JPH02650Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は積算電力量計を装着したケース本体に
被着するガラスカバーを密封状とするためのパツ
キンの改良構造に関するものである。

従来のこの種のパツキンは、打抜きにより扁平
方形状に形成されたものを、ケース本体の開口端
とガラスカバーの開口端とに位置ずれすることな
く正しく位置を保持し得るように、パツキンの上
面に有機溶剤を付着させて、この接着剤を介して
ガラスカバーの開口端に接着し、正しく位置固定
させておくようにしている。

しかるに、積算電力量計は使用開始から一定期
間経過すると調整のために密封されているガラス
カバーを外して計器を点検し調整後、ケース本体
及びガラスカバーを再使用するために洗浄等を必
要としていた。この際に、パツキンも再使用する
ことがあるが、前記のようにパツキンはガラスに
接着されているために、無理に取外そうとして破
損し再使用を不能としたり、接着によつてガラス
にくつついた汚れを払拭除去するのに極めて手数
が掛かるといつた不都合があると共に、有機溶剤
の使用に伴ない、安全衛生上にも難点があるとい
つたように種々の欠点があつた。

出願人はかかる従来欠点を解消するためのパツ
キンに関して、その内側下縁を鍔片を垂設し、こ
の鍔片をケース本体の内側壁に当接させることに
より接着することなくケース本体の開口端縁に安
定させるようにして使用するものを考案して先に
出願した。

さらにまた、従来のパツキンや、前記した出願
人の考案に係わるパツキンは何れもケース本体に
対し取付けるものであるために、取付けに際して
パツキンの位置決めが困難であつたり、僅かに位
置ずれを起こすなどして取付けを自動化すること
が難かしく、勢い手作業によらざるを得ないため
に、極めて多数の積算電力量計を組付け封緘する
に際して手間が掛かり、流れ作業的に処理し得な
いものであつた。

そこで本考案は、パツキンの扁平な本体の幅を
ガラスカバーのガラス厚に略合致させると共に該
本体の内側縁にガラスカバーの内側壁に当接する
鍔片を周設して断面Ｌ状に形成し、このパツキン
をガラスカバーの開口端に被着して本体の平坦な
面をガラスカバーの開口端に当てがい、鍔片をガ
ラスカバー内側壁に押込み当接させることで、接
着することなく、かつ、たやすく、しかも正確に
ガラスカバーに取着せしめ得るようにしたもので
ある。

以下に本考案の実施例を図面と共に説明する。
第８図において１は上面で開口した箱形をなす鉄
板等より成るケース本体、２は該ケース本体１の
上面に被着する下面で開口した箱形をなす透明な
ガラスカバーである。このガラスカバー２の外周
下部には金属製のカバー枠３をその下縁がガラス
カバー２の下端縁より突出するようにして嵌着し
てある。４は前記ケース本体１とガラスカバー２
の開口端の間に介在させるパツキン、５，５はケ
ース本体１とカバー枠３の左右の側面に夫々対向
状に突出させた締付片であり、ケース本体１に計
器を収容した後前記締付片５，５に封印具を取付
けて積算電力量計を構成する。

前記パツキン４はゴム或いは合成樹脂等を素材
にして第１図乃至第３図に示すように方形枠状で
所要の肉厚を持ち、幅ｌはガラスカバー２のガラ
ス厚に略合致する寸法とした本体４ａを形成し、
該本体４ａの内側縁上部に前記ガラスカバー２の
内側壁に対して稍きつい程度にて嵌合する寸法に
て鍔片６を周設して、断面Ｌ状をなすように形成
される。前記鍔片６の先端は外側、即ち本体４ａ
寄りで短かくし、内側を長くした鋭角端７に形成
し、さらに、本体４ａの夫々隅角部にはアールに
沿わせて肉厚にして補強片部８を設け、各隅角部
の幅l₁は本体４ａの直線部分の幅ｌよりも幅広に
してある。なお、本体４ａの外側端は僅かに斜傾
を持たせてある。

このように形成されたパツキン４は本体４ａを
ガラスカバー２の開口端面に当てがい、鍔片６を
該ガラスカバー２の内側壁沿いに押込んでやれば
第９図のようにガラスカバー２に対して接着する
ことなしに取着することができる。そして、鍔片
６は先端を内側壁に接する側を短かくした鋭角端
７に形成しているために該内側壁に対し稍きつい
寸法に形成されていても容易に押込むことがで
き、取着した状態では脱落することはなく、しか
も四隅角部に設けた肉厚の補強片部８によつて形
態の安定を増加させて変形させたりすることはな
い。

そして、予かじめ計器を組付けたケース本体１
にパツキン４を取着したガラスカバー２を被着す
ることにより第１０図に示すように密封すること
ができる。この使用状態においてパツキン４の直
線部分はその幅ｌを補強片部８を設けて肉厚にし
た各隅角部の幅l₁よりも狭く形成しているため
に、ケース本体１内に装着される計器やその取付
部材等に邪魔になるようなことはない。

以上に述べたように本考案のパツキンは断面Ｌ
状に形成され、平坦な本体をガラスカバーの開口
端に当てがい、鍔片をガラスカバーの内側壁沿い
に押込んで取付けることができるもので、ガラス
カバーに接着することなく、かつ、たやすく、そ
して、正確に取着できるし、一々人手によつて取
付けなくても自動化して、極めて能力よく行なう
ことができるから、積算電力量計の組付けの効率
向上に寄与させることができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例に係わるもので第１図
は斜視図、第２図は平面図、第３図は裏面図、第
４図は側面図、第５図は第２図のＡ−Ａ線断面
図、第６図は第２のＢ−Ｂ線断面図、第７図は第
２図のＣ−Ｃ線断面図、第８図はケース本体、ガ
ラスカバー及びパツキンの分解斜視図、第９図は
ガラスカバーにパツキンを取付けた状態の斜視
図、第１０図は使用状態を示す要部拡大断面図で
ある。 １……ケース本体、２……ガラスカバー、４…
…パツキン、４ａ……本体、６……鍔片、７……
鋭角端、８……補強片部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 積算電力量計を装着させるケース本体にガラ
   スカバーを被着させ密封する際に介在させる方
   形枠状をなすパツキンにおいて、扁平な本体の
   幅をガラスカバーのガラス厚に略合致させると
   共に該本体の内側縁にガラスカバーの内側壁に
   当接する鍔片を起立するように周設して断面Ｌ
   状となし、さらに該鍔片の先端は本体寄りより
   もパツキン内側寄りの方が突出するように鋭角
   端に形成したことを特徴とする積算電力量計用
   パツキン。 ２ 鍔片は本体の各隅角部を肉厚にして補強片部
   を設けたことを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の積算電力量計用パツキン。