JPH0249033Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜技術分野＞ 本考案はVTR（ビデオテープレコーダ）等の電
子機器装置において磁気記録媒体を内装したカセ
ツトを装置内外に投入・放出するためのカセツト
装填装置におけるカセツト蓋開閉装置に関し、更
に詳細には、投入・放出されるカセツトを利用し
てカセツト装填装置と全く独立にカセツト蓋を開
閉するカセツト蓋開閉装置に関する。

＜従来技術とその欠点＞ 一般にVTR等の記録もしくは再生用の電子機
器装置においては、磁気テープ等の磁気記録媒体
を内装したカセツトを本装置内の所定場所にセツ
トするセツト装填装置が設けられている。このカ
セツト装填装置の投入口には、装置内にほこりや
ゴミ等が侵入しないようにカセツト蓋が装着され
ている。

従来、このカセツト蓋の開閉作動は、カセツト
を装置内に投入もしくは装置外に放出するカセツ
ト装填装置の運動と同期して行われており、その
ためにカセツト開閉装置とカセツト装填装置との
連動関係の設計が容易でないという欠点があつ
た。このことを明瞭にするために従来装置を第１
図および第２図にしたがつて簡単に説明する。

第１図はカセツトの投入・放出に際するカセツ
ト蓋の開閉作動をカセツト装填作動（カセツト装
填装置は図示せず）とともに示した作動説明図で
ある。キヤビネツト１の前面のカセツト挿入口２
には、カセツト蓋３が回動軸４を中心に回動自在
に設けられている。カセツト挿入口２にカセツト
６を投入すると、カセツト蓋３はその先端に押圧
されて反時計方向に回動し２点鎖線で示す位置３
ａまで開く。カセツト６が位置６ａまで押し込ま
れると、図示しないカセツト装填装置が作動し、
カセツト６を位置６ｂまで前進させる。さらにカ
セツト６を降下させて台５上の位置６ｃにセツト
し装填が完了する。この時点では既にカセツト蓋
３は閉じている。カセツト６を放出するときに
は、位置６ｃから位置６ｂに上昇させ、この段階
でカセツト蓋３を位置３ａまで開く。さらに、カ
セツト６を位置６ａまで進め、カセツト６を人が
装置外に取り出すとカセツト蓋３が閉じる。この
ようにカセツトの投入・放出作動に連動してカセ
ツト蓋の開閉がなされねばならなかつた。

第２図は、上記作動を達成するための従来装置
の構成図である。実線はカセツト蓋が閉じた状
態、点線は開いた状態を示している。実線で示す
状態からカセツト６を投入すると、カセツト蓋が
点線位置まで開くとともに、操作レバー１３が位
置１３ａに回動することによつてカムレバー１１
もスプリング１２に抗して位置１１ａまで回動す
る。一方モータ７の回転力は駆動ギヤ８、カムギ
ヤ９に伝達され、カム１０の突起部１４は位置１
４ａから１４ｃに矢印Ａ方向に回動する。この段
階でスプリング１２の復帰力によりカセツト蓋３
は実線位置にまで閉じ、カセツトの装填作動が完
了する。カセツトの放出動作の場合には、モータ
７の回転力によりカム１０の突起部１４が矢印Ｂ
方向に回動し、位置１４ｃから位置１４ｂに到
る。このとき、カムレバー１１は位置１１ａにま
で回動し、操作レバー１３を介してカセツト蓋３
をスプリング１２に抗して点線位置まで開く。こ
の間にカセツトはカセツト挿入口２から装置外に
取り出される。さらに突起部１４が位置１４ａに
まで回動すると、蓋３はスプリング１２のバネ復
帰力により閉鎖位置まで戻り、全機構が実線状態
に復帰する。

以上の説明で明らかなように、従来のカセツト
蓋開閉装置では、カセツト装填装置の動作に同期
連動させて蓋を開閉するために、カム１０、カム
レバー１１、操作レバー１３等の複雑な機構を必
要としていた。また、カセツトと蓋の同期をとる
ために、カムの形状やレバーの形状あるいはスト
ロークの大きさ等を決定しなければならず、カセ
ツト装填装置の設計に際する制約条件が多く、複
雑な構造になるという欠点があつた。

＜考案の目的＞ 本考案の第１目的は、カセツト蓋の開閉動作を
カセツト装填装置の動作と同期をとることなく全
く独立に行わせることのできるカセツト装填装置
におけるカセツト蓋開閉装置を提供することにあ
る。

本考案の第２の目的はカセツトの投入・放出に
際しての押圧力を利用してカセツト蓋を開放し、
カセツト蓋の自重力により閉鎖状態に復帰する簡
単な構造を有したカセツト装填装置におけるカセ
ツト蓋開閉装置を提供することにある。

＜考案の構成＞ 本考案に係るカセツト装填装置におけるカセツ
ト蓋開装置は、カセツト蓋を揺動自在に軸支する
第１軸と、装置本体に軸支された第２軸と、前端
を第１軸に後端を第２軸に連結されて第２軸の周
りにカセツト蓋とともに回動自在に設定された第
１アームと、前記第２軸に取着されるとともにカ
セツトの投入・放出により押圧される突体を有し
て前記第１アームと連動する第２アームとを具備
し、カセツト投入時にはカセツト蓋により前記突
体が押圧されて第２アームのみが回動し、カセツ
ト放出時には突体が押圧されて第２アームの回動
に連動して第１アームが回動しカセツト蓋を吊り
上げるように構成されている。

＜実施例＞ 以下に、本考案に係るカセツト装填装置におけ
るカセツト開閉装置の実施例を図面にしたがつて
詳細に説明する。

第３図Ａ，Ｂはカセツト装填装置の具体的機構
を示した斜視図である。特に第３図Ｂは本装置の
左半分を示したものであり、全体の装置としては
左右対称形である。カセツト蓋１５は側壁１６上
に載置された第１軸１７に矢印ａ方向に揺動自在
に軸支されている。第２軸１８は側壁１６に固定
されており、この第２軸１８と前記第１軸１７は
第１アーム１９により連結されている。したがつ
て、第１軸１７はカセツト蓋１５とともに第２軸
１８を中心として矢印ｂ方向に回動自在に設定さ
れている訳である。勿論、この回動方向のうち時
計方向への回動は側壁１６に規制されている。

第１アーム１９には第２軸１８の軸方向に第１
突起１９ａが突設されている。この第１突起１９
ａは断面が扇形であり、端面１９ｂ，１９ｃを有
している。また第２軸１８には第２アーム２０が
回動自在に軸支されており、第１突起１９と対向
するように第２突起２０ａが突設されており、こ
の第２突起２０ａは断面扇形で端面２０ｂ，２０
ｃを有している。第２アーム２０にはさらにカセ
ツトの装置内への投入・装置外への放出に際して
の押圧力を受けるための突体２０ｄが突設されて
いる。第１突起１９ａと第２突起２０ａとは、第
３図Ｂの状態（カセツト蓋１５の閉鎖状態）にお
いては端面１９ｃと端面２０ｃとが対向接触する
ように配置されている。

第４図Ａ〜Ｃはカセツト投入時のカセツト蓋の
開閉作動を示している。カセツト２１をカセツト
挿入口２２内に矢印ｄ方向に投入すると、カセツ
ト２１の先端面がカセツト蓋１５を時計方向に回
動させる。さらにカセツト２１を挿入すると、カ
セツト蓋１５が第２アーム２０の突体２０ｄに衝
突し、カセツトエツジ２１ａによりカセツト蓋１
５が押上げられるにしたがつて、突体２０ｄに対
する押圧力が第２アーム２０を反時計方向に回動
させる。このとき、第１アーム１９は全く回動せ
ず、当初接触していた端面１９ｃ，２０ｃは次第
に離脱し、第４図Ｃの状態になつて第２アーム２
０の回動も停止する。あとはカセツト２１を押し
込めば図示しないカセツト装填装置が所定場所ま
でカセツトを移送する。カセツト２１の後端部２
１ｂがカセツト蓋１５を離れると、カセツト蓋１
５および第２アーム２０は自重力による回転モー
メントにより反時計方向に回動し第４図Ａに示す
状態に復帰する。

第５図Ａ，Ｂはカセツト装置外に放出する際の
カセツト蓋の開閉作動を示している。図示しない
カセツト装填装置によりカセツト２１が矢印ｅ方
向に放出されはじめると、カセツトの後端部２１
ｂが突体２０ｄに当接する。さらにカセツト２１
が前進すると、突体２０ｄはその押圧力を受け、
第２アーム２０は反時計方向に回動し始める。第
１突起１９ａの端面１９ｃは第２突起２０ａの端
面２０ｃと接触しているから、第２アーム２０の
回転力が第１アーム１９に伝達され、第１アーム
１９も第２アーム20と一体になつて反時計方向に
回動する。この回動にしたがつて、カセツト蓋１
５は第１軸１７とともに上方に吊り上げられ、第
５図Ｂの状態になる。カセツト２１が外部に放出
されたのちは、カセツト蓋１５および第２アーム
２０の自動による時計方向への回転モーメントに
よつて、機構全体が時計方向へ回動し第５図Ａの
初期状態に復帰する。

＜考案の効果＞ 本考案は以上詳述したように、カセツト蓋と第
１アームと第２アームとを連動させることによつ
て、カセツト蓋の開閉動作をカセツト装填動作と
全く無関係に独立動作出来るようにしたものであ
る。しかも開放動作はカセツトの投入・放出に際
しての押圧力を利用し、閉鎖動作は機構の自重力
により達成し得たものである。したがつて、カセ
ツト装填装置とカセツト蓋開閉装置とを全く独立
に設計し得、両者の相互制約条件を排除すること
によつて機構全体の簡略化を達成し、コストダウ
ンを実現出来る利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置の動作説明図、第２図は従来
装置の構成図、第３図Ａ，Ｂは本考案に係るカセ
ツト蓋開閉装置の斜視図、第４図Ａ〜Ｃはカセツ
ト投入時の動作説明図、第５図Ａ，Ｂはカセツト
放出時の動作説明図である。 １５……カセツト蓋、１７……第１軸、１８…
…第２軸、１９……第１アーム、１９ａ……第１
突起、２０……第２アーム、２０ａ……第２突
起、２０ｄ……突体、２１……カセツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 磁気テープ等の磁気記録媒体を内装したカセ
   ツトを装置内に投入し、または装置外に放出す
   るためのカセツト蓋を有するカセツト装填装置
   において、前記カセツト蓋を揺動自在に軸支す
   る第１軸と、装置本体に軸支された第２軸と、
   前端を第１軸に後端を第２軸に連結されて第２
   軸の周りにカセツト蓋とともに回動自在に設定
   された第１アームと、前記第２軸に取着される
   とともにカセツトの投入・放出により押圧され
   る突体を有して前記第１アームと連動する第２
   アームとを具備し、カセツト投入にはカセツト
   蓋により前記突体が押圧されて第２アームのみ
   が回動し、カセツト放出時には突体が押圧され
   て第２アームの回動に連動して第１アームが回
   動しカセツト蓋を吊り上げるように構成したこ
   とを特徴とするカセツト装填装置におけるカセ
   ツト蓋開閉装置。 (2) 前記第１アームには第１突起を突設し、前記
   第２アームには第２突起を突設し、カセツト投
   入時には第２突起が第１突起から離脱して第２
   アームのみを回動させ、カセツト放出時には第
   ２突起と第１突起とが衝合して第２アームと第
   １アームとの連動を生起する実用新案登録請求
   の範囲第１項記載のカセツト装填装置における
   カセツト蓋開閉装置。