JPH027135B2 - - Google Patents

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JPH027135B2
JPH027135B2 JP55175991A JP17599180A JPH027135B2 JP H027135 B2 JPH027135 B2 JP H027135B2 JP 55175991 A JP55175991 A JP 55175991A JP 17599180 A JP17599180 A JP 17599180A JP H027135 B2 JPH027135 B2 JP H027135B2
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arc
conductor
contact
metal particles
plane
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JP55175991A
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Hajime Yoshasu
Fumyuki Kujo
Nobuji Yamagata
Junichi Terachi
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は回路しや断器に関するものであり、
特にしや断時における限流性能を向上させた回路
しや断器に関するものである。
〔従来の技術〕
第1図aは一般的な回路しや断器を示す断面平
面図であり、第1図bは第1図aの線b−bにお
ける側断面図である。第1図a,bにおいて包囲
体1は絶縁体により構成され、開閉装置の外枠を
形成するもので、排出口101を備えている。固
定接触子2は包囲体1に固定された固定導体20
1と、固定導体201の一端部に取付けられた固
定接点202とから構成されている。可動接触子
3は固定接触子2に対して開閉するもので、固定
導体201に対して開閉動作をする可動導体30
1と、固定接点202に相対して可動導体301
の一端部に取付けられた可動接点302とから構
成されている。操作機構部4は可動接触子3を開
閉操作するものである。消弧板5は可動接点30
2の固定接点202からの開離時に生じるアーク
Aを消弧するものである。
今、可動接点302と固定接点202とが閉成
していると、電流は固定導体201→固定接点2
02→可動接点302→可動導体301へと、電
源側から負荷側に流れる。この状態において、短
絡電流等の大電流がこの回路に流れると、操作機
構部4が作動して可動接点302を固定接点20
2から開離させる。この時、固定接点202と可
動接点302間にはアークAが発生し、固定接点
202と可動接点302間にはアーク電圧が発生
する。このアーク電圧は、固定接点202からの
可動接点302の開離距離が増大するに従つて上
昇する。また、同時にアークAが消弧板5の方向
へ図示を省略した変歪磁場あるいは磁場発生手段
にもとづく磁場によつて引き付けられ伸長するた
めにアーク電圧は更に上昇する。このようにし
て、アーク電流は電流零点を迎えてアークAを消
弧し、しや断が完結する。このようなしや断動作
中において、可動接点302と固定接点202と
の間には、アークAによつて短時間すなわち数ミ
リ秒の内の大量のエネルギーが発生する。そのた
めに、包囲体1内の気体の温度は上昇し、且つ圧
力も急激に上昇するが、この高温高圧の気体は排
出口101から大気中に放出される。
回路しや断器及びその内部構成部品は、そのし
や断に対して上記のような動作をするが、次に固
定接点202と可動接点302との動作について
特に説明する。一般にアーク抵抗Rは次のような
式で与えられる。すなわち、 R=ρl/S ただし、R:アーク抵抗(Ω) ρ:アーク抵抗率(Ω・cm) l:アーク長さ(cm) S:アーク断面積(cm2) しかるに、一般に数KA以上の大電流で且つア
ーク長さlが50mm以下の短いアークAにおいて
は、アーク空間はその表面にアークの足が存在す
る金属導体の金属粒子によつて占められてしまう
ものである。しかも、この導体からの金属粒子の
放出は導体表面に直角方向に起こるものである。
また、この放出された金属粒子は、放出時におい
ては導体の金属の沸点近くの温度を有し、更にア
ーク空間に注入されるや否や電気的エネルギーの
注入を受けて高温高圧化されると共に導電性を帯
び、アーク空間の圧力分布に従つた方向に膨張し
ながら高速度で導体から遠ざかる方向に流れ去る
ものである。そして、アーク空間におけるアーク
抵抗率ρ及びアーク断面積Sは、この金属粒子の
発生量とその放出方向によつて定まる。従つて、
アーク電圧も、このような金属粒子の挙動によつ
て、決定されているものである。次に、このよう
な金属粒子の挙動を第2図を用いて説明する。な
おX面を接点部材で構成した場合にも、金属粒子
のふるまいは以下の説明と何ら変るところがな
い。
第2図において、一対の導体6,7は相対向す
る一対の金属製円柱状の一般的な導体であつて、
導体6は陽極であり、導体7は陰極である。また
導体6,7の夫々のX面は導体6,7が接触する
場合の接触面となる対向面であり、導体6,7の
夫々のY面は夫々の対向面であるX面以外の電気
的接触面である導体表面を示す。上記X面を特に
接点部材にて構成しても以下の金属粒子の振舞い
は全く同一である。また図中一点鎖線で示す輪か
くZは導体6,7間に発生するアークAの外かく
を示し、更に導体から放出された金属粒子a及び
金属粒子bは、導体6,7のX面及びY面から蒸
発等により発したそれぞれの金属粒子を模式的に
示したもので、その放出方向は、それぞれ矢印m
及びnによつて示した各流線の方向である。
このような導体6,7から放出された金属粒子
a,bは、アーク空間のエネルギーによつて導体
金属の沸点温度である約3000℃程度から、導電性
を帯びる温度、すなわち8000℃以上、または更に
高温の20000℃程度にまで昇温され、昇温の過程
でアーク空間からエネルギーを奪い去り、アーク
空間の温度を下げ、その結果アーク抵抗Rを増大
させる。なお、アーク空間から金属粒子a,bが
奪い去るエネルギー量は、金属粒子の昇温の程度
が大きい程大きく、その昇温の程度は、導体6,
7から発した金属粒子a,bにおける位置及び放
出経路によつて定まる。そしてさらに、導体6,
7から発した金属粒子a,bの経路は、アーク空
間の圧力分布によつて定まる。そのアーク空間の
圧力は、電流自身のピンチ力と金属粒子a,bの
熱膨張とのかね合いによつて決定される。ピンチ
力は電流の密度によつてほぼ決定される量であ
り、これは即ち導体6,7上のアークAの足の大
きさによつて決定される。一般には金属粒子a,
bはピンチ力によつて決定された空間を、熱膨張
しながら飛行すると考えてもよい。また、導体
6,7上におけるアークAの足に制限を加えない
場合には、金属粒子aは一方の導体7から他方の
導体6に一方的にベーパー・ジエツトして吹付け
ることが知られている。このように一方の導体7
から他方の導体6に向けて、金属粒子aが一方的
に吹き付ける際には、アークAの陽光柱に注入さ
れる金属粒子aは、ほぼ片側導体7からのみ供給
されるのである。第2図では一例として陰極から
陽極へ強く吹きつけが行なわれているものを示し
たが、この逆方向の吹きつけの場合もある。
上記の事情をさらにくわしく説明する。第2図
において、何らかの理由で導体7から導体にむけ
て一方的に吹付けが生起しているとする。導体7
の対向面であるX面から発する金属粒子aは、導
体界面に直角に、即ち陽光柱に向かつて飛行しよ
うとする。この時、一方の導体7のX面を発した
金属粒子aは、ピンチ力によつて生じた圧力によ
つて陽光柱に注入される。他方の導体6のX面を
発した金属粒子aは陽光柱の中の粒子の流れに押
されてX面の外角方向に排出され、陽光柱に入り
きらず瞬時に系外に逃げることになる。このよう
に導体6から発せられるものと導体7から発せら
れるものとで金属粒子aの動きが第2図中の矢印
m,m′の流線に示したように異なるのは、前述
した如く導体界面におけるピンチ力により生じる
圧力に差があることによるものである。こうし
て、導体7の一方向からの吹付けは、吹き付けら
れる側の導体6を熱し、導体6の表面上のアーク
の足(陽極点・陰極点)をその正面のX面からそ
れ以外の面へと拡大させる。このために導体6の
導体界面上の電流密度は低下し、且つアークの圧
力も低下する。従つて、ますます導体7からの一
方向の吹きつけを強めることになる。このように
生じたそれぞれの導体6,7を発した金属粒子a
の飛行経路の差は、アーク空間から奪い去るエネ
ルギー量の差となる。従つて、導体7のX面を発
した金属粒子aは、陽光柱から充分にエネルギー
を吸収し得るが、導体6のX面を発した金属粒子
aは充分にエネルギーを吸収し得ず、有効にアー
クAを冷却しないままに系外に放出されてしま
う。また導体6,7のY面から発する金属粒子b
の存在は、図中の矢印n,n′にて示す流線のよう
に横方向に拡がるので、アークAから充分な熱を
奪わないばかりか、アーク断面積Sを増大させ、
且つアークAのアーク抵抗Rを低下させることに
なる。
このように、一方の導体7からの吹付けがある
場合には、陽光柱の金属粒子aによる冷却の効率
が悪くなり、また両方の導体6,7の対向面以外
であるY面から発生する金属粒子bが陽光柱冷却
に何等寄与せずしかもアーク断面積Sを増大させ
ることにより、アーク抵抗Rも低下する。従つ
て、一方の導体から他方の導体へ一方的な金属粒
子の吹き付けが存在するとアーク電圧を上昇させ
る上では不利であり、したがつてしや断時の限流
性能を向上させ得ない。
〔発明が解決しようとする課題〕
一般に従来の回路しや断器に使用されている固
定接触子及び可動接触子は第2図のモデルの導体
と同様に対向面の表面積が大きく、従つて生じた
アークの足の大きさの制限が加わらないだけでな
く対向面以外にその側面等に露出面を有するの
で、第2図において説明したように、両導体面に
生じるアークの足(陽極点又は陰極点)の位置及
び大きさに別段に制限が加えられていないため、
第2図について説明した機構で一方の接触子から
他方の接触子に対して金属粒子aの一方的な吹き
付けが行われ、このためアーク断面積が大きくな
り、上述のようにしや断時の限流性能を向上させ
得ない欠点があつた。
また従来の回路しや断器に使用されている他の
接触子の例では、接点の近傍へ導体の溶融を防ぐ
ために接点の近傍の導体面の一部を絶縁物で覆つ
たものがあつた。第3図aはそのような接触子2
を示す側面図であり、第3図bは第3図aのもの
の平面図であり、第3図cは第3図bの断面c−
cにおける断面図である。その例では導体の先端
の方の部分は絶縁物で覆れていない。このような
構成の一対の導体を用いて第4図のように回路し
や断器を構成したものでは、その一対の固定接触
子2と可動接触子3間に第4図a及び第4図bに
示すようなアークAが生じる。このアークAにお
いては第4図a及びbから明らかなように、アー
クの足、すなわち陽極点、陰極点の位置が導体の
先端の方に向つて大きく拡がつており、第2図に
おいて説明したのと同様の理由によつて、しや断
時の限流性能を向上させ得ない欠点があつた。更
に他の従来例として第5図に示すように一対の接
点のうち一方のもののみに、その接触面以外の部
分を覆う絶縁物を付したものがある。この例で
は、絶縁物8に包囲された方の接点をもつ導体7
のX面からは、その流れ方向が狭く制限された金
属粒子aがアーク陽光柱部に注入されるが、絶縁
物で被覆されていない導体6のX面からの金属粒
子においてはそのアークの足、すなわちその陽極
点、陰極点は制限されることなく導体表面上一称
に拡がり、又さらに導体の側面であるY面にまで
拡がることによつて電流密度が減少する。従つて
ピンチ力は弱まり、金属粒子がアーク外へ逃げる
点は、第2図と同様である。このため実際の回路
しや断器においても結局、アーク陽光柱部の様相
は、たとえ一方の接点近傍に絶縁物を設けても、
結局一方向からの金属粒子の吹き付け現象とな
り、従つて相方の導体ともアークの足の大きさを
制限しない場合と同一の様子を示し、アーク電圧
も別段大きな上昇をせず、限流性能は向上しな
い。以上説明したようにアーク電圧を上昇させる
為には、アークの足に応じた金属粒子を、両極と
もに陽光柱に有効に注入させることが必要であ
り、また金属粒子を陽光柱へ注入する力は、アー
クの足に生じたピンチ力による圧力である。さ
て、ピンチ力は接触子上のアークの足の大きさ、
あるいは、電流密度によつて大きく変化するもの
である以上、これを制御することは可能である。
例えば、従来の接触子は、少くとも片方のX面の
面積が大きく、アークの足の大きさを有効な程度
に制限することにはなつていなかつた。しかしこ
のような絶縁物を使用しない接触子においてもそ
れぞれの両接触子の対向するX面を充分小さくす
れば、ある程度X面上での電流の密度が上昇して
ピンチ力が増すと共に、それぞれの金属粒子は従
来と異なつてある程度両方から陽光柱に注入さ
れ、それによりアーク電圧は従来よりも上昇す
る。しかし、それだけではX面以外、即ちY面の
アークの足の拡大は阻止出来ず、Y面へとアーク
の足が拡大した分だけX面の電流密度は減少し、
金属粒子の注入圧力は低下する。したがつて、従
来の接触子の場合、金属粒子の注入による陽光柱
の冷却効果が最大限に発揮されているものではな
かつた。
さらに、Y面へのアークの足の拡大のために一
般にこのY面に設けられることの多い接点と導体
との接合部に直接アークの足が拡大しやすく、こ
の熱によつて融点の低い接合部材が溶融し、接点
脱落を起す危険性があつた。
この発明の目的は、限流性能及びしや断性能が
良好な回路しや断器を得ることにある。
〔課題を解決するための手段〕
この発明の回路しや断器ではそれぞれ接点を有
し、互いに開閉する一対の導体と、前記一対の導
体のそれぞれに、前記接点から消弧板方向に前記
接点の幅より狭い幅で帯状に突出して設けられた
突出部と、前記一方の導体に設けられ、前記接点
の接触面並びに前記突出部を露出して該導体の表
面を覆う有機絶縁材層と、前記他方の導体に設け
られ、前記接点の接触面並びに前記突出部を露出
して該導体の表面を背後に覆い隠す有機絶縁材か
らなる圧力反射板とを備えたものである。
〔作用〕
この発明は、接点の接触面並びに突出部を露出
して一方の導体の表面を有機絶縁材層で覆い、他
方の導体の表面を有機絶縁材からなる圧力反射板
で背後に覆い隠すことにより、アーク発生時にア
ークの大電流領域では有機絶縁材層及び圧力反射
板から相対的に冷たいガスが勢いよくかつ効率的
にアークの周面に向つて放出されるために、アー
クの陽光柱の周辺は冷却され、かつ断面積も縮小
されてアーク電圧は上昇する。また、アークの小
電流領域では接点から消弧板方向へ帯状の突出部
を設けたことにより、その突出部の働きによりア
ークの足は突出部上を消弧板に向つて高速度で移
動される。
〔実施例〕
以下この発明の一実施例を第6図a以下の図面
に基づいて説明する。
第6図aはこの発明に係る回路しや断器に使用
されている可動接触子3を示す平面図、第6図b
は第6図aの線b−bにおける断面図である。第
7図aは同じくこの発明における固定接触子2を
示す平面図、第7図bは第7図aの線b−bにお
ける断面図である。第6図において、可動接触子
3には可動接点302の接触面並びに可動接点3
02から消弧板方向へ接点の幅より狭い幅で可動
導体301に突設された帯状の突出部303を露
出して可動導体301の表面を覆う有機絶縁材層
8が設けられている。また第7図において、固定
接触子2には固定接点202の接触面並びに固定
接点202から消弧板方向へ接点の幅より狭い幅
で固定導体201に突設された帯状の突出部20
3を露出して固定導体201の表面を背後に覆い
隠す有機絶縁材からなる圧力反射板9が設けられ
ている。また、前記有機絶縁材層8及び圧力反射
板9にはそれぞれ前記突出部203,303に対
応して溝11,12が形成されている。そして、
前記突出部203,303は第6図b及び第7図
bに示すように有機絶縁材層8並びに圧力反射板
9の表面から突出(表面と同一面も含む)して設
けられている。
ここで、一対の導体6,7間に生ずる現象につ
いてこれを模式的に示した第8図及び第9図に基
づいて説明する。
まず、第8図において夫々の導体6,7は夫々
の接点の対向面であるX面近傍を除いて有機絶縁
材層8によつて被覆されている。すなわち、対向
面であるX面以外の電気的接触面である導体の側
表面のY面は実質的に有機絶縁材層8によつて覆
われている。従つて、このY面から発生する第2
図に示すような金属粒子bも発生しない状態とな
つている。X面を、接点部材にて構成しても以
下、金属粒子の振舞いは全く同一である。なお、
アークの輪かくZ、導体表面から発する金属粒子
a及び金属粒子の飛を示す矢印mは、第2図につ
いて説明したものと同じである。
これによると、Y面は有機絶縁材層8によつて
覆われているので、このY面から金属粒子は発生
せず、導体6,7の表面から発生する金属粒子
は、X面から発生する金属粒子aだけとなる。
さらに導体6,7上のアークAの足(陽極点、
陰極点)の大きさが制限されるので、従来例の如
く、アークAの足の大きさの拡大による導体界面
における圧力の急激な低下を来たさず、かつそれ
にともなうY面からの金属粒子の低温度での系外
への放出という現象は生起せず、制限された大き
さに見合う導体界面上の圧力は必ず存在する。従
つて、お互いの導体6,7のX面の金属粒子aは
必ず陽光柱部に注入され、有効なる冷却効果を発
揮する。
また、アーク発生時にアークの発生する放射エ
ネルギーによつて照射された有機絶縁材層8から
分解された原子・分子ガスが勢いよくアーク周面
に向つて放出され、アークの陽光柱を包み込むこ
とになる。その結果、相対的に冷たい原子・分子
ガスによつてアークの陽光柱の周辺は冷却され、
導電性を失う。つまり、陽光柱の断面積は縮少
し、抵抗は高くなり、アーク電圧は上昇する。
従つて、アーク断面積Sは、従来の導体すなわ
ち、第2図に示されるそれに比べて、極端に縮小
され、第2図に示す従来装置に比べて、電流密度
が増大することから、X面から発生する金属粒子
aの量も増大し、アーク空間から奪い取るエネル
ギー量も増大する。その結果、アーク空間は一層
冷却されて温度が低下して、アーク空間のアーク
抵抗率ρは上昇する。
次に、第9図において、夫々の導体6,7には
夫々の接点の対向面であるX面を突出させるよう
に有機絶縁材からなる圧力反射板9が設けられて
いる。すなわち、空間Qにおける圧力値は、アー
クA自身の空間の圧力値以上にはなり得ないが、
しかし少くとも、圧力反射板9が設けられていな
い場合に比べて、圧倒的に高い値を示す。従つ
て、圧力反射板9によつて生じた相当に高い圧力
をもつ周辺空間Q,Qは、アークAの空間の拡が
りを抑制する力を与え、アークAを狭い空間に
「しぼり込む」ことになる。これはすなわち、対
向面であるX面より発した金属粒子a,c等の流
線m,m′,o,o′をアーク空間にしぼり込み閉じ
込めることになる。よつて、X面より発した金属
粒子a,cは、有効にアーク空間に注入される。
その結果、有効に注入された大量の金属粒子a,
cは、アーク空間から従来装置とは比較にならな
い大量のエネルギーを奪い去るため、アーク空間
を著しく冷却する。従つて、抵抗率ρすなわちア
ーク抵抗Rを著しく上昇させてアーク電圧をきわ
めて大きく上昇させる。
また、アーク発生時にアークの発する放射エネ
ルギーによつて照射された圧力反射板9から分解
された原子・分子ガスが背後に逃げることなく効
率的にアーク周面に向つて勢いよく放出され、ア
ークの陽光柱を包み込むことになる。その結果、
相対的に冷たい原子・分子ガスによつてアークの
陽光柱の周辺は冷却され、導電性を失う。つま
り、陽光柱の断面積は減少し、抵抗は高くなり、
アーク電圧は上昇する。
したがつて、第6図及び第7図に示すように構
成された可動接触子3及び固定接触子2を用いる
ことによつて、前述したような有機絶縁材層8及
び圧力反射板9がそれぞれ有する効果を併わせ持
つことになる。
しかも、各接点202,302から消弧板の方
向に帯状の突出部203,303を設けているの
で、アークが小電流領域に達するとアークの足は
突出部203,303上を消弧板側に高速度で走
行する。このため、アークは大きく伸張し、且つ
消弧板に近づき熱を大量に吸収され、電流零点に
おける陽光柱の冷却が十分に行われることにな
る。従つて、回路しや断器の絶縁回復力が増大し
てしや断性能が向上する。なお、この場合、突出
部203,303を夫々複数本設けても同様の効
果が得られる。また、上記実施例では突出部とし
て固定導体201及び可動導体301の表面が露
出するようにしたが、固定導体及び可動導体に接
続された別個の導体が露出するようにしてもよ
い。
第10図はこの発明に係る可動接解子3及び固
定接触子2の他の実施例を示す平面図である。す
なわち、第10図a,bに示すように可動接点3
02と有機絶縁材層8との間に間〓14が、固定
接点202と圧力反射板9との間に間〓13が設
けられている。このように間〓13,14を設け
ることによつて固定接点202及び可動接点30
2が高温となつても、固定接点202及び可動接
点302に圧力反射板9及び高抵抗材料8が接触
していないため、接触部分がはく離したり機能が
劣化することがない。
なお、この発明における圧力反射板は形状が上
記実施例に何ら限定されるものではない。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明によればアーク断面積
が縮小し、且つ、アーク抵抗率が上昇してアーク
抵抗が増大するため、圧倒的な高さのアーク電圧
を現出することができ、大電流領域では高い限流
性能を有し、小電流領域では高いしや断性能を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図aは一般的な回路しや断器を示す平面図
であり、第1図bは第1図aの線b−bにおける
断面図である。第2図は第1図の回路しや断器に
おける金属粒子の挙動の模式的説明図である。第
3図aは従来の回路しや断器に使用されているあ
る接触子を示す側面図であり、第3図bは第3図
aのものの平面図であり、第3図cは第3図bの
断面線c−cにおける断面図である。第4図aは
第3図に示す導体を用いた場合のアーク発生状態
を示す側面図であり、第4図bは第4図aのもの
の正面図である。第5図は従来の他の導体を用い
た場合の金属粒子の挙動の模式的説明図である。
第6図aはこの発明に係る回路しや断器に使用さ
れる可動接触子を示す平面図であり、第6図bは
第6図aの線b−bにおける断面図である。第7
図aはこの発明に係る回路しや断器に使用される
固定接触子を示す平面図であり、第7図bは第7
図aの線b−bにおける断面図である。第8図及
び第9図はこの発明に係る回路しや断器における
金属粒子の挙動の模式的説明図である。第10図
a,bは夫々この発明に使用される可動接触子と
固定接触子との他の実施例を示す平面図である。 図において、各図中同一部分には同一符号を付
しており、2は固定接触子、201は固定導体、
202は固定接点、203は突出部、3は可動接
触子、301は可動導体、302は可動接点、3
03は突出部、8は有機絶縁材層、9は圧力反射
板、13,14は間〓である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 それぞれ接点を有し、互いに開閉する一対の
    導体と、前記一対の導体のそれぞれに、前記接点
    から消弧板方向に前記接点の幅より狭い幅で帯状
    に突出して設けられた突出部と、前記一方の導体
    に設けられ、前記接点の接触面並びに前記突出部
    を露出して該導体の表面を覆う有機絶縁材層と、
    前記他方の導体に設けられ、前記接点の接触面並
    びに前記突出部を露出して該導体の表面を背後に
    覆い隠す有機絶縁材からなる圧力反射板とを備え
    てなる回路しや断器。 2 接点と有機絶縁材層との間には、間〓が設け
    られたことを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の回路しや断器。 3 接点と圧力反射板との間には、間〓が設けら
    れたことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の回路しや断器。
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JPS5087451U (ja) * 1973-12-14 1975-07-25

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