JPH045868Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は複数のバーナ体を備えた圧力噴霧式燃
焼装置に関するものである。

（従来の技術） 従来、多用途給湯機の燃焼室に臨む複数のバー
ナ体と、該各バーナ体へ燃料を供給する燃料供給
ポンプと、該各バーナ体へ燃焼用空気を送風する
送風機とを備えた圧力噴霧式燃焼装置において、
前記各バーナ体の一又は二以上のものを適宜駆動
して湯温を調節し、給湯、暖房等を行なう圧力噴
霧式燃焼装置が知られている。

（考案が解決しようとする問題点） 前記従来の圧力噴霧式燃焼装置では、前記各バ
ーナ体は１個の送風ダクトにそれぞれ連結し燃焼
用空気が供給されるが、該各バーナ体の取付け位
置により該燃焼用空気の量が異なり、該各バーナ
体にて適正な空燃比及び熱量を提供することがで
きないという問題点を有していた。

本考案の目的は、前記従来の問題点に鑑み、多
目的の給湯機等に使用することができることは勿
論のこと、各目的に応じた燃焼量を供給すること
ができる圧力噴霧式燃焼装置を提供することにあ
る。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前記問題点を解決するため、給湯機の
燃焼室等に臨む複数のバーナ体と、該各バーナ体
へ燃料を供給する燃料供給ポンプと、該各バーナ
体へ燃焼用空気を送風する送風機とを備えた圧力
噴霧式燃焼装置において、前記各バーナ体を大熱
量を出力する大熱量バーナ群と、小熱量を出力す
る小熱量バーナ群とから構成するとともに、前記
送風ダクトは、前記小熱量バーナ群に燃焼用空気
を給送する第１のバーナダクトと、前記大熱量バ
ーナ群に燃焼用空気を給送する第２のバーナダク
トと、該第１及び第２のバーナダクトを連通させ
る共通ダクトとにより構成し、前記第１及び第２
のバーナダクト並びに前記共通ダクトは、前記送
風機の吹出口に連通するバーナケーシングの内部
に仕切り片により分離して互いに隣接して配置さ
れ、かつ、該第２のバーナダクトは前記第１のバ
ーナダクトより風下側に配置するとともに、該第
１のバーナダクトの空気流入口は前記送風機の吹
出口に対向して設けたことを特徴とする。

（作用） 本考案によれば、送風ダクトを構成する第１及
び第２のバーナダクト並びに共通ダクトが、バー
ナケーシングの内部に仕切り片により分離して互
いに隣接して配置されているため、各仕切り片が
各ダクトを区画する共通の仕切りとして用いら
れ、各ダクトを形成する仕切り片が少なくて済
む。また、送風機の燃焼用空気がバーナケーシン
グ内の送風ダクトに送風されたとき、このバーナ
ケーシングでバーナ体以外の部分が密閉されてい
るため、送風空気の圧力がバーナケーシングの風
下側、即ち第２のバーナダクト側が大きく、風上
側、即ち第１のバーナダクト側が小さくなる。

ここで、本考案においては、多量の送風量を必
要とする第２のバーナダクト側を風下側に、ま
た、多量の送風量を必要としない第１のバーナダ
クトを風上側としているため、送風空気の圧力が
大きい即ち多量の送風量を得ることができる場所
に第２のバーナダクトが配置され、大熱量バーナ
群に十分に燃焼用空気を給送される。

他方、送風空気の圧力が小さい即ち多量の送風
量を必要としない場所には第１のバーナダクトが
配置されるが、小熱量バーナで空気不足が生じな
いよう第１のバーナダクトの空気流入口を送風機
の吹出口に対向させている。

（実施例） 第１図乃至第４図は本考案の一実施例を示すも
ので、１は上部を開口した横長のバーナケーシン
グ（以下、ケーシングという）、１０は該ケーシ
ング１を支持する架台、２０は該ケーシング１内
に設けられた複数のバーナ体、３０は該バーナ体
２０に燃焼用空気を給送する送風機、例えばシロ
ツコフアン、４０はシロツコフアン３０の燃焼用
空気を該バーナ体２０に導く送風ダクト、５０は
該各バーナ体２０に液体燃料を供給する燃料供給
ポンプ、例えば電磁ポンプである。

前記ケーシング１の上部開口は覆板２により閉
塞するとともに、該覆板２には長手方向に沿つて
４個の貫通孔３を設け、該各貫通孔３の周縁には
スタビライザ４を内設したドラフトチユーブ５を
立設している。また該覆板２の長手方向一端側の
３個の貫通孔３と他端側の１個の貫通孔３とは大
きく離隔してなり、その間に仕切り壁６を立設し
ている。

前記各バーナ体２０はノズル２１とノズルアダ
プタ２２と電磁弁２３とを順次直列に連結してな
り、該ノズル２１及び該ノズルアダプタ２２の上
部は前記各貫通孔３を貫通して前記各ドラフトチ
ユーブ５内に位置し、該電磁弁２３は前記ケーシ
ングの底板１ａに立設している。また、該ケーシ
ング１の長手方向一端側における３個のバーナ体
により大熱量のバーナ群Ａを、他端側の１個のバ
ーナ体２０により小熱量のバーナ群Ｂをそれぞれ
構成している。更に、該バーナ群Ａの中央のバー
ナ体２０及び該バーナ群Ｂのバーナ体２０の近傍
には点火プラグ２４が立設し、該点火プラグ２４
の点火棒２４ａの先端は該各バーナ体２０のノズ
ル２１の先端に位置している。

前記送風ダクト４０は、第３図に示すように、
前記シロツコフアン３０により送風される燃焼用
空気が流通する共通ダクト４１と、該共通ダクト
４１の燃焼用空気が流通する第１及び第２のバー
ナダクト４２，４３とから構成され、該各ダクト
４１，４２，４３は前記ケーシング１内を仕切る
後記の仕切り片により分離して互いに隣接して配
置されている。即ち、該ケーシング１の幅方向一
側板１ｂから前記バーナ群Ａ，Ｂ間に延設された
第１の仕切り片６０と、該仕切り片６０の先端か
ら横方向に延びる第２の仕切り片６１と、該第２
の仕切り片６１の先端から該ケーシング１の長手
方向一側板１ｃに向つて斜めに延びる第３の仕切
り片６２とが設けられ、該各仕切り片６０，６
１，６２と該一側板１ｂとの間に前記バーナ群Ｂ
を囲む前記第１のバーナダクト４２が形成されて
いる。

また、第２及び第３の仕切り片６１，６２と該
ケーシング１の一側板１ｃ及び幅方向他側板１ｄ
との間に前記共通ダクト４１が形成されており、
該共通ダクト４１の該一側板１ｃ側は前記シロツ
コフアン３０の吹出口３１に連通し、また、前記
第３の仕切り片６２には前記第１のバーナダクト
４１を介してシロツコフアン３０の吹出口３１に
対向する空気流入口６３を設けている。

更に、前記バーナ群Ａ側で前記ケーシング１の
他側板１ｄ側（第１のバーナダクト４２の風下
側）には第４の仕切り片６４が横方向に延設さ
れ、前記第１及び第４の仕切り片６０，６４と、
該ケーシング１の一側板１ｂ及び長手方向他側板
１ｅとの間に前記第２のバーナダクト４３が形成
されている。また、該一側板１ｂには前記各バー
ナ２０間の一部を仕切る第５及び第６の仕切り片
６５，６６が設けられ、該第１及び第４の仕切り
片６０，６４との間に前記共通ダクト４１に連通
する空気流入口６７を設けている。

尚、７０は前記電磁ポンプ５０の吸込側に連結
したオイルフイルタ、７１は一端が該電磁ポンプ
５０の吐出側に、他端が分岐装置７２を介して前
記各電磁弁２３にそれぞれ連結した送油管、７３
は前記架台１０に取付けられた点火トランスであ
る。

本実施例によれば、前記シロツコフアン３０に
より送風される燃焼用空気（第３図の一点鎖線矢
印）は前記吹出口３１から前記共通ダクト４１内
に流通する。該流通空気の一部は前記空気流入口
６３を介して前記第１のバーナダクト４２に流入
し、前記バーナ群Ｂに供給される。他方、該共通
ダクト４１内の流通空気は前記空気流入口６７を
介して前記第２のバーナダクト４３に流入し、該
空気流入口６７側の前記バーナ体２０から順次他
方のバーナ２０に供給される。これにより、前記
バーナ群Ａにて大燃焼が、前記バーナ群Ｂにて小
燃焼が行なわれる。

このように、大熱量のバーナ群Ａと小熱量のバ
ーナ群Ｂとを設け、該各バーナ群Ａ，Ｂに第１の
バーナダクト４２及び第２のバーナダクト４３を
それぞれ別個に設けていることから、前記各空気
流入口６３，６７の開口面積を適宜変更すること
により、該各バーナ群Ａ，Ｂへ適正な燃焼用空気
を供給することができる。

また、送風ダクト４０を構成する第１及び第２
のバーナダクト４２，４３並びに共通ダクト４１
が、バーナケーシング１の内部に仕切り片６０，
６１，６２，６４より分離して互いに隣接して配
置させているため、各仕切り片６０，６１，６
２，６４が各ダクト４１，４２，４３を区画する
共通の仕切りとして用いられ、各ダクト４１，４
２，４３を形成する仕切り片６０，６１，６２，
６４が少なくて済む。

また、シロツコフアン３０の燃焼用空気がバー
ナケーシング１内の送風ダクト４０に送風された
とき、このバーナケーシング１でバーナ体２０以
外の部分が密閉されているため、送風空気の圧力
がバーナケーシング１の風下側即ち第２のバーナ
ダクト４３側が大きく、風上側即ち第１のバーナ
ダクト４２側が小さくなる。よつて、第２のバー
ナダクト４３に多量の燃焼用空気が流通し、大熱
量バーナ群Ａに燃焼用空気が十分に給送される。

他方、送風空気の圧力が小さい即ち多量の送風
量を必要としない場所には第１のバーナダクト４
２が配置されるが、この第１のバーナダクト４２
で空気不足を生じないようその空気流入口６３を
送風機３０の吹出口３１に対向させている。

また、前記バーナ群Ａの中で中央のバーナ体２
０の近傍に前記点火プラグ２４を設け、該中央の
バーナ体２０が点火用バーナ体となつている。従
つて、他のバーナ体２０が、該点火用バーナ体に
近傍することになり、火移りを容易に行なうこと
ができる。

第４図は本実施例に係る圧力噴霧式燃焼装置を
多用途給湯機に取付けた例を示すものである。即
ち、給湯機本体８０内に給湯用の燃焼室８１と、
風呂又は暖房用の燃焼室８２とを有する給湯機で
あり、該給湯機本体８０の下部に前記圧力噴霧式
燃焼装置を取付け、前記バーナ群Ａは前記燃焼室
８１に、前記バーナ群Ｂは前記燃焼室８２にそれ
ぞれ臨ませたものである。これにより、大熱量を
要する燃焼室８１及び小熱量で充分な燃焼室８２
がそれぞれ適切に加熱されることとなる。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、送風ダ
クトを構成する第１及び第２のバーナダクト並び
に共通ダクトが、バーナケーシングの内部に仕切
り片により分離して互いに隣接して配置されてい
るため、各仕切り片が各ダクトを区画する共通の
仕切りとして用いられ、各ダクトを形成する仕切
り片が少なくて済み、仕切り構造が簡単になる。

また、多量の送風量を必要とする第２のバーナ
ダクト側を風下側に、また、多量の送風量を必要
としない第１のバーナダクトを風上側としている
ため、送風空気の圧力が大きい即ち多量の送風量
を得ることができる場所に第２のバーナダクトが
配置され、大熱量バーナ群に燃焼用空気が十分に
給送される。

他方、送風空気の圧力が小さい即ち多量の送風
量を必要としない場所には第１のバーナダクトが
配置されるが、第１のバーナダクトの空気流入口
を送風機の吹出口に対向しているため、小熱量バ
ーナでの空気不足が防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の一実施例を示すも
ので、第１図は圧力噴霧式燃焼装置の斜視図、第
２図は圧力噴霧式燃焼装置の縦断面図、第３図は
燃焼用空気の流通を説明する断面図、第４図は圧
力噴霧式燃焼装置を取付けた多用途給湯機の一部
断面図である。 図中、２０……バーナ体、３０……送風機（シ
ロツコフアン）、４０……送風ダクト、５０……
燃料供給ポンプ（電磁ポンプ）、８０……給湯機
本体、８１，８２……燃焼室、Ａ……大熱量を供
給するバーナ群、Ｂ……小熱量を供給するバーナ
群。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 給湯機の燃焼室等に臨む複数のバーナ体と、
   該各バーナ体へ燃料を供給する燃料供給ポンプ
   と、該各バーナ体へ燃焼用空気を送風する送風
   機とを備えた圧力噴霧式燃焼装置において、 前記各バーナ体を大熱量を出力する大熱量バ
   ーナ群と、小熱量を出力する小熱量バーナ群と
   から構成するとともに、 前記送風ダクトは、前記小熱量バーナ群に燃
   焼用空気を給送する第１のバーナダクトと、前
   記大熱量バーナ群に燃焼用空気を給送する第２
   のバーナダクトと、該第１及び第２のバーナダ
   クトを連通させる共通ダクトとにより構成し、 前記第１及び第２のバーナダクト並びに前記
   共通ダクトは、前記送風機の吹出口に連通する
   バーナケーシングの内部に仕切り片により分離
   して互いに隣接して配置され、かつ、該第２の
   バーナダクトは前記第１のバーナダクトより風
   下側に配置するとともに、該第１のバーナダク
   トの空気流入口は前記送風機の吹出口に対向し
   て設けた ことを特徴とする圧力噴霧式燃焼装置。 (2) 前記燃料供給ポンプ及び前記送風機をそれぞ
   れ１個にて構成した ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の圧力噴霧式燃焼装置。 (3) 前記大熱量バーナ群は少なくとも３個以上の
   バーナ体を並設するとともに、該各バーナ体中
   の略中央のものを点火用バーナ体とした ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項又は第２項記載の圧力噴霧式燃焼装置。