、D6)。
このような中間層としての異種物質の介在は、ダイヤモ
ンドを基体と共に一体で使用する場合には、ダイヤモン
ド膜と基体との密着性の向上に対して効果的となる場合
がある。即ち、気相成長法により基体上に形成されたダ
イヤモンド膜と基体との密着性は、ダイヤモンド膜と基
体との界面の構造や界面に介在する介在層と密接な関係
があり、特に、介在層が重要な役割を果たすことが示唆
されている(「ダイヤモンド薄膜技術」総合技術センタ
ー、1988年、p1g8%p254)。−船釣には、
基体上に析出した膜の密着性は、基体物質と析出物質と
の熱膨張係数の差が小さいほど良く、また、基体と析出
層との界面付近に相互拡散層が形成されたり、合金や化
合物層が形成されることにより向上する。ダイヤモンド
膜をSi基体上に気相析出させた場合においても、熱膨
張係数がダイヤモンドとStに近い値をもち、ダイヤモ
ンドおよびSLと同じ様式の共有結合で結合するSiC
のような炭化物が中間層として介在することが密着性の
向上もしくは付着力の増加に寄与している推察できる。
例えば、W%M o 、T a s T i等の基体上
に気相析出したダイヤモンド膜の密着性は良好である、
換言するならば、基体とダイヤモンド膜との付着力が大
きいことが知られている。この理由としては、析出反応
中に、ダイヤモンド膜と基体との界面付近にそれぞれの
基体物質の炭化物が形成され、それらがダイヤモンド膜
と基体とを強く結合させるバインダーの役割を果たして
いると考えられている。
しかしながら、このような中間層としての異種物質の介
在は、ダイヤモンドを単体の部品として使用する場合は
、不要なものである。例えば、基体と分離した状態で使
用する光学部品としてダイヤモンドの特性を生かすには
、ダイヤモンドに異種物質が存在しない高純度のダイヤ
モンド単体であることが好ましい。また、ヒートシンク
や高熱伝導性が要求される部品として、ダイヤモンドの
もつ既存物質中最高の熱伝導率を最大隅に生かすには、
熱伝導率の低下をもたらす異種物質は避けなければなら
ない。このため、ダイヤモンドの気相合成時にダイヤモ
ンドと基体との界面付近に不可避的に生成した炭化物等
の異種物質を何等かの方法で除去する必要がある。しか
し、この異種物質をダイヤモンドから除去することは、
容易ではない。
(発明が解決しようとする課題) 上述したように、従来のダイヤモンドの製造方法では、
気相析出したダイヤモンド膜と基体との間に異種物質の
層が不可避的に形成されてしまい、異種物質を含まない
高純度のダイヤモンド単体を、効率良く得ることができ
なかった。
本発明の目的は高純度のダイヤモンド単体を効率良く製
造できるダイヤモンドの製造方法を提供することにある
[発明の構成] (課題を解決するための手段および作用)本発明は、炭
素を含むガスを分解して基体上にダイヤモンドを析出さ
せるダイヤモンドの製造方法において、少なくとも表面
に不活性物質からなる表面層を有する基体上にダイヤモ
ンドを析出させることを特徴とするダイヤモンドの製造
方法である。本発明において、析出したダイヤモンドと
前記基体との界面に剪断応力を発生させることにより、
析出したダイヤモンドを前記基体から分離することがで
きる。
ここで、不活性物質とは、ダイヤモンド以外の物質であ
って、基体物質の炭化物あるいは基体物質と炭素との反
応生成物あるいは基体物質と炭素の固溶体を形成しない
、もしくは形成しにくい物質を意味する。
この不活性物質としては、単元素物質としてのゲルマニ
ウム、銅、銀、白金、金、化合物としてのチタン硼化物
(TIBz、TIB)、バナジウA6化物(V B2 
、V3 B4 ) 、クロム硼化物(Cr2B%Cr5
 B3 、CrBs Cr3 B4、CrB2)、ジル
コニウム硼化物(ZrB2)、ニオブ硼化物(NbB2
、Nb、B4、NbB)、モリブデン硼化物(Mo2B
5 ) 、タンタル硼化物(T a B2 ) 、タン
グステン硼化物(W 2B5)、炭化けい素(S i 
C) 、炭化モリブデン(M o 2 C)のいずれか
が好ましい。これらの物質は、種々の物質について、そ
れらを基体として用−)たダイヤモンドの気相成長実験
を通じてその有効性を検討した結果、見出だされたもの
である。
本発明における基体は、全体が上記不活性物質で構成さ
れていても良いし、あるいは少なくともダイヤモンドを
析出させる面にこの不活性物質からなる表面層を有する
ものでも良い。即ち、CuやAg等の場合は、所定の形
状に成形加工して使用できるし、成形加工が困難な物質
や高価な物質の場合は、予め加工しやすい材料で作製し
た成形体の所定の表面をそれらの物質で被覆することに
よって基体として使用できる。特に、形状が複雑な基体
の場合には、必要な表面を真空蒸着法やスパッタリング
法等によって不活性物質で被覆したものを基体として使
用することが好ましい。不活性物質を被膜として用いる
場合は、1000Å以上の膜厚を有することが好ましい
本発明の製造方法は、炭素または炭素を構成成分とする
化学種を含有する原料ガスを放電または加熱によって分
解、励起する反応過程を制御することによって気相から
ダイヤモンドを析出させる方法に適応できる。例えば、
熱フィラメントによる熱分解を利用する化学気相成長法
、基体への電子衝撃により分解、励起を促進させる化学
気相成長法、マイクロ波放電や直流放電によるプラズマ
を用いた化学気相成長法、加速した炭素イオンの基体へ
の衝突を利用するイオンビーム蒸着法等があり、いずれ
の方法でも良い。
上述の気相成長法において用いられる原料ガスは、反応
過程でダイヤモンドに転換し得る炭素源としての炭素も
しくは炭素化合物のガスを含むものであれば良い。具体
的には、ガス化した炭素やメタン、エタン、プロパン、
アセチレン、アセトン、メタノール、エタノール、ブタ
ノール、アセトアルデヒド等の各種の炭化水素ガスや一
酸化炭素、二酸化炭素等のガスを挙げることができる。
化学気相成長法によって結晶性の良いダイヤモンドを製
造する場合、原料ガス中に水素を混入させることが好ま
しい。この水素の適量は反応条件によっても左右される
ために限定されないが、上述の炭素を成分とするガスと
水素ガスとの混合比としては、(炭素を成分とするガス
)/(水素ガス)−o、oot〜1.0の範囲とするこ
とが好ましい。
反応圧力については、ダイヤモンドの成長速度に深く係
わる条件であり、他の反応条件により左右されるので、
特に限定されない。一般には、圧力が高いと反応に寄与
する炭素の濃度が高まることに起因して成長速度が増加
する。結晶性の良いダイヤモンドを成長させるためには
合成反応の方法に応じた適切な圧力に設定する必要があ
る。例えば、プラズマを用いた化学気相成長法の場合、
0.1−1000Torrの範囲が望ましい。
ガスの流量については、反応によって消費された原料ガ
スを補充すると共に、反応によって生じた不要なガス成
分(ダイヤモンドの成長に寄与しないかもしくはダイヤ
モンドの成長に不都合となるガス成分)を反応容器外に
排出するために必要なガスの流れを生じさせるためにあ
る程度は必要であるが、合成方法や合成装置の大きさ等
に応じたガス流量であれば、特に、限定されない。
ダイヤモンド気相成長のための気相中での原料ガスの分
解、励起および基体上での析出反応を制御する条件とし
ては、特に限定されず、前述した各気相成長法に応じた
反応条件を設定すれば良い。
例えば、熱フイラメント法では、フィラメントを200
0℃程度に加熱することが望ましく、基体温度としては
700〜1000℃の範囲が好ましい。また、直流放電
を用いた化学気相成長法では、放電としては正規のグロ
ー放電よりもアーク放電側の領域を必要とするので、直
流印加電圧は、両極間距離および反応圧カ一定の条件下
における正規グロー放電時の両極間電圧と同等かまたは
高い値に設定することが好ましい。また、結晶性の良い
ダイヤモンドを成長させるためには、800〜1000
℃の範囲の比較的高温であることが好ましい。
成長したダイヤモンドを基体から分離するために行うダ
イヤモンドと基体との界面に剪断応力を作用させる方法
としては、界面が剪断面となるような方向で、ダイヤモ
ンドと基体とに外部から機械的に荷重を負荷する方法、
基体物質とダイヤモンドとの熱膨張係数の差を利用して
、基体あるいはダイヤモンドの一方もしくは双方を加熱
もしくは冷却することによって生じる体積変化率の差に
起因する応力を利用する方法を挙げることができる。
まず、機械的に剪断応力を発生させる方法としては、剪
断力の作用面が界面となるよ′うにダイヤモンドと基体
に荷重をかける装置もしくは機構をダイヤモンド成長装
置の反応容器内に設ける。さらに、この装置もしくは機
構を反応容器外から遠隔操作できる機構をも設けても良
い。荷重をかける装置もしくは機構は目的とするダイヤ
モンドの形態や基体の形態によって、また、ダイヤモン
ド析出反応条件に応じて、任意に設定することができる
。例えば、荷重として成長したダイヤモンドの自重を利
用する方法として、基体を固定しておき、荷重の作用方
向をダイヤモンドと基体との界面に平行な方向となるよ
うに、即ち、ダイヤモンドの成長方向に対して直角方向
となるようにダイヤモンドに負荷する。
このような機械的に剪断応力を発生させる方法は、ダイ
ヤモンドの気相析出反応を継続させた状態のままでも遠
隔操作によって基体からダイヤモンドを分離させること
が可能となるので、ダイヤモンド単体を連続的に製造す
る大量生産方式として好都合である。
一方、ダイヤモンドと基体との体積変化率に差を生じさ
せてダイヤモンドと基体との界面に剪断応力を発生させ
る方法としては、基体あるいはダイヤモンドの一方もし
くは双方を加熱もしくは冷却することができれば、任意
の方法を採用でき、成長装置や反応条件に好都合な方法
を採用できる。
例えば、ダイヤモンド析出反応を止めることによる基体
とダイヤモンドとの自然冷却を利用する方法や析出反応
を止めた後に反応容器に設置した光学窓を通じて赤外線
を照射するかあるいは反応容器内に設置したヒーターを
用いて加熱する方法が挙げられる。
このようなダイヤモンドと基体との体積変化率に差を生
じさせてダイヤモンドと基体との界面に剪断応力を発生
させる方法は、基体とダイヤモンドとの自らの冷却ある
いは反応容器外部からの操作による加熱によって、ダイ
ヤモンドが基体から分離されるために、反応容器を開放
すること無く同一基体を用いて析出反応を再開でき、ダ
イヤモンド単体を連続的に製造できる方法として好都合
である。
この両者の体積変化率の差を利用してダイヤモンドを基
体から分離させる場合、成長したダイヤモンド単体を損
傷することなく分離するためには、基体とダイヤモンド
との熱膨張率の差が5%以上であることが好ましい。
本発明によれば、気相からダイヤモンドを析出させるた
めの基体が、それ自体もしくはダイヤモンドが析出する
表面の表面層が、原料ガスに由来する炭素成分と反応し
ないかあるいは反応しにくい不活性物質で構成されてい
るために、ダイヤモンドと基体との界面付近には基体物
質の炭化物もしくは基体物質と炭素成分からなる反応生
成物あるいは固溶体が形成されることがない。従って、
基体物質に由来する成分を不純物として含まない高純度
のダイヤモンドを成長させることができる。
しかも、基体とダイヤモンドとの界面に、両者を結合さ
せるバインダーの役割を果たす第三の相、即ち、相互拡
散層や化合物層が形成されないので、両者の付着力が小
さい。従って、基体上に、板状、膜状、粒状等の最終的
な形態にまで成長させたダイヤモンドを基体から容易に
分離することができる。
また、上述したように、基体と成長したダイヤモンドと
の両者の付着力は小さいので、基体上に板状、膜状、粒
状等の最終的な形態にまで成長させたダイヤモンドを、
ダイヤモンドと基体との界面に剪断応力を発生させるこ
とにより、基体から分離し、成長装置を開放すること無
く引き続いて同一基体上にダイヤモンドを成長させるサ
イクルを繰り返して高純度のダイヤモンド単体を連続的
に製造でき、ダイヤモンドの大量生産が可能となる。
(実施例) 以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する
(実施例1) 基体への熱電子衝撃を併用した熱フイラメント化学気相
成長法により、第1図に示した気相成長装置を用いてダ
イヤモンド単体を製造した。この成長装置(1)は、石
英ガラス製の反応容器(2)を有する。この反応容器(
2)には、反応容器(2)に原料ガスを供給するガス供
給装置(図示せず)に接続されたガス供給口(3)およ
び反応によって生じた不要なガスを排出するための排気
袋faf(図示せず)に接続されたガス排出口(4)を
有する。また、この反応容器(2)内には、ダイヤモン
ドを析出するための基体(5)を固定するためのモリブ
デン製の基体ホルダー(6)が設けられている。この基
体ホルダー(8)の下部には、図示しない電源により付
勢され、基体(5)を所定の温度に調整する加熱ヒータ
(7)が設けられている。さらに、この基体ホルダー(
8)の上部には、反応容器(2)内に導入された原料ガ
スを分解するためのタングステン製のフィラメント(8
)が配置されている。このフィラメント(8)はモリブ
デン製の給電治具(9)に固定されると共に、給電治具
(9)を介して電源(図示せず)から給電される。こら
れの基体ホルダー(8)とフィラメント(8)との間に
は、基体ホルダー(6)上の基体(5)に正電位が印加
されるように、直流電源(lO)が接続されている。
ところで、上記反応容器(2)内に配置された基体(5
)としては、第2図に示すように、<111 >面のゲ
ルマニウム単結晶を直径20鰭、厚さ3+amのディス
ク状に加工したものを用いた。この基体(5)では、ダ
イヤモンドを析出させる析出面(11)は鏡面仕上げを
施し、端部析出面(12)はエメリー紙(800番)に
よる研磨仕上げを施した後、結晶核発生密度を増加させ
るために、ダイヤモンド粉末による傷付は処理を施した
上述した気相成長装置(1)内に上記基体(5)を配置
し、以下の通り、ダイヤモンドを析出した。
まず、反応容器(2)内を1o−6Torrに排気後、
フィラメント(8)を2000℃に加熱しながら、メタ
ン/水素の容積比が1799の混合ガスを圧力20To
rrs流量2’Occ/分の条件で反応容器(2)内に
流すと共に、基体ホルダー(6)に正の、フィラメント
(8)に負の直流電位120vを印加しながら、基体(
5)の温度を850℃に保持した。加熱ヒータ(7)は
基体(5)の温度を調整するための補助加熱源として用
いた。
析出反応を40時間継続させ、基体(5)上に厚膜を形
成させた後、ガスの供給、フィラメント(8)およびヒ
ータ(7)による加熱、基体(5)への電位印加を中止
した。基体(5)および析出した厚膜が自然冷却される
のを待って、ピンセットにより厚膜をつまんだところ、
厚膜は容易に基体(5)から剥離することができた。こ
の厚膜をX線回折およびラマン分光で分析したところ、
結晶面間隔およびラマンバンドは天然ダイヤモンドの値
に一致し、この厚膜は結晶性の良いダイヤモンドである
ことが確認された。また、このダイヤモンド膜の膜厚は
約50μmであった。
身このダイヤモンド膜の基体面側をSEMにより観察し
た結果、基体の析出面(11)に接触していた部分の表
面は鏡面であり、また、基体の端部析出面(12)に接
触していた部分の表面は、端部析出面(12)の表面粗
さをそのままトレースしたような形態になっていること
が、夫々観察された。さらに、このダイヤモンド膜につ
いて、基体と接触していた部分の表面層を2次イオン質
量分析計により分析した結果、基体物質であるゲルマニ
ウムは検出されなかつた。このように、ゲルマニウムか
ら成る基体を用いることにより、基体物質に由来する成
分を不純物として含まない高純度のダイヤモンド単体を
製造することができた。
比較例として、チタンからなる基体を用い、他の条件は
上記実施例と同じ条件でダイヤモンドを製造した。その
結果、基体上にダイヤモンドが析出したものの、このダ
イヤモンドは基体に強固に付着しており、機械的に基体
から分離することができなかった。そこで、ダイヤモン
ドが付着した状態で基体を弗化水素酸で溶解して、ダイ
ヤモンドを分離した。さらに、基体とダイヤモンドとの
界面付近にはチタン炭化物が生成していると予想して、
このチタン炭化物を溶解除去するために王水に長時開校
した。こうして得られたダイヤモンド膜について、基体
側の表面をイオンマイクロアナライザーによって分析し
た結果、チタンが検出された。従って、チタンから成る
基体を用いた場合、得られたダイヤモンド膜は基体物質
に由来する成分を不純物を含んでおり、しかもこの不純
物を容易に除去することはできなかった。
(実施例2) 本実施例は、反応容器を開放すること無く、基体上に析
出したダイヤモンド単体を連続的に製造する方法である
。この実施例に用いられる気相成長装置を第3図に示す
。第3図に示した気相成長装置は、析出したダイヤモン
ドと基体との界面が重力に対して平行となるように、即
ち、析出したダイヤモンドと基体との界面に平行に剪断
応力が生じるように、基体を配置している以外は、第1
図の装置と同様であり、同一のものには同一の符号を付
し、詳細な説明は省略する。この装置(20)の反応容
器(2)内には、基体(21)が固定される基体ホルダ
ー(6)を挟んで左右に加熱ヒータ(7)およびフィラ
メント(8)が配置されている。この基体(21)の下
部には、基体(21)上に析出した後分離されるダイヤ
モンド膜を連続的に回収するトレー(22)が配置され
ている。
ところで、この基体(21)としては、実施例1で用い
られたと同様なくiti>面のゲルマニウム単結晶を直
径201111%厚さ3mmのディスク状に加工したも
のを用いた。この基体(21)の析出面(直径20龍の
円)は鏡面に仕上げられた後、結晶核発生密度を増加さ
せるためにダイヤモンド粉末による傷付は処理を施され
た。
この基体(21)を気相成長装置(20)内に配置して
、実施例1と同一の成長条件でダイヤモンドを基体(2
1)上に析出させた。
析出反応を120時間継続させて基体(21)上に厚膜
を形成させた後、原料ガスの供給、加熱し−タ(7)お
よびフィラメント(8)による加熱並びに基体(21)
への給電を中止した。この後、基体(21)と厚膜は自
然冷却されると共に、厚膜が基体(21)から剥離して
トレー(22)に落下して、回収された。
さらに、反応容器(2)を開放することなく、引き続い
て、原料ガスの供給、加熱ヒータ(7)およびフィラメ
ント(8)による加熱並びに基体(21)への給電を再
開し、上記と同一条件で析出反応を継続して、再度厚膜
を形成した。再び、上記と同様に、析出反応を中止して
基体(21)と析出した厚膜とを自然冷却することによ
り、析出した厚膜を基体(21)から分離してトレー(
22)に回収できた。
この回収された厚膜について実施例1と同様な分析を行
った結果、この厚膜は結晶性の良いダイヤモンドであり
、しかも、基体と接触していた部分の表面層からはゲル
マニウムは検出されなかった。
比較例として、チタンから成る基体を用いてこの実施例
と同様にダイヤモンドを製造した。その結果、ダイヤモ
ンド膜は形成されたものの、析出反応を中止して基体お
よび析出した厚膜を自然冷却しても、厚膜は基体から剥
離することはなかった。これは、チタンが炭化物を形成
しやすために、基体と厚膜との界面付近にチタン炭化物
の中間層が形成され、基体とダイヤモンドの厚膜との付
着力が大きくなったためである。
このように、本実施例によれば、基体と析出したダイヤ
モンドとの界面に剪断応力を発生させることにより、不
純物の含まない高純度のダイヤモンド単体を、反応容器
を開放すること無く同一基体を用いて析出、基体からの
分離、回収のサイクルを繰り返すことによって、連続的
に製造できる。
(実施例3) この実施例では、第4図に示したように、直径20mm
、厚さ3關のMO製の基板(31)の表面に、厚さ1μ
mのSIC薄膜からなる析出面(32)を有する基体(
30)を用いて、実施例1と同様な気相成長装置により
、実施例1と同一析出条件で、ダイヤモンドを製造した
その結果、実施例1と同様な、高純度のダイヤモンド単
体が得られた。
(実施例4) この実施例では、第5図に示したように、直径20m5
+1厚さ3mmのZr製の基板(41)の表面に、厚、
lさ、、、jOQ 0人のZr、B2薄膜からなる析出
面(42)を有、する基体(40)を用いて、実施例1
と同様な気相成長装置により、実施例1と同一析出条件
で、ダイヤモンドを製造した。
その結果、実施例1と同様な、高純度のダイヤモンド単
体が得られた。
【発明の効果] 以上の様に、本発明によれば、高純度のダイヤモンド単
体を効率良く製造できるダイヤモンドの製造方法を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例に用いられる気相成長装
置を示す断面図、第2図は本発明の第1の実施例に用い
られる基体を示す斜視図、第3図は本発明の第2の実施
例に用いられる気相成長装置を示す断面図、第4図は本
発明の第3の実施例に用いられる基体を示す断面図、第
5図は本発明の第4の実施例に用いられる基体を示す断
面図である。 1.20・・・気相成長装置、 2・・・反応容器、5
.21.30.4◎・・・基体、 7・・・加熱ヒータ、 11、82.42・・・析出面、 6・・・基体ホルダー 8・・・フィラメント、 12・・・端部析出面。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)炭素を含むガスを分解して基体上にダイヤモンド
    を析出させるダイヤモンドの製造方法において、少なく
    とも表面に不活性物質からなる表面層を有する基体上に
    ダイヤモンドを析出させることを特徴とするダイヤモン
    ドの製造方法。
  2. (2)析出したダイヤモンドと前記基体との界面に剪断
    応力を発生させることにより、析出したダイヤモンドを
    前記基体から分離することを特徴とする請求項1記載の
    ダイヤモンドの製造方法。
  3. (3)前記不活性物質が、単元素物質としてのゲルマニ
    ウム、銅、銀、白金、金、化合物としてのチタン硼化物
    (TiB_2、TiB)、バナジウム硼化物(VB_2
    、V_3B_4)、クロム硼化物(Cr_2B、Cr_
    5B_3、CrB、Cr_3B_4、CrB_2)、ジ
    ルコニウム硼化物(ZrB_2)、ニオブ硼化物(Nb
    B_2、Nb_3B_4、NbB)、モリブデン硼化物
    (Mo_2B_5)、タンタル硼化物(TaB_2)、
    タングステン硼化物(W_2B_5)、炭化けい素(S
    iC)、炭化モリブデン(Mo_2C)のいずれかであ
    ることを特徴とする請求項1または2記載のダイヤモン
    ドの製造方法。
JP25321689A 1989-09-28 1989-09-28 ダイヤモンドの製造方法 Pending JPH03115193A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25321689A JPH03115193A (ja) 1989-09-28 1989-09-28 ダイヤモンドの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25321689A JPH03115193A (ja) 1989-09-28 1989-09-28 ダイヤモンドの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH03115193A true JPH03115193A (ja) 1991-05-16

Family

ID=17248177

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25321689A Pending JPH03115193A (ja) 1989-09-28 1989-09-28 ダイヤモンドの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH03115193A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5863324A (en) * 1995-08-04 1999-01-26 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Process for producing single crystal diamond film

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5863324A (en) * 1995-08-04 1999-01-26 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Process for producing single crystal diamond film

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3136307B2 (ja) 電子用途用ダイヤモンド載置基板
US5124179A (en) Interrupted method for producing multilayered polycrystalline diamond films
US5186973A (en) HFCVD method for producing thick, adherent and coherent polycrystalline diamonds films
EP0413834B1 (en) Diamond-covered member and process for producing the same
US5147687A (en) Hot filament CVD of thick, adherent and coherent polycrystalline diamond films
JP2002506786A (ja) ホット・フィラメントdcプラズマを用いたダイヤモンドの核形成および堆積のための装置および方法
JPH01282999A (ja) 音響用振動板及びその製造法
JPH0477711B2 (ja)
JPH0535221B2 (ja)
JPH05109625A (ja) 半導体の単結晶をエピタキシヤル成長させるための多結晶質cvdダイヤモンド基体
US5110405A (en) Method of manufacturing single-crystal diamond particles
CN105543803B (zh) 一种硬质合金衬底的金刚石/碳化硼复合涂层及制备方法
TWI718800B (zh) 鑽石成核方法及使用其形成的結構
JPH0948694A (ja) 単結晶ダイヤモンド膜の形成方法
JP2005219962A (ja) ダイヤモンド単結晶基板及びその製造方法
US5626908A (en) Method for producing silicon nitride based member coated with film of diamond
JPS62202897A (ja) ダイヤモンドの製造方法
JPH01317197A (ja) ダイヤモンド薄膜基板およびその製法
JPH03115193A (ja) ダイヤモンドの製造方法
JPH04157157A (ja) 人工ダイヤモンド被覆材の製造方法
JPH01157412A (ja) ダイヤモンド膜付基板の製造方法
JPH04139091A (ja) ダイヤモンドの製造方法
JPH03115572A (ja) 基体に対する合成ダイヤモンド被膜の密着性を向上させる方法
JP2582765B2 (ja) ダイヤモンド製造装置
JPH07116606B2 (ja) ダイヤモンド被覆炭素部材