JPH027986Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、上水道分野において利用されるレジ
ンコンクリート製量水器筐蓋に関する。

（従来の技術） 従来、上水道分野において使用されている量水
器筐蓋としては、鋳物製、コンクリート製、合成
樹脂製のものが知られている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上述した従来の量水器筐蓋には
以下に列記する問題があつた。

鋳物製の蓋は、重くて錆付きやすく、しかも
外観上見栄えが悪い。

コンクリート製の蓋は、脆いため欠けやす
く、又、表面が平滑でなくしかも着色しにく
い。

合成樹脂製の蓋は、耐熱性が悪いため夏場に
反つてしまう。又、軽量であるため振動で筐本
体より飛び出てしまう。しかも耐候性が悪いた
め経時的劣化が激しく耐久性に劣る。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、かかる従来の問題点を解決するため
になされたもので、その目的とするところは、外
観、物性共に、鋳物製、コンクリート製、合成樹
脂製等の蓋よりも優れた量水器筐蓋を提供ること
にあり、その目的を達成するための技術的手段と
して、本考案では、上面層が熱硬化性樹脂と微粒
の硅砂を主成分とする樹脂混合物により形成さ
れ、かつ該上面層の下にガラスマツト、熱硬化性
樹脂と硅砂を主成分とするレジンコンクリート組
成物、ガラスマツトが順に積層された構成を採用
した。

（作用） 本考案は、上面層が熱硬化性樹脂と微粒の硅砂
を主成分とする樹脂混合物により形成され、かつ
該上面層の下にガラスマツト、熱硬化性樹脂と硅
砂を主成分とするレジンコンクリート組成物、ガ
ラスマツトが順に積層されて構成されているの
で、外観が美しく、錆付かず、しかもコンクリー
トのような剛性を有する量水器筐蓋を得ることが
できる。

又、本考案では、蓋全体の大部分が砂やガラス
繊維等の無機質で構成されているので、経時的劣
化も少なく、耐久性の優れた量水器筐を提供でき
る。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づき説明す
る。

第１図及び第２図は、本考案のレジンコンクリ
ート製量水器筐蓋Ａの実施例を示したもので、た
て20cm、よこ40cm、厚み１cmの板状体に成形さ
れ、上から上面層１、ガラスマツト２、レジンコ
ンクリート組成物３、ガラスマツト４の順に層を
形成している。

前記上面層１は、熱硬化性樹脂と微粒の硅砂を
主成分としたもので、厚さ約１mmに形成してい
る。レジンコンクリート組成物３は、熱硬化性樹
脂約25重量％、硅砂約50重量％、残りは炭酸カル
シウム、硬化剤、触媒とから成るもので、厚さ約
８mmに形成している。

次に、前記量水器筐蓋Ａの製造方法について説
明する。

量水器筐蓋Ａは、JIS表示による同一番手のガ
ラスマツト２，４を上下に置き、この２枚のガラ
スマツト２，４の間に前記熱硬化性樹脂、硅砂を
主成分とするレジンコンクリート組成物３を充填
した後、略58Kg／cm²のプレス圧で150秒ほど加
圧・加熱して硬化成形する。

量水器筐蓋Ａの表面には、市章マークやサイズ
等を刻印するため上面層１が必要になるが、上型
の裏面に亀甲模様を設けておけば、プレス圧によ
つてレジンコンクリート組成物３が亀甲模様の凹
凸にあわせて押出され表面に凹部１ａ、凸部１ｂ
を有する上面層１を形成することができる。

前記上面層１は、熱硬化性樹脂、微粒の硅砂が
主成分となるのもので、内部のレジンコンクリー
ト組成物３に比べて上面層１の寸法収縮率が大き
くなる。そのため、上面層１の厚みを厚くすると
量水器筐蓋Ａが大きく反つて湾曲状に変形してし
まい量水器筐本体に嵌合したとき量水器筐蓋Ａが
がたつきを生じてしまう。そこで、実施例では第
３図に示すように、上面層１の厚みを略１mmにす
ると共に、凹部１ａの深さを略0.8mmに形成する
ことにより、量水器筐蓋Ａの反りをほとんどなく
し、量水器筐本体に嵌合しても量水器筐蓋Ａがが
たつきを生じなように成形している。

尚、本実施例の量水器筐蓋Ａの圧縮破壊荷重は
2000Kgであり通常の鋳物性の量水器筐蓋よりかな
り強い剛性を示した。

このように、本実施例にあつては上面層１の厚
みを１mmの薄肉に形成したことにより、量水器筐
蓋Ａの反りをほとんどなくすことができ、量水器
筐本体に嵌合してもがたつきのない量水器筐蓋Ａ
を提供することができるものである。

以上、本考案の実施例を図面により説明した
が、具体的な構成はこの実施例に限定されるもの
ではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲におけ
る設計変更等があつても本考案の技術的範囲に含
まれる。

（考案の効果） 上述のように、本考案のレジンコンクリート製
量水器筐蓋にあつては、上面層が熱硬化性樹脂と
微粒の硅砂を主成分とする樹脂混合物により形成
され、かつ該上面層の下にガラスマツト、熱硬化
性樹脂と硅砂を主成分とするレジンコンクリート
組成物、ガラスマツトが順に積層されて構成され
いるので、外観が美しく、錆付かず、しかもコン
クリートのような剛性を有する量水器筐蓋を得る
ことができる。

又、本考案では、蓋全体の大部分が砂やガラス
繊維等の無機質で構成れているので、経時的劣化
も少なく、耐久性の優れた量水器筐を形成できる
という卓抜した効果も奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のレジンコンクリート製量水器
筐蓋の一実施例を示す平面図、第２図は同上の
−断面図、第３図は同上の一部拡大端面図であ
る。 Ａ：レジンコンクリート製量水器筐蓋、１：上
面層、２：ガラスマツト、３：レジンコンクリー
ト組成物、４：ガラスマツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面層が熱硬化性樹脂と微粒の硅砂を主成分と
   する樹脂混合物により形成され、かつ該上面層の
   下にガラスマツト、熱硬化性樹脂と硅砂を主成分
   とするレジンコンクリート組成物、ガラスマツト
   が順に積層されて構成されていることを特徴とす
   るレジンコンクリート製量水器筐蓋。