JPH027221Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はエンジン横置型自動車の排気管支持
装置、詳しくはエンジン等からなるパワーユニツ
トを車体前部に搭載し、最前部を前記パワーユニ
ツトに接続し、この接続部位から後方へ延びる排
気管を備え、この排気管の最前部より後方の前部
を前記パワーユニツトに支持すると共に、前記排
気管の中間部を車体に弾性的に支持した自動車の
排気管支持装置に関する。

一般にエンジンの出力軸が車幅方向に配置され
た所謂エンジン横置式のフロントエンジン・フロ
ントドライブタイプの自動車にあつては、エンジ
ンのアイドリング時及びエンジン負荷の変動時な
どに、パワーユニツトにローリング振動が生じ、
これに伴ないパワーユニツトのエンジンに接続す
る排気管にも振動が生じるのであるが、特にエン
ジン負荷の変動時に排気管の拳動が大となつて、
該排気管に無理な荷重が作用する。そのため通常
は排気管の前部をブラケツトを介してパワーユニ
ツトの側壁に支持させ、かつ排気管の後方中間部
を車体下面に弾性支持させている。

ところで、従来では、実開昭50−28112号に示
されている如くパワーユニツトに緩衝ゴム部材を
介してブラケツトを取付け、更に排気管に支持金
具をはめて該支持金具を前記ブラケツトに固定し
て前記排気管を支持させるようにし、エンジン負
荷時に生じる振動により、排気管が共振してより
大きな振動が発生するのを阻止している。しかし
ながら、前記公報に示されたものでは、前記支持
部材を前記ブラケツトに固定するのに、前記支持
金具と前記ブラケツトとの各ボルト挿通孔の位置
を合わせてからボルトを挿通させて固定しなけれ
ばならず、重い排気管を車体の下方から取付ける
場合などにおいて、前記ボルトを前記支持部材と
前記ブラケツトに同時に挿通させるのは非常に困
難であり、組立作業性が非常に悪いという不具合
がある。

本考案は以上の不具合を解決すべく成したもの
で、排気管の最前部より後方の前部をパワーユニ
ツトに弾性的に支持するに際して、この支持構造
を工夫することにより、パワーユニツトとの間で
排気管が共振を起こすのを阻止することができ、
かつ、排気管に伝達される排気熱による熱膨張の
影響を小さくできながら、しかも、排気管のパワ
ーユニツトへの取付けを容易にすることができ、
かつ、支持構造を構成するブラケツトの排気管へ
の取付けも簡単にできる排気管の支持装置を提供
するものである。

以下本考案にかゝる排気管の支持装置を図面の
実施例によつて説明する。

図面はエンジン横置式のフロントエンジン・フ
ロントドライブタイプの自動車を簡略的に示し、
エンジンを組付けたパワーユニツト１を、その出
力軸２が車幅方向に向かうべく設置しており、該
パワーユニツト１におけるハウジング１ａの前壁
には、車体後方に延びる排気管３の最前部を接続
すると共に、この排気管３の中間にはジヨイント
４を、後方部にはマフラ５をそれぞれ介装させて
いる。

しかして前記排気管３の長さ方向全体を、弾性
的に支持させるのであり、具体的には排気管３の
長さ方向中間部及び、該排気管の後方部に介装す
るマフラ５の各所と、車体フレームＦとの間にそ
れぞれスプリング６，６を張設して、排気管３の
中間及び後方部を前記スプリング６，６により弾
性的に支持させる。

また前記排気管３の最前部より後方の前部は、
パワーユニツト１におけるハウジング１ａの側壁
に弾性支持させるのであり、即ち第２及び第３図
に示す如く、上部両端に前記ハウジング１ａへの
取付孔７ａ，７ａをもち、かつ下方中間部から前
記排気管３と平行に延びる該排気管３の支持片７
ｂをもち、更に前記支持片７ｂの下縁部を前記排
気管３の外周面に沿う曲面としたブラケツト７を
形成し、このブラケツト７の各取付孔７ａにゴム
などの弾性材料からなる筒状弾性体８を嵌合支持
させるのである。

そして前記弾性体８の外側部に座金９を当てが
つて、弾性体８の外方から前記ハウジング１ａに
ボルト１０を螺装することにより、前記ブラケツ
ト７をハウジング１ａに弾性支持させるのであ
る。

また、前記排気管３の前記パワーユニツト１へ
の支持部位には、ボルトの締込みにより固定する
締付バンド１１を、ブラケツト７の支持片７ｂが
充分入る程度の隙間が開くように予めはめておい
て、このバンド１１と前記排気管３の間にブラケ
ツト７の前記支持片７ｂを差入み、この状態で前
記排気管３を仮保持させるようにするのである。

そして、この状態で、前記排気管３を前記ハウ
ジング１ａに取付けた後、前記バンド１１のボル
ト１２をさらに締込むことにより、前記支持片７
ｂを前記排気管３に固定するのであつて、斯くし
て前記排気管３は前記ブラケツト７に設ける前記
弾性体８により前記ハウジング１ａに弾性的に支
持させ得るのである。

更に、前記ブラケツト７の支持片７ｂの下端部
には、排気管３の外周部と同一曲率の曲面７ｃを
形成し、排気管３がガタ付いたりすることなく前
記バンド１１により支持片７ｂに強固に支持でき
るようにしており、また、前記支持片７ｂの先端
には、外方に膨出するバンド抜止め部７ｄを一体
形成している。

前記弾性体８は、ゴムに限らず金属ウールなど
の成形体により形成してもよく、斯くするときに
は耐熱性及び耐久性にも優れたものとなる。

また前記ブラケツト７には、第４図に示す如く
外部が拡径し、中央部が縮径した取付孔７ａを形
成し、この取付孔７ａ内に弾性体８を支持させる
べくしてもよい。

以上説明した如く本考案にかゝる排気管の支持
装置では、上部に取付孔をもち、下方に、前記排
気管の長さ方向に延びる支持片を持つたブラケツ
トを形成して、このブラケツトを前記パワーユニ
ツトの側壁に取付けると共に、前記ブラケツトの
前記支持片の下縁部を前記排気管の外周面に沿う
曲面とし、前記ブラケツトの支持片を、前記排気
管のパワーユニツトへの支持部位に予め取付けら
れた締付バンドに差込むことにより、前記支持片
を前記排気管に固定するようにしたから、従来の
ように支持部材とブラケツトとに同時にボルトを
挿通させて固定するという困難な作業をせずとも
排気管に対する取付けが簡単に、しかも強固に行
なえるし、また、前記締付バンドに支持片を差込
むようにした前記ブラケツトを介して前記排気管
をパワーユニツトに仮保持できるから、前記排気
管のパワーユニツトへの取付けも容易に行なえる
のである。

その上、排気管をパワーユニツトの側壁に弾性
体を介して弾性的に支持させるべくしたから、パ
ワーユニツトと排気管との間で連成共振を生じた
りすることがなく、この共振による振動の発生を
極めて簡単な構成でもつて確実に阻止できるので
あり、しかもエンジン負荷の変動時などに、排気
管に大きな力が生じても、排気管の前部をエンジ
ンに支持させたことにより前記負荷に対して充分
に対処できて、排気管の変位の抑制が可能となる
し、更に、排気管の前部を、前記ブラケツトを介
してパワーユニツトの側壁に弾性的に支持したの
で、排気管に伝達される排気熱による前記ブラケ
ツトの熱膨張の影響が小さく、安定良く排気管を
パワーユニツトに支持し得るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の排気管支持構造を示す側面
図、第２図は同要部の拡大側面図、第３図は第２
図の縦断面図、第４図は別の実施例を示す要部の
断面図である。 １……パワーユニツト、１ａ……ハウジング、
３……排気管、７……ブラケツト、７ａ……取付
孔、７ｂ……支持片、７ｃ……曲面、１１……締
付バンド、Ｆ……フレーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジン等からなるパワーユニツトを車体前部
   に搭載し、最前部を前記パワーユニツトに接続
   し、この接続部位から後方へ延びる排気管を備
   え、この排気管の最前部より後方の前部を前記パ
   ワーユニツトに支持すると共に、前記排気管の中
   間部を車体に弾性的に支持した自動車の排気管支
   持装置であつて、上部に取付孔を持ち、下方に、
   前記排気管の長さ方向に延びる支持片をもつたブ
   ラケツトを形成して、このブラケツトを前記パワ
   ーユニツトの側壁に取付けると共に、前記ブラケ
   ツトの前記支持片の下縁部を前記排気管の外周面
   に沿う曲面とする一方、前記パワーユニツトに支
   持する前記排気管の支持部位に締付バンドを取付
   けて、このバンドに前記支持片を差込み、該バン
   ドの締込みにより前記支持片を前記排気管に固定
   し、前記排気管を、前記ブラケツトを介して前記
   パワーユニツトの側壁に弾性的に支持したことを
   特徴とするエンジンの横置型自動車の排気管支持
   装置。