JPH02502248A - L‐ラムノースの製造方法 - Google Patents
L‐ラムノースの製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
し−ラムノースの製造方法
本発明は、末端にラムノースを有する配糖体のラムノシト結合を酵素反応によっ
て加水分解することによってL−ラムノースを製造する方法に関する。
配糖体材料から遊離し一ラムノースを得るための上記のような方法は、従来技術
で公知である。特関昭62−293号公報(鐘淵化学工業株式会社)は、ヘスベ
リジン、プリンギン、ネオヘスベリジン、ルチン、リナリン、ボンセリン又はフ
ェルシトリンのようなフラボノイド配糖体をそのラムノシト結合を選択的に切断
する酵素(ラムノシダーゼ)の作用によって加水分解し、この加水分解物からし
一ラムノースを回収することを開示している。用いた酵素は、市販のナリンギナ
ーゼ(ラムノシダーゼとβ−グルコシダーゼの混合物)又はアルベルギルス(^
spergillus )属又はペニシリウム(Penicillium)属の
ある微生物の培養液を精製して調整したヘスベリジナーゼである。この公知の方
法には、実質的に純粋なフラボノイド配糖体を出発材料として必要とすると同時
に精製ラムノシダーゼ酵索を必要とするという欠点がある。
本発明においては、本発明の不純な原料が、前記ラムノシダーゼの他にプロテア
ーゼ、リパーゼ、ペクチナーゼ、セルラーゼ及びヘミセルラーゼのような生体構
造物質を分解できる酵素を含む酵素の組合わせによって選択的に酵素的に加水分
解される。プリンギン、ヘスベリジン、ネオヘスベリジン等に対しては活性を有
する市販のラムノジダーゼの等級のほとんどが多少のβ−グルコシダーゼを含有
し、その結果、本発明ではラムノシダーゼ含iの高い酵素標品が用いられる。上
記で特定した生体物質を分解できる酵素活性及びラムノシダーゼを含有する適切
な酵素標品は、市販の精製酵素を混合するか、又は入手可能な未精製又は部分精
製酵素標品を適当に選択することによって得ることができる。又、所定の微生物
の粗溶養液も有用であることがわかった。
これらの酵素の組合わせを用いると、不純物を沈澱させて加水分解物の精製が容
易になり、かつまた精製フラボノイド物質のみならず、プリンギン、ヘスベリジ
ン、ネオヘスベリジン等のこれまで使用されて来た様々なラムノース含有配糖体
を含んでいるがラムノシダーゼが利用できるように分解する必要のある柑橘類の
組物質のような廉価で不純な配糖体物質をも使用することができるという利点が
ある。
オレンジやグレープフルーツの皮、又はジュース圧搾後の廃棄部分に由来する柑
橘類の組物質は、本発明の方法の特に良好な出発原料である。例えば、スィート
オレンジの皮の乾燥試料及び特に配糖体含量の高い未熟サワーオレンジ部分を粉
砕して粉末とし、5乃至10%(乾燥量1/ii量)の水懸濁液とした後、生体
構造物質分解酵素とラムノシダーゼの組合わせと共にインキュベートする。本発
明において用いることのできる末端にラムノースを有する配糖体出発原料は、ル
チン又はプリンギンのような精製植物物質でもよいが、好ましくは柑橘類物質(
特に、未熟な柑橘果物、アラビアゴム由来の組物質)、コOハ、微生物ラムノリ
ピド又はポリラムノースなどの微生物ラムノ多糖類のようなラムノース含有フラ
ボノイド配糖体を有する粗植物物質である。菌体外にラムノシダーゼを産生ずる
ことのできる微生物は、数カ月にわたりある区画の園芸土壌にプリンギンを故意
に混入させた後、唯一の炭素源としてプリンギンを含有する寒天平板上にこの土
壌試料を接種することによって単離することができる。増殖させた微生物コロニ
ーはいずれもこのようにして必要とされるラムノシダーゼを産出することができ
た。
前記配糖体の酵素分解中にクルコースも遊離されるならば、適切な酵母(例えば
、配糖体物質100当り1gのパンp母)によりて、又はカタラーゼと随意に組
合わせ・たグルコースオキシダーゼの作用によって酵素的に、生成したグルコー
スをそのまま発酵しつくした後、グルコン酸のカルシウム塩として除去するのが
好ましい。又、かかるグルコースを5−ケトグルコン酸に転化して除去すること
も簡便な方法である。後者の酸化は、グルコノバクタ−−t−8シタンス(Gl
uconobacter oxydans)によって簡便に実施され、沈澱及び
濾過によって5−ケトグルコン酸を除去することによって実質的に純粋なラムノ
ースシロップが残る。例えばラムノースを選択的に吸着するチャコールを用いる
などの吸着法によってグルコースとラムノースを分離することも随意にできる二
このようにして得た加水分解物はラムノースを含りするが、それと共に通常グル
コース、フラボン類及びフラボン配糖体類も含んでおり、好ましくはグルコース
、フラボン及びフラボン配糖体を除去するために更に精製する。このための簡便
法として下記のものが挙げられる。
1 ラムノースよりはむしろグルコースの発酵に好適な条件下で適切な微生物を
用いてグルコースを選択的に発酵させること。エタノールが副生物として産生ず
る。
適切な微生物として、例えば、サツカロミセス・セレピシx −(5accha
ro*yces cerevisiae) 、カンジダ−7A/ピカンス(Ca
ndida albicans) 、ラクトバチルス・デルプルッキイ(Lac
tobacillus delbruckii)及びプロテウス・ブルガリス(
Proteus bulgaris)が挙げられる。好ましくはpH4乃至4.
5で行う。シロップのpHがたとえばpH6,0より高い時には、選択的発酵が
阻害された。好ましくは、微生物、特に酵母は、例えばアルギン酸カルシウムに
固定化するが、所望によってはこのアルギン酸カルシウムは使用前に乾燥してそ
の構造的及び保存上の性質を改良することもできる、固定化微生物を充填したカ
ラムに加水分解物をポンプで流し入れる。更に、遊IIIIII胞又は固定化細
胞を撹拌した回分式反応に用いることもできる。回分式の遊離細胞についての活
性はグルコースを含まないラムノースが反応器1リットル/時間当りそれぞれ1
,9及び3.49である。カラム中で使用する固定化細胞については、グルコー
スを含まないラムノース/リットル/時が22.4ユニツトである。ラムノース
の損失のほとんどは発酵が開始されてから代謝されたものである。糖濃度を変化
させてもラムノースの収率には全く影響がなく、グルコースを全て除去した時の
ラムノース収率は約65%である。しかし、グルコース濃度が低いとそれに比例
して発酵時間も短くなるので、それに比例した高流速を用いることができる。残
存グルコースが例えば1%、2%及び6%(W/W)のときのラムノースの収率
は74%、82%及び92.5%であるように、グルコースが残存することを黙
認できるものであれば高収率のラムノースを得ることができる。固定化細胞は再
使用できるが、その活性は時間とともに低下する。
2 別法として、グルコースをグルコン酸に酵素で選択的に酸化しくグルコース
オキシダーゼ及びカタラーゼを用いて)、次にこれをカルシウム塩として沈澱さ
せて除去することにより、グルコースを除去することができる。グルコースオキ
シダーゼ/カタラーゼは固定化した形で使用することもでき、生成物による阻害
に対して最も抵抗性の高い酵素源が好ましい。カルシ・クム源の添加時期は重大
ではなく、実際最初からグルコース/カタラーゼと共に存在させてグルコン酸が
形成されるに伴いグルコン酸を沈澱させてもよいが、この選択は好ましいもので
はない。グルコースデヒドロゲナーゼをグルコースオキシダーゼの代わりに用い
ることができる0本法によって、完全にグルコースを除去しながら最大で100
%のラムノースを回収できる。
グルコン酸がグルコースからの副生物として生成する。
3 適切な微生物によってグルコースを5−ケトグルコン酸に選択的に酸化し、
5−ケトグルコン酸とラムノースを別個に回収する。この酸化を行うための好ま
しい微生物の一つとして、グルコノバクタ−・オキシダンスが挙げられる。しか
し、この方法はグルコースが高濃度で阻害性となるので、溶液中のグルコース濃
度が約6乃至7%(W/V)を超えるとうまくいかなくなる。従って、希釈糖溶
液についてのみこの水沫でうまく処理することができる。しかしながら、この方
法を用いると最大で95%のグルコースを含まないラムノースが回収された。又
、5−ケトグルコン酸のカルシウム塩が副生物として産生ずる
4 ラムノースを特異的に吸収する例えば活性炭又は骨炭を用いて、グルコース
又はラムノースを選択的に吸@/吸収すること。この方法は、前記カーボンをク
ロマトグラフィ法に使用することによって最も良〈実施される。
本発明における適切な配糖体物質の加水分解は好ましくは、20℃乃至60℃の
温度範囲で行い、インキュベートした混合物のpHは好ましくはpH2乃至El
)+8に保ち、インキュベーションの時間は通常30分乃至36時間である。イ
ンキュベーションしたこの混合物を一つ以上の精製段階にかける。通常、この懸
濁液を先ず冷却し、例えば沈降させてデカントするか又は遠心分離して固体物質
を除去する。次いでインキュベーション中に遊離されたグルコースも全て既に述
べたようにして除去するが、任意には更に吸@/吸収によって精製することもあ
る。特に、ポリビニルポリピロリドン(PVP) 、イオン交換5lI11のよ
うなポリマー性材料及び/又は活性炭による処理が有用であることがわかった。
随意にシロップからの結晶化を行ってもよく純粋な結晶性L−ラムノース結晶が
得られる。
このようにして得たラムノースは高純度でしかも天然の製品であり、薬品及び風
味化合物へ更に変換するのに極めて適している。
より詳細には、この品質のラムノースは、2.5−ジメチル−4−ヒドロキシ−
2,3−ジヒドロフラン−3−オンのような天然風味化合物に変換できる。
本発明を以下の実施例によって例示する。
11員ユ
主にナリンギン及びネオヘスベリジンを含有する柑橘類粉末[シスター(zos
ter)製、スペイン] 2209を水11に懸濁し80℃に加熱した。植物
の構造物質を分解する活性を有する酵素5P249 [ノボ(NOVO)製、
fンマーク]を補充したラムノシダーゼ活性を有する酵素[TP104A。
バイオ力タリスツ・ポンティブリッド(BiocatalystsPOntvp
ridd )製、英国]1−を添加して、HPLC分析でラムノースがそれ以上
遊離されてこなくなるまでこの溶液を40℃でインキュベートした。この反応の
選択性、即ち放出されるグルコースに対するラムノースの比は、pH4,8乃至
5.6の範囲で最大であった。5P24G酵素は遊離されるラムノースを更に増
加させ、かつこの反応の選択性を高めた。この混合物を静電して上清をデカント
して4℃に冷却し、これによって不純物を油状析出物として沈澱させた後除去し
た。この上清を次にポリビニルポリピロリドン(PVP) 10gで処理して不
純物を更に除去した後、この上清に活性炭29を添加して脱色した。アンバーラ
イト(Aaberlite 、登録商標) XAD−4樹脂(109)で処理す
ることによって、更に精製を行った。
脱色した上清中に存在する比較的少量のグルコースを酵母(サツカロミセス・セ
レビシェ−)と共にインキュベートすることによって除去した。得られた溶液は
純粋のL−ラムノース(16℃)を含有していることが確認された。このように
して得たラムノース溶液を次に結晶化してし一ラムノース結晶149を得た。
1111二旦
シスター[ムルシア(Hurcia) 、スペイン】から入手した柑橘類の廃棄
部分の粉末(ナリンギン60%含有)を、実施例1で述べた操作法を用いて種々
のII素標品で処理した。酵素と収率を以下に表で示す。
に厘1 屏 素 ラムノースの収率(9/100a)粉末)
2 バイオペクチナーゼL 32.03 シグマ ナリンギナ
ーゼ 31.44 へスベリジナーゼj 27.15
高ヘスベリジナーゼ
ペクチナーゼ 21.06 ナリンギナーゼ
(バイオ力タリスツ) 23.57 バイオペクチナーゼP
19.58 1286(バイオ力タリスツ) 10.69
ベクチネツクス(Pectinex) 7.51G バイオコン(
Biocon)ペクチナーゼ 4.5IP酵素は、使用前にβ−グルコシダーゼ
成分を例えば65℃で2時間、選択的に不活化したナリンギナーゼ標品である。
大1」口上二U
サワーオレンジ又はスィートオレンジの皮の粗標品[全体及び4半部、シバーヘ
グナー社(5iber HegnerLtd、 )製、ベラケンハム(Beck
enham)、ケント(にent)、英国】の酵素処理、大量で市販されている
酵素の不純な混合物を用いて、オレンジの廃棄部分に存在するフラボノイド配糖
体(主にナリンギン、ネオヘスベリジン等)からラムノース(+グルコース)を
加水分解した。これらの醇素類に生体構造物質分解酵素カクテルを補充し、不純
ナリンギナーゼ酵素中に存在するセルラーゼ/ヘミセルラーゼ/ペクチナーゼを
強化して、皮から配糖体類を放出させ配糖体が加水分解されるようにした。反発
後加水分解物を精製し、ラムノースを回収した。
結果を以下の表に示す。
スィートオレンジの皮
実施例 加えた酵素 ラムノース グルコース(収率) (収率)
11 1286 0.7$ 16.5%12 12
86◆5P249 1 、2% 17.9%13 TP104
A 0.3% 14.5!14 1P104^+ 5
P249 0.8$ 15.8%15ハイオベクチブーゼl
0.3% 19.1%16 バイオペクチナーゼし
+ 5P249 0.6χ 20.2駕サワーオレンジの
実り 加えた酵素 ラムノース 久yユニ2(収率) (収率)
17 1286 3、O! 4.4X18 12
86 (加熱) 1゜9% 4.6%19 1286 +
5P249 3.7! 9.6%20 1286 (加熱
) +5P249 3.7% 8.2%21 TPI(J4A
1.3% 1.B22 TP104^+5P24
9 3.3% 6.6に23 バイオペクチナーゼ1 0
.3% 8.0%24 バイオペクチナーゼし
+ 5P249 3゜2% 12.2%25 ジグマナ
リンギナーゼ 2.4% 3.2126 ジグマナリンギナーゼ
+5P2494.8%8.8%
27 1P11G+5P249 2.4駕 11,6篤セルロ一
ス標品のような他の補充酵素もSP 249と同様の効果を示した。
m旦二即
これらの実施例では、柑橘類の廃棄部分の粉末(シスター製、ムルシア、スペイ
ン)の20%(Wハ)懸濁液を表示した加水分解I!素で四時に処理した後、先
の実施例で既に述べたグルコース除去操作を行うことについて説明する。LL下
の表に結果を示した。
m倒 !! 加えた生体触媒 ラムノース収率クルユニ2収!(SF/
100g分末> (9/100111分末)281286S、セレビシェ−1
511291286グルコースオキシダーゼ
十 カタラーゼ 15.3 12.6301286G、オ
キシダンス 4.0 1,231 1286 無
*12.9 15.94バイオペクチナーゼS、セレバシエ−0,8
81,24大1」(挫
タルハゴム(Gum tatha ) 10gを粉砕して蒸溜水90dに溶解さ
せた。ラムノシダーゼ活性を有する酵素1.5m[バイオベクブナーゼL1英国
バイオコン(Biocon U、に、。
Ltd、)製]を添加して、得られた溶液をV温で68時間撹拌して、タルハゴ
ム100g当り3.2gのラムノース(理論収量の35.5%)を得た。幾つか
の他の糖類も溶液中に遊離されていた。
国際調査報告
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 末端にラムノースを有する配糖体のラムノシド結合を加水分解することによ ってL−ラムノースを製造する方法にして、生体構造物質分解酵素及びβ−グル コシダーゼ活性よりも高いうムノシダーゼ活性を有するナリンギナーゼ標品を含 む酵素の組合わせを用いて、前記配糖体を酵素的に加水分解することを特徴とす る方法。 2 ラムノシダーゼ活性を別の酵素活性と共に有する酵素の組合わせが、生体構 造物質分解活性と共に高ラムノシダーゼ活性と低グルコシダーゼ活性を有する部 分精製酵素標品から選択されたものであることを特徴とする請求項1記載の方法 。 3 別の酵素活性が、プロテアーゼ、リパーゼ、ペクチナーゼ、セルラーゼ及び ヘミセルラーゼから成る群の酵素に由来することを特徴とする請求項2記載の方 法。 4 使用する末端にラムノースを有する配糖体が、粗相橘類物質に含まれるもの であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の方法。 5 前記粗柑橘類物質が未熟な柑橘果物に由来することを特徴とする請求項4記 載の方法。 6 末端にラムノースを有する配糖体が、ナリンポン、クエルシトリン、ルチン 、微生物ラムノリピド、微生物ラムノ多糖類及びアカシアゴムから成る群から選 択されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいすれが1項記載の方法。 7 前記酵祖素加水分解を30分乃至36時間行うことを特徴とする請求項1乃 至請求項6のいずれか1項記載の方法。 8 前記酵素加水分解が20℃乃至60℃の温度で行われることを特徴とする請 求事項1乃至請求項7のいずれか1項記載の方法。 9 前記酵素衆加水分解が2乃至8のpH範囲で行われることを特徴とする請求 項1乃至請求項8のいずれか1項記載の方法。 10 得られた加水分解物中のグルコースが化学的酸化又は生化学的酸化によっ て除去されることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の方法 。 11 前記加水分解の後にグルコース除去も含めた精製操作が行われることを特 徴とする請求項1乃至請求項10にいずれか1項記載の方法。 12 前記酵素加水分解とグルコース除去が同時に行われることを特徴とする請 求項1乃至請求項11のいずれか1項記載の方法。
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