JPH028312B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は自動二輪車用の液晶表示装置に関す
る。

（従来の技術とその問題点） 従来、この種の液晶表示装置としては、実開昭
55−29420号に開示されるもののように、横長平
板状の一枚板からなる液晶表示ユニツトと、該ユ
ニツトの裏面に位置し、長手方向に長孔を開穿し
た導光板と、該導光板を裏面から照射するランプ
を配設したプリント基板とを重ね合わせると共
に、上記導光板の長孔にゴム性の導電部材を嵌合
配設して上記表示ユニツトとプリント基板とを電
気的に接続したものがある。

このものは、昼間は自然光を利用し、夜間は表
示装置内に設けたランプを点灯することによつ
て、その光を導光板を介して表示ユニツトに伝
え、液晶を照らして表示を行なつている。

ところが、斯る従来の液晶表示装置をケーシン
グ内に取付け収納して自動二輪車用液晶表示装置
を構成した場合、昼間においては、直接外気に触
れるケーシングが太陽熱等外気の熱によつて変形
するのに伴い、該ケーシング内に取付けられる液
晶表示装置も変形を生ずることになるが、その際
は導光板やプリント基板等が変形し、液晶表示ユ
ニツト自体は変形を起こさないため、従来の一枚
板からなる液晶表示ユニツトを用いた液晶表示装
置では、ケーシングや液晶表示装置の変形応力
が、変形を起こさない一枚板からなる液晶表示ユ
ニツト全体に作用するため、該ユニツトの受ける
変形応力が大きく、その結果、液晶表示ユニツト
に対する導電部材の押えが緩くなつたり、惹いて
は、該ユニツト自体が破損する問題がある。ま
た、夜間においては、ランプが導光板裏面に位置
して、該導光板裏面から液晶表示ユニツトに光を
照射するようにしているため、ランプ光の熱がユ
ニツトに伝わり加熱される結果、液晶の耐久性に
支障をきたす問題がある。

（発明の技術的課題） 本発明の技術的課題は、液晶表示ユニツトの破
損や耐久性の低下を招くことがないとともに信頼
性の向上を図り得る自動二輪車用液晶表示装置を
提供することである。

（技術的課題を達成するための手段） 上記技術的課題を達成するために本発明の講ず
る技術的手段は、平板状に構成された半透過型の
液晶表示ユニツトと、該液晶表示ユニツトを嵌合
保持する合成樹脂製の保持部材と、上記液晶表示
ユニツトの表示回路を備えたプリント基板と、前
記液晶表示ユニツトとプリント基板の間に挾持さ
れてランプからの光を液晶表示ユニツト裏面へ導
く導光板と、前記液晶表示ユニツトとプリント基
板との間で両者を電気的に接続する導電部材とに
よつて液晶表示装置を構成すると共に該装置を横
長状のケーシング内に取付けしてなり、前記液晶
表示ユニツトは数値表示部とメーター表示部を備
え、複数に分割して構成すると共に上記液晶表示
装置の少なくとも左右に別体に分離して配設し、
前記導光板は合成樹脂にて一枚の平板横長状に形
成し、その長手方向に沿つて長孔を開穿すると共
に、その長手方向端部を前記液晶表示ユニツトの
長手方向幅よりも延設して延長端部を設け、該端
部に切欠部を形成して該切欠部内にランプを嵌合
配設し、前記導電部材は幅狭且つ比較的長尺な帯
板状に形成し、ゴム層とその間に挾まれた金属層
とからなり、前記導光板に開穿された長孔に嵌合
保持し、前記液晶表示ユニツトを保持部材とプリ
ント基板との間に支持せしめたことをである。

（実施例） 以下、本発明の実施の一例を自動二輪車に装備
される液晶表示装置について図面により説明する
と、図中Ａは合成樹脂製のケーシングであり、横
長状に形成されると共に上下に分割され、上側部
材A₁と下側部材A₂により構成されている。

１は上記ケーシングＡの上側部材A₁上面に開
口された窓孔であり、この窓孔１は略矩形状に開
口されその下面が透明板２により覆われて閉塞さ
れている。

そして、斯るケーシングＡ内に液晶表示装置ａ
が設けられる。

液晶表示装置ａは自動二輪の走行速度及びエン
ジンの回転数を夫々アナログとデジタルで表示す
るもので、液晶表示ユニツトa₁と導光板a₂及びプ
リント基板a₃からなつている。

液晶表示ユニツトa₁は、半透過型のものが使用
され、液晶を内蔵した表示板３とその裏面に設け
られた反射板４とにより構成されていて、走行速
度及びエンジン回転数のアナログ表示を行うメー
ター表示部a₁′、同デジタル表示を行う数値表示
部a₁″を備えている。

この液晶表示装置a₁は複数に分割して構成され
（図示実施例では３枚）、液晶表示装置ａにおいて
少なくとも左右に分離して配設される。

メーター表示部a₁′は、夫々横長な帯板状に形
成され、その長手方向に沿つて上下に配設された
表示板３からなり、第１図に示す如く走行速度及
び回転数に応じた長さ区間の液晶が連続的に発光
することにより、運転者に走行速度及び回転数を
視認させるようにする。

数値表示部a₁″は略正方形状に形成され、前記
メーター表示部a₁′と隣り合つて配設された表示
板３からなり、その上半部に走行速度をキロメー
タ表示又はマイル表示し、下半部に回転数を表示
するようになつている。

又、上記各表示板３は第３図に示す如く、その
配設状態における長手方向の外側の辺部裏面に接
点３ａが形成されている。

これら表示板３裏面の反射板４は表面に当つた
光を反射し、裏面からの光を透過するようになつ
ている。

５は上記表示ユニツトa₁を保持する保持部材で
あり、透明な合成樹脂材をもつて構成されケーシ
ングＡの上側部材A₁にネジ６で固定されている。

７は保持部材５の下面に形成された凹部であ
り、この凹部７に夫々液晶表示ユニツトa₁が嵌め
合い保持され保持部材５下面と面一になるように
なつている。

８は前記各凹部７の上面に開口された窓孔であ
り、液晶表示ユニツトa₁の各表示板３を臨ませて
それらがなす表示をケーシングＡ外部から視認で
きるようにする。

９は上記保持部材５の上面に接着された文字板
であり、その表面にアナログ表示用の表示板ａに
よつてなされる表示を読み取るための目盛、数
字、単位が付されている。

また、文字板９は保持部材５の窓孔８に対応し
てそれをと同形の窓孔１０が開口されると共に、
表面の目盛及び数字等が付された部分だけが表面
からの光の反射光或いは裏面からの透過光により
目盛及び数字等が浮上つて見えるようになつてい
る。

一方、導光板a₂は光を案内して液晶表示ユニツ
トa₁をその裏面から照らすもので、光が透過し得
る透明又は半透明の合成樹脂材でもつて構成さ
れ、液晶表示ユニツトa₁を挾んで保持部材５下面
に接合し液晶表示ユニツトa₁下面のほぼ全面を覆
う一枚の横長平板状に形成されると共に、その長
手方向両端部を上記液晶表示ユニツトa₁の長手方
向幅よりも延設して延長端部１００を設けてい
る。

導光板a₂の裏面には液晶表示ユニツトa₁及び文
字盤９の目盛及び数字等が付された部分に対応し
て多数の小凹部１１が刻設されている。

この小凹部１１は導光板a₂の全域に分散した光
を反射してその方向を液晶表示ユニツトの方向に
変え、液晶表示ユニツトa₁を均一に照らすように
する。

１２は導光板a₂の左右延長端部１００に夫々２
個づつ計４個設けられたランプであり、導光板a₂
の両延長端部１００に形成された略半円状の切欠
部１３に夫々嵌め合うようになつている。

このランプ１２はプリント基板a₃に保持されて
それと電気的に接続され、その点灯により導光板
a₂を介して液晶表示ユニツトa₁を照らすようにす
る。

プリント基板a₃は液晶表示ユニツトa₁の表示回
路を備え、導光板a₂の下方に若干の間隙を介して
設けられている。

この導光板a₂との間隙はリード線を通す為のも
のである。

そして、プリント基板a₃は保持部材５にネジ１
４で導光板a₂とともに共締め固定され、導光板a₂
を液晶表示ユニツトa₁との間に挾持するようにな
つている。

一方、プリント基板a₃の表示回路は液晶表示ユ
ニツトa₁に電気的に接続されるが、その接続手段
は導電部材１５が使用される。

導電部材１５は幅狭な帯板状に成形されてお
り、ゴム層１５ａとその間に挾まれた導電性を有
する金属層１５ｂとからなつていて、その上下側
端面に露出する金属層１５ｂが液晶表示ユニツト
a₁における各表示板３の接点３ａ及びプリント基
板a₃の接点１６に夫々接するようその両者間に挾
持されると共に、液晶表示ユニツトa₁を保持部材
５とプリント基板a₃との間で弾性的に支持せしめ
る。

又、この導電部材１５は、前記メーター表示部
a₁′用として各１個、数値表示部a₁″用として２
個、計４個用いられ、メーター表示部a₁′用のも
のは表示板３の長さに対応して比較的長尺に形成
され、導光板a₂に形成された長孔１７に嵌め合い
保持されるようになつている。

長孔１７は導光板a₂の長手方向に沿つて、メー
ター表示部a₁′の表示板３における接点３ａに対
応するように開穿されている。

尚、前記延長端部１００に形成される切欠部１
３は、この長孔１７の長手方向に位置させ、該切
欠部１３内に嵌合されるランプ１２の光が長孔１
７に保持される導電部材１５に遮ぎられることの
ないようにする。

しかして、斯る液晶表示装置ａは昼間周囲が明
るい状況下において、各液晶表示ユニツトa₁の表
示板３を透過した太陽光線が反射板４で反射さ
れ、その反射光によつて表示板３内の液晶が照ら
され所定の表示がなされる。

この場合、太陽熱等によるケーシングＡの変形
に伴い、液晶表示装置ａを構成する保持部材５、
導光板a₂、プリント基板a₃等液晶表示ユニツトa₁
以外の構成部品も変形するが、その際の変形応力
は液晶表示装置ａにおいて少なくとも左右に別体
に分離して配設された液晶表示ユニツトa₁′，
a₁″に分散されて作用するため、各ユニツト毎の
受ける変形応力は小さくなる。

一方、夜間においてはランプ１２の点灯により
その光が導光板a₂を介して液晶表示ユニツトa₁の
裏面に当り、各表示板３内の液晶を照らし所定の
表示がなされる。

この場合、ランプ１２は導光板a₂の長手方向端
部の延長端部１００に形成した切欠部１３に嵌合
配設したので、ランプ光の熱が液晶表示ユニツト
a₁に直接伝わりにくいと共に、ランプ光の入射効
率も落とすことがない。

尚、本実施例においては、メーター表示部
a₁′用の導電部材１５のみを比較的長尺に形成し
導光板a₂に形成された長孔１７に嵌め合い保持す
るようになつているが、これに限定されず、数値
表示部a₁″用の導電部材１５においても同様に比
較的長尺に形成して長孔１７に嵌め合い保持する
ようにしても構わない。

（作用効果） 本発明は、叙上の如く構成してなるので、以下
の作用効果を奏する。

昼間、太陽熱等によつてケーシングに変形を生
じ、それに伴つて保持部材、導光板、プリント基
板等液晶表示ユニツト以外の液晶表示装置の構成
部品が変形しても、液晶表示ユニツトは複数に分
割して構成すると共に液晶表示装置の少なくとも
左右に別体に分離して配設しているので、液晶表
示ユニツトの受ける変形応力は各ユニツト毎に分
散され、一枚板からなる従来のユニツトに比べて
各ユニツトが受ける変形応力は小さくなり、した
がつて、液晶表示ユニツト以外の構成部品の変形
の結果、液晶表示ユニツトに対する導電部材の押
えが緩くなるといつた不具合はないと共に、液晶
表示ユニツト自体の破損の虞れもない。また、ラ
ンプを導光板の長手方向端部に延長端部に形成し
た切欠部に嵌合配設したので、夜間のランプ点灯
時において、入射効率を落とすことなく液晶表示
ユニツトを照射することができると共に、ランプ
の熱が直接ユニツトに伝わりにくく、液晶表示ユ
ニツトの耐久性を損う虞れがない。

よつて、昼夜にわたつて液晶表示ユニツトの保
護を図り得ると共に、液晶表示装置としての耐久
性、信頼性の向上を図り得る。

更に、液晶表示ユニツトは数値表示部とメータ
ー表示部とに別体に分離されているので、各ユニ
ツト毎に交換でき、他メーターとの共用が可能と
なると共にレイアウトの自由度が高く、また、
個々の表示部に対応して液晶表示ユニツトが取付
けられることになるため、該ユニツトや保持部材
に対する取付け精度も良くなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置を示す一部切欠平面図、第
２図は同一部切欠拡大側面図、第３図は同分解斜
視図である。 尚、図中、液晶表示ユニツト：a₁、保持部材：
５、導電部材：１５、プリント基板：a₃、ゴム
層：１５ａ、ランプ：１２、切欠部：１３、金属
層：１５ｂ、導光板：a₂、長孔：１７、延長端
部：１００、ケーシング：Ａ、数値表示部：a₁″、
メーター表示部：a₁′、である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 平板状に構成された半透過型の液晶表示ユニ
   ツトと、該液晶表示ユニツトを嵌合保持する合成
   樹脂製の保持部材と、上記液晶表示ユニツトの表
   示回路を備えたプリント基板と、前記液晶表示ユ
   ニツトとプリント基板の間に挾持されてランプか
   らの光を液晶表示ユニツト裏面へ導く導光板と、
   前記液晶表示ユニツトとプリント基板との間で両
   者を電気的に接続する導電部材とによつて液晶表
   示装置を構成すると共に該装置を横長状のケーシ
   ング内に取付けしてなり、前記液晶表示ユニツト
   は数値表示部とメーター表示部を備え、複数に分
   割して構成すると共に上記液晶表示装置の少なく
   とも左右に別体に分離して配設し、前記導光板は
   合成樹脂にて一枚の平板横長状に形成し、その長
   手方向に沿つて長孔を開穿すると共に、その長手
   方向端部を前記液晶表示ユニツトの長手方向幅よ
   りも延設して延長端部を設け、該端部に切欠部を
   形成して該切欠部内にランプを嵌合配設し、前記
   導電部材は幅狭且つ比較的長尺な帯板状に形成
   し、ゴム層とその間に挾まれた金属層とからな
   り、前記導光板に開穿された長孔に嵌合保持し、
   前記液晶表示ユニツトを保持部材とプリント基板
   との間に支持せしめたことを特徴とする自動二輪
   車用液晶表示装置。