JPH026688Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はパーソナル無線機のスケルチ装置に関
する。

従来の技術 スケルチ装置としては、受信機の検波出力に含
まれるノイズを検出し、該ノイズの発生期間だけ
出力回路の動作を停止させてスピーカからノイズ
がでないようにした所謂ノイズスケルチ装置と、
受信電波のレベルが所定値以下になつたときに同
様にしてスピーカからノイズがでないようにした
所謂キヤリアスケルチ装置とが知られている。

従来のこの種スケルチ装置のスケルチ開放感度
は、例えばノイズスケルチ装置を例に採れば第５
図に示すように、検波出力をローパスフイルタ
７、スイツチ８を介して図示しない低周波増幅部
へ入力すると共に、検波出力中のノイズ成分をハ
イパスフイルタ１により取出してノイズアンプ２
で増幅し、その出力をダイオード３，４で整流し
てノイズのレベルに応じた電圧をコンデンサ５に
発生させ、このコンデンサ５の端子電圧が所定値
以上のとき前記スイツチ８をオフさせるようにし
た回路において、コンデンサ５と並列に可変抵抗
６を接続し、この抵抗値を無線機の操作パネル上
に配設したつまみで変更可能に構成している。従
つて、操作パネル上につまみを設けるだけのスペ
ースを必要とし、装置の小型化に制約を与える欠
点があつた。

考案が解決しようとする問題点 本考案はこのような従来の欠点を解決したもの
で、その目的は、無線機の小型化が容易なスケル
チ装置を提供することにある。

問題点を解決するための手段 本考案は上記問題点を解決するために、第１図
に示すように、群番号設定用の複数のキー１０を
有するパーソナル無線機に、スケルチ開放感度を
入力電気信号に応じて変更可能なスケルチ回路１
１と、複数のキー１０の操作で入力されたスケル
チ開放感度設定情報を判別する判別手段１２と、
この判別手段１２で判別されたスケルチ開放感度
に応じてスケルチ回路１１のスケルチ開放感度を
変更するための電気信号を発生しスケルチ回路１
１に送出する制御手段１３とを設ける。

作 用 複数のキー１０からスケルチ開放感度設定情報
を入力すると、判別手段１２はこれを判別し、制
御手段１３はこの設定情報に応じてスケルチ回路
１１のスケルチ開放感度を変更するための電気信
号を発生する。スケルチ回路１１は、入力される
電気信号に応じてスケルチ開放感度を切換え、図
示しない検波回路とスピーカとの間に挿入された
スイツチ１４を制御する。なお、スケルチ回路１
１には、ノイズスケルチの場合は検波出力が、キ
ヤリアスケルチの場合はリミツタ出力が加わる。

実施例 第２図は本考案のスケルチ装置を有するパーソ
ナル無線機の要部ブロツク図であり、２０は内部
にプログラム等を記憶するROMと演算用等に使
用するRAM等を有する所謂１チツプマイクロコ
ンピユータで、周辺回路とは出力ポート、入力ポ
ートで接続されている。ROM２１は呼出名称記
憶用のROM、テンキー２２は群番号設定用であ
り、０〜９までの数字キーとフアンクシヨンキ
ー、その他若干のキーを有する。表示器２３は設
定された群番号を表示するためのものである。２
４はプレストークスイツチ２５を有するマイクロ
フオンで、ここから入力された音声は音声増幅部
２６で増幅され、切換スイツチ２７を介して送信
部２８に入力され、ここで変調、高周波増幅等さ
れて得られた送信波が切換回路２９を通りアンテ
ナ３０より発射される。また、アンテナ３０で受
信された受信電波は、切換スイツチ２９を介して
受信部３１に入力され、検波出力が該受信部３１
から取出される。検波出力はマイクロコンピユー
タに入力されると共にローパスフイルタ３２とア
ナログスイツチ３３を介して低周波増幅器３４に
入力され、再生音声がスピーカ３５から取出され
る。マイクロコンピユータ２０は、当該無線機の
使用チヤンネルを設定するための分周比データを
シンセサイザ部３７に与え、該シンセサイザ部３
７で使用チヤンネルに合致した送信用周波数、受
信用周波数を発生せしめて切換スイツチ３８を介
して送信部２８、及び受信部３１の混合回路（図
示せず）に送出させる。プレストークスイツチ２
５が押されると、切換スイツチ２９，３８は送信
部２８側に切換わり、離されると受信部３１側に
切換わる。なお、切換スイツチ２７はマイクロコ
ンピユータ２０からの切換信号により切換えら
れ、該スイツチ２７を介して制御信号がマイクロ
コンピユータ２０から送信部２８に入力される。

テンキー２２を操作してある群番号をマイクロ
コンピユータ２０のRAMに設定する。待受状態
では、マイクロコンピユータ２０はシンセサイザ
部３７に制御チヤンネル用の分周比データを送出
して受信部３１を制御チヤンネルに同調させる。
この状態で制御チヤンネルの電波を受信すると、
受信部３１で復調された制御信号がマイクロコン
ピユータ２０に入力される。マイクロコンピユー
タ２０はこの制御信号を解読し、その中に含まれ
ている群番号と予め設定された群番号が一致する
と、制御信号で指定された通話チヤンネルに合致
する分周比データをシンセサイザ３７に与えて受
信部３１を指定された通話チヤンネルに同調させ
る。従つて、その通話チヤンネルの電波が受信さ
れると、受信部３１で検波出力が取出され、アナ
ログスイツチ３３を通して低周波増幅器３４に入
力され、音声がスピーカ３５より取出される。こ
のような動作および送信時の動作は従来から良く
知られているものであるから詳細な説明は省略す
る。

本実施例は、このような構成を有するパーソナ
ル無線機に、図示するような構成を有するスケル
チ回路３６を付加する。スケルチ回路３６は、受
信部３１の検波出力中からノイズ成分を抽出する
ハイパスフイルタ４０と、ハイパスフイルタ４０
の出力を増幅するノイズアンプ３９と、このアン
プ３９の出力に接続されたコンデンサ４１と、整
流回路を構成するダイオード４２，４３と、整流
回路の出力電圧によつて充電されるコンデンサ４
４と、コンデンサ４４と並列に接続された抵抗４
５、トランジスタ４６、抵抗４７、トランジスタ
４８から成る２個の直列回路と、抵抗４５，４７
とコンデンサ４４の接続点に抵抗４９を介してベ
ースが接続されエミツタが接地されコレクタが抵
抗５０を介して電源＋Ｂに接続されたトランジス
タ５１とを有し、トランジスタ５１のコレクタが
アナログスイツチ３３の制御端子に接続され、ト
ランジスタ４６，４７のベースがマイクロコンピ
ユータ２０のそれぞれ異なる出力ポートに接続さ
れている。

スケルチ開放感度は、マイクロコンピユータ２
０から当該スケルチ回路３７に加える電気信号
（出力ポートの信号）によりトランジスタ４６，
４８をオン、オフさせることで切換えることがで
きる。

スケルチ開放感度の切換は例えば次のような操
作を行なうことで実現される。

スケルチ開放感度：大 テンキー２２のフアンクシヨンキーを押し（或
は押したまま）、数字キー１を押す。これにより
トランジスタ４６，４８が共にオン状態となり、
コンデンサ４４の放電時定数は抵抗４５，４７の
合成抵抗値とほぼ等しくなる。

スケルチ開放感度：中 テンキー２２のフアンクシヨンキーを押し（或
は押したまま）、数字キー２を押す。これにより
トランジスタ４６がオン、トランジスタ４８がオ
フ状態となり、トランジスタ４４の放電時定数は
ほぼ抵抗４５の値に等しくなる。

スケルチ開放感度：小 テンキー２２のフアンクシヨンキーを押し（或
は押したまま）、数字キー３を押す。これにより、
トランジスタ４６がオフ、トランジスタ４８がオ
ンし、コンデンサ４４の放電時定数がほぼ抵抗４
７の値に等しくなる。

上記のようなスケルチ開放感度の切換をマイク
ロコンピユータ２０に実施させるには例えば第３
図のフローチヤートに示すような処理を例えば当
該パーソナル無線機の待ち受け処理等で実行させ
れば良い。

なお、以上の実施例ではコンデンサ４４と並列
に各々トランジスタと抵抗を含む２個の直列回路
を接続したが、感度切換段数に応じて３個以上の
直列回路を接続し、マイクロコンピユータ２０の
出力でそれぞれオン、オフ制御する構成としても
良いことは勿論のことである。また、感度切換の
為のテンキー２２の操作方法は上述の例に限られ
ず、群番号設定操作と区別し得るものであればど
のような操作方法でも可能である。また、アナロ
グスイツチ３３の代りにリレー等を使用しても良
い。更に、スケルチ開放感度を入力電気信号に応
じて変更可能なスケルチ回路として、ノイズアン
プ５２のゲインをマイクロコンピユータ２０の出
力により可変するタイプのスケルチ回路を使用す
ることも可能である。

第４図は本考案のスケルチ装置をキヤリアスケ
ルチとして使用した場合の実施例を示す要部ブロ
ツク図であり、第２図と同一符号は同一部分を示
し、６０は第２図のスケルチ回路３６中からハイ
パスフイルタ４０とノイズフイルタ３９を省略し
たスケルチ回路である。キヤリアスケルチの場合
は、受信部３１からキヤリアの強度に比例した信
号例えばフアーストリミツタの出力を取出し、こ
れをスケルチ回路６０に入力する。なお、キヤリ
アスケルチ開放感度を変更する動作は第２図と同
様である。

考案の効果 以上説明したように、本考案によれば、従来ス
ケルチ開放感度調整用に用いられていた可変抵抗
器を削除することができ、またパーソナル無線機
自体に本来具えられているテンキーによりスケル
チ開放感度を切換えることができるので、装置の
小型化が可能となる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の構成説明図、第２図は本考案
のスケルチ装置を有するパーソナル無線機の要部
ブロツク図、第３図はマイクロコンピユータ２０
の処理の一例を示すフローチヤート、第４図は本
考案の別の実施例の要部ブロツク図、第５図は従
来のスケルチ装置の構成説明図である。 ２０はマイクロコンピユータ、２２はテンキ
ー、３３はアナログスイツチ、３６，６０はスケ
ルチ回路である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 群番号設定用の複数のキーを有するパーソナ
   ル無線機のスケルチ装置において、スケルチ開
   放感度を入力電気信号に応じて変更可能なスケ
   ルチ回路と、前記複数のキーの操作で入力され
   たスケルチ開放感度設定情報を判別する判別手
   段と、該判別手段で判別されたスケルチ開放感
   度に応じて前記スケルチ回路のスケルチ開放感
   度を変更するための電気信号を発生し前記スケ
   ルチ回路に送出する制御手段とを具備したこと
   を特徴とするスケルチ装置。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項記載のスケル
   チ装置において、前記スケルチ回路は、検波出
   力中に含まれるノイズ成分によつて充電される
   コンデンサと、該コンデンサと並列に接続され
   た各々抵抗とトランジスタとを含む複数の直列
   回路とを有し、該トランジスタのベースに前記
   制御手段の出力が加わるものであることを特徴
   とするスケルチ装置。 (3) 実用新案登録請求の範囲第１項記載のスケル
   チ装置において、前記スケルチ回路は、受信部
   のリミツタ出力で充電されるコンデンサと、該
   コンデンサと並列に接続された各々抵抗とトラ
   ンジスタとを含む複数の直列回路とを有し、該
   トランジスタのベースに前記制御手段の出力が
   加わるものであることを特徴とするスケルチ装
   置。