JPH027494Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、自動車のダツシユパネルに取り付
けられた車載用音響機器をダツシユパネルから取
り外す取外し金具に関する。

〔従来の技術〕

一般に、ラジオ付車載用音響機器の場合、チユ
ーニングシヤフトあるいはボリユームシヤフトを
利用して自動車のダツシユパネルに取り付けてい
るが、これらのチユーニングシヤフト及びボリユ
ームシヤフトの必要がない電子同調（ETR）の
ラジオを取り付ける際には、専用の取付工具を準
備して取付けに多くの時間が必要であつた。

そのため、従来から車載用音響機器を簡単に自
動車のダツシユパネルに取り付ける取付け装置が
種々提案されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、車載用音響機器は、一度ダツシユパ
ネルに取り付けると、後に全く取り外すことがな
いわけではなく、スピーカや他の機器との接続
や、車載用音響機器の故障あるいは調整に際して
は、ダツシユパネルから取り外す必要がでてく
る。

したがつて、車載用音響機器の取付けに際して
は、常に取外しのことも考慮に入れておく必要が
ある。

この考案は、上記のような技術的背景に鑑みて
なされたもので、その目的は、車載用音響機器を
簡単に取り外すことができる車載用音響機器の取
外し装置を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、この考案は、パネル
側に挿入して固定された車載用音響機器の固定状
態を解除し、パネル前面から引き出す車載用音響
機器の取外し装置において、車載用音響機器の前
面側から挿入されて車載用音響機器本体と係合
し、取出し時に車載用音響機器を支持する支持部
と、挿入時に車載用音響機器とパネル側との係合
状態を解除する係合解除部と、車載用音響機器を
引き出すための把持部と、を備えた構成になつて
いる。

〔作用〕

上記手段によれば、パネル側に係合状態で固定
されている車載用音響機器に対して、車載用音響
機器の前面から取外し装置を挿入すると、その挿
入深さに応じて係合解除部が車載用音響機器とパ
ネル側との係合状態を解除し、完全に解除したと
きには、取外し装置の支持部が車載用音響機器に
係合する。そして、把持部を持つて引張ると車載
用音響機器はパネル側に対して非拘速になつてい
るので、取外し装置に支持された状態で引き出さ
れ、パネル側から取り外すことができる。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例を図面に従つて説明
する。

図は全て、この考案の実施例を説明するための
もので、第１図は、本実施例に係る取付装置と車
載用音響機器の分解斜視図であり、第２図は、そ
の要部の拡大図である。

自動車のダツシユパネル１には、ケース３が挿
入される開口部２が設けられている。前記ケース
３には、ダツシユパネル１に取付けるための爪片
４と、車載用音響機器（以下、車載機器と略称す
る）７が挿入される開口部５と、この開口部５に
車載機器７の取付位置決めをするためのストツパ
ー部６と、車載機器７の取付け時のガタを防止す
るための押圧片９（第２図参照）が設けられてい
る。車載機器７には前記ケース３に設けたストツ
パー部６と当接して取付位置決めを行なうための
ストツパー片１０，１１と、車載機器７をケース
３内に係止するために係止片８と係合可能な係合
部１３を有し、かつ回動自在に枢着したコ字状の
係合部材１２と、カセツト挿入口１５と、ラジオ
周波数表示部１６、押釦群１７を備えたノーズ１
８とが設けられている。１９はフエースプレート
であつて、車載機器７のノーズ１８に嵌合すると
共に前記コ字状の係合部材１２に設けた係合部１
４を挾持するリブ２０が設けられている。

２１は、車載機器７をケース３から取外すため
の取外し金具であり、前記コ字状の係合部材１２
の係合部１４に当接する係合解除部としての傾斜
辺２２と、前記ストツパー片１１に設けた開孔部
１１ａに挿通される支持部としての足片２４と、
この足片２４に備えられ挿通時に、前記ストツパ
ー片１１と係合する突出片２３と、取外しの際、
ケース３より車載機器７を引き出すために用いら
れる把持部としての取つ手部２５とを有する。

次に、上記実施例において、車載機器７の取付
け方法について説明する。

第３図は、ケース３に設けた係止片８と車載機
器７に設けたコ字状の係合部材１２の係合部１３
との係合を説明するための側面図、第４図は、前
記係止片８と係合部１３との係合状態を示す断面
図である。

第１図乃至第３図に示すように、先ずダツシユ
パネル１に設けた開口部２にケース３を挿入し
て、このケース３に複数個設けられている爪片４
を、第３図に図示したごとく外側に折り曲げて、
ケース３をダツシユパネル１に固定する。次にコ
字状の係合部材１２を第３図のＡの位置に回転す
る。

そして、この状態のまま車載機器７をケース３
に挿入し、ケース３に設けたストツパー部６と車
載機器７に設けたストツパー片１０，１１が当接
するまで車載機器７をケース３に押し込む。この
時ケース３に設けた押圧片９にて車載機器７の取
付けガタが防止される。

その後、第３図に図示したごとく、コ字状係止
部材１２の一端の係合部１４を上方に回転させ
て、Ｂの位置に戻し、第４図に図示したごとく、
他端の係合部１３を係止片８と係合させ、ケース
３に車載機器７を係止する。そして、更に第１図
に図示したフエースプレート１９を車載機器７の
ノーズ１８に嵌合させ、それと共にコ字状の係合
部材１２に設けた係合部１４をリブ２０の間に挾
持させて、前記係合部材１２の回動を規制して取
付けを完了する。

次に、車載機器７の取外しについて説明する。

第５図は、取外し金具２１の足片２４を車載機
器７に設けたストツパー片１１の開孔部１１ａに
挿通して、ケース３より車載機器７を取外す際の
状態を示す斜視図である。

第３図に示したように、取外し金具２１の足片
２４を開孔部１１ａに挿通すると共に、この金具
２１に設けた傾斜辺２２をコ字状の係合部材１２
の係合部１４に当接する。取外し金具２１を第５
図に図示した状態まで挿入すると、コ字状の係合
部材１２は、傾斜辺２２に沿つて第３図のＢ位置
からＡ位置まで回動し、第４図に示した係止片８
と係合部１３との係合が解除される。第５図に示
すごとく、取り外し金具２１の足片２４に設けた
突出片２３が、この時ストツパー片１１と係合
し、取外し金具２１を用いてケース３より車載機
器７を引き抜く際の係止手段として作用する。従
つて、取外し金具２１を手前に引くことによつ
て、ケース３より車載機器７を取外すことができ
る。

以上のように、上記実施例によれば、取外し金
具２１の足片２４を車載機器７のストツパー片１
１の開孔部１１ａに挿入するときに、傾斜辺２２
が係合部材１２を回動させて、少なくとも該足片
２４の突出片２３が開孔部１１ａを通り抜けた後
に、係合部材１２の係止片８に対する係合状態を
解除するので、取つ手部２５を引張ると、車載機
器７のみを簡単に引き出すことができる。

なお、上記実施例では、係合解除部たる傾斜辺
２２が三角形の斜辺として形成されているが、こ
の形状は、ケース３側の係止片８と車載機器７側
の係合部材１２の係合形式や形状によつて種々選
択できることはいうまでもない。

〔考案の効果〕

これまでの説明から明らかなように、支持部と
係合解除部と把持部とを備えた本考案の取外し装
置によれば、取外し装置を車載用音響機器の係合
部に沿つて挿入するだけで、係合解除部が車載用
音響機器のパネル側への固定状態を解除し、支持
部が車載用音響機と係合するので、把持部を持つ
て引き出せば、支持部によつて支持された車載用
音響機器を簡単に取り外すことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の取付装置と車載用
音響装置の分解斜視図、該２図は同実施例の取付
装置の要部拡大図、第３図は同実施例の取付装置
の側面図、第４図は取付装置の係合状態を示す断
面図、第５図は取付装置の係合を解除する状態を
示す斜視図である。 １……ダツシユパネル、２……開口部、３……
ケース、７……車載用音響機器、８……係止片、
１２……係合部材、２１……取付金具、２２……
傾斜辺、２４……足片、２５……取つ手部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) パネル側に挿入して固定された車載用音響機
   器の固定状態を解除し、パネル前面から引き出
   す車載用音響機器の取外し装置において、車載
   用音響機器の前面側から挿入されて車載用音響
   機器本体と係合し、取出し時に車載用音響機を
   支持する支持部と、挿入時に車載用音響機器と
   パネル側との係合状態を解除する係合解除部
   と、車載用音響機器を引き出すための把持部
   と、を備えていることを特徴とする車載用音響
   機器の取外し装置。 (2) 実用新案登録請求の範囲第(1)項の記載におい
   て、支持部が把持部から延出した一対の足片で
   あることを特徴とする車載用音響機器の取外し
   装置。 (3) 実用新案登請求の範囲第(1)項の記載におい
   て、係合解除部が、係合部分を押し上げる傾斜
   辺からなることを特徴とする車載用音響機器の
   取外し装置。