JPH0311411Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） この考案は、燃料タンクからエンジンのキヤブ
レーターに供給される燃料を一定の圧力に保つの
に利用される燃料配管構造に関するものである。

（従来の技術） 従来、上記のような燃料配管構造としては、例
えば、燃料タンク内に設置した燃料ポンプと、エ
ンジンのキヤブレーターとを供給パイプで接続
し、この供給パイプのキヤブレーター直前に戻し
パイプを接続して該戻しパイプを燃料タンクに接
続すると共に、前記供給パイプとの接続部分にオ
リフイスを設けたものがあつた。

そして、前記燃料ポンプで多量の燃料を圧送す
ると、戻しパイプに設けたオリフイスが余分な燃
料を燃料タンクに戻すことができるようにしてい
る。そこで、前記オリフイスの口径を適切なもの
にすることによつてキヤブレーターに供給される
燃料を所定の圧力（アイドリング状態で0.3Kg
ｆ／m²以下）に保つことができると共に、供給パ
イプ内での燃料流動性を良くしてベーパー・ロツ
ク現象を防止することができる。

（考案が解決しようとする問題点） 上記した従来の燃料配管構造は、一槽式の燃料
タンクに適用する場合には製造コストの点からも
有効なものである。しかし、近年車両に対してさ
まざまな要求があり、そのなかにはトランク容量
の拡大および室内スペースの拡張という相反する
要求がある。このため、特に後輪駆動車および四
輪駆動車の場合には、燃料タンクの設置場所が制
約を受けるので、燃料タンクを２槽に分割して
別々に設置する構造のものや、２槽の燃料タンク
を連結してドライブシヤフトを避けるような形状
でリヤタイヤ間に設置するものなどが提案されて
いる。

このような２槽式の燃料タンクに、上記の燃料
配管構造を適用した場合には、キヤブレーターに
対して燃料を圧送する燃料ポンプを一方の槽に設
置し、他方の槽から前記一方の槽に燃料を燃料ポ
ンプで供給する必要があつた。そのため、各燃料
タンク内に役割の異なる燃料ポンプを設置する
と、従来の一槽式の燃料タンクに比べて製造コス
トが掛るという問題点があつた。

（考案の目的） そこでこの考案は、上述した従来の問題点に着
目してなされたもので、２槽式燃料タンクにおけ
る槽と槽との間の燃料供給を行うことができると
共に、キヤブレーターへの燃料を所定の圧力に保
つことができ、しかも低コストで設置できるよう
にした燃料配管構造を提供することを目的として
いる。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するためのこの考案による燃
料配管構造の構成は、燃料ポンプで圧送された燃
料をエンジンのキヤブレーターに供給する供給パ
イプと、前記キヤブレーターの直前で前記供給パ
イプに接続して前記燃料を燃料タンクに返す戻し
パイプと、前記戻しパイプに接続した噴流ポンプ
を備え、２槽式燃料タンクの一方の槽内に前記燃
料ポンプおよび噴流ポンプを設置すると共に、他
方の槽内に連通する吸入パイプを前記噴流ポンプ
に接続し、且つ前記噴流ポンプのノズルの口径を
0.7〜1.2mmにしてキヤブレーターに供給される燃
料を所定の圧力に保つことを特徴としている。

（実施例） 以下、この考案を図面に基づいて説明する。

第１図および第２図は、この考案による燃料配
管構造の一実施例を示す図である。

第１図において、１は燃料ポンプである。この
燃料ポンプ１は、燃料タンク２内に設置するイン
タンク式の燃料ポンプである。

前記燃料タンク２は、２つの槽２ａ，２ｂが上
部側で連結され、後輪３ａ，３ｂ間に設置してあ
る。つまり、前記燃料タンク２は、デイフアレン
シヤルケース４を避けるような形状にしてある。

そして、前記燃料ポンプ１は、燃料タンク２の
左側の槽２ａ内に設置してあると共に、供給パイ
プ１０を介してエンジン１１のキヤブレーター１
２に接続している。

また、前記供給パイプ１０には、キヤブレータ
ー１１の直前に戻しパイプ１３の一方が接続して
いる。そして、前記戻しパイプ１３の他方には、
燃料タンク２の槽２ａ内に設置した噴流ポンプ１
４が接続している。

前記噴流ポンプ１４は、第２図にも示すよう
に、戻しパイプ１３が接続する駆動管２１と、こ
の駆動管２１に先端に口径φdが0.7〜1.2mm位で設
けたノズル２２と、燃料タンク２の右側の槽２ｂ
に連通する吸入パイプ２３を介して燃料を吸い込
む吸入管２４と、のど部２５と、デイフユーザ部
２６とを備えている。

次に、上記構成による燃料配管構造の作用につ
いて説明する。

まず、エンジン１１を始動させるために図示し
ないイグニツシヨンスイツチをON状態にする
と、燃料ポンプ１を始動して燃料の圧送を開始す
る。次いで、圧送された燃料は供給パイプ１０を
通つてキヤブレーター１２に供給される。この場
合の供給パイプ１０を通る燃料の流量は、ベーパ
ー・ロツク現象を防止するためにキヤブレーター
１２が必要とする以上に送られている。そして、
余分な燃料は戻しパイプ１３を通つて燃料タンク
１に戻される。

このとき、燃料タンク２内で前記戻しパイプ１
３に接続する噴流ポンプ１４が、キヤブレーター
１２に供給される燃料を所定の圧力に保つてい
る。

すなわち、噴流ポンプ１４に設けたノズル２２
が、従来の戻しパイプにおいて供給パイプとの接
続部分に設けていたオリフイスと同様な働きをす
るため、キヤブレーター１２に供給される燃料を
所定の圧力に保つことができる。したがつて、こ
の実施例のように、ノズル２２の口径φdを0.7〜
1.2mm位に設定することによつて、アイドリング
運転状態のときキヤブレーター１２に供給される
燃料の圧力を0.3Kgｆ／m²以下にすることができ
る。

また、上記の状態でノズル２２から噴出する燃
料は、のど部２５を通つてデイフユーザ部２６内
に放出される。このとき、ノズル２２からの噴出
速度によつて当該噴流ポンプ１４内が負圧状態に
なり、吸入管２４が吸入パイプ２３を介して右側
の槽２ｂ内の燃料を吸入する。そして、のど部２
５でノズル２２から噴出する燃料と混合して、左
側の槽２ａ内に放出する。

したがつて、噴流ポンプ１４は、ノズル２２に
よつてキヤブレーター１２へ供給される燃料を所
定の圧力に保つ機能と、ノズル２２から噴出する
戻し燃料を利用して右側の槽２ｂの燃料を左側の
槽２ａに移す機能とを備えている。

なお、この実施例では、２つの槽２ａ，２ｂを
連結した形状の燃料タンク２を採用した場合を説
明したが、２つの槽を別々に設置した構造の燃料
タンクでも、この考案の技術的範囲に含まれるこ
とは言うまでもない。

〔考案の効果〕

以上説明してきたようにこの考案による燃料配
管構造によれば、戻しパイプと吸入パイプを接続
した噴流ポンプのノズルの口径を0.7〜1.2mmとし
たことにより、従来において戻しパイプに設けて
いた圧力調整用のオリフイスを廃止して、キヤブ
レーターに供給される燃料を所定の圧力（アイド
リング状態で0.3Kgｆ／m²以下）に保つ機能と、
２槽式の燃料タンクの槽と槽との間の燃料供給を
行う機能とを噴流ポンプで確保することができ、
さらに、トランク容量の拡大および室内スペース
の拡張という相反する要求から、後輪駆動車およ
び四輪駆動車が２槽式の燃料タンクを採用した場
合でも、低コストで２槽式の燃料タンクを採用で
きるという優れた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の燃料配管構造による一実施
例を示す概略説明図、第２図は第１図に示す噴流
ポンプ１４の構造を示す断面説明図である。 １……燃料ポンプ、２……燃料タンク、１０…
…供給パイプ、１１……エンジン、、１２……キ
ヤブレーター、１３……戻しパイプ、１４……噴
流ポンプ、２２……ノズル、２３……吸入パイ
プ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料ポンプで圧送された燃料をエンジンのキヤ
   ブレーターに供給する供給パイプと、前記キヤプ
   レーターの直前で前記供給パイプに接続して前記
   燃料を燃料タンクに返す戻しパイプと、前記戻し
   パイプに接続した噴流ポンプを備え、２槽式燃料
   タンクの一方の槽内に前記燃料ポンプおよび噴流
   ポンプを設置すると共に、他方の槽内に連通する
   吸入パイプを前記噴流ポンプに接続し、且つ前記
   噴流ポンプのノズルの口径を0.7〜1.2mmにしてキ
   ヤブレーターへ供給される燃料を所定の圧力に保
   つことを特徴とする燃料配管構造。