JPH0310183Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、スノープラウ支持装置の改良、詳
しくは、回送時や車幅一杯の狭い箇所（橋上やト
ンネルなど）を通過するときにプラウ幅を当該除
雪車の車幅にまで狭くできるようにしたスノープ
ラウ支持装置に関するものであり、雪国の道路除
雪作業に役立つ。

〔従来の技術、および解決すべき技術的課題〕

従来、道路の除雪を行う除雪機械としては、第
１図に示すように、除雪車１の前部に懸架フレー
ム２を装着し、この懸架フレーム前端の支持ビー
ム４に支持フレームＦを介してスノープラウ６を
所要の推進角度に片流れに傾斜配置したプラウ前
置タイプの除雪車が汎用されている。

この種の除雪車にあつては、除雪能率を上げる
ために、通常、スノープラウ６の除雪幅Ｄを車幅
よりも大きくしてあるが、スノープラウ６を装着
したまゝで回送しようとすると、その両側部が路
上の物体や通行人等を引つ掛ける危険性が高く、
交通安全上、好ましくない。もつとも、このよう
な問題は、スノープラウ６の幅を小さくすれば解
消するけれども、プラウ幅を小さくすると、一回
の走行で除雪できる幅も小さくなるので、除雪能
率が低くならざるを得ない。

本考案は、従来のプラウ前置タイプの除雪車に
おける前述の問題を解消するために為されたもの
で、広い道路で除雪を行うときには車幅よりも十
分にプラウの除雪幅が大きくなるようにプラウ推
進角度を調節することができ、また回送時や道幅
が狭い箇所を通過する必要があるときにはプラウ
の推進角度を変更してプラウ幅を道路を通過する
に必要な除雪車の幅にまで狭めることができるス
ノープラウ支持装置を提供することを技術的課題
とするものである。

〔課題解決のために採用した手段〕

本考案者が上記課題を解決するために採用した
手段を、添付図面を参照して説明すれば、次のと
おりである。

即ち、本考案は、除雪車１のキヤビン前方に前
部が上下動可能なる如く装着された平行リンク機
構のフロントフレーム２と；このフロントフレー
ム２の前部に車幅方向に沿つて配設せる支持ビー
ム４と；ベースビーム５を後部に有し、このベー
スビーム５が前記支持ビーム４の路肩側に水平方
向へ揺動可能に枢支された短リンク１１と前記支
持ビーム４の道路中央側端部に水平方向へ揺動可
能に枢支された長リンク１６にて四節リンク機構
を形成して、前記ベースフレーム５を道路中央へ
突出させつゝ路肩側よりも道路中央側を若干大き
く前へ持ち出し可能に連結された支持フレームＦ
と；この支持フレームＦの長リンク１６側とフロ
ントフレーム２との双方に連接され、伸退縮可能
に連結された推進角変更シリンダ２０と、前記フ
レームＦの前部に片流れ状に連結されたスノープ
ラウ６という機構手段を連関せしめた点に要旨が
ある。

〔実施例〕

以下、本考案を添附図面に示す実施例に基い
て、更に詳しく説明する。

図面上、符号１で指示するものは、本実施例装
置が装着されるプラウ前置タイプの除雪車であ
り、そのキヤビン前部には扛揚シリンダＳの伸退
縮によつて前部が昇降動作されるフロントフレー
ム２が装着されてある。このフロントフレーム２
は、除雪車１のフレームレールＲ・Ｒに接続され
た支柱枠２１と、この支柱枠２１に後端部がヒン
ジ連結された上腕アームリンク２２および下腕ア
ームリンク２３と、これらアームリンク２２，２
３の前端にヒンジ連結された支持ビーム４を備え
た扛揚支柱枠２４と、伸退縮することにより前記
アームリンク２２，２３を平行運動させ前記扛揚
支柱枠２４を昇降運動せしめる扛揚シリンダＳと
から構成されており、本実施例に採用せるフロン
トフレーム２は従来周知のものと変わりがない。

本実施例において最も重要な事項は、上記フロ
ントフレーム２の前部に連接されるプラウ支持装
置である。本実施例におけるプラウ支持装置は、
上記フロントフレーム２の支持ビーム４の路肩側
の端部４−１に水平方向へ枢軸１２により揺動可
能にヒンジ連結された短リンク１１と、前記支持
ビーム４の道路中央側の端部４−２に水平方向へ
枢軸１７により揺動可能にヒンジ連結された長リ
ンク１６と、後部のベースビーム５が前記長・短
リンク１１および１６にヒンジ連結された支持フ
レームＦと、前記支持ビーム４の端部４−１側に
ボトム側が、また前記長リンク１６の可動端と前
記ベースビーム５の道路中央側に側にピストン先
端部が連結された推進角変更シリンダ２０とから
構成されている。

符号６で指示するものはスノープラウであり、
従来と同様に道路中央側が前方に突出し、路肩側
がそれよりも後方に位置して片流れ状に上記支持
フレームＦに連結してある。即ち、本実施例にあ
つては、道路中央側に配置された支持フレームＦ
の持出ロツドヒンジ５１、およびセンターヒンジ
５２、および短ヒンジ５３にスノープラウ６の後
部がヒンジ連結されることによつて、スノープラ
ウ６は所要の推進角度が付与されるのである。

本実施例装置の構成は以上のとおりであつて、
これをプラウ前置タイプの除雪車に適用すれば、
次のような運転操作を行うことが可能である。

即ち、道路の除雪が終わつて当該除雪車を回送
するときや、除雪作業中に車幅限々の狭隘路を通
過しなければならぬときに、推進角変更シリンダ
２０を第３図の縮小状態から第４図の状態に伸長
させることにより、推進角変更シリンダ２０に押
されて支持ビーム４に枢支された長リンク１６が
当該枢軸１７を中心として道路中央側に回動し、
それに伴つて、支持フレームＦ後部のベースビー
ム５が前方へ持ち出されつゝ道路中央側へ移動さ
れ、同時にベースビーム５に引かれて前記支持ビ
ーム４に枢支された短リンク１１が枢軸１２を中
心として道路中央方向へ回動することになる。か
くして、支持フレームＦの前部に連結されたスノ
ープラウ６は、第２図に示すように長リンク１６
が回動した分だけ道路中央側端部６２が前方へ持
ち送られて路肩側へ寄ると同時に、スノープラウ
６の路肩側端部６１が短リンク１１の回動した分
だけ若干持ち送られて道路中央側へ移動し、スノ
ープラウ６の推進幅は当該除雪車の車幅と同一の
幅D₁となる。つまり、第１図の除雪幅Ｄに比較
して（Ｄ−D₁）の幅丈だけ狭縮できることにな
るのである。

〔本考案の効果〕

以上実施例をもつて説明したとおり、本考案の
スノープラウ支持装置を用いた除雪車にあつて
は、フロントフレーム前部の支持ビームの両端部
に、支持フレームのベースビームを短リンクと長
リンクとによつて四節リンク機構を形成して連接
し、この四節リンク機構を当該リンク機構に連関
接合せしめた推進角変更シリンダの伸退縮動作に
よつてフロントフレームに対する支持フレームの
向きや間隔を調節できるようになつているので、
プラウの推進角を適宜調節でき、除雪作業時には
プラウの推進角度を大きくして除雪幅を大きくす
ることができ、 また、回送時や狭隘路を通過する必要があると
きは推進角度を小さくしてプラウの推進幅を除雪
車の幅にまで狭めることが可能である。

このように本考案によれば、除雪幅の拡張によ
つて除雪能率を向上させることが可能であるとと
もに、回送時や狭隘路の通過時にはプラウの通行
幅を除雪車の幅に臨機応変に狭めることができ
て、広幅プラウを装着した前置タイプの従来除雪
車における交通安全上の問題を解消を悉く解消す
ることが可能となるのであり、その実用上の効果
は頗る大と云える。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来スノープラウ支持装置の平面図、
第２図は本考案の実施例であるスノープラウ支持
装置のプラウ推進幅狭縮状態の平面図、第３図は
同実施例装置の要部拡大平面図、第４図は同実施
例装置の推進角変更シリンダを伸長させた状態の
要部拡大平面図、第５図は第３図の装置を側面か
ら見た拡大側面図、第６図は第４図の装置を側面
から見た拡大側面図である。 １……除雪車、２……フロントフレーム、４…
…支持ビーム、５……ベースビーム、６……スノ
ープラウ、１１……短リンク、１６……長リン
ク、２０……推進角変更シリンダ、Ｆ……支持フ
レーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 除雪車１のキヤビン前方に前部が上下動可能な
   る如く装着された平行リンク機構のフロントフレ
   ーム２と；このフロントフレーム２の前部に車幅
   方向に沿つて配設された支持ビーム４と；ベース
   ビーム５を後部に有し、このベースビーム５が前
   記支持ビーム４の路肩側に水平方向へ揺動可能に
   枢支された短リンク１１と前記支持ビーム４の道
   路中央側端部に水平方向へ揺動可能に枢支された
   長リンク１６にて四節リンク機構を形成して、前
   記ベースフレーム５を道路中央へ突出させつゝ路
   肩側よりも道路中央側を若干大きく前へ持ち出し
   可能に連結された支持フレームＦと；この支持フ
   レームＦの長リンク１６側とフロントフレーム２
   との双方に連接され、伸退縮可能に連結された推
   進角変更シリンダ２０と、前記フレームＦの前部
   に片流れ状に連結されたスノープラウ６とを含む
   ことを特徴としたスノープラウ支持装置。