JPH031022Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はパチンコ機における供給皿の構造に関
し、特に供給皿に照明又は表示のための発光部材
を内装し、装飾的効果を高めるとともに、遊技者
がパチンコ遊技中に知りたい各種情報を手元にお
いて遊技者に可視的に伝えることができるように
した供給皿に関するものである。

（従来の技術） 先ず、第８図を参照しながら従来パチンコ機の
概略を説明する。図において、１はパチンコ機本
体、２はその前面枠、３は前面枠の中央に大きく
設けた窓孔にその裏側から固定される遊技盤、４
は前面枠の窓孔の周縁部に取付けられる金枠、５
は遊技盤上にパチンコ球の通過領域を規制するた
めの帯状の金属板からなるガイドレールで、該ガ
イドレールで囲まれる遊技部６には、開閉動作に
より入賞確率を変化させることができる変動入賞
装置７ａ，７ｂや複数個の入賞口８などが設けら
れる。９は遊技盤の左上に設けられる入賞球表示
器で入賞装置又は入賞口への入賞球の発生をラン
プの点灯により知らせるもので、１０は打止表示
器でゲームの終了をランプの点灯により知らせる
ものである。

前記金枠４の左端部には、ガラス板が嵌着され
たガラス枠１１と前面に供給皿１２が固着された
基板１３とがそれぞれ上下２点を支点として開閉
自在に枢着され、これによりガラス枠１１が遊技
部６を覆い、また基板１３が発射部１４を開閉自
在に塞ぐように構成する。基板１３を閉じると、
遊技盤の左下方に設けられた賞球導出樋の賞球導
出口１５と基板１３の供給皿１２の上流側に設け
られた賞球出口１６とが整合・連通し、裏機構の
賞球排出装置（図示せず）から入賞球に基づき排
出される賞球を供給皿１２が受け入れ貯溜するよ
うになつている。

１７はパチンコ球弾発用の操作ハンドルで、基
板１３を閉じたとき供給皿１２の下流側から発射
部１４へ基板１３を介して１球ずつ送られてくる
パチンコ球を弾発操作するためのものである。１
８は前面枠２の下部に固着される受皿で、供給皿
１２に賞球が満杯となつたとき、さらに引き続き
排出されるパチンコ球を受け入れるためのもので
ある。

従来、上記に説明した一般的なパチンコ機にお
ける基板１３の表側面には、閉じられたとき賞球
導出口１５と連通する賞球出口１６と、上流部が
幅広形状でパチンコ球を貯留する貯留部でかつ下
流部が１個のパチンコ球が通過可能で貯留部の球
を一列状に整列するような形状の整列部に樹旨材
料で成型された供給皿１２と、該供給皿上にパチ
ンコ球が満杯となつたとき、あるいは途中でゲー
ムを中止するとき供給皿１２上のパチンコ球を受
皿１８に玉抜きするときに操作する玉抜操作部材
しかなく、遊技の途中で賞球の排出状態や残留パ
チンコ球数を確認するとき等、遊技者の目に触れ
る機会が多いにもかかわらず、装飾的配慮が今一
つ不足していたと言える。また、遊技者が遊技の
途中で必ず供給皿を見る機会があるにもかかわら
ず、遊技中に知りたいと思う各種情報（例えば、
先に述べた入賞球表示器９が示す入賞球の発生、
打止表示器１０が示す打止の発生等の情報或いは
特別賞態様の発生情報）を表示する表示器を供給
皿そのものに、あるいはその近傍に設けたものは
従来なかつた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、上述の事情に鑑み、遊技者の手元に
存在する供給皿に照明又は情報表示のための発光
部材を内装し、これにより、遊技機では娯楽場と
しての雰囲気を盛り上げるに特に重要な要素であ
る装飾的効果を一段と高めると共に、遊技者が知
りたい各種情報を遊技者の目に触れやすい供給皿
の表面にて可視可能としたパチンコ機の供給皿を
提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上述した目的を達成するために、供
給皿を複数の合成樹脂部材の組み合せで形成し、
部材間に積極的に空間部を設ける構成としたこと
に１つの特徴を有し、それによつて構造的な強度
を高めるとともに内部、即ち空間部内に照明光源
及びその光源によつて照明される各種情報表示板
等の各種機能部材の配置、装備を容易としたこと
を特徴とする。

尚、本考案は、パチンコ機の供給皿を複数の合
成樹脂部材の組み合わせ即ち積層重合体としたこ
とによつて、上記の目的−装飾および情報表示−
が達成されるとともに、供給皿の形状をデザイン
的に凝つたもの、即ち美しい形状のものにできる
のみならず、供給皿自体の物理的強度が増強され
るという効果が達成され、またさらに、供給皿内
部及び外部にスピーカや例えばルーレツトの回転
を停止させるとき操作する押釦スイツチなどの取
付けが容易にかつ装飾及び音響効果を考慮しなが
ら配置することが出来、また基板を開いたとき賞
球口から入賞球がこぼれ落ちないようにするため
の落球防止機構の設置及び球抜き装置の配置決定
の自由度が容易となるなどの効果が期待される。

（実施例） 以下、第１図から第３図に示す本考案の実施例
につき詳説する。

第１図は基板１３とそれに接合される複合部材
から成る供給皿２０との分解斜視図であつて、供
給皿２０は夫々プラスチツク材からなる整列皿主
部材２２と第１、第２及び第３補助部材２４，２
６及び２８から構成される。整列皿主部材２２の
正面に向つて上部左側は幅広形状で球を貯留する
球貯留部２２ａ、上部右側は幅狭く、球を一列状
に整列導出する球整列部２２ｂに形成される。そ
れら複数部材の積層の態様は、第２図Ａに示され
る供給皿（組み合せずみの供給皿）２０の破断面
Ａ，Ｂの夫々を示す第２図Ｂ及びＣの積層断面図
から明らかであろう。すなわち、基板１３にはね
じを用いて整列皿主部材２２が固定され、その外
側に第１補助部材２４、第３補助部材２８、第２
補助部材２６の順にねじ３０によつて締付固定さ
れる。複数部材が積層されることにより、各部材
間に適当な空間、即ち、発光部材（ランプ）等の
各種機能部品を配設するのに適した、適当に広い
機能空間部Ｆが形成される。３２Ａ，３２Ｂは
夫々電源（図示しない）に接続された発光ランプ
であつて、第３補助部材２８の一部であつて発光
部材３２Ａ，３２Ｂと対向しその真上に位置する
部分には適宣彩色の施された表示部３４（図示実
施例ではフイルム状の窓フイルム３４Ａ，３４Ｂ
が設けられているので、各種情報（例えば、入賞
球の発生、打止の発生や特別遊技状態等）をラン
プの点灯あるいは点滅等によつて遊技者の手元で
すなわち眼につきやすい場所で表示することが可
能となる。前述の各補助部材の色彩及び透明度等
を種々変化させて組み合せることにより、遊技者
の美的感覚に強く訴え得る優れたデザインの供給
皿の実現が可能である。

第３図Ａ，Ｂ，Ｃは本考案供給皿の別実施例を
示すもので、第２図Ｂ，Ｃと同様の破断面を示す
図第３図Ｂ，Ｃから明らかなように、供給皿２０
は第２図に示す実施例とは夫々形状の異つた各部
材、即ち整列皿主部材２２、第１、第２、第３補
助部材２４，２６，２８から構成されている。第
２図実施例と相違する点は、発光ランプ３２Ａ，
３２Ｂが設置される設置空間、即ち機能空間部Ｆ
が広くとられていることである。

以上述べたごとく、本考案のように供給皿を複
数部材の積層重合体とすることにより、供給皿内
部の空間を各種機能部材を配設できる機能空間部
として有効的に利用することが可能となり、例え
ばスピーカを内蔵したり、球抜き装置等を配置す
ることが可能となる。

第４図および第５図を参照すれば小型スピーカ
の装着態様が示されている。第５図は、第４図に
示される第１補助部材２４の裏面の一部を拡大し
て示すもので、第１補助部材２４の裏面内側には
スピーカ３６を取付けるための一対の装着部３８
が一体モールド成型により設けられており、また
スリツト状の複数開放孔４０が設けられている。
スピーカ３６は矢印Ａ方向に挿入するという簡単
な作業のみで、ねじ等を使用することなく装着さ
れ得る構成となつている。スピーカ３６のコード
３７（第７図Ａ）は第１図に示した補助孔４３か
ら引き出され所定の端子（図示しない）にコネク
タ接続される。このようなスピーカ３６の取付位
置は、従来、パチンコ機の前面枠上又はパチンコ
機本体の裏側であつたので、デザイン上等で問題
があつたが、本考案では従来全く使用していなか
つたスペースを利用するので、上述デザイン上の
問題が解消されるとともに、遊技者に接近してい
るため、音声、音楽が明瞭に認識可能となる効果
がある。

第１図、第４図及び第７図を参照すれば、押釦
スイツチＳが示される。パチンコ機には所定の条
件が達成されると別種類の遊技に切替えられると
いう種類のもの、いわゆるルーレツトやスロツト
機能付のものがある。これらの種類のパチンコ機
では、例えばルーレツトが回転を開始した後遊技
者の選択でルーレツトの回転を止めるための押釦
スイツチがパチンコ機の前面に従来設けられてい
たが、第１図に示すように基板１３の前面左手側
に設置すれば、通常遊んでいる遊技者の左手が有
効に利用されるので操作に便となるものである。
すなわち、押釦スイツチＳは、スイツチ本体４２
を収容するホルダ部材４４と押釦４６（第１図）
とから構成され、基板１３に対してねじ４８を用
いて固定される。尚、スイツチ本体４２の端子は
例えばスロツトの駆動を制御する回路（図示しな
い）に接続される。

第１図から第４図及び特に第６図を参照すれ
ば、例えば供給皿２０上にパチンコ球が満杯とな
つたときあるいは途中でゲームを中止するような
とき、供給皿２０上のパチンコ球を受皿１８に誘
導する所謂玉抜きの機構が示される。流路弁５０
は通常の遊技中には第６図に示される位置に後で
述べるばねによつて付勢されているので、パチン
コ球は流路弁５０上を転動し所定通路を通つて打
球位置に送られる。流路弁５０に植設されたピン
５２は、回動可能に基板１３に設けられたレバー
５４の先端部フオーク内に嵌入されていて、その
レバー５４はばね５６によつて第６図の図面上時
計方向に常時付勢されている。レバー５４の回転
軸には、基板１３の表面に配置された操作レバー
５８が取付けられているので、遊技者が玉抜きを
希望する場合には、操作レバー５８を矢印Ｘ方向
（第６図参照）に回動操作することによつてレバ
ー５４はばね５６に抗して反時計方向に回動す
る。その結果、ピン５２は第６図の図面上右方向
に移動するので流路弁５０は分路を開くこととな
り、パチンコ球は分流路５５を通過して下方の受
皿１８に落下する。

流路弁５０を移動せしめるための手段として
は、例示のレバーの他、リンク結合およびフレキ
シブルワイヤー等を利用することが可能であるの
で、操作レバー５８の位置は基板１３の表面の任
意の位置に設定することが出来、したがつて玉抜
き用操作レバーを配置する設計上の自由度が大き
くとれるという利点がある。

第４図、第７図を参照すれば、入賞球の落ちこ
ぼれを防止する落球防止機構が示される。例えば
遊技の途中で遊技者に呼び出されたパチンコ店の
係員が基板１３を開くと、賞球導出口１５（第８
図）と賞球出口１６との整合・連通が解除される
ため、もし賞球出口１６に入賞球があふれている
ような場合にはその入賞球は床上にこぼれ落ちる
ことになる。これを阻止するため、基板１３が開
かれたとき賞球出口１６を一部閉塞せんとする落
球防止機構が第７図に示される。

第７図において、６０は基板１３の裏面に固定
された賞球導出樋であつて、その下方部において
阻止部材６２の端部が回動可能に軸支されてい
る。阻止部材６２の下面にはロツド６４が固定さ
れており、このロツド６４と賞球導出樋６０の側
面に植設されたピンとの間に引張りばね６６が装
架されている。賞球導出口１５の側方には突出カ
ム６８が固定されており、通常の遊技状態におい
ては、第７図Ｃに示すようにロツド６４が突出カ
ム６８のカム面によつてばね６６に抗して押し下
げられている結果、阻止部材６２は下方に逃げた
位置をとる。従つて賞球導出口１５と賞球出口１
６とは整合・連通されていて正常な遊技が可能で
ある。一方、基板１３が開かれると、突出カム６
８とロツド６４との係合が解除されるので、阻止
部材６２はばね６６の弾性力に従つて第７図Ｂの
位置をとる。この結果、賞球出口１６付近の賞球
のこぼれ落ちが阻止される。このように、比較的
簡素な構成で基板１３解放時の落球が確実に阻止
され得る。

（考案の効果） 以上述べたとおり、本考案によれば、供給皿を
複数部材の積層重合体で構成することにより、供
給皿の内部に照明装置及び遊技に関する各種情報
表示部を内装することが可能となり、それによつ
て、遊技者の手元にある供給皿の表面において各
種の遊技情報が認識できて、遊技の臨場感を著し
く高め、装飾的効果もより一層向上せしめる効果
が発揮される。また、積層重合体とすることによ
り供給皿自体の強度も増強され、それのみならず
複数部材の各々色彩及び透明度等を種々変化させ
て組み合せることによつて遊技者の美的感覚に強
く訴える優れたデザインの供給皿を実現すること
が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す供給皿の分解
斜視図、第２図Ａ，Ｂ，Ｃは夫々、第１図実施例
の組立完成図、線Ａに沿つた断面図および線Ｂに
沿つた断面図、第３図Ａ，Ｂ，Ｃは夫々、本考案
の別実施例を示す組立完成図、線Ａおよび線Ｂに
沿つた断面図、第４図は第１図に示す実施例を表
面から見た供給皿の分解斜視図、第５図はスピー
カ取付部の詳細を示す斜視図、第６図は玉抜き操
作に関する操作機構を示す分解斜視図、第７図
Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄは夫々、賞球落ちこぼれ防止機構
を示す斜視図、および断面図、そして、第８図は
従来のパチンコ機で基板の開かれた状態を示す正
面図である。 図において、１……パチンコ機、１２，２０…
…供給皿、１５……賞球導出口、１６……賞球出
口、１８……受皿、２２……整列皿主部材、２２
ａ……貯留部、２２ｂ……整列部、２４……第１
補助部材、２６……第２補助部材、２８……第３
補助部材、３２Ａ，２２Ｂ……発光ランプ、３４
……表示部、３６……スピーカ、３８……スピー
カ装着部、Ｓ……押釦スイツチ、４２……スイツ
チ本体、４６……押釦、５０……流路弁、５８…
…玉抜き操作レバー、６２……阻止部材、６８…
…突出カム、Ｆ……機能空間部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 前面枠側に開閉自在に設けた基板の前面に固
   定されたパチンコ機の供給皿において、 上記供給皿は、球を貯留する貯留部と該貯留
   部の球を一列状に導出する整列部とが形成され
   た整列皿主部材を有し、該整列皿主部材の整列
   部の前面側に位置し、当該整列皿主部材の外面
   を外側から覆う第１補助部材の内面とで囲まれ
   る内部に中空な機能空間部を形成して、整列皿
   主部材と第１補助部材とを組み合わせて供給皿
   を形成し、さらに、上記第１補助部材の特定部
   分には、遊技中において発生する情報を遊技者
   に可視表示する表示部を形成した第３補助部材
   を装着するとともに、上記表示部と対向する機
   能空間部内には発光部材を臨ませて、この表示
   部により遊技情報を遊技者の手元において認識
   可能としたことを特徴とするパチンコ機の供給
   皿。 (2) 第３補助部材の表面を、透明度の高い第２補
   助部材でさらに覆つたことを特徴とする請求項
   第(1)項記載のパチンコ機の供給皿。