JPH02844B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、永久磁石を備え、１組の極性部品、
１組の固定式永久磁石、および磁性物質の裏底板
上に配置された１組の可動式永久磁石を含み、さ
らに１組の可動式永久磁石を、固定式磁石と可動
式磁石によつて生成される磁束が磁性部品によつ
て装置の外側に向けられる「進行」の位置と、磁
石全体によつて生成される磁束が装置の内側で短
絡する「停止」位置との間で磁方向にずらすため
に配置された指令装置をもつマグネツトチヤツク
に関するものである。

永久磁石を備えたこの種のマグネツトチヤツク
では、本体が概して直方形の枠で囲われており、
磁束は、進行の位置で単に装置の正面に向けられ
るのが普通である。したがつて、そのようなマグ
ネツトチヤツクは、例えば工作機械で加工する部
品などの金属部品の吸着および固定に利用できる
活動面を１つしかもつていない。このことは、そ
の出力がどのようなものであれ、現実のマグネツ
トチヤツクの利用の可能性を制約する要素であ
る。

本発明は、上に述べた種類のマグネツトチヤツ
クで、しかも全上面および側面が同時に活動状態
に置かれ、したがつて部品を２つの縦方向の側面
と通常装置の一端に置かれている指令装置の反対
側の側面でも部品を吸着し、装置全体としては合
計４つの活動面を呈するような製品を提供するも
のである。

そのため、本発明にもとづく永久磁石を備えた
マグネツトチヤツクでは、板状の形態をした極性
板が、一定の対応する極性の刻みで横の線を形成
するように縦方向に平行な複数列に配置されてお
り、両端の２列に属する極性の板は、装置の縦方
向の側面上にあらわれかつ裏底板から装置の上面
までのびており、一方、中間のすべての列の極性
板は、やかり上面までのびているが裏底板からは
磁気的に遮蔽されていて、極性板の平行な列は、
全体としてそれぞれの間に細長い層状の空所を構
成し、その各々が一連の直方形のタブレツト状の
永久磁石を収めており、その極性は、横方向に極
性板と磁石が同じ極性の刻みで交互の極性を示す
ように配置されていて、一連の磁石は１列おきに
極性板に対応して動かないように固定され、一方
他の一連の磁石は前者と極性を異にし、縦方向に
一定の極性の刻みでその収納場所中で縦に動くよ
うに配置され、これらの可動式磁石はすべて同一
の指令装置に連結されていて、可動式磁石の極性
が固定式磁石の極性と逆になる形で極性板と磁石
が横の行を形成する第１の位置と、可動式磁石と
固定式磁石の磁極性が同じく向く形で極性板と磁
石が横の行を形成する第２の位置との間でそれぞ
れずらすことができるようになつている。

進行の位置では、すべての極性板の上面は、そ
の数だけの極を形成し、縦の列と横の行に対応し
た密度の碁盤状に従つて縦方向にも横方向にも交
互の極性を示すことになる。その結果、中性の区
域のない装置の上面全体が寸法の大小あるいは幾
可学的な形態のいかんを問わず金属部品を固定す
ることができるようになる。さらに、最も外側の
２列の、この磁気装置の縦方向の側面にあらわれ
る極性板は、側面に添つて交互に“Ｎ”および
“Ｓ”極を規定し、それによつて吸引力をもつ面
を構成することになる。すべての列の最初の極性
板を、装置の指令装置の反対側の外面にあらわれ
るようにすれば、さらに第４の活動面を得ること
ができる。したがつて、本発明の対象であるマグ
ネツトチヤツクは、きわめて多様な用途を提供す
るものである。

停止の位置では、内側のすべての列の極性板が
裏底板から磁気的に遮蔽されていることから、磁
束は、すべてが「直列」になつている極性板と磁
石の横の行を貫いて、また外端部の２列の極然板
が直接裏底板によつて支えられているという事実
から裏底板を貫いて、装置の内側に閉じ込めらら
ることになる。

「進行」の位置から「停止」の位置まで移動す
る指令に対応する極性の刻みのずれは、２つの１
つの磁石にしか関係がないため、このずれの指令
には、比較的小さい力あるいは対力しか必要とせ
ず、したがつて操作は容易である。

本発明ののぞましい実施形態の１つでは、縦の
各列の磁性板は、非磁性材料でつくられた細長い
格子状構造物の空洞内に収められ、格子状構造物
は、裏底板に隣接する内部と、極性板が装置の上
面と水平になるようにすき間のあいた上部と、内
部と上部をつなぐ垂直の仕切りを備えている。極
性板の列の収めている格子状構造物の上部と内部
は、互いに瓦状に重り合つて、極性板の列が可動
式および固定式の一連の磁石の収納場所を確保す
るように互いに隔り合うような形につくられるこ
とが有利である。

このように、非磁性材料でつくられた格子状溝
造物を対置させることで、磁性板を所定の位置に
確実に維持し、極性が反対の極性板の間に必要な
間隙を形成し、重り合つた内部によつて（最も外
側の極性板を除いて）極性板と裏底板との間の磁
気遮蔽を実現し、重り合つた上部によつて装置の
滑らかな上面を形成し、さらに、それらの間に交
互に固定式と可動式の一連の磁石を収納する収納
場所を用意することができる。これらの格子状構
造物は、単に対置させるばかりでなく、内部と上
部を接着して互いに固定するように組立てること
もできる。

本発明のもう１つの特徴として、各一連の磁石
は、磁石を互いに分離する歯をもつ非磁性材料の
櫛状構造物で支え、櫛状構造物を縦方向に固定式
と可動式の交互にその収納場所中に取りつけ、す
べての可動式櫛状構造物はその一端で相互に１本
の横の指令棒に連結され、指令棒自身は、例えば
クランク・シヤフト式の機構で構成される指令装
置に連結されるようにすることができる。

極性板を格子状構造物にとりつけ、また固定式
または可動式磁石を櫛状構造物にとりつけること
によつて、きわめて自動的な技術でマグネツトチ
ヤツクの製造を合理的且経済的に行なうことがで
き、また、同じ下部組立品をかなりの数をプレハ
ブ式に製造して対置させ、さまざまな寸法のマグ
ネツトチヤツクをつくることができる。

いずれにせよ、本発明は、永久磁石を備えたマ
グネツトチヤツクの１つの実施形態を例として用
い、添付図面の助けを借りた以下の説明によつて
よく理解されるであろう。但し、この実施例はあ
くまで１例であつて本発明の範囲を制限するもの
でない。

図に示したマグネツトチヤツクは、直方形の裏
底部１の上に、縦方向に向けられた平行な極性板
２，３の列をもち、これらが全体として直方体を
形成している。（第１図参照）。２つの連結する極
性板２，３の間には、細長い板状の空間が設けら
れており永久磁石４，５の収納場所となつてに
る。

最も外側にある２列の極性板を除けば、各列の
極性板２は、非磁性材料でつくられた細長い格子
状の空洞構造物６の中に収められており、この格
子状構造物は、下部プロフアイル部分７と上部プ
ロフアイル部分８を備えていて、その間は垂直の
仕切り９でつながれている。（第７，８図参照）。
異なる格子状構造物６の上部プロフアイル部分８
は、全体としてマグネツトチヤツクの上面を定義
しており、等しく互いに重なり合つている。垂直
の仕切り９は、直角形の目を形成しており、それ
ぞれが１枚の極性板２を受けている。すべての格
子状構造物６の上部プロフアイル部８には、さら
に隙き間があけられていて、すべての極性板２が
マグネツトチヤツクの上面に顔を出すようになつ
ている。

最も外側の２列にある極性板３は、裏底板１か
ら磁気的に遮蔽されていず、逆に、裏底板１に接
し、そこから立ち上つて、マグネツトチヤツクの
上面に達している。さらに、極性板３は、マグネ
ツトチヤツクの縦方向の２つの側面にもあらわれ
ている。これらの極性板３も、それぞれの端の列
の中では、垂直の仕切り９によつて互いに磁気的
に遮蔽されている。

極性板２，３の異る列の垂直の仕切り９は、横
の平面にのびており従つて極性板２，３は縦の列
ばかりでなく横の行でも分けられ、それによつて
碁盤の目を形成しながらマグネツトチヤツクの上
面にあらわれるようになつている。

永久磁石４，５の収納場所は、格子状構造物６
のプロフアイル部７，８およびこれらの格子状構
造物６の中にはめ込まれた極性板２，３によつて
限界が定められている。２つに１つの格納場所
は、非磁性材料の櫛状構造物１０によつて支えら
れた直角形の板状をした一連の固定式磁石４を収
容している。（第８図参照）。櫛状構造物１０の歯
１１は、これらの磁石４のために、極性板２，３
の刻みと等しい極性の刻みを定義しており、ま
た、これらの固定式磁石４は、極性板２，３の横
の行に対応して配置されている。

各一連の固定式磁石４は、同じ櫛状構造物１０
によつて支えられており、これらの磁石は、横方
向に交互に“Ｎ”と“Ｓ”の極性をもつている。
これに対して、固定式磁石４の横の行では、すべ
ての磁石４が同じ方向の極性をもつている。

極性板２の列の間に設けられている他の格納場
所は、前記の磁石とは反対に可動式の一連の永久
磁石５を収納している。可動式磁石５は、板状を
して、格納場所の中で縦方向に滑るようにとりつ
けられた、非磁性材料の他の櫛状構造物１２によ
つて支えられている。各櫛状構造物１２の一端に
は、横の指令棒１４が貫通する頭部１３が備えら
れており、この横の指令棒は、すべての滑らかな
櫛状構造物を互いに連結している。

各一連の可動式磁石５では、磁石は横方向に磁
性を帯びて極極“Ｎ”と“Ｓ”が交互に置かれ、
極性の刻みは、極性板２，３および固定式磁石４
の場合と同様になつている。同一の横の行に属す
るすべての可動式磁石５は、同一の方向の極性を
もつている。

棒１４は、マグネツトチヤツクの一端に置かれ
た指令装置１５に接続され、この指令装置によつ
て、棒１４、したがつて櫛状構造物１２と可動式
磁石５全体を、極性の刻み１つ分の長さだけずら
すことができる。図に示した実施形態では、この
指令装置１５は、寄せ部１８にある収納場所の中
に軸１７のまわりに回転するようにとりつけられ
たドラム１６を備えており、このドラム１６は、
第１図に見られるようなキー１９を用いて外部か
ら操作することができる。１本のクランク・シヤ
フト２０は、ドラム１６に固定された偏心軸２１
を棒１４に連結している。ドラム１６を軸１７の
まわりに回転させると、この回転がクランク・シ
ヤフト式の機構によつて、櫛状構造物１２全体を
転移させる動きに変換され、したがつて、可動式
磁石５をすべて同時にずらすことになる。

この運動の最初の極限の位置は、（第１〜４図
参照）、進行の位置であり、この位置では、すべ
ての可動性磁石５は、極性板２，３および固定性
磁石４に対応して動かされ、その結果、磁石およ
び極性板の各横の行では、可動式磁石５が固定式
磁石４と逆方向の極性をもつことになる。すなわ
ち、この場合の各行では、極性板２，３が交互に
“Ｎ”、“Ｓ”となり、このため、これらの極性板
の間では、磁場の磁力線２２は、第４図に示され
るように外部でしか閉じられないことになる。磁
力線２２の中のあるものは、第３図に示されるよ
うに、各極性板の列の極性が反対の連続する極性
板２，３の間で、縦方向に閉じられる。この結果
マグネツトチヤツクの全上面は活動状態になつて
部品を固定するために用いることができる。同様
に、マグネツトチヤツクの縦方向の２つの側面に
あらわれる極性板の大きい面の部分も交互に
“Ｎ”および“Ｓ”となり、これらの側面も同様
に活動状態となる。最後に、寄せ部１８、したが
つて指令装置１５から最も離れたマグネツトチヤ
ツクの側面は、この面にも極性板２，３があらわ
れている場合には、進行の位置のときに第４の活
動状態の面となることができる。

装置１５を用いて指令して、極性の刻み目１つ
分の長さだけずらすと、可動式磁石５は、すべ
て、もう１つの極限の位置にもちきたされ、そこ
で極性板２，３および固定式磁石４に対応した状
態をとることになる。（第５図参照）。磁石および
極性板の横の各行の中では、各可動式磁石５は固
定式磁石４と同じ方向の極性をもつことになり、
その結果、これらの磁石は、「直列」に配列され
ることになる。内部の極性板２と裏底板１との間
の構造物６の下側のプロフアイル部分７全体によ
つて実現されている磁気的な遮蔽によつて、磁力
線２３は、必然的に、裏底板１に接している外側
の極性板３と裏底板１自身によつて閉じられるこ
とになる。（第６図参照）。この結果、磁束は、裏
底板１によつて短絡され、マグネツトチヤツクの
各面は、すでにそこに固定されていた部品をもは
や引きつけられないことになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明にもとづくマグネツトチヤツ
クの全体の斜視図である。第２図は、同じマグネ
ツトチヤツクが進行の位置にあるときの、第３図
の２−２線に添つた水平断面図である。第３図
は、第２図の３−３線に添つた縦断面図である。
第４図は、やはり進行の位置にあるときの第２図
の４−４線に添つた横断面図である。第５図は、
第２図と同様であるが停止の位置にある同じマグ
ネツトチヤツクの水平断面図である。第６図は、
第５図の６−６線に添つた、停止の位置にあると
きの横断面図である。第７図は、マグネツトチヤ
ツクのある構造の細部を示した鉛直面に沿う部分
断面図である。第８図は、このマグネツトチヤツ
クの一定の要素、とくに格子状構造物および櫛状
構造物を示した分解斜視図である。 １……裏底板、２，３……極性板、４……固定
式磁石、５……可動式磁石、６……格子状構造
物、７……下部、８……上部、１０，１２……櫛
状構造物、１１……歯、１４……指令棒、１５…
…指令装置、１６……ドラム、２０……クラン
ク・シヤフト、２１……偏心軸。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 永久磁石を備え、１組の極性部品、１組の固
   定式永久磁石、および磁性物質の裏底板上に配置
   された１組の可動式永久磁石を含み、さらに１組
   の可動式永久磁石を、固定式磁石と可動式磁石に
   よつて生成される磁束が極性部品によつて装置の
   外側に向けられる「進行」の位置と、磁石全体に
   よつて生成される磁束が装置の内側で短絡する
   「停止」位置との間で縦方向にずらすために配備
   された指令装置を備えたマグネツトチヤツクにお
   いて、板状の形態をした極性板２，３が、一定の
   対応する極性の刻みで横の行を形成するように縦
   方向に平行な複数列に配置されており、両端の２
   列に属する極性板３は、装置の縦方向の側面上に
   あらわれかつ裏底板１から装置の上面までのびて
   おり、一方、中間のすべての列の極性板２，３は
   やはり上面までのびているが裏底面からは磁気的
   に遮蔽されていて、極性板の平行な列は、全体と
   して、それぞれの間に層状の細長い空所を構成
   し、その各々が一連の直方形のタブレツト状の永
   久磁石を収めており、その極性は、横方向に極性
   板と磁石が同じ極性の刻みで交互の極性を示すよ
   うに配置されていて、一連の磁石は１列おきに極
   性板に対応して動かないように固定され、一方他
   の一連の磁石は前者と極性を異にし、縦方向に一
   定の極性の刻みでその収納場所中で縦に動くよう
   に配置され、これらの可動式磁石はすべて同一の
   指令装置に連結されていて、可動式磁石の極性が
   固定式磁石の極性と逆になるような形で極性板と
   磁石が横の行を形成する第１の位置と、同じ方向
   を向く形で極性板と磁石が横の行を形成する第２
   の位置との間でそれぞれずらすことのできるよう
   になつていることを特徴とする永久磁石を備えた
   マグネツトチヤツク。 ２ 各縦列の極性板２，３が非磁性材料の細長い
   格子状構造物６の空洞の中に収納されており、裏
   底板１の近くの下部７、極性板２，３が装置の上
   面に顔を出すように隙間のあいた上部８、および
   下部７と上部８を連結する垂直の仕切り９をもつ
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の
   永久磁石を備えたマグネツトチヤツク。 ３ 極性板２，３の列を収納した格子状構造物６
   の下部７および上部８が、一連の固定式磁石４と
   可動式磁石５の収納場所を保持するために間隔を
   置いて極性板２，３の列を維持しながら互いに重
   り合うようなプロフアイルにつくられていること
   を特徴とする特許請求の範囲第２項に記載の永久
   磁石を備えたマグネツトチヤツク。 ４ 極性板２，３の列を収納する格子状構造物６
   が、その下部７と上部８の接着によつて相互に組
   立てられることを特徴とする特許請求の範囲第３
   項に記載の永久磁石を備えたマグネツトチヤツ
   ク。 ５ 各一連の磁石４，５が非磁性材料の櫛状構造
   物１０，１２によつて支えられ、磁石を互いに分
   離する歯１１をもち、櫛状構造物は、その収納場
   所の中で交互に固定式１０および縦方向に可動式
   １２にとりつけられ、すべての可動式櫛状構造物
   １２は、その間で一端１３が同一の横の指令棒１
   ４に連結され、指令棒自身は指令装置に連結され
   ていることを特徴とする特許請求の範囲第１〜４
   項のうちのいずれか１項に記載の永久磁石を備え
   たマグネツトチヤツク。 ６ 指令装置１５が外部から操作でき、装置の端
   部に盛り上げられた部品１８にある収納場所の中
   の軸１７のまわりに回転するようにとりつけられ
   たドラムを有し、このドラム１６は、すべての可
   動式櫛状構造物１２を連結している指令棒１４に
   クランクシヤフト２０により接続されている偏心
   軸２１をもつていることを特徴とする特許請求の
   範囲第５項に記載の永久磁石を備えたマグネツト
   チヤツク。 ７ すべての列の第１の極性板２，３が、指令装
   置１５の反対側の装置の側面にあらわれることを
   特徴とする特許請求の範囲第１〜６項のうちのい
   ずれか１項に記載の永久磁石を備えたマグネツト
   チヤツク。