JPH0311121Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案は、例えばフロツピーデイスク等のよう
に、内部に例えばデイスクメデイア等の挿入物を
収納した袋状物を多数生産する工程で使用される
袋状物の供給装置に関し、特に、該袋状物内に前
記挿入物を正規に収納た状態で次行程に供給する
ための袋状物の供給装置に関する。

［従来技術］ 袋状物、特にその内部に傷付き易いものを挿入
した袋状物を梱包する場合に、その工程で、内部
の挿入物が傷つく事が従来から問題であつた。

一例として、第３図ａに示しているように、磁
気デイスク（フロツピデイスク）を大量生産する
場合に、メデイアを３方を閉塞したジヤケツトに
挿入した後、融着代を折曲げるようにしている。
従来では、この融着の際に、メデイアを傷付けな
いようにする事に細心の注意を払つていた。これ
は、特にジヤケツトにメデイアを自動挿入する工
程で、メデイアは、挿入後でも挿入の反動で、融
着代部分にまで飛び出してくる事が多かつたから
である。メデイアが飛び出したままで、融着代を
折り曲げれば、メデイアは当然に傷付くからであ
る。

［考案が解決しようとする課題］ そこで、従来では、折り曲げる前に、メデイア
ジヤケツトから飛び出ていないかを、人間の目や
装置で確認し、飛び出ている場合は、そのジヤケ
ツトを排除するか、メデイアを特別な装置で再度
押し込む等の措置を講じていた。しかしながら、
そのようなジヤケツトを排除することは歩留りの
低下に帰し、メデイアを押し込むような特別な装
置は高価なものとなる等の欠点があつた。

この内部挿入物が袋状物から飛び出てしまうと
いうことの問題は、上述の最終行程である融着行
程のみで問題となるものではない。融着行程に至
る過程でも傷を付ける等の問題は発生していた。
即ち、フロツピーデイスク等を大量に生産する場
合は、このように飛び出たメデイアを含むジヤケ
ツトが多数積み重ね、この中から１枚１枚取り出
して、折曲げ融着の最終工程に供給することが多
い。積み重ねられたジヤケツトの中から最上部の
ジヤケツトを１枚１枚、例えば、吸着式取り出し
装置等で取出す時に、この吸着装置は、最上部の
ジヤケツトを上から抑えつけて取り出すので、メ
デイアの飛び出た下層のジヤケツトは上層のジヤ
ケツトにより直接抑えつけられるので、付き易い
という問題もあつた。

即ち、このようなフロツピーデイスク等のよう
な袋状物の供給装置では、その袋状物を次行程に
供給する前に、内部の挿入物が一部でも外に飛び
出ていない状態にする必要があるのである。

［課題を達成するための手段及び作用］ 本考案は上記従来技術の欠点に鑑みなされたも
ので、その目的は、袋状物を次行程に供給する前
に、挿入物が完全に内部に収納されることを確実
にした供給装置を提供することである。

本考案の供給装置は、内部に挿入物を含んだ上
記袋状物が複数収納した供給装置のストツカに衝
撃を加える事により上記目的を達成する。

具体的には、この供給装置は、内部に挿入物を
包含し一部に開口を設けられた袋状物を、多数収
納したストツカーを有し、このストツカーを移動
して、次工程に内部の前記袋状物を供給する供給
装置であつて、前記袋状物内で前記挿入物の移動
可能な面方向にあつて、この袋状物の閉塞されて
いる部分から前記開口方向に向く衝撃を、前記ス
トツカに対して加える衝撃印加手段を具備するこ
とを特徴とする。

この衝撃印加手段が、上記方向の衝撃をストツ
カーに印加すると、挿入物は開口と反対方向に慣
性で移動する。しかして、袋状物は挿入物を挿入
した状態で次行程に供給することができる。

［考案の実施例］ 以下、図面を用いて本考案の一実施例を詳しく
説明する。その一例として、第３図に示したよう
な、最終融着前のフロツピデイスク用ジヤケツト
の供給装置に本願発明を適用した実施例を説明す
る。

第１図において、１は第３図ｂのように内部に
メデイアが挿入されたフロツピージヤケツトが多
数積層収納されているストツカである。ストツカ
１は第１の台２及第２の３の上に載り、その全体
が水平方向移動手段４により移動可能である。
又、第１の台２は、ストツカ１と共に、軸５を軸
にして回動可能である。水平移動手段４が台２を
水平方向に押すと、ストツカー１、台２，３が一
体となつて次行程に移動される。ここで、次行程
とは、融着代を融着する行程であり、この行程に
ジヤケツトを供給するために、多数積層されたジ
ヤケツトの中から最上位のジヤケツトを一枚づつ
ストツカー１から取出す必要がある。

尚、水平方向移手段４は、例えば、油圧、空気
圧などで、第１の台２を第１図の左から右の方向
に押す。ここで、この左から右の方向という移動
方向について考察する。第１図、第３図に示され
ているように、ジヤケツトは３方が閉塞され、残
りの一方、即ち、左端がジヤケツトの開放部であ
る。左側に開口が残され、右側は閉塞されてい
る。このような開口位置と移動方向の関係を前提
にして、スタツカ１、台２及び３は移動手段４に
より水平移動され、融着行程において、第１のス
トツパ６に衝接する。すると、ストツカ１は急激
に停止するので内部のメデイアは慣性でジヤケツ
ト内を水平に移動して、ジヤケツト内右端に衝接
して停止する。

即ち、第１図の左側図に示した、前行程位置に
おいて、ストツカー内のフロツピージヤケツトの
その一部に、メデイアが飛び出しているものがあ
つたとしても、第１図の右側図に示した次行程位
置では、第１のストツパに衝接することにより、
飛び出たメデイアは内部に戻されることになる。

第２図は、一旦外に出ていたメデイアを内部に
完全に挿入するのを確実にするための手法を説明
するものである。この確実にするための手法は、
ストツカ１を回動させて傾け、回動されたストツ
カーをストツパで停止させた時に発生する慣性力
を利用するものである。

即ち、ストツカー１の回動手段８は、第１の台
２の端部に力を上方に加える。すると、ストツカ
ー１は、５を軸にして回動し、全体として傾斜す
る。この回動方向を規制する回動軸５は、水平面
に平行で、第１図の前記移動方向に直交してい
る。尚、回動手段８は水平移動手段４と同じく油
圧、空気圧駆動のシリンダでよい。

回動傾斜させられたストツカ１はやがて第２の
ストツパ７に衝接する。こうして、再度ジヤケツ
ト内のメデイアは慣性により完全に内部に挿入さ
せられる。二回に亙る衝撃により、メデイアは確
実に内部に挿入されるであろう。しかも、二回目
の衝撃の印加においては、ストツカ１が傾斜し、
ジヤケツトの開放部が上方に位置した状態で衝撃
が加えられるので、メデイアの挿入は確実であ
り、又、再度飛出す事もない。従つて、取り出し
装置９で吸着取り出しを行つて、その度にジヤケ
ツトを押え付けても、メデイアはジヤケツトによ
り守られているので傷付く事はない。

さて、取り出し装置９にて１枚１枚ジヤケツト
を取り出すにつれて、ピストン１０にて、ジヤケ
ツトの段積みを順次押し上げれば、取り出し装置
９は容易にジヤケツトを取り出せる。

尚、ピストン１０を設けなくても、取り出し装
置９をスタツカ１の内部まで上下させれば、同じ
効は得られる。

［考案の効果］ 以上、説明したように本考案の袋状物の供給装
置は、内部に挿入物を包含し一部に開口を設けら
れた袋状物を、多数収納したストツカーを有し、
このストツカーを移動て、次工程に内部の前記袋
状物を供給する供給装置であつて、前記袋状物内
で前記挿入物の移動可能な面方向にあつて、この
袋状物の閉塞されている部分から前記開口方向に
向く衝撃を、前記ストツカに対して加える衝撃印
加手段を具備することを特徴とする。

この衝撃印加手段が、上記方向の衝撃をストツ
カーに印加すると、挿入物は開口と反対方向に慣
性で移動する。しかして、袋状物は挿入物を挿入
した状態でもつて、次行程に供給することができ
る。即ち、挿入物を確実に袋状物の内部に挿入せ
しめ、挿入物の損傷を防止する事ができる。

本発明の好適な一態様によれば、前記袋状物は
外形が扁平形状をし、ストツカー内で垂直方向に
積み重ねられている。また、衝撃印加手段は、前
記ストツカーを水平移動させる水平移動手段と、
この水平移動方向に設けられた第１のストツパと
を備えている。こうすることにより、ストツカが
水平移動されて第１のストツパに衝接し、次行程
への移動と、衝撃印加とが同じ動作で行なうこと
がでる。

本発明の好適な一態様によれば、衝撃印加手段
は、ストツカの底面の一辺を軸としてストツカを
枢軸上に回動させる回動手段と、この回動方向に
設けられた第２のストツパとを備えている。回動
されたストツカーが第２のストツパに衝接するこ
とにより、挿入物は慣性で内部に収納される。こ
のとき、袋状物の開口は上方に位置するので、挿
入物が衝撃の反動で再度飛び出てくることはなく
なる。

本発明の好適な一態様によれば、衝撃印加手段
は、ストツカーを水平移動させる水平移動手段並
びにこの水平移動方向に設けられた第１のストツ
パと、前記ストツカの底面の一辺を軸として、こ
の第１のストツパ位置に移動されたストツカを枢
軸上に回動させる回動手段並びにこの回動方向に
設けられた第２のストツパとを備えた事を特徴と
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の構造図、第２図は
本考案の一実施例の動作を表す図、第３図ａ，ｂ
は本考案の一実施例に用いられるフロツピデイス
クジヤケツトを表す図である。 図中、１……ストツカ、２，３……台、４……
水平移動手段、６，７……ストツパ、８……回動
手段である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 内部に挿入物を包含し一部に開口を設けられ
   た袋状物を、多数収納したストツカーを有し、
   このストツカーを移動して、次工程に内部の前
   記袋状物を供給する供給装置において、 前記袋状物内で前記挿入物の移動可能な面方
   向にあつて、この袋状物の閉塞されている部分
   から前記開口方向に向く衝撃を、前記ストツカ
   に対して加える衝撃印加手段を具備することに
   より、 前記挿入物を袋状物内の前記閉塞されている
   部分に移動させ、この挿入物を挿入した状態で
   袋状物を次行程に供給することを特徴とする袋
   状物の供給装置。 (2) 前記袋状物は外形が扁平形状をし、ストツカ
   ー内で垂直方向に積み重ねられており、 前記衝撃印加手段は、前記ストツカーを水平
   移動させる水平移動手段と、この水平移動方向
   に設けられた第１のストツパとを備え、 この水平移動手段が前記ストツカを水平移動
   させ第１のストツパに衝接させることにより、
   前記衝撃力がストツカーに印加される事を特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の袋
   状物の供給装置。 (3) 前記袋状物は外形が扁平形状をし、ストツカ
   ー内で垂直方向に積み重ねられており、 前記衝撃印加手段は、ストツカの底面の一辺
   を軸としてストツカを枢軸上に回動させる回動
   手段と、この回動方向に設けられた第２のスト
   ツパとを備え、 この回動手段がストツカを回動させて前記第
   ２のストツパに衝接させることにより、前記衝
   撃力がストツカーに印加される事を特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の袋状物の
   供給装置。 (4) 前記袋状物は外形が扁平形状をし、ストツカ
   ー内で垂直方向に積み重ねられており、 前記衝撃印加手段は、 前記ストツカーを水平移動させる水平移動手
   段並びにこの水平移動方向に設けられた第１の
   ストツパと、 前記ストツカの底面の一辺を軸として、この
   第１のストツパ位置に移動されたストツカを枢
   軸上に回動させる回動手段並びにこの回動方向
   に設けられた第２のストツパとを備えた事を特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   袋状物の供給装置。