JPH025889Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は不定形耐火物等を空気や窒素ガスで圧
送しかつ中途で水を添加する吹付ノズル、吹付パ
イプ、ホース等において、同添加水の不定形耐火
物等への注水部構造に関する。

〔従来技術〕

従来、不定形耐火物等による吹付施工作業にお
いては材質、作業条件によつて異なるが、粉体の
エア圧送、湿式ミニクリト、グラウトポンプ等に
よる圧送方式で、ホース、パイプ、或いはノズル
部等の所要箇所で添加物等を注入混合させてい
る。かかるノズル部の構造が実公昭41−25089号、
特公昭48−1621号や特公昭54−30321号公報に記
載されている。

しかし、いずれの公報記載の注水部において
も、不定形耐火物通過による摩耗が大きく、注入
孔が変形し、そのため添加水の添加量が不均一と
なり、粉塵、リバウンドロス、施工厚のバラツキ
が大きく、吹付施工体の形成組織を悪いものとし
ていた。

〔考案の目的〕

本考案は、内壁面の耐摩耗性を著しく向上で
き、長期間にわたつて正確かつ確実に添加水を注
水でき、リバウンドロスや粉塵等の発生を効果的
に防止でき、吹付施工体の組織の向上を図ること
ができる注水部構造を提供することを目的とす
る。

〔考案の構成〕

以下、添付図に示す実施例に基づいて本考案を
具体的に説明する。

第１図は本考案にかかる注水部の実施例の断面
正面図である。

第１図において、１は注水部であり、同注水部
１は、先端に噴出口を有するノズル２に螺合によ
つて連結されている。

注水部１は金属製の注水部本体３と同本体内に
嵌装されるセラミツクス製のライニング４とから
構成される。

上記構成において、図示の実施例では、注水部
本体３は、一側に大径開口５を有し他側に小径テ
ーパ開口６を有する外側筒体７内に上記小径テー
パ開口６と略等しい直径の貫通孔８を有する内側
筒体９を嵌装し、外側筒体７の内周面と内側筒体
９の外周面に注水環流空間１０を形成し、さらに
内側筒体９の嵌装端と外側筒体７の嵌装端に注水
用頭部３０を設け、同注水用頭部３０の内部に所
要円周ピツチで上記注水環流空間１０と材料流通
路１１とを連通する複数の注水孔１２を穿設する
ことによつて構成している。

なお、１３は外側筒体７に設け、水を注水環流
空間１０に供給する給水開口であり、１４は水密
性保持のため、外側筒体と内側筒体間に設けたＯ
リングであり、１５は内側筒体９のフランジ部１
６を外側筒体７の端部に連結するための連結ボル
トである。

本考案の構成は実質的に、上記構成を有する注
水部本体３の内面にセラミツクス製のライニング
４を嵌装したことを特徴とする。

図示の実施例においては、かかるライニング４
は一側に内側筒体９の端部と係合するフランジ部
１７を有し、他側に外側筒体７の小径テーパ開口
６に嵌合するテーパ部１８を有する筒体として示
されている。また、１８は注水孔１２と対応する
箇所に穿設した注水孔である。

かかるライニング４の素材としては従来から公
知の耐摩耗性に富んだ各種材料を用いることがで
き、例えば、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、ジ
ルコニア等があげられる。

また、第１図において、２０はノズル２の内部
に設けたゴム製環状部材等からなる振動部材であ
り、同部材は基端フランジ部を外側筒体の端部に
て挾持している。また、２１はノズル２の基端内
部に設けた環状エア空間であり、同空間はエア流
出孔２２を介して材料流通路１１と連通してい
る。

ついで上記構成を有する注水部の作用について
述べる。

まず材料流通路１１を通して不定形耐火物をエ
アや窒素ガスを用いてノズル２まで給送する。一
方、注水部１より上記材料流通路１１内に水が添
加され、同水は不定形耐火物と混和され、その
後、混和物はノズル２の噴出口から被施工壁面に
向けて噴出される。

かかる工程において、注水部１は不定形耐火物
及び同耐火物と水との混和物によつて強力な摩擦
力を受けることになる。しかし、本考案では、上
述したごとく、注水部１は十分な耐摩耗性を有す
るセラミツクス製のライニング４を装着している
ので、かかる摩擦力に効果的に対抗でき、その摩
耗を防止できる。これによつて、添加水分の調整
を容易に行うことができ、リバウンドロスを減少
し、粉塵の発生を防止でき、付着耐火物の組織を
向上することができる。

第２図から第５図に本考案の他の実施例が示さ
れており、以下説明する。

第２図は、第１図における注水孔１２，１９を
注水環流空間１０から材料流通路１１の軸線に対
して直角に穿設したことを特徴とするものであ
り、第１図の実施例と比較して製作しやすいこと
に特徴を有する。

第３図は、第１図におけるセラミツクス製のラ
イニング４を分割体２５，２６によつて構成し、
さらに両分割体２５，２６の対応する端間及び外
側筒体７と内側筒体９との端間に注水孔１２，１
９を形成したことを特徴とする。かかる構成によ
つて、本実施例は注水孔１２，１９をスリツト状
に設けることができ、製作を容易となすことがで
きる。また、摩耗した側のみを交換することがで
き、メンテナンスも簡単になる。

第４図は、第１図における外側筒体７と内側筒
体９を一体化して内部に環状水空間３７を有する
環状箱体２９を形成し、かつ環状箱体２９の両側
壁５２，３１にそれぞれ材料給送管（図示せず）
とノズル２に連結する金属製の筒体３２，３３を
設け、両筒体の対応端間に間隙を設け、同間隙を
注水孔３４とし、さらに両筒体３２，３３にそれ
ぞれセラミツクスのテーパ状ライニング３５，３
６を取付けたことを特徴とする。

かかる構成は構造が簡単なので容易に製作する
ことができ、また摩耗したライニング３５，３６
の交換を容易に行うことができる。

第５図は、第１図に示す如くライニング４を注
水部本体３の全長にわたつて設けるのではなく、
その一部のみ設けることを特徴とする実施例にか
かる。すなわち、第５図において、３９は外側筒
体４０と内側筒体４１との間に介設したセラミツ
クス製のライニングであり、同ライニング３９に
は注水環流空間４２と連絡する注水孔４３が穿設
されている。本実施例はライニング３９をサンド
イツチ状に取付ることができるので、組立が容易
になる。

第６図の実施例は第５図の変容例であり、ライ
ニング４４を傾斜状態に設け、かつ注水孔４５も
傾斜状態に設け、これによつて添加水と不定形耐
火物との混和の向上を図ることができる。なおラ
イニング４４は第７図に示す如く２つの分割体４
４ａ，４４ｂとからなり分割体４４ａはその一側
周面に凹溝４４ｃを有している。これによつて注
水孔４５を容易に設けることができる。

さらに第８図に示す実施例も第５図に示す実施
例の変容例であり、外側筒体４７と内側筒体４８
からなる金属製の注水部本体４９の一部を除いて
その内面にセラミツクス製のライニング５０を嵌
装したことを特徴とする。なお、５１は注水孔で
ある。かかる構成によつて注水部本体４９の摩耗
を第５図のものと比較してより低減することがで
きる。

本実施例において、給水開口１３及び環状エア
空間２１により本体ノズル内にて通過する材料に
それぞれ水及びエアを供給する場合を記述した
が、水及びエア以外の流体を供給してもよいこと
はいうまでもない。

〔総合効果〕

以上述べてきたごとく、本考案では注水部の内
面にセラミツクス製のライニングを嵌装したの
で、注水部の内面の耐摩耗性を著しく向上でき、
注水孔の口径及び注水方向を保持することによつ
て添加水分の調整を容易に行うことができ、リバ
ウンドロスの減少や粉塵の発生を防止出来るとと
もに、付着耐火物の組織を向上することができる
という効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる注水部構造の断面正面
図、第２図から第６図はその他の実施例にかかる
注水部構造の断面正面図、第７図は第６図に示す
実施例に用いるライニング４４の分解断面正面
図、第８図は他の実施例にかかる注水部構造の断
面正面図である。 １：注水部、２：ノズル、３：注水部本体、
４：ライニング、５：大径開口、６：小径テーパ
開口、７：外側筒体、８：貫通孔、９：内側筒
体、１０：注水環流空間、１１：材料流通路、１
２：注水孔、１３：給水開口、１４：Ｏリング、
１５：連結ボルト、１６：フランジ部、１９：注
水孔、２０：振動部材、２１：環状エア空間、２
２：エア流出孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部に両端開口の材料流通路を有し、かつ同流
   通路周りの壁面内に環状水空間を有する金属製注
   水部本体において、材料流通路を形成する内壁面
   にセラミツクス製ライニングを嵌装したことを特
   徴とする注水部構造。