JPH026692Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、同一バンドにおいてFM放送と
TV音声放送の受信が行なえるFMワイド受信機
に関するものである。

FM放送とTV音声放送の第１〜第３チヤンネ
ル部分の周波数は比較的近接したものとなつてい
る。このため、近年においては、FM受信機の受
信周波数帯域をTV音声放送帯域まで広げること
によつて、両放送の受信が行なえるようにした
FMワイド受信機が開発されている。

第１図は、従来一般に用いられているFMワイ
ド受信機の一例を示す要部回路図である。同図に
おいて、１はFM受信機の検波出力を増幅するア
ンプ、２〜４はアンプ１の出力端に直列接続され
たコンデンサと抵抗の直列体、５はカツプリング
用のコンデンサ４を介して出力される検波出力を
ステレオ復調するステレオ復調回路、６は抵抗３
に対して並列に接続されたダイオード、７はTV
音声放送の受信帯域と同調された時にオンとなる
スイツチであつて、このスイツチ７のオン時に電
源＋Ｂが抵抗８を介してダイオード６のアノード
にバイアスとして加えられる。９はダイオード６
のカソードとアース間に接続された抵抗である。
そして、スイツチ７は、例えば第２図に示すよう
に同調用のバリコン１０の回転軸１１に装着され
ているダイヤルドラム１２の側面に、第３図にそ
の平面図を示すようにTV音声放送の受信帯域に
対応して突起１３が設けられている。またこの突
起１３と対向する部分には、プリント基板１４が
設けられており、その表面に突起１３によつて作
動するスイツチ７が設けられている。

このように構成されたFMワイド受信機におい
て、FM放送の受信帯域においては、ダイヤルド
ラム１２に設けられている突起１３はスイツチ７
を作動することはなく、従つて、このスイツチ７
は図示状態に開いている。従つて、ダイオード６
は順方向バイアスが加わらないためにオフ状態と
なつており、この結果、アンプ１から出力される
FM検波出力信号は、抵抗３において減衰された
後にコンデンサ４を介してステレオ復調回路５に
供給されることになる。

次に、TV音声放送の受信帯域にチユーニング
すると、第２図に示すようにダイヤルドラム１２
に設けられている突起１３がスイツチ７を作動さ
せてオンとする。スイツチ７がオンされると、電
源＋Ｂが抵抗８を介してダイオード５のアノード
に加えられるため、順方向バイアスとなつてオン
状態となる。この結果、TV音声放送に対してア
ンプ１から出力される検波出力は、ダイオード６
によつて抵抗３をバイパスすることになる。従つ
て、抵抗３の値をFM放送の受信時とTV音声放
送の受信時における出力レベル差に対応して設定
することにより、FM放送とTV音声放送の受信
を音量ボリユームを調整することなくして、同一
の音量により受信が行なえる。

しかしながら、上記構成による装置において
は、ダイヤルドラムの回転角を利用している関係
上、ダイヤルドラムを備えていない電子チユーナ
構成によるFM受信機には全く適用することがで
きない。また、上記構成においては、TV音声放
送の局間部分の受信に際して、FM放送の局間部
分の受信に比較してノイズが大幅に増大する問題
を有している。

本考案は、上記事情にもとづいてなされたもの
で、バリキヤツプを用いるなどの電子チユーナに
おいても、FMおよびTV音声放送を受信できる
FM受信機として適用でき、またTV放送の局間
部分の受信に際してはノイズが生じないようにし
たFMワイド受信機を提供しようとするものであ
る。

この目的のため、本考案はFM、TV音声放送
を受信するFMワイド受信機において、FM検波
出力信号の出力系路に直流源を供給することで前
記出力信号をバイパスする直流バイパス手段と、
前記直流源と前記バイパス手段との間に設けたス
イツチ手段と、TV音声放送の受信帯域にチユー
ニングされたとき、電圧制御発振器の周波数を分
周するプログラムカウンタおよび、前記プログラ
ムカウンタの出力を一周期毎に計数し、所定数以
上のとき前記直流源を生成する計数回路とを備
え、前記スイツチ手段は受信電界強度レベルが設
定値以上にて前記直流源を直流バイパス手段に印
加するスイツチ素子を有し、前記TV音声放送を
受信時に前記直流源により前記バイパス手段をバ
イパスすることを特徴とするものである。

以下、本考案の一実施例を第４図を参照して具
体的に説明する。なお、この実施例では、第１図
と同一部分は同一符号を用いて示している。第４
図において、符号２１は、トランジスタスイツチ
素子であり、チユーングの時、受信電界出力が設
定値以下ででるミユーテイング出力が加わる時、
オフ状態になるものであり、スイツチ手段を構成
している。また、符号２３は、PLL電子チユー
ナの電圧制御発振器（VCO）の発振周波数を分
周するためのプログラムカウンタであり、その出
力（クロツク信号）を、一周期（VCOの周波数
を分周し終えた最終パルス幅の周期）毎に出力す
る。この出力信号は、計数回路２４に伝送される
ようになつている。上記計数回路２４は、上記一
周期において、受信するプログラムカウンタの出
力信号の数が、或る設定回数Ｎ以上である時、
“Ｈ”レベルの出力を、また、それ未満の時は
“Ｌ”レベルの出力を上記スイツチ手段を介して
FM検波信号の通路に与える判別回路である。

このような構成では、例えば、90MHz附近でプ
ログラムカウンタ２３がNo回、分周したとする
と、プログラムカウンタ２３の出力信号はNo回、
クロツクパルスを出力し、これは、計数回路２４
に入力される。一方、上記計数回路２４では、内
部の論理回路により、一周期に入力されるクロツ
クパルスの数がＮ以上の時“Ｈ”レベルの出力信
号を、また、それ未満の時、“Ｌ”レベルの出力
信号をトランジスタスイツチ素子２１に与える。
したがつて、FM放送帯では、計数回路の出力は
“Ｌ”レベルであり、ダイオード６は順方向バイ
アスされないので、FM検波信号は、抵抗３を通
つて、そのままステレオ復調回路５に流れる。

また、TV音声放送の受信帯域にチユーニング
された時には、プログラムカウンタ２３の分周が
進み、計数回路２４でのクロツクパルス数はＮを
越えるので、“Ｈ”レベルとなり、トランジスタ
スイツチ素子２１がオン状態であれば、ダイオー
ド６に順方向バアスがかかり、FM検波信号は、
ダイオード６により、抵抗３をバイパスする。

なお、TV音声帯域において、チユーニングを
取る場合、局間にある時には受信電界出力は設定
値以下であり、これによつて出るミユーテイング
出力ではトランジスタスイツチ素子２１のベース
は非導通レベルまで上昇する。このため、トラン
ジスタスイツチ素子２１はオフ状態である。そし
て、受信状態に入ると、上記受信電界出力は設定
値以上となり、トランジスタスイツチ素子２１の
ベース電圧は導通レベルまで降下するから、トラ
ンジスタスイツチ素子２１はオン状態となり、ダ
イオード６はオン状態となる。

このようにして、FM検波号の通路に直流バイ
アスを印加することができ、FM放送帯域附近に
おけるTV音声放送ができ、しかも、チユーニン
グがなされる間、すなわち、局間では、ノイズを
遮断しておけるので、FM受信と同じノイズレベ
ルで使用できる。

なお、上記実施例では、プログラムカウンタの
出力をハードの上でデイジタル信号処理している
が、この部分をソフトに組込んで制御することも
可能であり、その時には、本考案の計数回路附近
と同様の動作をするようなプログラムを組めばよ
い。

また、計数回路については、部分的に、フリツ
プフロツプ回路、ゲート回路、Ｄ／Ａコンバー
タ、コンパレータなどを組合わせた回路構成にし
てもよく、要するに、本考案で意図する機能を満
足すればよい。また、この実施例では、計数回路
出力と、ミユーテイングの出力との論理回路とし
てトランジスタ論理回路（トランジスタスイツチ
素子２１，２２）を用いているが、この部分に他
の論理回路を用いてもよい。

以上説明したように、本考案のFMワイド受信
機によれば、ダイヤルを用いない電子チユーナ構
成によるFM受信機にも容易に適用することがで
きるとともに、TV音声帯域の局間におけるノイ
ズを、FM放送の局間におけるノイズ同様に下げ
ることができるなどの種々の優れた効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のFMワイド受信機の一例を示す
要部回路図、第２図、第３図は第１図に示すスイ
ツチの一例を示す側面図および平面図、第４図は
この考案の一実施例を示す回路構成図である。 １……アンプ、２，４……コンデンサ、３，
８，９……抵抗、５……ステレオ復調回路、６…
…ダイオード、２１，２２……トランジスタスイ
ツチ素子、２３……プログラムカウンタ、２４…
…計数回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. FM、TV音声放送を受信するFMワイド受信機
   において、FM検波出力信号の出力系路に直流源
   を供給することで前記出力信号をバイパスする直
   流バイパス手段と、前記直流源と前記バイパス手
   段との間に設けたスイツチ手段と、TV音声放送
   の受信帯域にチユーニングされたとき、電圧制御
   発振器の周波数を分周するプログラムカウンタお
   よび、前記プログラムカウンタの出力を一周期毎
   に計数し、所定数以上のとき前記直流源を生成す
   る計数回路とを備え、前記スイツチ手段は受信電
   界強度レベルが設定値以上にて前記直流源を直流
   バイパス手段に印加するスイツチ素子を有し、前
   記TV音声放送を受信時に前記直流源により前記
   バイパス手段をバイパスすることを特徴とする
   FMワイド受信機。