JPH0252017B2 - - Google Patents
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- JPH0252017B2 JPH0252017B2 JP59246480A JP24648084A JPH0252017B2 JP H0252017 B2 JPH0252017 B2 JP H0252017B2 JP 59246480 A JP59246480 A JP 59246480A JP 24648084 A JP24648084 A JP 24648084A JP H0252017 B2 JPH0252017 B2 JP H0252017B2
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Links
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Landscapes
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
〈産業上の利用分野〉
本発明は、フイラメント間の空隙を高め布帛に
優れたボリウム感と温暖味を付与することがで
き、しかも撚糸又は製織編工程における扱きによ
つてズレることがなく、また解舒性の良好な複合
加工糸に関するものである。
優れたボリウム感と温暖味を付与することがで
き、しかも撚糸又は製織編工程における扱きによ
つてズレることがなく、また解舒性の良好な複合
加工糸に関するものである。
〈従来の技術〉
一般にマルチフイラメント糸は紡績糸に比し、
温暖味、ボリウム感に欠けるとともに特有のヌメ
リ感があるなどの欠点を有している。このため、
従来よりこれらフイラメント糸の欠点を解消すべ
く種々の加工を施した加工糸が提案されており、
例えば糸条に糸長差を付与した芯鞘構造糸やかか
る芯鞘構造糸の鞘糸にループを多数形成した嵩高
糸などが知られている。しかしながら、このよう
な糸条は見掛け上嵩高性は向上されるものの布帛
にした場合フイラメントの充填密度が高く、フイ
ラメント間空隙が少ないため、依然ボリウム感に
乏しく、温暖味が得られないなどの欠点を有して
いる。特に糸長差の過大な芯鞘型の加工糸は撚糸
あるいは製織編工程における扱きによつて鞘糸が
ずれてネツプ状の欠点が発生しやすく、またルー
プを多数形成せしめたものはループ同士が引掛り
合うために糸解舒性が悪く、撚糸又は製織編工程
において操業性が不良となるという問題がある。
温暖味、ボリウム感に欠けるとともに特有のヌメ
リ感があるなどの欠点を有している。このため、
従来よりこれらフイラメント糸の欠点を解消すべ
く種々の加工を施した加工糸が提案されており、
例えば糸条に糸長差を付与した芯鞘構造糸やかか
る芯鞘構造糸の鞘糸にループを多数形成した嵩高
糸などが知られている。しかしながら、このよう
な糸条は見掛け上嵩高性は向上されるものの布帛
にした場合フイラメントの充填密度が高く、フイ
ラメント間空隙が少ないため、依然ボリウム感に
乏しく、温暖味が得られないなどの欠点を有して
いる。特に糸長差の過大な芯鞘型の加工糸は撚糸
あるいは製織編工程における扱きによつて鞘糸が
ずれてネツプ状の欠点が発生しやすく、またルー
プを多数形成せしめたものはループ同士が引掛り
合うために糸解舒性が悪く、撚糸又は製織編工程
において操業性が不良となるという問題がある。
一方、異形断面糸は通常のマルチフイラメント
糸の光沢を改良しヌメリ感のない風合を付与する
ものとして数多く提案されてきている。しかし、
本発明者等がこれら従来の異形断面糸を使用して
糸長差を形成せしめた加工糸について種々検討を
行つた結果、従来の異形断面糸は糸長差を形成す
ることによつて、優れたボリウム感、保温性及び
ドライ感を付与するにはその断面形状が適当でな
いことが判つた。すなわち、例えば従来の断面形
状が三角形状や星状の突起を有する異形断面糸は
通常のマルチフイラメント糸では得られなかつた
光沢やヌメリ感を除去した風合を付与するものと
して実用化されているが、これらの断面形状は周
方向に略同形状の凸部と凹部を交互に有している
ため、フイラメントの凹部に他のフイラメントの
凸部が入り込んでフイラメント同士が密着するい
わゆる充填作用が生じ易く、糸条又は布帛でのフ
イラメントが拘束された状態では良好なボリウム
感、温暖味が得られないということである。
糸の光沢を改良しヌメリ感のない風合を付与する
ものとして数多く提案されてきている。しかし、
本発明者等がこれら従来の異形断面糸を使用して
糸長差を形成せしめた加工糸について種々検討を
行つた結果、従来の異形断面糸は糸長差を形成す
ることによつて、優れたボリウム感、保温性及び
ドライ感を付与するにはその断面形状が適当でな
いことが判つた。すなわち、例えば従来の断面形
状が三角形状や星状の突起を有する異形断面糸は
通常のマルチフイラメント糸では得られなかつた
光沢やヌメリ感を除去した風合を付与するものと
して実用化されているが、これらの断面形状は周
方向に略同形状の凸部と凹部を交互に有している
ため、フイラメントの凹部に他のフイラメントの
凸部が入り込んでフイラメント同士が密着するい
わゆる充填作用が生じ易く、糸条又は布帛でのフ
イラメントが拘束された状態では良好なボリウム
感、温暖味が得られないということである。
〈発明が解決しようとする問題点〉
本発明は、上述のごとき従来技術の欠点を解消
すべく鋭意研究の結果到達したものであり、特定
の断面形状のフイラメントの存在と糸長差付与に
よる2層構造もしくは多層構造の形成及び微捲縮
形成との相乗効果によつて加工糸の内層部から表
層部に至るフイラメント間の空隙率を高め、布帛
に優れたふくらみ感を与え、温暖味とボリウム感
に富んだ風合を付与し、しかも撚糸又は製織編工
程において扱きによつてネツプ状の欠点が発生せ
ず、また糸条の解舒性を良好ならしめてその操業
性を向上せしめることを技術的課題とするもので
ある。
すべく鋭意研究の結果到達したものであり、特定
の断面形状のフイラメントの存在と糸長差付与に
よる2層構造もしくは多層構造の形成及び微捲縮
形成との相乗効果によつて加工糸の内層部から表
層部に至るフイラメント間の空隙率を高め、布帛
に優れたふくらみ感を与え、温暖味とボリウム感
に富んだ風合を付与し、しかも撚糸又は製織編工
程において扱きによつてネツプ状の欠点が発生せ
ず、また糸条の解舒性を良好ならしめてその操業
性を向上せしめることを技術的課題とするもので
ある。
〈問題点を解決するための手段〉
すなわち、本発明は糸長差を有する少なくとも
2本のマルチフイラメント捲縮糸条が糸条の長手
方向に部分的に交絡されてなる複合加工糸であつ
て、該複合加工糸は構成するフイラメントに断面
形状が略三角形状の傘部と幹部とからなる茸状の
フイラメントを20重量%以上含有せしめてなるこ
とを特徴とするものである。
2本のマルチフイラメント捲縮糸条が糸条の長手
方向に部分的に交絡されてなる複合加工糸であつ
て、該複合加工糸は構成するフイラメントに断面
形状が略三角形状の傘部と幹部とからなる茸状の
フイラメントを20重量%以上含有せしめてなるこ
とを特徴とするものである。
以下、さらに本発明を詳細に説明する。
第1図は本発明複合加工糸の一例を示すもので
あり、本発明複合加工糸は、好ましくは3%以上
の糸長差を有する2本のマルチフイラメント捲縮
糸条から構成され、その各々のフイラメントが部
分的に絡まり合つており、糸長の小なる捲縮糸条
を芯糸として、糸長の大なる捲縮糸条を捲回糸と
した芯鞘構造を形成している。なお、図示例にお
いては2本のマルチフイラメント捲縮糸条からな
る芯鞘構造の場合を示しているが、本発明複合加
工糸は芯鞘構造をとることなく糸長の大なる糸条
が部分的にたるみを形成して糸長の小なる捲縮糸
条が加工糸の比較的内層部に、糸長の大なる糸条
が外層部に配置されて2層もしくは多層構造を形
成していてもよい。ここで上記2本のマルチフイ
ラメント捲縮糸条の糸長差は3〜20%であること
が好ましい。
あり、本発明複合加工糸は、好ましくは3%以上
の糸長差を有する2本のマルチフイラメント捲縮
糸条から構成され、その各々のフイラメントが部
分的に絡まり合つており、糸長の小なる捲縮糸条
を芯糸として、糸長の大なる捲縮糸条を捲回糸と
した芯鞘構造を形成している。なお、図示例にお
いては2本のマルチフイラメント捲縮糸条からな
る芯鞘構造の場合を示しているが、本発明複合加
工糸は芯鞘構造をとることなく糸長の大なる糸条
が部分的にたるみを形成して糸長の小なる捲縮糸
条が加工糸の比較的内層部に、糸長の大なる糸条
が外層部に配置されて2層もしくは多層構造を形
成していてもよい。ここで上記2本のマルチフイ
ラメント捲縮糸条の糸長差は3〜20%であること
が好ましい。
そして、前記複合加工糸は構成するフイラメン
トに断面形状が茸状のフイラメントが存在してな
るものである。ここで、断面形状が茸状のフイラ
メントについて詳細に説明すると、このフイラメ
ントの断面形状は略三角形状の傘部と幹部とから
なる茸状を呈するものである。ここで、茸状とは
傘部から幹部への細化においてわずかなふくら
み、好ましくは直線的に又は湾曲を呈しながら急
激に細部を形成するものをいう。
トに断面形状が茸状のフイラメントが存在してな
るものである。ここで、断面形状が茸状のフイラ
メントについて詳細に説明すると、このフイラメ
ントの断面形状は略三角形状の傘部と幹部とから
なる茸状を呈するものである。ここで、茸状とは
傘部から幹部への細化においてわずかなふくら
み、好ましくは直線的に又は湾曲を呈しながら急
激に細部を形成するものをいう。
このように、断面形状が茸状のフイラメントは
略三角形状の傘部と幹部とが非対称で形状を異に
しているので、従来の三角断面形状や星状突起断
面形状のフイラメントのようにフイラメントの凹
部に他のフイラメントの凸部が入り込んで、フイ
ラメント同士が密着するいわゆる密充填作用が生
じにくく、したがつて糸条又は布帛においてもフ
イラメント間に多くの空隙を形成することができ
る。また、略三角形状の傘部の各頂点と幹部が外
方に突出しているので、フイラメント特有のヌメ
リ感がなく、さらつとしたドライ感のある手触り
を与える。さらに、略三角形状の傘部で反射され
た光線と幹部で反射された光線が、一部打ち消し
合つてマイルドな光沢を付与することができる。
略三角形状の傘部と幹部とが非対称で形状を異に
しているので、従来の三角断面形状や星状突起断
面形状のフイラメントのようにフイラメントの凹
部に他のフイラメントの凸部が入り込んで、フイ
ラメント同士が密着するいわゆる密充填作用が生
じにくく、したがつて糸条又は布帛においてもフ
イラメント間に多くの空隙を形成することができ
る。また、略三角形状の傘部の各頂点と幹部が外
方に突出しているので、フイラメント特有のヌメ
リ感がなく、さらつとしたドライ感のある手触り
を与える。さらに、略三角形状の傘部で反射され
た光線と幹部で反射された光線が、一部打ち消し
合つてマイルドな光沢を付与することができる。
第2図は、かかる本発明のフイラメントの断面
形状の例を示し、第2図aは略三角形状の傘部1
と略長方形状の幹部2とからなる茸状、同図bは
略三角形状の傘部1と湾曲した幹部2とからなる
茸状をそれぞれ示している。
形状の例を示し、第2図aは略三角形状の傘部1
と略長方形状の幹部2とからなる茸状、同図bは
略三角形状の傘部1と湾曲した幹部2とからなる
茸状をそれぞれ示している。
ここで、傘部の各頂点の突出が少ない、つま
り、断面形状が円形に近い場合には、ドライ感が
不足するとともに、交絡性や集束性の低下をきた
すことになる。また、断面形状は第2図a,第3
図のごとく左右が略対称であつてもよく、第2図
bのごとく非対称であつてもよい。さらに、断面
形状はフイラメント同士のはまり込みを抑制する
ためには、フイラメント断面を略同一形状にする
ことが好ましいが、光沢や感触にバラエテイーを
もたせるため、断面形状の異なるもの、例えば第
2図a及びbのものを適宜混在させてもよい。
り、断面形状が円形に近い場合には、ドライ感が
不足するとともに、交絡性や集束性の低下をきた
すことになる。また、断面形状は第2図a,第3
図のごとく左右が略対称であつてもよく、第2図
bのごとく非対称であつてもよい。さらに、断面
形状はフイラメント同士のはまり込みを抑制する
ためには、フイラメント断面を略同一形状にする
ことが好ましいが、光沢や感触にバラエテイーを
もたせるため、断面形状の異なるもの、例えば第
2図a及びbのものを適宜混在させてもよい。
そして、前記茸状のフイラメント断面形状は略
三角形状の傘部1の先端から底辺までの距離を
H1,傘部1の底辺から幹部2の末端までの距離
をH2,傘部1の最大巾をL1,傘部1の底辺と幹
部2の末端との中央部から幹部2の末端までの間
における幹部2の最大巾をL2としたとき、これ
らが次式1,2及び3を満足することが好まし
い。
三角形状の傘部1の先端から底辺までの距離を
H1,傘部1の底辺から幹部2の末端までの距離
をH2,傘部1の最大巾をL1,傘部1の底辺と幹
部2の末端との中央部から幹部2の末端までの間
における幹部2の最大巾をL2としたとき、これ
らが次式1,2及び3を満足することが好まし
い。
H1+H2≧L1 (1)
H2≧1/2H1 (2)
L2≦1/2L1 (3)
フイラメントの断面形状をこのようにすること
によつて前述したフイラメント間の密充填作用を
防止する効果が一層向上されるとともに、幹部2
の突出効果をより高めることができる。特に、傘
部1と幹部2との長さ関係を規定する(2)式におい
て、H2≧H1の場合、すなわち幹部1の長さを傘
部2の長さ以上とする場合には、密充填防止効果
をより高めることができ、高い空隙率となし、得
られる布帛にハードなきしみ、豊なふくらみ感を
付与することができる。
によつて前述したフイラメント間の密充填作用を
防止する効果が一層向上されるとともに、幹部2
の突出効果をより高めることができる。特に、傘
部1と幹部2との長さ関係を規定する(2)式におい
て、H2≧H1の場合、すなわち幹部1の長さを傘
部2の長さ以上とする場合には、密充填防止効果
をより高めることができ、高い空隙率となし、得
られる布帛にハードなきしみ、豊なふくらみ感を
付与することができる。
上記断面形状を具備したフイラメントは紡糸孔
のスリツト巾、長さ及び形状を適宜変えた特殊な
紡糸口金を用いて紡糸することによつて得ること
ができ、例えば第2図に示す断面形状のフイラメ
ントはポリマーを第3図に示す形状の紡糸孔を有
する紡糸口金により溶融紡糸することによつて得
られる。
のスリツト巾、長さ及び形状を適宜変えた特殊な
紡糸口金を用いて紡糸することによつて得ること
ができ、例えば第2図に示す断面形状のフイラメ
ントはポリマーを第3図に示す形状の紡糸孔を有
する紡糸口金により溶融紡糸することによつて得
られる。
しかして、本発明複合加工糸は構成するフイラ
メントに上記の断面形状のフイラメントを20重量
%以上存在せしめてなるものである。この場合、
断面形状が茸状のフイラメントが20重量%未満で
は密充填防止効果が得られず、高い空隙率とする
ことができないので好ましくない。断面形状が茸
状のフイラメントの含有率は断面形状及び得られ
る布帛の用途等に応じて適宜変更し得るが含有率
が高い程本発明の効果は顕著であり、複合加工糸
を構成する全フイラメントを断面形状が茸状のフ
イラメントとすることもできる。
メントに上記の断面形状のフイラメントを20重量
%以上存在せしめてなるものである。この場合、
断面形状が茸状のフイラメントが20重量%未満で
は密充填防止効果が得られず、高い空隙率とする
ことができないので好ましくない。断面形状が茸
状のフイラメントの含有率は断面形状及び得られ
る布帛の用途等に応じて適宜変更し得るが含有率
が高い程本発明の効果は顕著であり、複合加工糸
を構成する全フイラメントを断面形状が茸状のフ
イラメントとすることもできる。
かくして、本発明複合加工糸は断面形状が茸状
のフイラメントの存在と糸長差形成との相乗効果
によつてフイラメント間の充填防止効果が有効に
発揮され、糸条の内層部から表面に至るフイラメ
ント間の空隙率を高めて、得られる布帛に優れた
ボリウム感と温暖味を付与することができる。こ
のように茸状の断面形状のフイラメントの存在に
より過大な糸長差を付与したり、多数のループを
形成することなく比較的小さい糸長差例えば20%
以下の糸長差の形成によつて優れたボリウム感と
温暖味を付与することができる点が、本発明の大
きな特長であり、従つて、形態安定性の極めて優
れた複合加工糸となすことができる。また本発明
複合加工糸は断面形状が茸状のフイラメントを存
在せしめて部分的に交絡させたものであるから、
茸状のフイラメントの略三角形状の傘部の底辺が
適宜引掛り合つてフイラメント間の空隙を保ちつ
つ糸条の集束性を高めることができ、かかる観点
からも形態安定性に優れたものとなる。
のフイラメントの存在と糸長差形成との相乗効果
によつてフイラメント間の充填防止効果が有効に
発揮され、糸条の内層部から表面に至るフイラメ
ント間の空隙率を高めて、得られる布帛に優れた
ボリウム感と温暖味を付与することができる。こ
のように茸状の断面形状のフイラメントの存在に
より過大な糸長差を付与したり、多数のループを
形成することなく比較的小さい糸長差例えば20%
以下の糸長差の形成によつて優れたボリウム感と
温暖味を付与することができる点が、本発明の大
きな特長であり、従つて、形態安定性の極めて優
れた複合加工糸となすことができる。また本発明
複合加工糸は断面形状が茸状のフイラメントを存
在せしめて部分的に交絡させたものであるから、
茸状のフイラメントの略三角形状の傘部の底辺が
適宜引掛り合つてフイラメント間の空隙を保ちつ
つ糸条の集束性を高めることができ、かかる観点
からも形態安定性に優れたものとなる。
本発明における捲縮糸条は主としてソフトなふ
くらみと暖触感の付与を助長するものであり、そ
の目的に合致するものであればいかなる捲縮糸で
もよく、仮撚捲縮糸、ギアクリンプ糸等の捲縮糸
があげられる。この場合少なくとも2本のマルチ
フイラメント捲縮糸が捲縮性を異にするものであ
る場合には、異捲縮、異収縮効果によつてバルキ
ー性と暖触感の付与を一層助長することができ
る。
くらみと暖触感の付与を助長するものであり、そ
の目的に合致するものであればいかなる捲縮糸で
もよく、仮撚捲縮糸、ギアクリンプ糸等の捲縮糸
があげられる。この場合少なくとも2本のマルチ
フイラメント捲縮糸が捲縮性を異にするものであ
る場合には、異捲縮、異収縮効果によつてバルキ
ー性と暖触感の付与を一層助長することができ
る。
上記本発明の複合加工糸を得るには断面形状が
茸状のフイラメントを含む2本以上のマルチフイ
ラメント捲縮糸条を好ましくは3%〜20%異なる
フイード率で、同一の流体噴射ノズルに供給して
流体処理を施すか、又は断面形状が茸状のフイラ
メントを含む2本以上のマルチフイラメント非捲
縮糸条を異なるフイード率で同一の仮撚スピンド
ルに供給して仮撚加工を行つた後連続して流体処
理を施すことによつて得ることができる。この場
合流体噴射ノズルとしては、従来使用されている
インターレースノズルあるいはタスランノズルを
使用することができる。
茸状のフイラメントを含む2本以上のマルチフイ
ラメント捲縮糸条を好ましくは3%〜20%異なる
フイード率で、同一の流体噴射ノズルに供給して
流体処理を施すか、又は断面形状が茸状のフイラ
メントを含む2本以上のマルチフイラメント非捲
縮糸条を異なるフイード率で同一の仮撚スピンド
ルに供給して仮撚加工を行つた後連続して流体処
理を施すことによつて得ることができる。この場
合流体噴射ノズルとしては、従来使用されている
インターレースノズルあるいはタスランノズルを
使用することができる。
第4図はかかる本発明複合加工糸の製造方法の
一例を示す工程概略図であり、糸条Y1はフイー
ドローラ11から供給され、一方、糸条Y2は糸
条Y1より速い速度でフイードローラ12から供
給され合糸される。かくして合糸された糸条Y1,
Y2はスピンドル14により加撚されつつヒータ
13により熱固定されて仮撚加工され、第1デリ
ベリローラ15を経て流体処理装置16により流
体処理され、第2デリベリローラ17を経て捲取
ローラ18によりパツケージ19に捲取られる。
なお、この場合糸条Y1,糸条Y2のいずれか一方
又は糸条Y1、糸条Y2とも特定の断面形状の異形
断面糸あるいは該異形断面糸を含有する混繊糸が
使用される。上記条件を満足する本発明複合加工
糸は、これを公知の手法に従つて織成又は編成し
て織編物とすることができ、織編成時に糸が分離
することなく容易に織編成することができる。
一例を示す工程概略図であり、糸条Y1はフイー
ドローラ11から供給され、一方、糸条Y2は糸
条Y1より速い速度でフイードローラ12から供
給され合糸される。かくして合糸された糸条Y1,
Y2はスピンドル14により加撚されつつヒータ
13により熱固定されて仮撚加工され、第1デリ
ベリローラ15を経て流体処理装置16により流
体処理され、第2デリベリローラ17を経て捲取
ローラ18によりパツケージ19に捲取られる。
なお、この場合糸条Y1,糸条Y2のいずれか一方
又は糸条Y1、糸条Y2とも特定の断面形状の異形
断面糸あるいは該異形断面糸を含有する混繊糸が
使用される。上記条件を満足する本発明複合加工
糸は、これを公知の手法に従つて織成又は編成し
て織編物とすることができ、織編成時に糸が分離
することなく容易に織編成することができる。
〈実施例〉
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明
する。
する。
第4図に示す工程に従い、三角断面形状の通常
のポリエステル異形断面マルチフイラメント糸
(ブライト糸)50d/24fに第2図a及びbの断面
形状を有するフイラメントが混在したポリエステ
ル異形断面マルチフイラメント糸(ブライト糸)
75d/48fを前記ポリエステル異形断面マルチフイ
ラメント糸より10%過供給して合糸した後、仮撚
数2000T/M、ヒータ温度200℃で仮撚捲縮加工
を行い、次いで、流体噴射ノズル(特公昭37−
1175号公報記載)を用いて圧空圧力3Kg/cm2、オ
ーバーフイード率3%で流体交絡処理を行い本発
明の複合加工糸を得た。
のポリエステル異形断面マルチフイラメント糸
(ブライト糸)50d/24fに第2図a及びbの断面
形状を有するフイラメントが混在したポリエステ
ル異形断面マルチフイラメント糸(ブライト糸)
75d/48fを前記ポリエステル異形断面マルチフイ
ラメント糸より10%過供給して合糸した後、仮撚
数2000T/M、ヒータ温度200℃で仮撚捲縮加工
を行い、次いで、流体噴射ノズル(特公昭37−
1175号公報記載)を用いて圧空圧力3Kg/cm2、オ
ーバーフイード率3%で流体交絡処理を行い本発
明の複合加工糸を得た。
得られた複合加工糸は第1図のような芯鞘型の
2層構造を呈し、鞘糸にアーチ状のループが若
干、形成されたものであり、形態安定性は良好で
あつた。
2層構造を呈し、鞘糸にアーチ状のループが若
干、形成されたものであり、形態安定性は良好で
あつた。
この複合加工糸のフイラメントの断面形状を調
べたところ、三角断面と茸状断面形状が混在した
ものであり、茸状断面形状は(H1+H2)/L1=
1.5,H2/H1=1,L2/L1=0.3であつた。
べたところ、三角断面と茸状断面形状が混在した
ものであり、茸状断面形状は(H1+H2)/L1=
1.5,H2/H1=1,L2/L1=0.3であつた。
なお、H1,H2,L1,L2はフイラメントの断面
を写真撮影(400倍)し、写真により実測して平
均値を求めた。この複合加工糸を経密度85本/
吋、緯密度72本/吋で平織に製織し、染色仕上加
工を行つたところ優れたボリウム感と暖触感があ
り、しかもドライ感があつて、マイルドな光沢を
有した織物が得られた。
を写真撮影(400倍)し、写真により実測して平
均値を求めた。この複合加工糸を経密度85本/
吋、緯密度72本/吋で平織に製織し、染色仕上加
工を行つたところ優れたボリウム感と暖触感があ
り、しかもドライ感があつて、マイルドな光沢を
有した織物が得られた。
なお、製織時にネツプ状の欠点は発生せず製織
時の操業性も良好であつた。
時の操業性も良好であつた。
〈発明の効果〉
以上述べたごとく、本発明複合加工糸は糸長差
を有する少なくとも2本の捲縮糸条が部分的に交
絡されてなり、構成するフイラメントに断面形状
が略三角形状の傘部と幹部とからなる茸状のフイ
ラメントを20重量%以上含有せしめてなるもので
あるから、茸状のフイラメントが繊維束として存
在することと捲縮糸による糸長差形成との相乗効
果によつてフイラメント間の充填防止効果が有効
に発揮され、フイラメント間の空隙を高めて布帛
に優れたボリウム感と温暖味を付与することがで
きる。また、本発明複合加工糸は前述のごとく茸
状の断面形状のフイラメントの存在により過大な
糸長差を付与したり、多数のループを形成するこ
となく比較的小さい糸長差によつて優れたボリウ
ム感と温暖味を付与しうること及び茸状のフイラ
メントの傘部の底辺が適宜引掛り合つて、フイラ
メント間の空隙を保ちつつ集束性を高め得ること
から極めて形態安定性に優れ、製織編工程におい
てネツプ状の欠点が発生しないのみならず、製織
編工程での操業性も良好である。
を有する少なくとも2本の捲縮糸条が部分的に交
絡されてなり、構成するフイラメントに断面形状
が略三角形状の傘部と幹部とからなる茸状のフイ
ラメントを20重量%以上含有せしめてなるもので
あるから、茸状のフイラメントが繊維束として存
在することと捲縮糸による糸長差形成との相乗効
果によつてフイラメント間の充填防止効果が有効
に発揮され、フイラメント間の空隙を高めて布帛
に優れたボリウム感と温暖味を付与することがで
きる。また、本発明複合加工糸は前述のごとく茸
状の断面形状のフイラメントの存在により過大な
糸長差を付与したり、多数のループを形成するこ
となく比較的小さい糸長差によつて優れたボリウ
ム感と温暖味を付与しうること及び茸状のフイラ
メントの傘部の底辺が適宜引掛り合つて、フイラ
メント間の空隙を保ちつつ集束性を高め得ること
から極めて形態安定性に優れ、製織編工程におい
てネツプ状の欠点が発生しないのみならず、製織
編工程での操業性も良好である。
第1図は本発明複合加工糸の外観概略図、第2
図は本発明における茸状のフイラメントの例を示
す横断面図、第3図は第2図に示す断面形状のフ
イラメントを紡糸するための紡糸口金の紡糸孔形
状の一例を示す横断面図、第4図は本発明複合加
工糸の製造方法の一例を示す工程概略図である。 1……傘部、2……幹部、11,12……フイ
ードローラ、13……ヒータ、14……スピンド
ル、15……第1デリベリローラ、16……流体
処理装置、17……第2デリベリローラ、18…
…捲取ローラ、19……パツケージ、Y1,Y2…
…糸条。
図は本発明における茸状のフイラメントの例を示
す横断面図、第3図は第2図に示す断面形状のフ
イラメントを紡糸するための紡糸口金の紡糸孔形
状の一例を示す横断面図、第4図は本発明複合加
工糸の製造方法の一例を示す工程概略図である。 1……傘部、2……幹部、11,12……フイ
ードローラ、13……ヒータ、14……スピンド
ル、15……第1デリベリローラ、16……流体
処理装置、17……第2デリベリローラ、18…
…捲取ローラ、19……パツケージ、Y1,Y2…
…糸条。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 糸長差を有する少なくとも2本のマルチフイ
ラメント捲縮糸条が糸条の長手方向に部分的に交
絡されてなる複合加工糸であつて、該複合加工糸
は構成するフイラメントに断面形状が略三角形状
の傘部と幹部とからなる茸状のフイラメントを20
重量%以上含有せしめてなることを特徴とする複
合加工糸。 2 フイラメントの断面形状が(1),(2)及び(3)を満
足するものである特許請求の範囲第1項記載の複
合加工糸。 H1+H2≧L1 (1) H2≧1/2H1 (2) L2≦1/2L1 (3) ただし、 H1:傘部の先端から底辺までの距離 H2:傘部の底辺から幹部の末端までの距離 L1:傘部の最大巾 L2:傘部の底辺と幹部の末端との中央部から幹
部の末端までの間における幹部の最大巾 3 少なくとも2本のマルチフイラメント捲縮糸
条が捲縮性を異にするものである特許請求の範囲
第1項又は第2項記載の複合加工糸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24648084A JPS61124639A (ja) | 1984-11-21 | 1984-11-21 | 複合加工糸 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24648084A JPS61124639A (ja) | 1984-11-21 | 1984-11-21 | 複合加工糸 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61124639A JPS61124639A (ja) | 1986-06-12 |
JPH0252017B2 true JPH0252017B2 (ja) | 1990-11-09 |
Family
ID=17149021
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24648084A Granted JPS61124639A (ja) | 1984-11-21 | 1984-11-21 | 複合加工糸 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61124639A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2621951B2 (ja) * | 1988-09-27 | 1997-06-18 | 東レ株式会社 | 毛羽糸 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3135646A (en) * | 1961-05-05 | 1964-06-02 | Du Pont | Helically crimped textile filaments |
-
1984
- 1984-11-21 JP JP24648084A patent/JPS61124639A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3135646A (en) * | 1961-05-05 | 1964-06-02 | Du Pont | Helically crimped textile filaments |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61124639A (ja) | 1986-06-12 |
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