JPH026244Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、洋服等の袖口その他にラベルを取り
付け、また布、紙等の重ね止めをするためのステ
ープルに関するものである。

〔従来の技術〕

洋服等の袖口その他に取り付けるラベル等は、
従来、ミシンを利用して縫い付けることが多かつ
たが、その作業は位置が固定されているミシンの
場所に洋服等を運ばなければならず、作業が煩雑
である上に洋服等を重ねるためにしわ等が生じや
すかつた。

現在、洋服等の製造仕上工程においては、洋服
等をハンガーに掛けて天井部分に設置されたレー
ル上を走行させ、移動させながら作業するのが一
般的であり、ステープルの打込みによるラベルの
取り付けもこの状態で行うことが望ましい。

上記の要望にこたえるものとして、米国特許第
2959786号明細書及び特公昭57−49356号公報にみ
られるように、形状の上辺部とこの上辺部の両
端部から左右にそれぞれ延設された下辺部とから
なり、全体として翼形に形成された金属製又はプ
ラスチツク製のステープルが考案され、これに適
した比較的簡単なホチキス型式の打込み機等の工
具を使用してラベルの取付けを行うことが提案さ
れた。

〔考案のが解決しようとする問題点〕

しかしながら、従来のステープルにおいては、
針状に形成されているために、打込み後のステー
プルが抜けやすく、打込み後に洋服等を移動させ
る際、ステープルの脱落によつてラベル等が外れ
てしまうことが多かつた。

本考案は、従来のステープルの形状を僅かに変
えるのみで、ステープルの打込みをさらに容易に
して簡単な工具を使用可能とし、取付後のステー
プルを抜け難くし、生産性を向上させようとする
ものである。

〔問題点を解決するための手段及びその作用〕

本考案は、形状の上辺部と該上辺部の両端部
から左右にそれぞれ延設された下辺部とからな
り、全体として翼形に形成されたステープルにお
いて、前記上辺部の両肩コーナー部の肉厚を、該
上辺部と下辺部との結合部コーナー肉厚よりも薄
くしたものであつて、その取付けに際し、上辺両
肩コーナー部の肉厚が薄いために曲げやすく、し
かも取付後は上辺部と下辺部との結合部コーナー
の肉厚の方が厚いから抜け難く、また取外しも容
易に行うことができるものである。

〔実施例〕

本考案の実施例を図面に基づいて説明すれば、
第１ないし第４図において、ステープルＳは、
形状の上辺部１と上辺部１の両端部から左右にそ
れぞれ延設されて針状の先端をもつ下辺部２，２
とからなり、全体として翼形に形成されているこ
とは従来と変りはないが、ステープルＳを形成す
る材料の肉厚が従来とは異なつている。すなわ
ち、上辺部１の両肩コーナー部３，３の肉厚を、
上辺部１と下辺部２，２との結合部コーナー４，
４の肉厚よりも薄くしてある。

さらに、このような形状のステープルＳの複数
本を平行に連結部５にて連設してステープル群を
形成し、このステープル群の一端部に、後述する
打込み工具Ｐの送りコマ１０が係合する孔部６を
設けた舌片７を連設すると便利であり、この舌片
７を連設することによつて、ステープルＳの本数
が少なくなつても安定して打込むことができ、最
後の１本までを確実に使用することができ、打込
み工具Ｐへ挿着することも容易である。しかし
て、このステープルＳを取付けるには、第５図ａ
に示すようなホツチキス型式の打込み工具Ｐを使
用するが、その内部の主要部は第５図ｂの如くで
あり、さらに主要部は第６図ａ，ｂに示す通りで
ある。例えば、打込み工具Ｐ内のマガジン８にお
いて、スプリング９によつて弾圧され保持されて
いる送りコマ１０に、ステープルＳの一端に設け
られた舌片７の孔部６を係合させて板ばね１１
で、マガジン８との間に挟持し、上から押刃１２
と下からのカツター１３によつてステープルＳを
切り離しながら順次ステープルＳを打込み、第７
図示のように洋服等の袖口１４にラベルＬを取り
付けるものである。

さらに、ステープルＳを打込む場合の作動につ
いて説明すれば、第８図及び第９図示のように、
打込み工具ＰへステープルＳを挿着する。次に、
ａ図のように、下部案内部材１６とスプリング１
７を介して接離可能に連結された上部支持材１８
に支持された押刃１２および該上部支持材１８に
固定されたステープルガイド針Ｎは、これら全体
が下がつてｂ図のように、下部案内部材１６がス
テープルＳを中央に押し曲げてステープルガイド
針Ｎに嵌め込み、押え板１５上に位置する図示し
ないラベルＬ（第７図参照）に当接させる。次に
スプリング１７に抗して上部支持材１８およびス
テープルガイド針Ｎが押刃１２と共に下がり、ｃ
図のようにステープルＳの両端部をステープルガ
イド針Ｎを介してラベルＬに打込み、さらに押刃
１２が下がつて、ｄ図のようにステープルガイド
針Ｎ内に在つたステープルＳを押し込むと復元力
によつてステープルは元の状態に復帰してラベル
Ｌを取り付ける。

このように、ステープルＳの打込みは従来と変
るところはなく、各種の打込み工具を使用するこ
とができるが、ステープルＳの両肩コーナー部
３，３の肉厚が、上辺部１と下辺部２との結合部
コーナー４の肉厚よりも薄くなつているから、打
込まれる際の変形及び打込み後の復元は両肩コー
ナー部３，３の肉薄部によつて容易に行われ、ま
た打込み後のステープルＳは結合部コーナー４の
肉厚が厚くなつているので抜け難くなる。さら
に、簡単な工具を使用することができ、作業性は
極めて向上する。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案によれば、洋服等の
袖口へのラベル取付け、布、紙等の重ね止めに際
して、上辺部の両肩コーナー部の肉厚が薄いから
曲げやすく、また打込み後はステープルの上辺部
と下辺部の結合部コーナーの肉厚が厚いので抜け
難い。さらに、簡単な工具を使用することができ
るので、例えば洋服等の袖口にラベルを取り付け
る際、ハンガーに掛けた状態で作業が行えるから
作業性が極めて向上するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は本考案
ステープルの形状についての説明図、第２図は一
実施態様を示す斜視図、第３図は第２図の平面
図、第４図は第３図のＡ−Ａ線断面図、第５図
ａ，ｂは打込み工具の概略図、第６図ａは打込み
工具内部の主要部の説明切断側面図、第６図ｂは
第６図ａの正面図、第７図は袖口への取付状態説
明図、第８図ａないしｄはステープルの打込み状
態を説明する作動説明切断側面図、第９図ａない
しｄはそれぞれ第８図ａないしｄの正面図であ
る。 Ｓ……ステープル、Ｐ……打込み工具、１……
上辺部、２……下辺部、３……両肩コーナー部、
４……結合部コーナー、５……連結部、６……孔
部、７……舌片、８……マガジン、９……スプリ
ング、１０……送りコマ、１１……板ばね、１２
……押刃、１３……カツター、１４……袖口、１
５……押え板、１６……下部案内部材、１７……
スプリング、１８……上部支持材、Ｌ……ラベ
ル、Ｎ……ステープルガイド針。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 形状の上辺部と該上辺部の両端部から左右
   にそれぞれ延設された下辺部とからなり、全体
   として翼形に形成されたステープルにおいて、
   前記上辺部の両肩コーナー部の肉厚を、該上辺
   部と下辺部との結合部コーナーの肉厚よりも薄
   くしたことを特徴とするステープル。 (2) 前記ステープルを複数平行に連設してステー
   プル群を形成し、該ステープル群の一端部に舌
   片を連設したものである実用新案登録請求の範
   囲第(1)項記載のステープル。