JPH02804Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、光源ランプを覆う状態で、下端側が
開放され、かつ、その開放された下端側程裾拡が
り状に形成してあるレンズカバーを設け、前記レ
ンズカバーの車体前後方向の面に、前記光源ラン
プに対するレンズ面を形成してあるウインカーラ
ンプに関する。

〔従来の技術〕

上記ウインカーランプにおいて、従来、一般に
プラスチツク製で射出成形により製作しており、
光源ランプからの投射光を上下方向で収束するた
めに例えば第６図及び第７図に示すように、前記
ランプカバー１０の前後面をフレネルレンズで構
成したもの、あるいは第８図及び第９図に示すよ
うに、多数の凸レンズ面ｇを縦横に配列させて構
成したものとがあつた。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記第１の従来構造は、ランプ投射光を上下方
向に収束させて、車体前後方向に向けて光の強度
を向上させるようにして光源ランプの光を有効に
利用したものである。

ところが、第６図から明らかなように、上記レ
ンズ面を射出成形で製作するには、前後夫々のレ
ンズ面に対応する金型を各別に備える必要があ
り、又、上部面用の金型も必要で、レンズカバー
内面側に対する金型を計３個必要とし、しかも、
成形後に金型を抜き採るのに、異なる３方向に抜
かなければならず、製作に手間を要し、コストが
アツプする欠点があつた。

上記第２の従来構造では、上記したような複数
個の金型は必要としないが光源ランプからの投射
光が上下方向並びに水平方向夫々に拡散してしま
い、車体前後方向における必要光量を得るには光
源ランプの光量自体を大きくさせねばならないと
いう問題があつた。

本考案は、上記したような不具合点を解消する
とを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を解決するための本考案の特徴構成
は、冒頭に記載したウインカーランプにおいて、
前記レンズ面は、レンズカバーの内方側へ円柱状
面を向けて、かつ、その円柱状面の曲率中心線を
上下方向に沿わせた多数のシリンドリカルレンズ
面を縦横に配列させた状態で形成してあり、さら
に、前記各シリンドリカルレンズ面は、その最上
部のシリンドリカルレンズ面のカバー内方側への
突出端縁が鉛直方向に沿い、かつ、下方側のシリ
ンドリカルレンズ面においてカバー内方側への突
出端縁をその下端側が前記光源ランプから遠ざか
る傾斜状態に設けてあるとともに、下端側のシリ
ンドリカルレンズ面程、前記内方側突出端縁の傾
倒度合が大となるよう構成してある点にある。

〔作用〕

前記レンズ面をシリンドリカルレンズで構成す
るので、光源ランプからの光は水平方向において
は拡散され、しかもシリンドリカルレンズは上端
側から下方に向けて徐々に傾斜する構成となるの
で、縦方向でのレンズ面の断面形状は略凸レンズ
状の構成となり、光源ランプからの光は縦方向で
収束されることになる。

又、レンズカバー内面のレンズ面においては、
上記第１の従来のような水平方向の凹部は存在せ
ず、内面成形用金型は１個で済む。

〔考案の効果〕

その結果、製作面においては、レンズカバーの
内面用成形金型が１個で済み、しかも抜き方向は
一方向であるので、製作の手間がかからず、コス
ト面でも有利にできるものでありながら、上下方
向には光が収束され、必要な方向へのみ光を集中
させることができるので、光源ランプの光量を無
用に大きくさせる必要がない。又、水平方向には
光が拡散するので車体前後方向において広範囲に
亘り強い光を投射できて、実用上の利便性が向上
できた。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図に本考案に係るウインカーランプ８を装
着した農用トラクタを示している。この農用トラ
クタは、前後車輪１，２を夫々軸架するととも
に、運転座席３及びハンドル４を設けた走行車体
の後部に駆動上下揺動自在な左右一対のリフトア
ーム５，５と動力取出し軸６とを備えてある。

前記ウインカーランプ８は、左右後輪フエンダ
７，７夫々の上部に取付けられ、第２図ないし第
４図に示すように、光源ランプ９を覆う状態で、
下端側が開放され、かつ、その開放された下端側
程裾拡がり状に形成してあるレンズカバー１０を
設けるとともに、レンズカバー１０の下部開口を
閉塞するベース部材１１にボルト止めした取付部
材１２に前記光源ランプ１０を取付支持してあ
る。そして、レンズカバー１０の上面と左右両横
側面とを覆うクランプ部材１３を、前記レンズカ
バー１０とともにフエンダ７，７にボルト固定し
て、ウインカーランプ８がフエンダ７に取付けら
れている。

前記ベース部材１１は白色プラスチツク製で光
源ランプ９からの光を反射させやすいように構成
してあり、前記レンズカバー１０の車体前後方向
の面に、光源ランプ９に対するレンズ面Ｆを形成
してある。

そして、前記レンズ面Ｆは、第５図に示すよう
に、レンズカバー１０の内方側へ円柱状面を向け
て、かつ、その円柱状面の曲率中心線を上下方向
に沿わせた多数のシリンドリカルレンズ面ｆを縦
横に配列させた状態で形成してあり、さらに、前
記各シリンドリカルレンズ面ｆは、その最上部の
シリンドリカルレンズ面ｆのカバー内方側への突
出端縁が鉛直方向に沿い、かつ、下方側のシリン
ドリカルレンズ面ｆにおいてカバー内方側への突
出端縁をその下端側が前記光源ランプ９から遠ざ
かる傾斜状態に設けてあるとともに、下端側のシ
リンドリカルレンズ面ｆ程、前記内方側突出端縁
の傾倒度合が大となるよう構成してある。

又、前記レンズカバー１０の上部内面には、多
数の凸部を形成して、外部からレンズカバー１０
内を透視できないようにして見掛けを良くしてい
る。尚、図中１４は、光源ランプ９への配線１５
をシール状態で通すためのゴム座を示す。

上記したように、レンズカバー１０を射出成形
する上で、レンズカバー１０の内面に対する金型
が１個で済むように構成しながら、光源ランプ９
からの投射光がレンズ面Ｆを透過するに伴い、上
下方向に対して結果的に凸レンズの如く作用して
光が収束し、極力遠方まで良好に伝播されるよう
構成してある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は本考案に係るウインカー
ランプの実施例を示し、第１図は農用トラクタの
全体側面図、第２図はウインカーランプの一部切
欠平面図、第３図は第２図の−線断面図、第
４図は第２図の−線断面図、第５図はレンズ
面の一部の斜視図である。そして、第６図は従来
構造の縦断側面図、第７図は第６図の−線断
面図、第８図は別の従来構造の縦断側面図、第９
図は第８図の−線断面図である。 ９……光源ランプ、１０……レンズカバー、Ｆ
……レンズ面、ｆ……シリンドリカルレンズ面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 光源ランプ９を覆う状態で、下端側が開放さ
   れ、かつ、その開放された下端側程裾拡がり状に
   形成してあるレンズカバー１０を設け、前記レン
   ズカバー１０の車体前後方向の面に、前記光源ラ
   ンプ９に対するレンズ面Ｆを形成してあるウイン
   カーランプであつて、前記レンズ面Ｆは、レンズ
   カバー１０の内方側へ円柱状面を向けて、かつ、
   その円柱状面の曲率中心線を上下方向に沿わせた
   多数のシリンドリカルレンズ面ｆを縦横に配列さ
   せた状態で形成してあり、さらに、前記各シリン
   ドリカルレンズ面ｆは、その最上部のシリンドリ
   カルレンズ面ｆのカバー内方側への突出端縁が鉛
   直方向に沿い、かつ、下方側のシリンドリカルレ
   ンズ面ｆにおいてカバー内方側への突出端縁をそ
   の下端側が前記光源ランプ９から遠ざかる傾斜状
   態に設けてあるとともに、下端側のシリンドリカ
   ルレンズ面ｆ程、前記内方側突出端縁の傾倒度合
   が大となるよう構成してあるウインカーランプ。