JPH0259439B2 - - Google Patents
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- JPH0259439B2 JPH0259439B2 JP57047390A JP4739082A JPH0259439B2 JP H0259439 B2 JPH0259439 B2 JP H0259439B2 JP 57047390 A JP57047390 A JP 57047390A JP 4739082 A JP4739082 A JP 4739082A JP H0259439 B2 JPH0259439 B2 JP H0259439B2
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- zircaloy
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Links
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Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E30/00—Energy generation of nuclear origin
- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
Landscapes
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Description
本発明は、ジルカロイ管、特に耐高温水腐食性
にすぐれた核燃料被覆用のジルカロイ管に関す
る。 軽水冷却型原子炉の核燃料被覆用のジルカロイ
管(以下単にジルカロイ管という)は原子炉中
で、その外表面は高温の水または水蒸気と接して
いるため、耐食性、特に耐高温水腐食性(以下に
おいて単に耐食性とも称する)が問題となる。 その耐食性はジルカロイ合金の主成分のZrお
よび添加成分のSn,Fe,Cr,Niで形成される金
属間化合物の析出状態により左右され、それが基
地中に微細かつ均等に分散されればされる程耐食
性は向上することが知られている。 この観点より、従来技術にあつてジルカロイ管
の耐食性を確保するためには、一般に次の方法が
採られている。 すなわち、押出ビレツト切削前の鍜造棒の状態
で、1000℃以上の高温に加熱し、水焼入れする
“β処理”を施す。これにより金属間化合物の微
細分散析出が達成される。 その後、鍜造、押出、管圧延、焼鈍等の諸加工
を課し管製品を得るのであるが、その際の加熱温
度は通常750℃以下に限定し、上記金属間化合物
の凝集を極力防ぐこととしている。しかしなが
ら、鍜造、押出、冷間圧延加工途次での加熱にさ
いしては所定の軟化を確保するためにはむやみに
温度を下げることも無理で限界がある。そのた
め、冷間圧延加工途次での加熱時に750℃を越え
ることもあつて、上記化合物の凝集を若干伴い、
これによる若干の耐食性低下は避けられないこと
となる。 定常の原子炉運転温度(400℃以下)のもとで
はこれで十分であるが、500℃を超えるような苛
酷な条件下で運転されるときには、腐食条件は一
層苛酷なものとなり、上記のような手段では十分
でなく、改良を計る必要がある。 また、従来技術にあつて、最終管製品全体をβ
処理するか、最終管製品手前のものをその全体に
ついてβ処理し、その後弱加工して仕上げること
も提案されている。 しかし、これでは耐食性の向上は計られるが、
管製品全体としての延性は不十分で、製品として
は必ずしも望ましいものではないことが分かつ
た。 特開昭51−110411号、同51−110412号にはジル
コニウム合金のゾーン熱処理法が開示されている
が、それによれば物品全体を均一なミクロ組織と
すること、すなわち、金属間粒状相粒子が物品全
体にわたつて粒境界および亜粒境界に群つた組織
とすることにより耐食性を改善しようとしてい
る。また特開昭52−70917号にも同様の趣旨の開
示があり、この場合には溶体化処理そして急冷処
理に続いて加熱時効処理を行い上述の金属間粒状
相粒子の二次元的整列状態の偏析を促進する。 いずれにしてもかかる従来技術で得られたミク
ロ組織は、物品全体に亘つて均一化されたことに
1つの特徴を有するのである。 このように、従来技術によるジルカロイ管は高
温(500℃付近)耐食性が不十分であつたり、ま
た管製品全体の延性低下を伴つたりするので、必
ずしも満足すべきものではなかつた。 したがつて、本発明者はこの点を改善すべく、
鋭意研究の結果、高温水耐食性が問題となるのは
原子炉冷却水と接する管外表面のみであり、酸化
ウランペレツトを内蔵する管内表面および管内質
は対象ではないことに着目し、耐食性改良のため
のβ処理を表面層のみに限定することとし、残り
のほゞ全層に相当する部分はβ処理されず、製管
加工時に形成された微細結晶粒のまゝに保持する
ことにより、製品としてのジルカロイ管全体の延
性を損うことなく、かつ冷却水と接する外表面の
高温耐食性は秀れたものとなり、核燃料被覆用の
管として極めて好ましい性質のものが得られるこ
とを見い出し、本発明を完成した。 すなわち、本発明は、管製品、特に製管後の管
製品の管外周表層部にのみ20〜200μm厚さのβ
処理層を備えたことを特徴とする、耐高温水腐食
性に優れたジルカロイ管である。 ここに“管製品の管外周表層部にのみ”とは、
管製品の急速表面加熱による、いわゆる表面焼入
れによる趣旨であり、また“β処理層”とは、管
外周表層部にみられるβ処理による前述の金属間
化合物の微細かつ均一な分散層であつて、後述す
るようにその厚さは加熱温度、冷却速度等によつ
て決定されるが、本発明にあつては所要の耐食性
と管本体の所要の延性との関係で適宜決定するこ
とができる。一般には20〜200μmであり、好ま
しくは20〜80μmである。20μm未満では所期の
効果が達成されず、200μm超では延性の劣化の
傾向がみられる。 本発明にあつては、従来技術によつて製造され
た最終製品としてのジルカロイ管の表面につき、
管外周表層部のみ加熱されるような条件で加熱
し、その後できるだけ早く急冷することにより、
β処理層が製品管の管外周表層部にのみ形成され
ることになる。したがつて、本体部はβ処理時の
加熱の影響をうけず、結晶粒粗大化も生じない。
製管時に形成された微細結晶粒がそのまゝ保存さ
れ、そのため管全体としての延性低下も生ぜず、
性能劣化を伴わないものとなる。 このときの加熱法としては種々のものが考えら
れ、例えば、電子ビーム、レーザ、あるいは電熱
炉や誘導加熱等が挙げられる。また表面の酸化、
窒化を避けるためには真空中あるいはアルゴン等
の不活性ガス雰囲気中での加熱が望ましい。 β処理温度つまりβ焼入れ温度は成分により多
少変動するが一般に、ほゞ1000℃以上である。 冷却法は加熱条件にもより、必ずしも強制冷却
する必要はなく、例えば空冷でもよいが、強制冷
却を行なう場合は一般には、冷却速度はできるだ
け早く冷却するのが好ましい。具体的には管内面
に冷却水を供給するか、あるいは冷し金を利用す
ることにより所要の急冷処理を行なつてもよい。 本発明において形成されるβ処理層は、すでに
述べたように、好ましくは製管後にいわゆる表面
焼入れにより管の外周表層部にのみ設けられるの
であるが、その厚さは特に制限されず、加熱温度
および冷却速度を変えることによつて適宜調節で
きる。一般には20μ〜30μあれば十分と考えられ
る。ただし、200μを越えることはないことは前
述した通りである。 このように、本発明におけるβ処理層は最終製
品に設けられれば十分であつて、製管以前の段階
においてβ処理を行なつてβ処理層を設ける必要
は特にない。ジルカロイ管自体の組成についても
特に制限されず、核燃料被覆用管としてのジルカ
ロイ管であればよい。なお、管表面に酸化膜等を
生じた場合はベルト研摩、あるいは砥石研摩等の
機械研摩によりとり除くことができる。また、硝
ふつ酸による酸洗エツチングを施すことによる化
学研摩によつてもよい。 次に実施例によつて本発明をさらに説明する。 実施例 本例ではビレツト段階でβ処理はされていない
ジルカロイ−2(商品名)管製品を供試材として
使用した。製管時の加工度は断面積減少率98%で
あり、組織的に十分微細化されており、常温引張
伸び35%以上の延性を示すものであつた。 上記管製品(外径12.52mm×肉厚0.86mm)を高
真空中(10-5Torr)で、電子ビームで外表面か
ら加熱した。電子ビームは鋭く絞ることはせず、
若干ぼかした状態で適用した。電子ビーム条件
は、加速電圧80KV、電子ビーム電流0.3mA、そ
してビーム径約2mmであつた。 供試材としてのジルカロイ管は回転しながら前
進するように駆動され、管の外表面部全体にビー
ムがむらなく当るようにした。この場合の条件は
回転数300rpm、送り1mm/回転を採用した。こ
の時管外面の最高温度は1080℃であり、外表面が
1000℃以上に保持された時間は1秒であつた。 本例では特に強制冷却は行なわなかつたが、外
表面部に厚さ30μのβ処理層が形成された。 なお、真空中で実施したが、表面にきわめて薄
い酸化膜を発生し、若干変色したので、硝酸
50Vol%、ふつ酸5Vol%、残り水の構成からなる
硝ふつ酸液中にて約1分間酸洗した。酸洗ののち
水洗、中和、水洗、純水洗、乾燥と順次処理を行
つた。 次に、本発明に係るジルカロイ管の耐高温水腐
食性を評価するために上記管に腐食試験を実施し
た。 この際、管外面のみの腐食試験とするため、管
の両端にジルカロイ−2の端栓を溶接し試験片と
した。 このようにして得た試験片についてオートクレ
ーブ中で高温水蒸気腐食試験を行なつた。条件
は、温度500℃、圧力60Kg/cm2、そして試験時間
12時間であつた。 比較のため、前述のような表面加熱を実施しな
い同一材質のジルカロイ−2管製品についても同
様の手順で試験片を作成し、本発明に係るジルカ
ロイ管である前記試験片と同一バツチでオートク
レーブ腐食試験を行なつた。結果は表1にまとめ
て示す通りであり、表面加熱を施して管外周表層
部にのみβ処理層を設けた本発明に係る管が秀れ
た耐高温水腐食性を示すことが分かる。 比較例では本発明例と比較して腐食増量は約31
%の増加を示した。 次にその延性を確認するため、常温での引張試
験を実施した。条件は管状のまゝで引張試験に供
し、引張速度は0.5%/分を用いた。伸び測定の
さいの標点間距離は50mmであつた。この場合も比
較のため、比較例のジルカロイ−2管製品につい
ても同様の試験を実施した。結果は表2にまとめ
て示す通りであり、表面加熱による延性の劣化等
は全く認められない。 なお、上記の比較用ジルカロイ−2管製品はそ
の製造途次において耐食性向上のためビレツト段
階でβ処理を施したものであるが、上記の結果よ
りみて、本発明に従う限りビレツト段階でのβ処
理を省略できることが分かる。
にすぐれた核燃料被覆用のジルカロイ管に関す
る。 軽水冷却型原子炉の核燃料被覆用のジルカロイ
管(以下単にジルカロイ管という)は原子炉中
で、その外表面は高温の水または水蒸気と接して
いるため、耐食性、特に耐高温水腐食性(以下に
おいて単に耐食性とも称する)が問題となる。 その耐食性はジルカロイ合金の主成分のZrお
よび添加成分のSn,Fe,Cr,Niで形成される金
属間化合物の析出状態により左右され、それが基
地中に微細かつ均等に分散されればされる程耐食
性は向上することが知られている。 この観点より、従来技術にあつてジルカロイ管
の耐食性を確保するためには、一般に次の方法が
採られている。 すなわち、押出ビレツト切削前の鍜造棒の状態
で、1000℃以上の高温に加熱し、水焼入れする
“β処理”を施す。これにより金属間化合物の微
細分散析出が達成される。 その後、鍜造、押出、管圧延、焼鈍等の諸加工
を課し管製品を得るのであるが、その際の加熱温
度は通常750℃以下に限定し、上記金属間化合物
の凝集を極力防ぐこととしている。しかしなが
ら、鍜造、押出、冷間圧延加工途次での加熱にさ
いしては所定の軟化を確保するためにはむやみに
温度を下げることも無理で限界がある。そのた
め、冷間圧延加工途次での加熱時に750℃を越え
ることもあつて、上記化合物の凝集を若干伴い、
これによる若干の耐食性低下は避けられないこと
となる。 定常の原子炉運転温度(400℃以下)のもとで
はこれで十分であるが、500℃を超えるような苛
酷な条件下で運転されるときには、腐食条件は一
層苛酷なものとなり、上記のような手段では十分
でなく、改良を計る必要がある。 また、従来技術にあつて、最終管製品全体をβ
処理するか、最終管製品手前のものをその全体に
ついてβ処理し、その後弱加工して仕上げること
も提案されている。 しかし、これでは耐食性の向上は計られるが、
管製品全体としての延性は不十分で、製品として
は必ずしも望ましいものではないことが分かつ
た。 特開昭51−110411号、同51−110412号にはジル
コニウム合金のゾーン熱処理法が開示されている
が、それによれば物品全体を均一なミクロ組織と
すること、すなわち、金属間粒状相粒子が物品全
体にわたつて粒境界および亜粒境界に群つた組織
とすることにより耐食性を改善しようとしてい
る。また特開昭52−70917号にも同様の趣旨の開
示があり、この場合には溶体化処理そして急冷処
理に続いて加熱時効処理を行い上述の金属間粒状
相粒子の二次元的整列状態の偏析を促進する。 いずれにしてもかかる従来技術で得られたミク
ロ組織は、物品全体に亘つて均一化されたことに
1つの特徴を有するのである。 このように、従来技術によるジルカロイ管は高
温(500℃付近)耐食性が不十分であつたり、ま
た管製品全体の延性低下を伴つたりするので、必
ずしも満足すべきものではなかつた。 したがつて、本発明者はこの点を改善すべく、
鋭意研究の結果、高温水耐食性が問題となるのは
原子炉冷却水と接する管外表面のみであり、酸化
ウランペレツトを内蔵する管内表面および管内質
は対象ではないことに着目し、耐食性改良のため
のβ処理を表面層のみに限定することとし、残り
のほゞ全層に相当する部分はβ処理されず、製管
加工時に形成された微細結晶粒のまゝに保持する
ことにより、製品としてのジルカロイ管全体の延
性を損うことなく、かつ冷却水と接する外表面の
高温耐食性は秀れたものとなり、核燃料被覆用の
管として極めて好ましい性質のものが得られるこ
とを見い出し、本発明を完成した。 すなわち、本発明は、管製品、特に製管後の管
製品の管外周表層部にのみ20〜200μm厚さのβ
処理層を備えたことを特徴とする、耐高温水腐食
性に優れたジルカロイ管である。 ここに“管製品の管外周表層部にのみ”とは、
管製品の急速表面加熱による、いわゆる表面焼入
れによる趣旨であり、また“β処理層”とは、管
外周表層部にみられるβ処理による前述の金属間
化合物の微細かつ均一な分散層であつて、後述す
るようにその厚さは加熱温度、冷却速度等によつ
て決定されるが、本発明にあつては所要の耐食性
と管本体の所要の延性との関係で適宜決定するこ
とができる。一般には20〜200μmであり、好ま
しくは20〜80μmである。20μm未満では所期の
効果が達成されず、200μm超では延性の劣化の
傾向がみられる。 本発明にあつては、従来技術によつて製造され
た最終製品としてのジルカロイ管の表面につき、
管外周表層部のみ加熱されるような条件で加熱
し、その後できるだけ早く急冷することにより、
β処理層が製品管の管外周表層部にのみ形成され
ることになる。したがつて、本体部はβ処理時の
加熱の影響をうけず、結晶粒粗大化も生じない。
製管時に形成された微細結晶粒がそのまゝ保存さ
れ、そのため管全体としての延性低下も生ぜず、
性能劣化を伴わないものとなる。 このときの加熱法としては種々のものが考えら
れ、例えば、電子ビーム、レーザ、あるいは電熱
炉や誘導加熱等が挙げられる。また表面の酸化、
窒化を避けるためには真空中あるいはアルゴン等
の不活性ガス雰囲気中での加熱が望ましい。 β処理温度つまりβ焼入れ温度は成分により多
少変動するが一般に、ほゞ1000℃以上である。 冷却法は加熱条件にもより、必ずしも強制冷却
する必要はなく、例えば空冷でもよいが、強制冷
却を行なう場合は一般には、冷却速度はできるだ
け早く冷却するのが好ましい。具体的には管内面
に冷却水を供給するか、あるいは冷し金を利用す
ることにより所要の急冷処理を行なつてもよい。 本発明において形成されるβ処理層は、すでに
述べたように、好ましくは製管後にいわゆる表面
焼入れにより管の外周表層部にのみ設けられるの
であるが、その厚さは特に制限されず、加熱温度
および冷却速度を変えることによつて適宜調節で
きる。一般には20μ〜30μあれば十分と考えられ
る。ただし、200μを越えることはないことは前
述した通りである。 このように、本発明におけるβ処理層は最終製
品に設けられれば十分であつて、製管以前の段階
においてβ処理を行なつてβ処理層を設ける必要
は特にない。ジルカロイ管自体の組成についても
特に制限されず、核燃料被覆用管としてのジルカ
ロイ管であればよい。なお、管表面に酸化膜等を
生じた場合はベルト研摩、あるいは砥石研摩等の
機械研摩によりとり除くことができる。また、硝
ふつ酸による酸洗エツチングを施すことによる化
学研摩によつてもよい。 次に実施例によつて本発明をさらに説明する。 実施例 本例ではビレツト段階でβ処理はされていない
ジルカロイ−2(商品名)管製品を供試材として
使用した。製管時の加工度は断面積減少率98%で
あり、組織的に十分微細化されており、常温引張
伸び35%以上の延性を示すものであつた。 上記管製品(外径12.52mm×肉厚0.86mm)を高
真空中(10-5Torr)で、電子ビームで外表面か
ら加熱した。電子ビームは鋭く絞ることはせず、
若干ぼかした状態で適用した。電子ビーム条件
は、加速電圧80KV、電子ビーム電流0.3mA、そ
してビーム径約2mmであつた。 供試材としてのジルカロイ管は回転しながら前
進するように駆動され、管の外表面部全体にビー
ムがむらなく当るようにした。この場合の条件は
回転数300rpm、送り1mm/回転を採用した。こ
の時管外面の最高温度は1080℃であり、外表面が
1000℃以上に保持された時間は1秒であつた。 本例では特に強制冷却は行なわなかつたが、外
表面部に厚さ30μのβ処理層が形成された。 なお、真空中で実施したが、表面にきわめて薄
い酸化膜を発生し、若干変色したので、硝酸
50Vol%、ふつ酸5Vol%、残り水の構成からなる
硝ふつ酸液中にて約1分間酸洗した。酸洗ののち
水洗、中和、水洗、純水洗、乾燥と順次処理を行
つた。 次に、本発明に係るジルカロイ管の耐高温水腐
食性を評価するために上記管に腐食試験を実施し
た。 この際、管外面のみの腐食試験とするため、管
の両端にジルカロイ−2の端栓を溶接し試験片と
した。 このようにして得た試験片についてオートクレ
ーブ中で高温水蒸気腐食試験を行なつた。条件
は、温度500℃、圧力60Kg/cm2、そして試験時間
12時間であつた。 比較のため、前述のような表面加熱を実施しな
い同一材質のジルカロイ−2管製品についても同
様の手順で試験片を作成し、本発明に係るジルカ
ロイ管である前記試験片と同一バツチでオートク
レーブ腐食試験を行なつた。結果は表1にまとめ
て示す通りであり、表面加熱を施して管外周表層
部にのみβ処理層を設けた本発明に係る管が秀れ
た耐高温水腐食性を示すことが分かる。 比較例では本発明例と比較して腐食増量は約31
%の増加を示した。 次にその延性を確認するため、常温での引張試
験を実施した。条件は管状のまゝで引張試験に供
し、引張速度は0.5%/分を用いた。伸び測定の
さいの標点間距離は50mmであつた。この場合も比
較のため、比較例のジルカロイ−2管製品につい
ても同様の試験を実施した。結果は表2にまとめ
て示す通りであり、表面加熱による延性の劣化等
は全く認められない。 なお、上記の比較用ジルカロイ−2管製品はそ
の製造途次において耐食性向上のためビレツト段
階でβ処理を施したものであるが、上記の結果よ
りみて、本発明に従う限りビレツト段階でのβ処
理を省略できることが分かる。
【表】
Claims (1)
- 1 管製品の管外周表層部にのみ20〜200μm厚
さのβ処理層を備えたことを特徴とする、耐高温
水腐食性に優れたジルカロイ管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57047390A JPS58165082A (ja) | 1982-03-26 | 1982-03-26 | 核燃料被覆用ジルカロイ管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57047390A JPS58165082A (ja) | 1982-03-26 | 1982-03-26 | 核燃料被覆用ジルカロイ管 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS58165082A JPS58165082A (ja) | 1983-09-30 |
JPH0259439B2 true JPH0259439B2 (ja) | 1990-12-12 |
Family
ID=12773776
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP57047390A Granted JPS58165082A (ja) | 1982-03-26 | 1982-03-26 | 核燃料被覆用ジルカロイ管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS58165082A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS51110412A (ja) * | 1975-02-25 | 1976-09-30 | Gen Electric | |
JPS51110411A (ja) * | 1975-02-25 | 1976-09-30 | Gen Electric | |
JPS5270917A (en) * | 1975-11-17 | 1977-06-13 | Gen Electric | Heat treatment of zirconium base alloy and product obtained thereby |
-
1982
- 1982-03-26 JP JP57047390A patent/JPS58165082A/ja active Granted
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS51110412A (ja) * | 1975-02-25 | 1976-09-30 | Gen Electric | |
JPS51110411A (ja) * | 1975-02-25 | 1976-09-30 | Gen Electric | |
JPS5270917A (en) * | 1975-11-17 | 1977-06-13 | Gen Electric | Heat treatment of zirconium base alloy and product obtained thereby |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS58165082A (ja) | 1983-09-30 |
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