JPH027403Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、一般家庭で使用し室内排気する温
風暖房器に関するものである。

〈従来の技術〉 従来よりこの種の温風暖房器では、バーナユニ
ツトの外周を覆う排気筒を備え、且つ該排気筒下
部全周に温風フアンの送風の一部を燃焼用の二次
空気として供給するための空気穴を設けたもの
は、例えば実開昭56−5957号としてすでに公知で
ある。

〈考案が解決しようとする問題点〉 この従来のものは、排気筒下部に単に複数個の
空気穴を設けただけなので、送風力の強い温風フ
アンの送風はほとんど温風として前方に放出され
てしまい、従つて炎口部の温風フアン側は直接強
風による過剰空気となつて炎がリフテイングし、
又反対側は空気不足による黄炎となり、燃焼全体
がアンバランスな燃焼又は異常燃焼となる問題を
有した。

〈問題点を解決するための手段〉 この考案は上記問題点を解消するため燃焼器上
部の炎口部外周を覆い上方開放で下部周壁に二次
燃焼空気用の流通口を有した燃焼筒を備え該燃焼
筒の外周に空気流通路を形成して上方開放の遮熱
筒を備え該遮熱筒の適所に温風フアンからの送風
の一部を二次空気として空気流通路に導入する供
給孔を複数個設け更に燃焼熱を温風フアンからの
送風で直接室内に放出する温風暖房器に於いて、
前記遮熱筒の供給孔と燃焼筒の流通口とを位置を
異ならせて配列すると共に遮熱筒の各供給孔の全
部又は一部には切起こし片を備え該切起こし片は
外方に屈曲して送風方向と直交させた事を特徴と
する温風暖房器に係るものである。

〈作用〉 周知の燃焼操作することにより、燃焼熱は温風
フアン１１の送風と合流して吹出口１７より温風
として放出される。

一方送風の一部は遮熱筒８の供給孔１２より流
入し、燃焼筒６壁面に衝突し上下に分流され、一
部の空気は燃焼筒６下端の連通口７より炎口部３
に供給され、更に両側面の切起こし片１３によつ
て温風フアン１１の送風力が強くてもその一部は
切起こし片に確実に案内され供給孔１２より炎口
部３の下流側に供給され、しかも送風は一旦切起
こし片１３にぶつかつた後空気流通路９内に供給
されるので、その流速は減速されつつ全周に渡つ
てスムーズな流れとなつて供給又は炎口部３に吸
引される。

〈実施例〉 １は加熱手段（図示せず）によつて加熱され供
給される燃油を気化すると共に、この気化ガスと
燃焼フアン２によつて供給される燃焼空気とを予
混合し上部のネツトで形成された炎口部３より燃
焼させる燃焼器で、本体枠４内の仕切板５に炎口
部３を突出した状態で固定されている。

６は仕切板５上の炎口部３外周を覆う上方開放
の燃焼筒で、下部周壁には燃焼用の二次空気が流
通する複数個の流通口７を備えている。

８は燃焼筒６外周を覆うように備えられた上部
開放の遮熱筒で、燃焼筒６との間には常に空気の
流れを有する小隙間の空気流通路９を形成し乍ら
燃焼筒６のみでは遮熱しきれない熱気を遮熱する
ものであり、更に後方半径側の上端部には他より
上方に立ち上がつた遮風壁１０を備え、又同じく
後方半径側の下端には後方後温風フアン１１より
の送風の一部を燃焼用の二次空気として燃焼筒６
の流通口７を介して燃焼器１に供給する為の複数
個の供給孔１２を燃焼筒６の流通口７と高さ位置
を異ならせて形成されている。

前記供給孔１２は温風フアン１１の回転方向が
正面から見て時計回転方向であるので、向かつて
右側に２個そして左側に１個それぞれ不均一に形
成された横長の供給孔と、遮熱筒８のほぼ側方の
対向位置で前方に後方の温風フアン１１からの送
風を案内する切起こし片１３を外方にほぼ直角に
屈曲してそれぞれ備えた２個の縦長の供給孔とに
よつて構成されているものである。

１４は燃焼筒６及び遮熱筒８を内方に備えた燃
焼室で、後方の遮熱筒８と対向する位置に備えた
前記温風フアン１１の駆動で、該温風フアン１１
のカバー体１５の吸入孔１６を介して室内空気を
吸引し内方で燃焼による燃焼熱と合流させ乍ら連
通した本体枠４前面下部の温風吹出口１７より温
風として室内に放出させるものである。

１８は吸込口１９を介して吸引した一次燃焼空
気を燃焼フアン２の駆動で燃焼器１に供給する為
の供給路である。

２０は本体枠４を固着した置台である。

次にこの考案一実施例の作動について説明す
る。

燃焼器１を燃焼させ且つ温風フアン１１を駆動
させれば、燃焼筒６内を上昇して来た燃焼熱は燃
焼筒６上方で温風フアン１１よりの送風と合流
し、且つその送風力に引張られて温風となつて本
体枠４前面下方の吹出口１７より室内に放出さ
れ、室内を下方から良好に暖房するものである。

同時に温風フアン１１よりの送風の一部は、燃
焼用の二次空気として遮熱筒８の供給孔１２より
流入し、燃焼筒６壁面に衝突して上下に分流され
一部の空気は燃焼筒６下端の連通口７より炎口部
３に供給され、この時遮熱筒８の供給孔１２は温
風フアン１１の回転方向に合わせて形成されてい
るので、供給される二次空気は全周均一であり火
炎が片寄つたり不均一になることがないものであ
り、更に両側面の切起こし片１３によつて温風フ
アン１１の送風力が強くてもその一部は切起こし
片１３に確実に案内されて供給孔１２より炎口部
３の下流側に供給されるものであり、しかも送風
は一旦切起こし片１３にぶつかつた後空気流通路
９内に供給されるので、その流速は減速されつつ
全周に渡つてスムーズな流れとなつて供給又は炎
口部３に吸引され、従来のように二次空気のアン
バランスによつて異常燃焼器を引き起こすなどの
心配がなく、常に良好な燃焼が得られるものであ
る。

〈考案の効果〉 この考案によれば、遮熱筒８の供給孔１２と燃
焼筒６の流通口７とを位置を異ならせて配列した
ので、二次用の燃焼空気は一旦燃焼筒の壁面に衝
突されるので送風圧は減退され従つて炎口部の前
後方向に対する送風圧の強弱又は過不足の差は小
さくされ炎の状態を均一化される。

又遮熱筒８の各供給孔１２の全部又は一部には
切起こし片１３を備え該切起こし片１３は外方に
屈曲して送風方向と直交されたものであるから、
二次用の燃焼空気は切起こし片によつて確実に案
内されしかも流速を減速されて供給され、炎口部
の下流側にも充分で且つ均一に燃焼空気を供給さ
れ、炎口部でのリフテイングや黄炎のアンバラン
ス燃焼は解消される。

更に切起こし片は供給孔の形成と同時に形成さ
れるのであり、別部材で案内片を形成するなどの
加工が不用で安易且つ安価に形成出来るなどの利
点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案一実施例を示す温風暖房器の
断面図、第２図は同遮熱筒の斜視図。 １……燃焼器、３……炎口部、６……燃焼筒、
７……流通口、８……遮熱筒、９……空気流通
路、１１……温風フアン、１２……供給孔、１３
……切起こし片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃焼器１上部の炎口部３外周を覆い上方開放で
   下部周壁に二次燃焼空気用の流通口７を有した燃
   焼筒６を備え該燃焼筒６の外周に空気流通路９を
   形成して上方開放の遮熱筒８を備え該遮熱筒８の
   適所に温風フアン１１からの送風の一部を二次空
   気として空気流通路９に導入する供給孔１２を複
   数個設け更に燃焼熱を温風フアン１１からの送風
   で直接室内に放出する温風暖房器に於いて、前記
   遮熱筒８の供給孔１２と燃焼筒６の流通口７とを
   位置を異ならせて配列すると共に遮熱筒８の各供
   給孔１２の全部又は一部には切起こし片１３を備
   え該切起こし片１３は外方に屈曲して送風方向と
   直交させた事を特徴とする温風暖房器。