JPH0284238A - エンジンのシリンダブロックの鋳造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野コ 本発明は、アルミニウム系材料を用いたエンジンのシリ
ンダブロックの鋳造方法に関する。

［従来の技術］ エンジンのシリンダブロックは、鉄系金属又はアルミニ
ウム系金属を鋳造したものが主流となっているが、この
場合の鋳造には、通常、ダイキャスト法等が採用されて
いる。

またｅエンジンのシリンダブロックを鋳造するには、シ
リンダライナをシリンダブロックと一体形成する場合と
、シリンダブロックで別体のシリンダライナを鋳ぐるむ
場合とが考えられる。

例えば、前者つまりシリンダライナをシリンダブロック
と一体形成した場合のシリンダブロックは、第６図に示
すようなものである。なお、第６図において、１はシリ
ンダブロック、２はシリンダブロックの上部のシリンダ
ライナ、３はシリンダライナの周りに形成されるウォー
タジャケット、４はシリンダブロックの下部に形成され
るスカート部である。

また、最近、消失模型鋳造法（ＥＰＣ法）により、エン
ジンのシリンダブロックを鋳造することも考えられてい
る。この消失模型鋳造法（ＥＰＣ法）は、従来の砂型鋳
造法に比べて、■中空部材を製造する際に中子を必要と
しないこと、■砂に粘着剤を混入させないので、砂の回
収・再利用が容易であること、■複雑な形状のものにも
適用可能であること、などの種々の利点があるので、工
ンジンのシリンダブロック等のｔ４進法としてもその開
発が進められている。

なお、このような消失模型鋳造法の場合、通常、得よう
とする鋳造品と同一形状の発泡スチロール環の消失型（
Ｅ　Ｐ　Ｓ模型）を鋳造容器内に収容して、この鋳造容
器内に錦紗を充填して消失型を錦紗中に埋設した上で、
消失型に接続した発泡スチロール環の湯口から金属の溶
湯を注入することにより実施される。この結果、錦紗内
では、湯口及び消失型が順次熱分解して、この部分が当
該する溶湯で置換され、所望の金属鋳造品が製造される
。

ところで、シリンダブロックには、鋳鉄等のシリンダラ
イナとほぼ等しい材料を用いることが多かったが、エン
ジンの軽量化や耐久性を向上させるためには軽量で且つ
耐食性のよいアルミニウム合金等の材料の方が有利であ
るため、アルミニウム合金製のエンジンが近年増加して
いる。これに対して、シリンダライナには、例えば高硬
化元素を加入した鋼材をはじめとした耐摩耗性の高い材
料が適している。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、シリンダライナをシリンダブロックと一
体鋳造で形成しようとする場合、例えばシリンダブロッ
ク本体をアルミニウム合金製にして、シリンダライナの
みを高硬化元素を加入した鋼材（鋳鉄等）にするのは困
難である。

そこで、エンジンの軽量化や耐久性を向上させながらシ
リンダライナの耐摩耗性を確保しうるように、シリンダ
ライナをシリンダブロックと一体形成する手段の開発が
課題となっている。

本発明は、このような課題に鑑みて案出されたもので、
必要とするシリンダライナ部分についてだけ硬度及び耐
摩耗性を高められるようにした、エンジンのシリンダブ
ロックのｇ進方法を提供することを目的とする。

口課題を解決するための手段］ このため、本発明のエンジンのシリンダブロックの鋳造
方法は、エンジンのシリンダブロックをアルミニウム系
金属で鋳造するにあたり、まず、該シリンダブロックの
鋳造空間内のシリンダライナ部を形成する部分にアルミ
ニウム系金属とニッケル又は銅の線材との複合したライ
ナ用材料を配置し、続いて、該鋳造空間内に溶湯を注入
することを特徴としている。

口作　用］ 上述の本発明のエンジンのシリンダブロックの鋳造方法
では、鋳造空間の内部にアルミニウム系金属のｉ６　？
Ｉｈを注入すると、該鋳造空間内のシリンダライナ部を
形成する部分でライナ用材料が該溶湯によって溶融され
、該ライナ用材料中のニッケル又は銅が該溶湯のアルミ
ニウム系金属と合金化して該シリンダライナ部の耐摩耗
性を高める。

Ｃ実施例］ 以下、図面により本発明の一実施例としてのエンジンの
シリンダブロックの鋳造方法について説明すると、第１
図：士その縦断面図、第２図はその要部縦断面図、第３
図はその要部横断図（第２図の■−■矢視断面図）第４
図はそのライナ用材料の一部を破断して示す斜視図、第
５図は（ａ）〜（ｄ）はその作用を説明する縦断面図で
ある。

本実施例では、エンジンのシリンダブロックの鋳造方法
として消失模型鋳造法を例に説明する。

まず、この消失模型鋳造法で用いる消失型について説明
すると、第１図に示すように、消失型１１は、エンジン
のシリンダライナをシリンダブロックと一体にｅＡ造す
るためのものであって、発泡スチロール（ポリスチレン
）を材料としており、得ようとする鋳造品であるシリン
ダブロックとほぼ同一形状に形成されている。従って、
この消失型１１は、鋳造すべきシリンダブロック１（第
６図参照）と同様に、シリンダブロック１の上部のシリ
ンダライナ２に相当する部分（ライナ形成部）１２と、
シリンダライナ２の周りに形成されるウォータジャケッ
ト３に相当する部分１３と、シリンダブロック１の下部
に形成されるスカート部４に相当する部分１４とをそな
えている。

このうち、ライナ形成部１２は、第２〜４図に示すよう
に、他の部分（即ち、消失型の本体１１ａ）とは別体に
形成された円筒状のものであって、消失型の本体１１ａ
に接着等によって接合されている。

このライナ形成部１２は、この内側に消失型の本体と同
様に発泡スチロール（ポリスチレン）を材料として形成
された消失部１２ａが設けられ、外側にアルミニウム系
金属とニッケル又は銅の線材との複合したライナ用材料
１２ｂとが設けられている。そして、ライナ用材料１２
ｂは、アルミニウム系金属１８内にニッケル又は銅の線
材１９を配合した複合材であって、ここでは線材１９は
シリンダの長手方向に配向されている。なお、アルミニ
ウム系金属１８とは、例えばアルミニウム合金である。

また、アルミニウム系金属１８と線材１９とを複合化す
るには１例えば高圧鍛造法や、アルミニウム系金属の板
１８で線材１９をサンドイッチしてこれをプレスする方
法等が考えられる。なお、線材１９の径は０．２〜１．
ＯｍｍＦｉｉ度とし、ライナ用材料１２ｂの肉厚ｔは最
大で３０ｎｎ程度とする。さらに、ライナ用材料１２ｂ
が鋳造後にシリンダライナ部を形成しうるように、この
ライナ用材料１２ｂの内周面がほぼライナ面に位置する
よう設定されている。

なお、消失型１１には、第１図に示すように、ゲート８
やランナー７ａ〜７Ｃを介して湯口９が接続される。

このように消失型１１が用意されたら、この消失型１１
を用いて、消失模型鋳造法により以下のようにシリンダ
ブロックの鋳造を行なう。

まず、消失型１１の表面全体に塗型剤（粘結剤を主成分
とする溶液に耐火物微粒子を混入したもの）を塗布し、
さらに、これを乾燥させる。

なお、この時用いる粘結剤を主成分とする溶液は、消失
型１１を侵さない有機溶剤であって、この溶液としては
、例えば水溶液又はアルコール溶液がある。水溶液の場
合、粘結剤、界面活性剤及び消泡剤を含む水溶液であり
、このうち粘結剤としてはでんぷん、酢酸ビニル、カル
ボキシルメチルセルロース（ＣＭＣ）等が使用でき、界
面活性剤としてはカチオン系、アニオン系又は両性の界
面活性剤を使用でき、消泡剤としてはアルコール系の消
泡剤又はシリコーン等の通常用いられるものを使用でき
る。また、アルコール溶液の場合、例えば、アルコール
中に粘結剤としての酢酸ビニル樹脂を１〜３０％程度含
んだものがあげられ、この場合、界面活性剤及び消泡剤
は不要となる。

また、この時使用する耐火物微粒子としては。

例えば、シリカ（Ｓｉｎ２）、ジルコニア（ＺｒＯ２）
、又は雲母等の微粒子があげられるが、鉄材の鍛造の場
合には、通常、シリカやジルコニアを用いるが、アルミ
ニウム系材料の鍛造の場合には、断熱空間のある雲母の
微粒子が好適である。

このようにして消失型１１に表面処理を施したら、続く
工程では、この消失型１１を、湯口９等と共に錦紗１６
中に埋設する。

つまり、まず、第５図（、）に示すように、鋳造容器１
７内の下部に、適量だけ錦紗（粘結剤を添加混合されて
いない錦紗）１６を収容しておき、この容器１７内に消
失型１１を所要の姿勢で載置する。この時、例えばラン
ナー７ａの湯口９近くの箇所をクランプしながら、消失
型１１を載置することで、消失型１１を傷つけずないよ
うにできる。

そして、容器１７内にさらに錦紗（これも粘結剤を添加
混合されていない錦紗）１６を充填し、消失型１１を完
全に埋没させる。

なお、この錦紗１６の充填は、消失型１１のウォータジ
ャケットに相当する部分１２−の中空部内にも錦紗１６
を確実に充填させるためや、錦紗１６の各粒子間の結合
力を強化するために、加振装置６によって容器１７を加
振しながら行なう。

このようにして、第５図（ｂ）に示すごとく消失型１１
が錦紗１６中に埋設されると、この後の工程では、湯口
９を通じて消失型１１の内部へ金属溶湯（アルミニウム
系金属の溶湯）５を注入して、消失型１１をこの金属溶
湯５で置換する。

つまり、湯口９を通じて消失型１１の内部へ金属溶湯５
を注入していくと、高温の金属溶湯５は、湯口９やラン
ナー７ａ〜７ｃを熱分解しながら消失型１１に侵入して
いき、この消失型１１を徐々に熱分解していく［第５図
（ｃ）参照コ。

そして、この熱分解した部分つまり湯口９及び消失型１
１のあった空間は、金ＦＡ溶湯５に置き換わり、この金
属溶湯が所定温度まで冷却されると、所望の金属鋳造品
（つまり、エンジンのシリンダブロック）１が製造され
るのである［第５図（ｄ）参照コ。なお、熱分解した消
失型１１等は、ガス状になって、錦紗１６内の隙間等を
通じて、外部に排出される。

このｉ８２＆　ａ換時には、消失型１１のライナ形成部
１２では、アルミニウム系金属１８とニッケル又は銅の
線材１９とからなるライナ用材料１２ｂが、ｉ８？Ｊ）
５の熱により溶融して、アルミニウム果合３１８とニッ
ケル又は銅１９とが合金化する。

また、アルミニウム果合ｆｉ１８とアルミニウム系金属
の溶湯５とも溶融結合する。

この結果、鋳造されたシリンダブロック１のシリンダラ
イナ２のライナ面及びその近傍は、アルミニウムとニッ
ケル又は銅との合金で形成されることになり、シリンダ
ライナ２のライナ面及びその近傍は、このような合金の
性質上、硬度及び耐摩耗性の高いものになる。

この後、ランナー７ａ〜７ｃや湯口９によってできた鋳
造物１０をゲート８のあった部分で鋳造品１から取り去
り、消失部消失部１２ａによってできた鋳造物１０ａも
シリンダライナ２部から取り除き、更に、鋳造品１のシ
リンダライナ等の所要箇所を研磨して出来上がる。

このようにして、本シリンダブロックの消失模型鋳造法
では、必要とするシリンダライナの部分についてだけ硬
度及び耐摩耗性を高められるようになり、低コストで且
つ容易に、所定の性能をそなえたシリンダブロックを鋳
造できるのである。

なお、本実施例ではエンジンのシリンダブロックの鋳造
方法として消失模型鋳造法を例に説明したが、このシリ
ンダブロックの鋳造方法は、例えば、ダイカスト法、定
圧鋳造法及びグラビテイ鋳造法等の他の鋳造法にも適用
しうるものである。

また、アルミニウムｉ＠？＆５とライナ用材料（主とし
てアルミニウム系金属１８）１２ｂとの溶融接合が困難
な場合には、例えば、超音波アルミニウムはんだめっき
つき工法を用いればよい。この超音波アルミニウムはん
だめっきつき工法によれば、ここではライナ用材料１２
ｂをアルミニウム系はんだ溶液（このはんだは例えば９
５７．　ｎ　−５＆１合金）に浸して、ライナ用材料１
２ｂに超音波振動を加えることにより、ライナ用材料１
２ｂの表面にアルミニウムをめっきする。そして、めっ
き処理されたライナ用材料１２ｂを用いて、上述と同様
にしてＨＡを行なえば、アルミニウム溶湯５がライナ用
材料１２ｂと拡散接合して、両者が確実に接合する。

［発明の効果］ 以上詳述したように、本発明のエンジンのシリンダブロ
ックの鋳造方法によれば、エンジンのシリンダブロック
をアルミニウム系今所で鋳造するにあたり、まず、該シ
リンダブロックの鋳造空間内のシリンダライナ部を形成
する部分にアルミニウム系金属とニッケル又は銅の線材
との複合したライナ用材料を配置し、続いて、該鋳造空
間内に溶湯を注入するという構成により、必要とするシ
リンダライナの部分についてだけ硬度及び耐摩耗性を高
められるようになり、低コストで且つ容易に、所定性能
のシリンダブロックを鋳造できるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１〜５図は本発明の一実施例としてのエンジンのシリ
ンダブロックの鋳造方法を示すもので、第１図はその縦
断面図、第２図はその要部縦断面図、第３図はその要部
横断図（第２図のＩＩＩ　−ＩＩＩ矢視断面図）第４図
はそのライナ用材料の一部を破断して示す斜視図、第５
図は（ａ）〜（ｄ）はその作用を説明する縦断面図であ
り、第６図は一般的なシリンダブロックの縦断面図であ
る。 １−・シリンダブロック、２−シリンダライナ、３−ウ
ォータジャケット、４−・・スカート部、５・−金属溶
′６ｋ（アルミニウム系金属の溶湯）、６・・・加振装
置、７ａ〜７ｃｍランナー、８−・−ゲート、９湯０．
１０−ランナーや湯口によってできた鋳造物、１０ａ・
・・消失部消失部によってできた鋳造物、１１−消失型
、１１　ａ−消失型の本体、１２・・・シリンダライナ
に相当する部分（ライナ形成部）１２　ａ−一消失部、
１２　ｂ−ライナ用材料、１３−・・ウォータジャケッ
トに相当する部分、１４−・スカート部に相当する部分
、１６−・−錦紗、１７・・・鋳造容器、１８−・−ア
ルミニウム系金属、１９−ニッケル又は銅の線材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 　エンジンのシリンダブロックをアルミニウム系金属で
   鋳造するにあたり、まず、該シリンダブロックの鋳造空
   間内のシリンダライナ部を形成する部分にアルミニウム
   系金属とニッケル又は銅の線材との複合したライナ用材
   料を配置し、続いて、該鋳造空間内に溶湯を注入するこ
   とを特徴とする、エンジンのシリンダブロックの鋳造方
   法。