JPH0284260A - アルミニウム材のろう付方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明はアルミニウム材のろう付方法、特にろう併任
様によるアルミニウム製熱交換器の製造に好適に用いら
れるアルミニウム材のろう付方法に関する。

なお、この明細書において、アルミニウムの語はその合
金を含む意味で用いる。

従来の技術 一般に、自動車用ラジェーター、カークーラー用エバポ
レーターあるいはコンデンサー等のアルミニウム製熱交
換器をろう付する場合、真空ろう付の場合を除き、フラ
ックスを用いて熱交換器構成部材をろう付接合する方法
が多く用いられている。

従来、かかるフラックスろう付を行う場合、まずフラッ
クスを水または溶剤中に懸濁させたのち、この懸濁液を
、接合すべきアルミニウム材の表面にスプレー法、シャ
ワー法、浸漬法等により塗布したのち、これを予熱乾燥
し、しかるのち非酸化性雰囲気中で所定温度に加熱し、
接合用ろう材を溶融してろう付を行っていた。

発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記のようなろう付方法では、懸濁液の
作製工程及び懸濁液塗布後の乾燥工程が必要であるため
、ろう何工程が工数の多い繁雑なものとなっており、生
産効率が良くないという欠点があった。さらに、塗布後
の乾燥工程中にアルミニウムと水とが反応するため、ア
ルミニウム材の表面に酸化膜が形成され、これがろう付
性を低下させるという問題もあった。また水によりアル
ミニウム材の表面が汚れる等の欠点もあった。さらには
、フラックス懸濁液を作製する場合、所定濃度を得るた
めに多量のフラックスを懸濁させなければならず、フラ
ックスの無駄を生じて不経済であった。さらにまたフラ
ックス懸濁液を塗布する場合、必要以上のフラックスの
持出しがあり、なおさら不経済であるのみならず、必要
以上のフラックスがアルミニウム材に付着すると、得ら
れるろう付品の表面に余分なフラックスが残留して灰色
ないし白色の不均一なシミが生じ、外観体裁を損うとい
う問題もあった。さらにまた、懸濁液の塗布は実際の生
産にあっては、接合部材の仮組状態で行われることもあ
るが、かかる場合懸濁液の接着作用により予熱乾燥後組
立物の固定用治具とアルミニウム材が接着状態となると
か、固定用治具の劣化を来たすというような欠点もあっ
た。さらにはまた、接合部材にパイプ材等を含んでいる
場合には、パイプ内部に懸濁液が進入しないようにマス
キングを施すことが必要であり、その操作が面倒であっ
た。

この発明はかかる従来技術の問題点を解決すべくなされ
たもので、ろう何工程の簡略化を図り得るとともに、フ
ラックスを最大限に節約可能として、なおかつ良好なろ
う付性を発揮しえ、しかもろう付品表面の外観不良や、
固定用治具とアルミニウム材との接着や該治具の劣化等
を生じることのないアルミニウムのろう付方法を提供す
ることを目的とするものである。

課題を解決するだめの手段 上記目的において、この発明は、フラックス懸濁液の塗
布に代え、所定粒径のフラックスを静電粉体塗装法によ
ってアルミニウム接合部材の表面に直接的に付着せしめ
てろう付を行うことを特徴とするものである。

即ちこの発明は、アルミニウム接合部材の表面に、５０
ｖｏ　１％平均粒径６〜７５μｍのフラックスを静電粉
体塗装法によって付着したのち、非酸化性雰囲気中で所
定温度に加熱し、接合用ろう材をろう付することを特徴
とするものである。

フラックスは、ろう併用に用いられるものであればその
種類、組成は問わないが、ろう付後腐食性残渣を残さな
い点でフッ化物系フラックスを用いるのが好ましい。フ
ッ化物系フラックスの一例としては、フッ化カリウム（
ＫＦ）とフッ化アルミニウム（ＡｇＦ２）とを共晶組成
ないしはそれに近い組成範囲に含んで実質的に錯体化さ
れた錯体混合物や、ＫＡρＦ４とＫＦを重量比で８０〜
９９．８：２０〜０．２の割合で混合した混合物や、あ
るいは製造簡易性等の点で特に好適なものとしてＫＦ水
溶液にγ−ＡΩＦ３粉末及び／またはβ−ＡΩＦ３粉末
を溶解せしめて発熱反応を生じさせて水分を蒸発除去し
たのちの残留物からなるもの等を挙げうる。

静電粉体塗装法は、粉末状フラックスをアルミニウム接
合部材に吹付けるとともに、吹付けられたフラックス粒
子を静電界を利用して接合部材表面に付着させる方法で
ある。具体的には、アルミニウム接合部材を接地して陽
極とし、スプレーガ′ン、塗装ガン等の吹付は装置を陰
極として、これに例えば７０ｋｖ程度以上の負の直流高
電圧を印加して両極間に静電界を作る。そして吹付は装
置からフラックスを噴出させると該フラッス粒子は負に
帯電し、静電界の軌道に乗って対極のアルミニウム接合
部材に吸着し、もって接合部材にフラックスを付着させ
るものである。フラックスは予め粉末状にして粉体供給
槽に充填しておくものとし、−収約には圧縮空気を用い
て吹付は装置から噴出させる。ここに、フラックスはそ
の５Ｑｖｏｌ％平均粒径が６〜７５μｍに規制されなけ
ればならない。５０ｖｏ　１％平均粒径が６μｍ未満で
は、フラックスが静電粉体塗装機の配管内や塗装ガン等
の内部でブロッキングを起して目詰まりし易くなり、作
業性に劣るものとなるからであり、逆に７５μｍを超え
るとフラックスがアルミニウム接合部材へ付着せずには
ね返ってしまい、塗着効率が低下するからである。好ま
しいフラックスの５０ｖｏｌ％平均粒径は６〜５０μｍ
である。フラックスの付着量はアルミニウム接合部材の
単位表面積当り１〜２５ｇの範囲とするのが良く、従っ
てこれに見合うだけの量のフラックスを吹付は装置から
吐出させる。アルミニウム接合部材への単位表面積当り
のフラックス付着量を上記範囲に設定するのが良い理由
は、１９未満ではフラックスが不足し、良好なろう付が
できなくなる危険があるからであり、逆に２５ｃＪを超
えるとフラックスが多くなってろう付品の表面性状が悪
くなり、外観体裁を損う虞れが生じるからである。特に
好ましいフラックス付着量はアルミニウム接合部材の単
位表面積当り４〜１０ｇである。

上記によりフラックスを付着したアルミニウム接合部材
は、これを不活性ガス雰囲気等の非酸化性雰囲気中で、
接合部材より融点の低いアルミニウムろう材を用いて、
上記アルミニウム材の融点よりも低くかつフラックスの
融点よりも高い５８０〜６２０℃程度の温度に加熱する
ことにより、ろう材を溶融してろう付接合が達成される
ｂなおろう材にはＳｔ含有瓜約４．５〜１３．５ｗｔ％
程度のＡＱ−８ｉ系合金が用いられるのが普通であり、
該ろう材は作業性の点から、通常、接合されるべき部材
の少なくとも一方のアルミニウム材にクラッドして使用
されるのが望ましい。

発明の効果 この発明は上述の次第で、アルミニウム接合部材の表面
に、５０ｖｏｌ％平均粒径６〜７５μｍのフラックスを
静電粉体塗装法によって付性したのち、非酸化性雰囲気
中で所定温度に加熱し、接合用ろう材を溶融してろう付
することを特徴とするものである。従ってフラックスを
接合部材に付性させるために従来法のようなフラックス
懸濁液は不要となるから、懸濁工程及び懸濁液塗布後の
乾燥工程も不要となり、ろう何工程の簡略化を図り得る
ばかりか、懸濁液塗布後の予熱乾燥工程中におけるよう
なアルミニウムと水との反応による酸化膜の生成もなく
、ろう付性の向上を図ることができる。かつまた、懸濁
液を塗布する従来法のように、必要以上のフラックスが
付着することもなく、フラックス付着量をろう付に必要
かつ充分な量に容易に制御できるから、フラックスの無
駄な使用を回避しえ経済的であるのはもとより、ろう付
後のろう付品の表面に余分なフラックスが残留する危険
も回避することができ、外観体裁の悪化とか、ろう併用
の固定治具とアルミニウム材との接着とか、該治具の劣
化などを防止することができる。また不要部分のフラッ
クス除去が容易であり、かつパイプ材のマスキングも不
要となしうる。

さらにまた、静電粉体塗装法により電気的吸引力をもっ
てフラックスをアルミニウム接合部材に付着せしめるも
のであるから、−度塗布に供したフラックスを回収する
ことによりその再利用が可能であるとともに、アルミニ
ウム接合部材に塗布したフラックスが多過ぎて再度やり
直したいときには、エアーブロー等でフラックスを簡単
に落とすことができ、容易にやり直しが可能であるとい
うような効果もある。

さらにはまた、フラックスの５０ｖｏｌ％平均粒径を６
〜７５μｍの範囲に設定したから、上記静電塗装法によ
るアルミニウム接合部材へのフラックスの付着に際し、
フラックスが塗装ガン等の内部で目詰まりして塗布作業
性を妨げたり、あるいは塗着効率が低下する等の不都合
を生じることがなく、効率良くフラックスを付着させる
ことができ、ひいては生産性を向上できる。

実施例 次にこの発明の実施例を示す。

純度９９．８％のＫＦ５．５に９を６Ωの水に溶解させ
た水溶液に、純度９０％以上の工業用７ＡΩＦ３　　（
平均粒径約１０μｍ）６．５Ｎ！？を徐々に投入撹拌し
て発熱反応を生じさせ、水分を除去したのち、残留物を
大気中で２００℃×９００分間乾燥し、さらに粉砕して
第１表に示すように５Ｑｖｏ　１％平平均径径異なるフ
ッ化物系フラックスを製作した。

一方、第１図に示すように、肉厚０．８ＭのＡｌ１００
合金押出材よりなるチューブ（１）と、Ａ３００３合金
を心材とし、Ａρ−１０％Ｓｔ合金を皮材とした片面ク
ラツド率１０％、厚さ０．１６ｍの両面プレージングシ
ートよりなるフィン（２）とをコルゲート型熱交換器（
３）に組み立てるとともに、この組立物を固定用治具（
４）を用いて固定し、これを複数個用意した。

次に、静電粉体塗装機を用いて、前記熱交換器組立物（
３）の厚さ方向の上面に前記各フラックスを吹付け、電
気的吸引力によってフラックス粒子を熱交換器組立物（
３）の表面に付着させた。なお、静電粉体塗装は、熱交
換器組立物（３）を接地しこれを陽極とする一方、塗装
ガンを陰極として両極間に高電圧発生機により発生させ
た直流電圧を印加し、この状態で塗装ガン先端から圧縮
空気とともにフラックスを噴射した。この時の塗布条件
は以下のとおりとした。

ガン距離＝１００〜１５０ｍＩｎ ガン方向：下向き 印加電圧ニー７０ｋｖ 塗布時間＝１５秒 ガンの往復回数（バス数）：３回 被塗物（熱交換器組立物）表面積：４ｒｒｌフラックス
吐出量：　１４２ｇ／ｍ　ｉ　ｎこうしてフラックスを
熱交換器組立物（３）に付着したのちの各組立物のフラ
ックス付着量を測定し、これに基いて塗着効率を算出し
たところ第１表に示すとおりであった。

次いで、上記によりフラックスを付着した各熱交換器組
立物を、酸素濃度１００　ｐｐｍ以下、温度６００〜６
２０℃のＮ２ガス雰囲気で３分間加熱してろう付を行っ
た。

以上により得られたろう付品のフィン接合率を調べた。

また、フラックスの静電塗装機における塗装ガンや配管
内部でのブロッキングの発生状況を調べるため、上記と
同一吐出量にて塗装ガンからフラックスを３０分連続吐
出させ、ブロッキングの有無を調べた。それらの結果を
併せて下記第１表に示す。

［以下余白］ またろう付品の表面状態、接合部分のろう付状態を目視
観察したところいずれも良好なろう付状態及び清浄な表
面状態を呈していた。かつまた熱交換器固定用治具と熱
交換器との接着や該治具の表面変色はいずれについても
全く認められなかった。

以上の結果かられかるように、本発明によれば良好なろ
う付を行うことができ表面状態も良好なろう付品を得る
ことができ、さらに固定用治具との接着や該治具の変色
をも防止しうることを確認しえた。またフラックスの５
０ｖｏｊ％平均粒径を本発明範囲内の値とすることによ
り高塗着効率、フィンの高接合率を確保できるとともに
、塗装ガンのブロッキングや目詰まりもなく塗布作業性
にも優れたものであることを確認しえた。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例において用いた熱交換器組立物の斜視図
である。 （１）・・・チューブ、（２）・・・フィン、（３）・
・・熱交換器組立物、 ・・・固定用治具。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 　アルミニウム接合部材の表面に、５０ｖｏｌ％平均粒
   径６〜７５μｍのフラックスを静電粉体塗装法によって
   付着したのち、非酸化性雰囲気中で所定温度に加熱し、
   接合用ろう材を溶融して接合部材をろう付することを特
   徴とするアルミニウム材のろう付方法。