JPH03108549A - 液滴噴射装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えばインクジェットプリンタ装置における
インクジェット記録ヘッド等に適用される液滴噴射装置
に関するものである。

〔従来の技術〕

上記のようなインクジェット記録ヘッドでは、インクの
満たされた液室に加圧してインクの液滴を噴射させるた
めに、圧電体の変形を利用する方式が従来より採用され
ている。例えば第３図に示している第１従来例では、カ
バーブロック３０に、その下面から上方へと凹入する複
数の溝を形成した後、これらの溝を下側から薄板状の振
動板３１で覆うことによって、それぞれインクの満たさ
れる液室３２・・・が構成され、そして、上記振動板３
１の下側に、圧電体材料より成る加圧ブロック３３が配
設されている。この加圧ブロック３３は、平板状の基底
部３４と、この基底部３４の上面からそれぞれ上方へ延
びて上端面が振動板３１に接着された複数の柱状の圧電
素子部３５・・・とを有する形状となされており、各圧
電素子部３５の上下の各端面、すなわち基底部３４との
接合面、及び振動板３１との接着面にそれぞれグランド
電極３６・３７が、また中間位置に信号電極３８が設け
られている。この信号電極３８に電圧を印加することに
よって、圧電素子部３５に伸び変形が生じ、この変形に
応じて振動板３１には、図中二点鎖線で示すように、液
室３２内に凹入する変形を生じる。これにより、液室３
２の内容積が減少することから、液室３２内の液圧が上
昇し、この結果、液室３２内のインクがノズル３９を通
して噴射される。

一方、第４図には、圧電体の変形で液室の内容積を直接
的に変化させる第２従来例の構成を示している。この場
合、圧電体材料で構成された本体ブロック４０の上面側
に溝加工を施すことによって、この本体ブロック４０に
、その底部側の平板状の基底部４１の上面から、それぞ
れ上方へと突出する複数の隔壁部４２・・・が形成され
、これら隔壁部４２・・・の上面にカバープレート４３
を架設することによって、各隔壁部４２・４２間の空間
がそれぞれ液室４４・・・とじて構成されている。そし
て本体ブロック４０には、各隣合う隔壁部４２・４２間
に、さらに上記基底部４１の上面から上方に突出する形
状部が設けられ、この形状部が、外部からの電気信号の
印加に応じて体積変化を生じる圧電素子部４５となって
いる。すなわち、この圧電素子部４５の上面に第１電極
４６が、また基底部４１の下面における上記第１電極４
６と対向する位置に第２電極４７がそれぞれ設けられ、
これら電極４６・４７間に電圧を印加することによって
、上記圧電素子部４５に体積変化を生じさせ、これによ
り、液室４４の容積の減少を生じさせて、インクの噴射
を行うようになされている。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところが、上記第１従来例の構成においては、複数の液
室３２・・・に対応させて設けられる各圧電素子部３５
と振動板３１との組立精度等に起因して、各液室３２毎
のインクの噴射特性にばらつきを生じ易いという問題が
ある。それは、例えば基底部３４から振動板３１までの
各圧電素子部３５の高さ寸法が均一でない場合に、圧電
素子部３５の上面と振動板３１との間の接着層の厚さ寸
法や接着強度等に差を生じ、このときには、各圧電素子
部３５の上端面の変位量が同一であっても、各接着層を
介する変位の伝達量がばらつく結果、各液室３２毎の振
動板３１の変形量に差を生じるためである。

一方、第２従来例の構成においては、圧電素子部４５に
体積変化を生じさせるべく第１及び第２電極４６・４７
間に電圧を印加した場合、圧電素子部４５と共に、さら
に液室４４の底面側の壁面を構成している基底部４１も
画電極４６・４７間の電界内に位置するために、この基
底部４１にも変形を生じる。そしてこの基底部４１にお
ける横方向の縮み変形によって、第４図において二点鎖
線で示しているように、隣接する液室４４とを区画する
隔壁部４２に変形が生じ、この隣接する液室４４内の液
圧も変化する。つまりこの場合には、隣接する液室への
影響、いわゆるクロストークを生じて、動作特性が安定
しないという問題がある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明の液滴噴射装置は、上記課題を解決するために、
インク等の液体を満たした液室に、電気信号を印加した
ときの圧電体の変形に応じる容積変化を生じさせて加圧
することにより、液室を囲繞する壁面に形成されている
ノズルを通して上記液室内の液体を噴射させる液滴噴射
装置において、上記圧電体における電極に挾まれて体積
変化を生じる圧電素子部と、上記電極とが、液室を囲繞
する壁面より内方に設けられていることを特徴としてい
る。

〔作　用〕

上記の構成によれば、圧電体の変形は液室を囲繞する壁
面の内部において生じ、したがって、この圧電体の変形
量に直接対応した容積変化が液室に生じる。すなわち、
圧電体の変形量を液室に伝達する過程に介在物がな（、
圧電体の体積変化に直接的に応する液圧変化を生じるこ
ととなる。このため、例えば複数の液室を並設する構成
においても、従来の振動板との組立精度等に起因するば
らつきを生じず、したがって、より均一な噴射特性を有
する構成とすることができる。そして上記の構成におい
ては、液室を囲繞する壁面には、これより内方の電極間
に生じる電界が作用することはなく、したがって隣接す
る液室に連な、る壁面や隣接する液室とを区画する壁面
等には変形を生じない。この結果、隣接する液室に影響
を及ぼすことなく各液室毎の噴射制御を行うことができ
るので、動作特性の安定化を図ることができる。

〔実施例〕

本発明の一実施例を第１図及び第２図に基づいて以下に
説明する。

第２図には、インクジェットプリンタ装置に組込まれる
インクジェット記録ヘッドの分解斜視図を示しており、
このヘッドは、例えばジルコン・チタン酸鉛（ＰＺＴ）
系の圧電体材料から成る本体ブロックｌ、カバーブロッ
ク２、オリフィスプレート３、背面カバー４から構成さ
れている。

上記本体ブロック１は、平板状の基板部５と、この基板
部５の上面から上方へ突出すると共に前面側（図におい
て左下側）から後面側（図において右上側）へと互いに
平行に延びる複数の直方体形状の圧電素子部６・・・と
を有する形状となされている。これら圧電素子部６・・
・は、基板部５の上面に圧電体シートを積層した後、ダ
イシングによる溝加工によって作製されたものであり、
また上記積層の過程で、各圧電素子部６と基板部５との
間に第１グランド電極７、各圧電素子部６の中間位置に
信号電極８、各圧電素子部６の上面に第２グランド電極
９の各薄層電極がそれぞれ形成されている。

一方、カバーブロック２は、上部側の平板状の天板部１
０と、この天板部１０の下面から、第１図に示すように
、隣合う圧電素子部６・６間の各離間隙間にそれぞれ上
方より挿入される隔壁部１１・・・とを有する形状に形
成されている。このカバーブロック２は、本体ブロック
１の上面側を、例えば紫外線硬化樹脂で絶縁コーティン
グした後、各隔壁部１１の下端面が基板部５に接する位
置で相互に接合される。この組立状態において、第１図
に示されているように、カバーブロック２の天板部１０
と隔壁部１１・１１とで三方が、また本体ブロック１の
基板部５で底部側が覆われた空間部がそれぞれ形成され
、これら空間部が、各々インクが満たされる液室１２・
・・となっている。この場合、各圧電素子部訃・・は、
底部側の壁面を構成している基板部５の上面から、各液
室１２内へと突出する状態で位置すると共に、これら圧
電素子部６に、後述する体積変化を生じさせるための電
極は、外方側の前記第１グランド電極７も、液室を囲繞
する壁面、すなわち上記基板部５よりも内方に、この場
合には、この基板部５における液室１２側の面に沿う位
置に設けられている。したがって、信号電極８に電圧を
印加した場合の電界は、第１及び第２グランド電極７・
９間の圧電素子部６の領域のみに生じ、上記第１グラン
ド電極７を超えて基板部５には及ばないものとなってい
る。

上記本体ブロック１とカバーブロック２との組立後、前
面側に、第２図に示しているオリフィスプレート３を、
またカバーブロック２の後面側における基板部５上に背
面カバー４をそれぞれ接合して、インクシエンド記録ヘ
ッドが構成される。

上記オリフィスプレート３には、各液室１２に対応する
位置にそれぞれノズルオリフィス１３・・・が穿設され
ており、また背面カバー４にはインク供給口１４が形成
されている。

上記カバーブロック２゛は、感光性ガラスを用い、各隔
壁部１１間の溝加工を、紫外線露光後、弗酸によるエツ
チングを行うことによって作製されている。この場合、
サイドエッチが少なく、したがって深さ方向の真直性の
優れた溝加工が可能であり、液室１２を形成する上記溝
の形状を、例えば深さ２００μｍ、幅４００μｍ、前後
方向の寸法（奥行）５＋ｎｍとする微細加工を精度良く
行うことができる。なおこの実施例の場合、例えば４０
個の液室１２を並設してヘッドを構成しており、この場
合のヘッド全体の大きさを例示すれば、幅３０ｍｍ、高
さ３ＩＷＩ１１、奥行３０＋＋ｕａである。またオリフ
ィスプレート３は金メツキを施したニッケル板で構成し
ているが、これはポリイミド樹脂材料等で構成すること
もできる。このオリフィスプレート３に、各液室１２の
配列ピッチに応じて、例えば直径３０μｍのノズルオリ
フィス１３・・・が穿設されている。

上記構成のインクジェット記録ヘッドにおいては、信号
電極８に電圧を印加することによって、圧電素子部６に
は、縦効果によって高さ方向への伸び変形と、横効果に
よって横方向への縮み変形とを生じる。そしてこの場合
、高さ方向の変位係数の方が横方向に比べて約２倍大き
く、この結果、全体・の体積が増加する変形となる。こ
れによって、この圧電素子部６を内包する液室１２内の
容積の減少を生じて液圧が上昇する結果、液室内１２か
らインクの液滴がノズルオリフィス１３を通して噴射さ
れる。

そして上記の構成においては、液室１２内に位置してい
る圧電素子部６の体積変化がそのまま液室１２の容積変
化となって、インクの噴射が制御され、したがって前記
した従来例での振動板のような介在物に起因する各液室
間での噴射特性のばらつきが解消される。また上記のよ
うな介在物で生じていたエネルギー損失も低減される。

さらに上記の構成においては、圧電素子部６の体積変化
を生じさせるために信号電極８に電圧を印加したときの
電界は、この信号電極８と第１及び第２グランド電極７
・９間において生じ、第１グランド電極７を超えて基板
部５に作用することがないので、この基板部５には変形
を生じない。したがって前記したクロストークによる動
作特性の不安定化が防止される。また上記実施例におい
ては、信号電極８を挟んで両側にグランド電極７・９を
設けた積層形の圧電素子構成としており、このため、よ
り小さな圧電素子形状で大きな変形量が得られること、
及び上記クロストークの解消が図られることから、ノズ
ルオリフィス１３のピッチをより小さくして高密度化さ
れたインクジェット記録ヘッドとして構成することがで
きる。

〔発明の効果〕

本発明の液滴噴射装置は、以上のように、インク等の液
体を満たした液室に、電気信号を印加したときの圧電体
の変形に応じる容積変化を生じさせて加圧することによ
り、液室を囲繞する壁面に形成されているノズルを通し
て上記液室内の液体を噴射させるべく構成して成る液滴
噴射装置において、上記圧電体における電極に挟まれて
体積変化を生じる圧電素子部と、上記電極とを、液室を
囲繞する壁面より内方に設けられた構成となっている。

それゆえ、液室の容積変化を生じさせるための圧電体の
変形が液室内で生じると共に、この変形を生じさせるた
めの電界が液室外に及ぶことがないので、従来生じてい
た振動板等の介装部材との組立精度に起因するばらつき
を生じず、したがって、良好な噴射特性を維持し得ると
共に、複数の液室を並設する構成で、隣接する液室への
影響を生じさせずに個々の液室毎の制御が可能となり、
各液室毎の動作特性の安定化を図ることができる等の効
果を奏する。

面図である。

第２図は、上記インクジェット記録ヘッドの分解斜視図
である。

第３図および第４図は、それぞれ従来例を示すものであ
る。

第３図は、第１従来例の構成を示す断面図である。

第４図は、第２従来例の構成を示す断面図である。

５は基板部（壁面）、６は圧電素子部、７は第１グラン
ド電極、８は信号電極、９は第２グランド電極、１２は
液室、１３はノズルオリフィスである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、インク等の液体を満たした液室に、電気信号を印加
   したときの圧電体の変形に応じる容積変化を生じさせて
   加圧することにより、液室を囲繞する壁面に形成されて
   いるノズルを通して上記液室内の液体を噴射させる液滴
   噴射装置において、上記圧電体における電極に挟まれて
   体積変化を生じる圧電素子部と、上記電極とが、液室を
   囲繞する壁面より内方に設けられていることを特徴とす
   る液滴噴射装置。