JPH026810B2 - - Google Patents
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- JPH026810B2 JPH026810B2 JP27238984A JP27238984A JPH026810B2 JP H026810 B2 JPH026810 B2 JP H026810B2 JP 27238984 A JP27238984 A JP 27238984A JP 27238984 A JP27238984 A JP 27238984A JP H026810 B2 JPH026810 B2 JP H026810B2
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Landscapes
- Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、熱間圧延を終え、或いは熱処理する
目的で加熱された、オーステナイト域以上の温度
域から冷却して、所定の強度レベルのレールを作
り分ける熱処理方法に関する。 〔従来の技術〕 近年、鉄道輸送は高軸荷重化、高速化に指向し
つつあり、それに伴なつてレール頭部の摩耗や疲
労が激しく、レールに要求される特性も一層厳し
さを増し、耐摩耗性や耐損傷性などのよりすぐれ
た、中間強度(Hv>320)から高強度(Hv>
360)までの種々の強度レベルのレールが要求さ
れるようになつてきた。 このような要求を満足し得るレールは、これま
での研究から、微細なパーライト組織を有する鋼
レールであつて、かかるレールは耐摩耗性、耐損
傷性などの点でもすぐれた特性を示すことが知ら
れている。 このような鋼レールとしては、たとえば、特開
昭50−140316号公報に開示されているような、炭
素鋼に、Si,Mn,Ni,Cr,Mo,Tiなどの元素
を添加して得られる成分系を有する、圧延のまま
の合金鋼レールや、特公昭55−23885号公報に開
示されているような、特段の合金成分はこれを添
加することなく、レール頭部を高温度に再加熱
し、所定の温度域から冷却するとともに、ある温
度区間を冷却制御して得られる熱処理レールがあ
る。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上に述べた、従来の何れのレー
ル製造法も以下に述べる如き問題がある。 即ち、合金元素を添加し、成分系をコントロー
ルした圧延のままのレールは、合金元素を多量に
使用する必要があり、合金元素が高価であること
に起因し、コスト高となる問題がある。 また、高温度に加熱されたレール頭部に、水、
気体などの冷却媒体を固定ノズルから噴射し、高
温域から強制冷却するレールの製造方法は、一定
の強度レベルのレールのみの製造方法であつて、
種々の強度レベルのレールを作り分けることがで
きない。さらに、このレールの製造方法にあつて
は、製鋼段階において生じる、レールの強度を決
定づける炭素をはじめとする添加合金元素の変動
(ばらつき)に対し、所望の強度レベルのレール
を得べく、冷却を制御することができない、とい
う問題がある。 本発明は、高強度という特性のみならず、耐摩
耗性、耐損傷性などの諸特性を併せ有する、より
すぐれた中間強度から高強度までのレールを作り
分けることができるレールの熱処理方法を提供す
ることを目的としてなされた。 〔問題を解決するための手段〕 この発明の要旨とする処は、安定してパーライ
ト組織が得られる成分系、即ち、C:0.55〜0.85
%、Si:0.20〜1.20%、Mn:0.50〜1.50%、若し
くはこれにCr:0.20〜0.80を加えた成分系を基本
とし、必要に応じてNb,V,Tiの一種または二
種以上、残部Feからなる成分系の鋼レールを、
熱間圧延を終え或いは熱処理する目的で加熱され
て、オーステナイト域(以下Ar3と記す)以上の
高温域にある状態で、レール頭部中央に向けて一
定量の気体冷却媒体(空気、N2など)を噴射す
るレール頭部包囲型ノズルを炭素当量(以下Ceq
と記す)と製造目標強度レベルに対応させて、ノ
ズルとレール頭部間の距離(H)を変化せしめる
べく昇降させ、所定時間0.336θs−150秒間以上冷
却することによつて要求される、中間強度から高
強度までのレールを作り分ける点によつて特徴づ
けられる熱処理方法にある。 ここでCeqは、 (C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+
Mo/4+V/14)で決定される。 以下、本発明について図面に示す実施態様を参
照しながら詳細に説明する。 第1図および第2図は、本発明を実施するとき
の装置の一例を示す概略図である。第1図におい
て、1は高温度レールで、熱間圧延を終え、ある
いは熱処理する目的で加熱され、Ar3以上の温度
域に保持される。 この場合のAr3以上の温度域は、加速冷却後、
耐摩耗性、耐損傷性に富んだ微細パーライト組織
を得るために必要である。2はレール断面におけ
る頭部を囲繞する円形包囲型上部ノズルヘツダー
で、高温度レール1の移動方向(レール長手方
向)に沿つて設けられ、かつノズルから該レール
1の頭頂面および頭側面に気体冷却媒体(空気、
N2など)を噴射するように設けられ、昇降装置
4により該ヘツダー2が昇降するように構成され
ている。5は温度計であつて、冷却装置入側に設
けられ、高温度レール1の頭頂表面温度[θs]を
測定する。上部ノズルヘツダー2は第2図に示す
ように、レール頭部中央に指向して冷媒を噴射す
るように同じ円形状に設けることでレール頭部表
面層の均一冷却が確保され、均一な強度を有する
レールを得ることができる。3は下部ノズルヘツ
ダーであり、上部ノズルヘツダー2と同様に高温
度レール1の移動方向(レール長手方向)に沿つ
て設けられ、該レール1の底面に気体冷却媒体を
噴射する。下部ノズルヘツダー3は、第2図に示
すように高温度レール1の底面中央部に向けて設
けられており、該レール1の形状制御を行なうべ
く機能する。 次に、本発明の方法を実施するための装置の動
作について説明する。なお、気体冷却媒体として
空気を使用する場合について説明する。 熱間圧延を終え、あるいは熱処理する目的で加
熱されたAr3以上の温度域にある高温度レール1
は、第2図に示すノズルを用いた場合はあらかじ
め元素分析によつて求められたCeq、要求される
所望の硬度(Hv)と冷却に使用する空気量
(Q)、上ヘツダー圧力(P)から、下記(1)式 Hv=10n+(200・Ceq−190) …(1) n=2.4993+0.039887・logF−0.0051918・
logF2 ここで、 Hv:熱処理後に得ようとするレール頭部表面
下10mmまでの硬度(強度に対応する)[ビツ
カース、10Kg]、 Ceq:炭素当量、 F:冷却強さ示数[F=Q・√/H]、 Q:レールの単位の長さに適用する気体冷却媒
体の流量[m3/m・min]、 P:ノズルヘツダー圧力、 [mm H2O、ノズル抵抗係数f=0.85] H:ノズルとレール頭部間の距離[mm]、 によつて、上ノズルヘツダー2とレール頭部との
間の距離Hが設定されたのち、第1図に示す冷却
装置に向けて、正立の姿勢で長手方向に搬送され
る。高温度レール1の頭頂面の表面温度(θs)
は、冷却装置入側に設けられた温度計5で測定さ
れ、冷却時間(TAC)が下記(2)式 TAC>0.336θs−150[秒] …(2) で計算されて、レール1が冷却装置内を進行、ま
たは必要によつては静止または往復運動、をしな
がら連続冷却される。 ここで要求される耐摩耗性、耐損傷性に富んだ
任意の硬度レベルの熱処理レールの製造条件を決
定する(1)式は、製鋼において、強度に影響する含
有元素にばらつきがあること、また要求される強
度レベル範囲が、Hv:320〜400と広いこと、そ
してこれを一つの冷却装置で造り分けることを目
的に、炭素当量Ceqとノズル/レール間距離Hで
制御することで、含有元素のばらつきに起因する
材質のばらつきを解消するとともに大巾な強度レ
ベルの制御が、また、効率よく成分設計が可能で
あることを見出して本発明に至つたもので、特
に、熱間圧延を終えた圧延レールのAr3以上の温
度域からの冷却制御に有効である。 上記(1)式は、種々の研究と実験を行なつた結
果、得られた実験データより定めた実験式であ
る。上記(1)式については、HとHvの関係につい
て、P,Q,Ceqを決めて示すと第6図のように
なる。第6図において、実線は、(1)式にCeq=
0.95、P=1000又は1500mmH2O、Q=23.7又は
41Nm3/m・minを導入した事例であり、一方点
線は、(1)式にP=1500mmH2O、Q=41Nm3/m・
min、Ceq=1.05又は1.10を導入した事例である
が、同図からHvが大なる程小なる関係にHが定
められる。 なお、上記(1)式におけるnを求める式は、後述
する実施例における136ポンド/ヤードないし132
ポンド/ヤード圧延レールに関わる最適の式であ
る。通常115〜136ポンド/ヤードまたは50〜60
Kg/m圧延レールの場合、前記nを求める式を四
捨五入して第1項は2.50、第2項は0.04、第3項
は0.005として、 n=2.50+0.04・logF−0.005・logF2 なる概略式で与えても、後述する実施例の第6図
において示す実験式と実験して得られた熱処理レ
ール強度は、許容される実用的範囲内(例えば、
ブリネル硬度HB:340[Hv:360相当]クラスの
場合、レール頭頂部表面硬度、シヨア硬度Hs:
50±3[Hv:360±20相当])で、目標とする所定
の強度レベルの熱処理レールを製造することがで
きる。すなわち上記(1)式の各種係数は、目標とす
る強度レベルが許容誤差範囲内に入る範囲内で調
整可能である。 上記(2)式は、本発明者らが種々の研究と実験を
行つた結果、得られた実験データより定めた実験
式である。(2)式は目標とするレール頭部の強度レ
ベルを安定して製造するために、レール頭部を冷
却するにあたつて冷却開始前のレール頭部表面温
度(θs)から適正な冷却所要時間(TAC)を決定
することができるものとして、本発明に至つたも
のである。例として、第3図に示すレール頭部冷
却中の温度測定結果を用いて説明すると、温度測
定位置は、レール頭頂部表面下5mmと25mm、およ
びゲージコーナ部表面下5mmの点である。そのう
ち頭頂部表面下25mmの測温は、ほぼ頭部中央に位
置しており、この位置での冷却曲線から、冷却を
パーライト変態により生じる変態熱による復熱時
のピーク近傍まで行えば、頭部全断面のほぼパー
ライト変態は終了する。この時間を目途に冷却の
停止を行うことで、安定して目標とする所定の強
度レベルの熱処理レールが製造でき、また安定し
た操業が可能になるわけである。 〔実施例〕 次に本発明の実施例について説明する。以下第
1表に示される化学成分を含有せしめた132ポン
ド/ヤードおよび136ポンド/ヤードの圧延のま
までオーステナイト域以上の高温域にあるレール
を本発明の方法により冷却処理した。
目的で加熱された、オーステナイト域以上の温度
域から冷却して、所定の強度レベルのレールを作
り分ける熱処理方法に関する。 〔従来の技術〕 近年、鉄道輸送は高軸荷重化、高速化に指向し
つつあり、それに伴なつてレール頭部の摩耗や疲
労が激しく、レールに要求される特性も一層厳し
さを増し、耐摩耗性や耐損傷性などのよりすぐれ
た、中間強度(Hv>320)から高強度(Hv>
360)までの種々の強度レベルのレールが要求さ
れるようになつてきた。 このような要求を満足し得るレールは、これま
での研究から、微細なパーライト組織を有する鋼
レールであつて、かかるレールは耐摩耗性、耐損
傷性などの点でもすぐれた特性を示すことが知ら
れている。 このような鋼レールとしては、たとえば、特開
昭50−140316号公報に開示されているような、炭
素鋼に、Si,Mn,Ni,Cr,Mo,Tiなどの元素
を添加して得られる成分系を有する、圧延のまま
の合金鋼レールや、特公昭55−23885号公報に開
示されているような、特段の合金成分はこれを添
加することなく、レール頭部を高温度に再加熱
し、所定の温度域から冷却するとともに、ある温
度区間を冷却制御して得られる熱処理レールがあ
る。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上に述べた、従来の何れのレー
ル製造法も以下に述べる如き問題がある。 即ち、合金元素を添加し、成分系をコントロー
ルした圧延のままのレールは、合金元素を多量に
使用する必要があり、合金元素が高価であること
に起因し、コスト高となる問題がある。 また、高温度に加熱されたレール頭部に、水、
気体などの冷却媒体を固定ノズルから噴射し、高
温域から強制冷却するレールの製造方法は、一定
の強度レベルのレールのみの製造方法であつて、
種々の強度レベルのレールを作り分けることがで
きない。さらに、このレールの製造方法にあつて
は、製鋼段階において生じる、レールの強度を決
定づける炭素をはじめとする添加合金元素の変動
(ばらつき)に対し、所望の強度レベルのレール
を得べく、冷却を制御することができない、とい
う問題がある。 本発明は、高強度という特性のみならず、耐摩
耗性、耐損傷性などの諸特性を併せ有する、より
すぐれた中間強度から高強度までのレールを作り
分けることができるレールの熱処理方法を提供す
ることを目的としてなされた。 〔問題を解決するための手段〕 この発明の要旨とする処は、安定してパーライ
ト組織が得られる成分系、即ち、C:0.55〜0.85
%、Si:0.20〜1.20%、Mn:0.50〜1.50%、若し
くはこれにCr:0.20〜0.80を加えた成分系を基本
とし、必要に応じてNb,V,Tiの一種または二
種以上、残部Feからなる成分系の鋼レールを、
熱間圧延を終え或いは熱処理する目的で加熱され
て、オーステナイト域(以下Ar3と記す)以上の
高温域にある状態で、レール頭部中央に向けて一
定量の気体冷却媒体(空気、N2など)を噴射す
るレール頭部包囲型ノズルを炭素当量(以下Ceq
と記す)と製造目標強度レベルに対応させて、ノ
ズルとレール頭部間の距離(H)を変化せしめる
べく昇降させ、所定時間0.336θs−150秒間以上冷
却することによつて要求される、中間強度から高
強度までのレールを作り分ける点によつて特徴づ
けられる熱処理方法にある。 ここでCeqは、 (C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+
Mo/4+V/14)で決定される。 以下、本発明について図面に示す実施態様を参
照しながら詳細に説明する。 第1図および第2図は、本発明を実施するとき
の装置の一例を示す概略図である。第1図におい
て、1は高温度レールで、熱間圧延を終え、ある
いは熱処理する目的で加熱され、Ar3以上の温度
域に保持される。 この場合のAr3以上の温度域は、加速冷却後、
耐摩耗性、耐損傷性に富んだ微細パーライト組織
を得るために必要である。2はレール断面におけ
る頭部を囲繞する円形包囲型上部ノズルヘツダー
で、高温度レール1の移動方向(レール長手方
向)に沿つて設けられ、かつノズルから該レール
1の頭頂面および頭側面に気体冷却媒体(空気、
N2など)を噴射するように設けられ、昇降装置
4により該ヘツダー2が昇降するように構成され
ている。5は温度計であつて、冷却装置入側に設
けられ、高温度レール1の頭頂表面温度[θs]を
測定する。上部ノズルヘツダー2は第2図に示す
ように、レール頭部中央に指向して冷媒を噴射す
るように同じ円形状に設けることでレール頭部表
面層の均一冷却が確保され、均一な強度を有する
レールを得ることができる。3は下部ノズルヘツ
ダーであり、上部ノズルヘツダー2と同様に高温
度レール1の移動方向(レール長手方向)に沿つ
て設けられ、該レール1の底面に気体冷却媒体を
噴射する。下部ノズルヘツダー3は、第2図に示
すように高温度レール1の底面中央部に向けて設
けられており、該レール1の形状制御を行なうべ
く機能する。 次に、本発明の方法を実施するための装置の動
作について説明する。なお、気体冷却媒体として
空気を使用する場合について説明する。 熱間圧延を終え、あるいは熱処理する目的で加
熱されたAr3以上の温度域にある高温度レール1
は、第2図に示すノズルを用いた場合はあらかじ
め元素分析によつて求められたCeq、要求される
所望の硬度(Hv)と冷却に使用する空気量
(Q)、上ヘツダー圧力(P)から、下記(1)式 Hv=10n+(200・Ceq−190) …(1) n=2.4993+0.039887・logF−0.0051918・
logF2 ここで、 Hv:熱処理後に得ようとするレール頭部表面
下10mmまでの硬度(強度に対応する)[ビツ
カース、10Kg]、 Ceq:炭素当量、 F:冷却強さ示数[F=Q・√/H]、 Q:レールの単位の長さに適用する気体冷却媒
体の流量[m3/m・min]、 P:ノズルヘツダー圧力、 [mm H2O、ノズル抵抗係数f=0.85] H:ノズルとレール頭部間の距離[mm]、 によつて、上ノズルヘツダー2とレール頭部との
間の距離Hが設定されたのち、第1図に示す冷却
装置に向けて、正立の姿勢で長手方向に搬送され
る。高温度レール1の頭頂面の表面温度(θs)
は、冷却装置入側に設けられた温度計5で測定さ
れ、冷却時間(TAC)が下記(2)式 TAC>0.336θs−150[秒] …(2) で計算されて、レール1が冷却装置内を進行、ま
たは必要によつては静止または往復運動、をしな
がら連続冷却される。 ここで要求される耐摩耗性、耐損傷性に富んだ
任意の硬度レベルの熱処理レールの製造条件を決
定する(1)式は、製鋼において、強度に影響する含
有元素にばらつきがあること、また要求される強
度レベル範囲が、Hv:320〜400と広いこと、そ
してこれを一つの冷却装置で造り分けることを目
的に、炭素当量Ceqとノズル/レール間距離Hで
制御することで、含有元素のばらつきに起因する
材質のばらつきを解消するとともに大巾な強度レ
ベルの制御が、また、効率よく成分設計が可能で
あることを見出して本発明に至つたもので、特
に、熱間圧延を終えた圧延レールのAr3以上の温
度域からの冷却制御に有効である。 上記(1)式は、種々の研究と実験を行なつた結
果、得られた実験データより定めた実験式であ
る。上記(1)式については、HとHvの関係につい
て、P,Q,Ceqを決めて示すと第6図のように
なる。第6図において、実線は、(1)式にCeq=
0.95、P=1000又は1500mmH2O、Q=23.7又は
41Nm3/m・minを導入した事例であり、一方点
線は、(1)式にP=1500mmH2O、Q=41Nm3/m・
min、Ceq=1.05又は1.10を導入した事例である
が、同図からHvが大なる程小なる関係にHが定
められる。 なお、上記(1)式におけるnを求める式は、後述
する実施例における136ポンド/ヤードないし132
ポンド/ヤード圧延レールに関わる最適の式であ
る。通常115〜136ポンド/ヤードまたは50〜60
Kg/m圧延レールの場合、前記nを求める式を四
捨五入して第1項は2.50、第2項は0.04、第3項
は0.005として、 n=2.50+0.04・logF−0.005・logF2 なる概略式で与えても、後述する実施例の第6図
において示す実験式と実験して得られた熱処理レ
ール強度は、許容される実用的範囲内(例えば、
ブリネル硬度HB:340[Hv:360相当]クラスの
場合、レール頭頂部表面硬度、シヨア硬度Hs:
50±3[Hv:360±20相当])で、目標とする所定
の強度レベルの熱処理レールを製造することがで
きる。すなわち上記(1)式の各種係数は、目標とす
る強度レベルが許容誤差範囲内に入る範囲内で調
整可能である。 上記(2)式は、本発明者らが種々の研究と実験を
行つた結果、得られた実験データより定めた実験
式である。(2)式は目標とするレール頭部の強度レ
ベルを安定して製造するために、レール頭部を冷
却するにあたつて冷却開始前のレール頭部表面温
度(θs)から適正な冷却所要時間(TAC)を決定
することができるものとして、本発明に至つたも
のである。例として、第3図に示すレール頭部冷
却中の温度測定結果を用いて説明すると、温度測
定位置は、レール頭頂部表面下5mmと25mm、およ
びゲージコーナ部表面下5mmの点である。そのう
ち頭頂部表面下25mmの測温は、ほぼ頭部中央に位
置しており、この位置での冷却曲線から、冷却を
パーライト変態により生じる変態熱による復熱時
のピーク近傍まで行えば、頭部全断面のほぼパー
ライト変態は終了する。この時間を目途に冷却の
停止を行うことで、安定して目標とする所定の強
度レベルの熱処理レールが製造でき、また安定し
た操業が可能になるわけである。 〔実施例〕 次に本発明の実施例について説明する。以下第
1表に示される化学成分を含有せしめた132ポン
ド/ヤードおよび136ポンド/ヤードの圧延のま
までオーステナイト域以上の高温域にあるレール
を本発明の方法により冷却処理した。
本発明は、以上述べたように、硬度および炭素
当量に対応してノズルとレール間距離を設定し、
かつ冷却必要時間を規定するように構成し、作用
せしめるようにしたので、コストの低減(冷却媒
体の圧力・流量制御機器の簡素化、実施例に示す
圧力:1500mmH2O程度の低圧でよくランニング
コストの低減など)、制御性(少ないノズルとレ
ール間距離の移動でよく応答性がよい、幅広い圧
力・流量制御を必要としない)および操業の安定
性(圧延間隔に対応した熱処理の実現、Ceq変動
の応答性、冷却媒体の低圧化による騒音問題の解
決など)を実現し、実施例に示すごとく圧延熱を
保有する圧延レールのインライン熱処理をも実現
した。その結果、低コストで、高強度という特性
のみならず、耐摩耗性、耐損傷性などの諸特性を
併せ有する、よりすぐれた中間強度レベルから高
強度レベルまでの範囲の熱処理レールを安定して
作り分けることができ、所望の特性のレールを得
ることができる。
当量に対応してノズルとレール間距離を設定し、
かつ冷却必要時間を規定するように構成し、作用
せしめるようにしたので、コストの低減(冷却媒
体の圧力・流量制御機器の簡素化、実施例に示す
圧力:1500mmH2O程度の低圧でよくランニング
コストの低減など)、制御性(少ないノズルとレ
ール間距離の移動でよく応答性がよい、幅広い圧
力・流量制御を必要としない)および操業の安定
性(圧延間隔に対応した熱処理の実現、Ceq変動
の応答性、冷却媒体の低圧化による騒音問題の解
決など)を実現し、実施例に示すごとく圧延熱を
保有する圧延レールのインライン熱処理をも実現
した。その結果、低コストで、高強度という特性
のみならず、耐摩耗性、耐損傷性などの諸特性を
併せ有する、よりすぐれた中間強度レベルから高
強度レベルまでの範囲の熱処理レールを安定して
作り分けることができ、所望の特性のレールを得
ることができる。
第1図は、本発明を1つの態様で実施する冷却
装置の側面図、第2図は、第1図に示す冷却装置
の一部を拡大して示す断面図、第3図は本発明の
一実施例における冷却中のレール頭部の冷却曲線
を示すグラフ、第4図および第5図は本発明の一
実施例におけるレール頭部断面硬度測定結果を示
すグラフ、第6図は硬度とノズル/レール間距離
の関係を示すグラフ、第7図は冷却開始温度と冷
却所要時間との関係を示すグラフである。 1:高温度レール、2:レール頭部円形包囲型
上部ノズルヘツダー、3:下部ノズルヘツダー、
4:上部ヘツダー昇降装置、5:温度計、6:レ
ールガイド、7:搬送ローラ、8:レール頭部冷
却用気体供給管、9:レール床面冷却用気体供給
管。
装置の側面図、第2図は、第1図に示す冷却装置
の一部を拡大して示す断面図、第3図は本発明の
一実施例における冷却中のレール頭部の冷却曲線
を示すグラフ、第4図および第5図は本発明の一
実施例におけるレール頭部断面硬度測定結果を示
すグラフ、第6図は硬度とノズル/レール間距離
の関係を示すグラフ、第7図は冷却開始温度と冷
却所要時間との関係を示すグラフである。 1:高温度レール、2:レール頭部円形包囲型
上部ノズルヘツダー、3:下部ノズルヘツダー、
4:上部ヘツダー昇降装置、5:温度計、6:レ
ールガイド、7:搬送ローラ、8:レール頭部冷
却用気体供給管、9:レール床面冷却用気体供給
管。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 レールの頭部温度がオーステナイト域以上で
ある温度領域から、レール断面の頭部を囲繞する
如く配設したノズルから気体冷却媒体をレール頭
部に指向して適用することによつて冷却するに際
し、熱処理後に得ようとするレール頭部表面下10
mmまでの硬度Hvに対応して、下記(1)式に従つて、
前記ノズルとレール頭部間の距離Hを設定し、前
記レール頭部を0.336・θs−150秒間以上(θs:冷
却開始前のレール頭部表面温度[℃])冷却する
ことを特徴とするレールの熱処理方法; Hv=10n+(200・Ceq−190) …(1) n=2.50+0.04・logF−0.005・logFz、 ここで、 Hv:熱処理後に得ようとするレール頭部表面
下10mmまでの硬度[ビツカース、10Kg] Ceq:炭素当量 F:冷却強さ示数[F=Q・√/H]、 Q:レールの単位長に適用する気体冷却媒体の
流量[Nm3/m・min] P:ノズルヘツダー圧力[mmH2O、ノズル抵
抗係数f=0.85] H:ノズルとレール頭部間の距離[mm]。
Priority Applications (11)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59272389A JPS61149436A (ja) | 1984-12-24 | 1984-12-24 | レ−ルの熱処理方法 |
AT85308972T ATE56477T1 (de) | 1984-12-24 | 1985-12-10 | Verfahren und vorrichtung zum waermebehandeln von schienen. |
DE8585308972T DE3579681D1 (de) | 1984-12-24 | 1985-12-10 | Verfahren und vorrichtung zum waermebehandeln von schienen. |
EP85308972A EP0186373B1 (en) | 1984-12-24 | 1985-12-10 | Method of and apparatus for heat treating rails |
AU51115/85A AU561642B2 (en) | 1984-12-24 | 1985-12-11 | Uniform hardness in steel rails by controlled gaseous cooling (method and apparatus) |
CA000497471A CA1259552A (en) | 1984-12-24 | 1985-12-12 | Method of and apparatus for heat-treating rails |
ZA859651A ZA859651B (en) | 1984-12-24 | 1985-12-18 | Method of and apparatus for heat-treating rails |
BR8506419A BR8506419A (pt) | 1984-12-24 | 1985-12-20 | Processo e aparelho para o tratamento termico de um trilho |
KR1019850009738A KR900002195B1 (ko) | 1984-12-24 | 1985-12-23 | 레일의 열처리 방법 |
CN85109735.9A CN1004881B (zh) | 1984-12-24 | 1985-12-23 | 钢轨热处理的方法和设备 |
US07/308,216 US4913747A (en) | 1984-12-24 | 1989-02-09 | Method of and apparatus for heat-treating rails |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59272389A JPS61149436A (ja) | 1984-12-24 | 1984-12-24 | レ−ルの熱処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61149436A JPS61149436A (ja) | 1986-07-08 |
JPH026810B2 true JPH026810B2 (ja) | 1990-02-14 |
Family
ID=17513200
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59272389A Granted JPS61149436A (ja) | 1984-12-24 | 1984-12-24 | レ−ルの熱処理方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61149436A (ja) |
ZA (1) | ZA859651B (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2975367B2 (ja) * | 1987-08-28 | 1999-11-10 | アジャックス・マグネサ−ミック・コ−ポレ−ション | レールの熱処理方法および装置 |
JP2773867B2 (ja) * | 1987-10-19 | 1998-07-09 | 新日本製鐵株式会社 | 高温レールの冷却法 |
JPH03166318A (ja) * | 1989-11-27 | 1991-07-18 | Nippon Steel Corp | レールの熱処理方法 |
CN101959626B (zh) | 2008-02-27 | 2012-10-03 | 新日本制铁株式会社 | 轧制钢材的冷却装置以及冷却方法 |
EP2674504A1 (en) * | 2012-06-11 | 2013-12-18 | Siemens S.p.A. | Method and system for thermal treatments of rails |
PL2781608T3 (pl) * | 2013-03-22 | 2016-04-29 | Primetals Tech Italy S R L | Układ do obróbki cieplnej szyn |
JP7294243B2 (ja) | 2020-06-10 | 2023-06-20 | Jfeスチール株式会社 | 熱処理レールの硬度予測方法、熱処理方法、硬度予測装置、熱処理装置、製造方法、製造設備、並びに、硬度予測モデルの生成方法 |
-
1984
- 1984-12-24 JP JP59272389A patent/JPS61149436A/ja active Granted
-
1985
- 1985-12-18 ZA ZA859651A patent/ZA859651B/xx unknown
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
ZA859651B (en) | 1986-08-27 |
JPS61149436A (ja) | 1986-07-08 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |