JPS6260609B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 重油など各種油焚きボイラ、各種ガス焚きボイ
ラ及び油と石炭との混合焚きボイラに使用される
バーナノズルのバーナチツプに関する。

従来のバーナチツプの例を第１図及び第２図に
示す。

第１図及び第２図は蒸気噴霧式バーナチツプ０
１の構造を示している。第１図に於いて蒸気Ｓと
燃料Ｆ〔重油、石炭あるいは石炭と重油との混合
燃料など〕は図中に矢印で示す如く左側から右側
へと送られ、混合室０４で混合され、それがノズ
ル０２ａを通つて、図示省略の火炉内に噴出され
る。

一方第２図は二重筒状のバーナチツプ０１′を
示す図で燃料Ｆはバーナチツプ０１′の外側の流
路０６に、蒸気Ｓはバーナチツプ０１′筒内の中
央の流路０５に送られ、さらに燃料Ｆは、ノズル
０３を通つて、バーナチツプ０１′筒内の中央の
流路０５をへて来た蒸気Ｓとともにノズル０２ｂ
との交差部Ｃで混合され、ノズル０２ｂの噴出口
から図示省略の火炉内へ噴射される。なお、これ
らのバーナチツプ０１，０１′では、エロージヨ
ンによる摩耗を低減させるために一般の硬さの高
い工具鋼や高速度鋼が使用されている。

このようなバーナチツプにおいては、燃料Ｆと
蒸気Ｓの混合燃料もしくは単体燃料Ｆが高速でバ
ーナチツプ０１，０１′に送入され、それらがさ
らに孔径の小さいノズル０２ａ，０２ｂ，０３を
通つて火炉内に噴射されるので、図中交差ハツチ
ングで図示する如くそれらの流速がが増大するノ
ズル０２ａ，０３の入口部Ｂ，ｂ、蒸気Ｓと燃料
Ｆとが直接衝突するノズル０３とノズル０２ｂと
の交差部Ｃ及び火炉内に燃料Ｆが噴射される際
に、燃料Ｆが火炉内に飛散するノズル０２ａ，０
２ｂの噴出口Ａ，ａは短時間にエロージヨンによ
つて摩耗する。特にノズル０２ａ，０２ｂの噴出
口Ａ，ａ部は他に比べてエロージヨンによる摩耗
がはげしく孔径が大きくなり、燃焼効率が低下す
るなどの不具合を生じる。このため、短時間にバ
ーナチツプ０１，０１′を取り換える必要があ
り、保守費の増大をもたらす。なお、これら摩耗
部のうち、特にノズル０２ａ，０２ｂ噴出口Ａ，
ａ部の摩耗が特に重要であり、バーナチツプ０
１，０１′の耐用寿命を左右する。

本発明は上記したようなエロージヨンによつて
短時間にノズルを交換せざるを得ないような不具
合を防止できる耐摩耗性の優れたバーナチツプを
提供することを目的としている。

すなわち本発明は、バーナの先端に装着され燃
料や蒸気等の流体が通るノズル流路を具えたバー
ナチツプにおいて、軸線方向にスリーブの外径が
燃料噴出口側に細くなるテーパがついている耐摩
耗性材の筒状スリーブをチツプ内側から嵌入し、
かつ上記筒状スリーブが燃料入口側への抜けを防
止する押え板をチツプ内側に備えたことを特徴と
するバーナチツプにある。

本発明のバーナチツプによれば、耐摩耗性材の
筒状スリーブを嵌入したことにより、入口側、出
口側での摩耗を防止し、筒状スリーブをテーパ形
状としたことで、出口側へのスリーブの脱落を防
ぎ、スリーブの取りつけ、取り外しを容易とし、
さらには、押え板を設けたことで、スリーブの入
口側への脱落を防ぐことができるものである。

本発明の好適な実施例においては以下の態様を
有している。

ａ エロージヨンが問題となるバーナチツプのノ
ズル部に耐摩耗性が優れたステライト、やWC
などの超硬合金、Si₃N₄、B₄Cなどのセラミツ
クスなどそれぞれの焼結体スリーブを燃料や蒸
気の流体入口側から挿入装着する。

ｂ 押さえ板としては表面硬化処理を施したも
の、あるいは焼結体を用いる。

本発明に係わる第１実施例を第３図に示す。第
３図は第１図に示した従来のバーナチツプを改良
したものであり、１１，１２及び１４は第１図に
示した０１，０２ａ及び０４のそれぞれと同じ作
用・効果を有するもので、それらの説明は、省略
する１７は耐摩耗性が優れた焼結体により作られ
た円筒スリーブであり、軸線方向に同スリーブ１
７の外径が燃料噴出口１２Ａ側へ細くなるテーパ
がついており、図示省略の火炉内側へスリーブ１
７が抜けるのを防いでいる。

一方、１８は、円筒スリーブ１７が燃料入口１
２Ｂ側へ抜けるのを防ぐための押え板であり、こ
れには図に示すようにノズル１２の孔と同径の孔
があけられている。これはボルトあるいはビス１
９あるいは接着剤などでバーナチツプ１１に連通
固着されている。

第３図に示したように燃料を噴射するノズル１
２の流路内面に耐摩耗性が優れたステライト、
WCあるいはセラミツクス焼結体の円筒スリーブ
１７を使用しているので、特にバーナチツプ１１
の噴射側に発生していたエロージヨンによるノズ
ル１２噴出口１２Ａ側孔径の拡大が著しく低減さ
れ、従来のバーナチツプ０１の10倍以上の耐用寿
命が得られた。

押さえ板１８に表面硬化処理をすることによ
り、あるいは押さえ板１８としてセラミツクスを
利用することにより、噴射ノズル１２の燃料入口
１２Ｂの側のエロージヨンによるノズル１２孔径
の拡大速度をも著しく低減させることが出来た。

第４図は本発明に係わる第２実施例を示してい
る。

第４図は、第２図に示した従来のバーナチツプ
０１′を改良したものである。２１，２２，２５
及び２６は第２図に示した０１，０２ｂ，０５及
び０６のそれぞれと同じ作用・効果を有するの
で、それらの説明を省略する。

２７は、チツプ内側から挿置した耐摩耗性が優
れた焼結体円筒スリーブであり、同スリーブ２７
の外径は、燃料噴出口２２ａ側へ外径が小さくな
つた傾斜をつけ噴出口２２ａの側から円筒スリー
ブ２７がバーナチツプ２１本体からはずれるのを
防いでいる。本実施例ではバーナチツプ２１の外
側の流路２６とノズル２３とを通つた燃料Ｆがノ
ズル２２へ通るための孔３０が円筒スリーブ２７
にあけられている。押え板２８はボルトあるいは
ビス２９によつてチツプ内側よりバーナチツプ２
１に固着され、円筒スリーブ２７が蒸気入口側２
２Ｂに抜けるのを防いでいる。

なお、上記実施例では円筒スリーブ２７をノズ
ル２２の内周面のみに嵌入したのは、ノズル２３
内に円筒スリーブ２７を嵌入することが工作上困
難で、同ノズル２３の燃料入口２３ｂ部が若干摩
耗しても、ノズル２２の噴出口２２ａの摩耗の如
く燃焼効率を著しく低下させることはないためで
ある。必要によつては押え板２８と同材のリング
板をノズル２３の燃料入口２３ｂに固着して該部
の摩耗を防止しても良い。

本発明による第３実施例を第５図に示す。本実
施例が前記実施例と異なる点は、バーナチツプ３
１の円筒スリーブ３７の上端にフランジ３７ｆを
つけたことである。

本発明に使用する円筒スリーブ３７材としては
焼結ステライト（硬さＨ_V1000）、超硬合金WC
（Ｈ_V1200〜1300）、セラミツクス例えばAl₂O₃
（Ｈ_V2000）、Si₃N₄（Ｈ_V2500）、B₄C（Ｈ_V3500）
などが適している。

また、押え板３８には、一般の鉄鋼材が使用出
来るが、ノズル３２の燃料入口３２Ｂ側のエロー
ジヨンの発生を低減するために従来のバーナチツ
プ材と同様硬さの高い工具鋼や、高速度鋼を使用
することが望ましい。

なお、この押え板３８におけるノズル入口側３
２Ｂのエロージヨンは一般に出口側３２Ａ（燃料
噴射出口側）に比較して小さくしかも燃費効率へ
の影響は、ほとんど無視出来る程度であるが、押
え板３８の表面及び通路内面にクロム・メツキや
金属拡散浸透処理あるいは蒸着によつて耐摩耗性
が優れた炭化物層を形成させれば、ノズル入口側
３２Ｂのエロージヨンも防止出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来のそれぞれ異なつた
バーナチツプの断面図、第３図は第１図に対する
本発明の第１の実施例の断面図、第４図は第２図
に対する本発明の第２の実施例の断面図、第５図
は円筒スリーブ部に関する本発明の第３の実施例
の断面図である。 ０１，０１′…バーナチツプ、０２ａ，０２ｂ
…ノズル、０３…ノズル、０４…混合室、０５…
中央の流路、０６…外側流路、１１，１２，１４
…バーナチツプ、１２Ａ…噴出口、１２Ｂ…燃料
入口、１７…円筒スリーブ、１８…押え板、２
１，２２，２５…バーナチツプ、２２，２３…ノ
ズル、２２ａ…噴出口、２２ｂ…燃料入口、２３
ｂ…燃料入口、２６…外側流路、２７…円筒スリ
ーブ、２８…押え板、３０…孔、３１…バーナチ
ツプ、３２…ノズル、３２Ａ…噴出口、３２Ｂ…
燃料入口、３７…円筒スリーブ、３７ｆ…フラン
ジ、３８…押え板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ バーナの先端に装着され燃料や蒸気等の流体
   が通るノズル流路を具えたバーナチツプにおい
   て、軸線方向にスリーブの外径が燃料噴出口側に
   細くなるテーパがついている耐摩耗性材の筒状ス
   リーブをチツプ内側から嵌入し、かつ上記筒状ス
   リーブが燃料入口側への抜けを防止する押え板を
   チツプ内側に備えたことを特徴とするバーナチツ
   プ。