JPH0248928Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は新規な薄形コイン貸出機に関する。さ
らに詳しくは、ゲーム器とゲーム器との間に配置
するための比較的薄形に形成されたコイン貸出機
に関する。

［従来の技術］ 従来より、スロツトマシンなどのゲーム器を多
数設置したゲーム場では、比較的大形のコイン貸
出器が、ゲーム場の入口などに配置されている。
ところが、このような配置では遊戯者がコインを
入手するために、いちいちコイン貸出器のある入
口近くまで歩かなければならないので煩しいとい
う問題がある。

そこで近年、薄形コイン貸出機が開発され、多
数並べて配置したゲーム器の間に挿入することが
試みられている（たとえば、このような薄形コイ
ン貸出機は実開昭61−16186号公報に示されてい
る）。

［考案が解決しようとする課題］ ところが、コイン貸出機を薄形に設計するに
は、従来より用いられている紙幣識別機の容積が
大きすぎ、薄形化を困難にしている。また薄形化
すれば内部容積が減少するので、コイン貯蔵量が
減少し、遊戯者に必要な量のコインを供給するこ
とができなくなるなど種々の問題が派生してき
た。

そこで本考案は、薄形のハウジングでありなが
ら、コインの内部貯蔵量を大きくとれる薄形コイ
ン貸出機を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本考案の薄形コイン貸出機は、ゲーム器とゲー
ム器との間に配置される比較的幅の狭いハウジン
グ内において、該ハウジング内の上部前面側に紙
幣識別機と硬貨識別機とが配置されており、前記
ハウジング内の下部前面側にコイン払出装置が配
置され、前記ハウジング内の上部近辺にコイン補
給口が設けられた薄形コイン貸出機であつて、前
記コイン補給口に投入されたコインを前記コイン
払出装置に供給案内するためのコイン収納部を、
前記両識別機とハウジングの背面との空間では直
立させ、かつ前記両識別機の下方の空間では斜め
に傾斜させて配設したことを特徴とする。

［実施例］ 本考案の実施例を添付図面を参照することによ
つて説明する。

第１図は本考案の薄形コイン貸出機の一実施例
を示す斜視図、第２図は本考案にかかるコイン払
出装置の一実施例を示す要部斜視図、第３図は第
１図の薄形コイン貸出機の配置状態を示す一部切
欠斜視図である。

第１図において、１は本考案の薄形コイン貸出
機のハウジングであり、第３図に示すようにゲー
ム器３０とゲーム器３１との間の比較的幅の狭い
領域に収まるように幅が狭く形成されている。な
お高さおよび奥ゆきは通常のゲーム器の規格に合
わせて製造される。ハウジング１の前面には紙幣
挿入口２ａおよび硬貨挿入口３ａが設けられてい
る。紙幣挿入口２ａおよび硬貨挿入口３ａはそれ
ぞれハウジング１の内部に配置された紙幣識別機
２および硬貨識別機３と連結している。紙幣挿入
口２ａは紙幣を縦にして挿入しうるように縦向き
に形成されている。それによつてコイン貸出機の
幅をきわめて狭く形成することができる。

紙幣識別機２は電子回路基板６１と識別機能部
６３とからなり、ハウジング１内の上部前面側に
配置されている。なお紙幣識別機２の電源部６２
は分離してハウジング１の下方裏面側に配置され
ている。前記識別機能部６３内の紙幣送り駆動機
構やガイド機構などは横向きのものと同じであ
る。また縦向きの紙幣識別機２の紙幣挿入口２ａ
には上方および前方に開口しているガイド２ｂが
設けられている。

前記硬貨識別機３はハウジング１の上部前面側
であつて、紙幣識別機２の下方に配置されてい
る。

ハウジング１の上部付近にはコイン補給口４が
設けられており、そこからコイン貸出機から貸出
されたコインと同量のコインが常時補給される。
ハウジング１の前面下端部にはコイン出口５が設
けられている。

コイン補給口４から補給されたコインはコイン
収納部を構成するパイプ６内に横向きに重なるよ
うに蓄えられる。パイプ６の下端にはコイン払出
装置７が連結されている。このコイン払出装置は
ハウジング１内の下部前面側に配置されている。
コイン払出装置７の下方からコイン出口５までは
コイン払出ガイド部６ｂが設けられている。後述
するようにパイプ６の下端部６ｃとコイン払出ガ
イド部６ｂとは、コイン払出装置７の摺動板（第
２図の１２）のほぼ往復ストローク分だけずれて
いる。またパイプ６には上方から順に第１センサ
１１ａ、第２センサ１１ｂ、第３センサ１１ｃの
３つのコイン検知用のセンサが設けられており、
いずれも後述する制御回路２５を介して、あるい
は直接コイン補給機（図示されていない）に信号
を送り、コイン補給口４から補給されるコインが
第１センサ１１ａの位置に達するときにコイン補
給が停止され、第２センサ１１ｂまでコインが減
るとコイン補給が開始されるように制御されてい
る。なお第３センサ１１ｃはこの位置までコイン
が減少するばあいにコイン貸出機全体の機能を停
止させると共に、たとえばコイン貸出機の前面に
設けられているランプなどで、休止中であること
を表示するために用いられる。

前記パイプ６は、紙幣識別機２および硬貨識別
機３とハウジング１の背面との間では直立してお
り、硬貨識別機３の下方の空間では斜めに傾斜し
て配置されている。

ハウジング１の前面の下端部には、前記コイン
出口５から出てくるコインを受け入れるためのコ
イン受け８が設けられている。第３図の実施例で
はコイン受け８の一端はコイン出口５の下方で突
出部にピンなどを係合させて矢印Ｃ，Ｄ方向に回
動自在に取りつけられている。それによりコイン
貸出機を使用するときはコイン受け８を矢印Ｃ方
向すなわち手前側に倒してコインを容易に取り出
すことができる。使用しないときは矢印Ｄ方向に
起こしておけば邪魔にならない。またコイン受け
８をコイン貸出機の内に埋め込まずに外部に出し
ておくことにより、コイン貸出機の大きさを一層
コンパクトにしうるという利点がある。

コイン受け８に対して矢印Ｄ方向に付勢する手
段、たとえばスプリングなどを設けておくか、あ
るいは垂直方向でバランスさせておき、コイン受
け８内にコインが払い出されたときのみ矢印Ｃ方
向に回動するように構成してもよい。またコイン
受け８の先端とコイン出口５の上端近辺とを係合
または磁着させうる係合手段または磁石などを設
けてもよい。

またスロツトマシンなどのように下方に向うに
したがつて前面が前方へ張り出してくるゲーム器
のようなばあいにはコイン受け８を長く形成する
のが好ましい。それによりコインの取り出しを一
層容易にしうる。

第２図には第１図に示されているコイン払出装
置７の内部機構の一実施例が示されている。第２
図のハウジング払出装置７はパイプ６とコイン払
出ガイド部６ｂとを連結している。コイン収納部
の下端６ｃとコイン払出ガイド部６ｂとはほぼ摺
動板のストローク分だけたがいにずれている。紙
幣あるいは硬貨が挿入されると、モータ１３が回
転し、その回転が減速機１３ａおよびシヤフト１
４を介してデイスク１５に伝達される。デイスク
１５上には摺動板１２に設けられた溝部１７と係
合しうるビン１６が突設されている。図に示すよ
うにモータ１３の駆動によりデイスク１５が矢印
Ａ方向に回転するとピン１６も同方向に回転す
る。そのため摺動板１２がピン１６の描く円の直
径に応じた距離だけ前後方向に往復移動させられ
る。

摺動板１２が矢印Ｂ方向に移動しているとき
は、コイン格納孔１２ａとコイン収納パイプ６ｃ
とが連通しており、コイン収納パイプ６ｃ内のコ
インが摺動板１２の厚さに対応する枚数だけコイ
ン格納孔１２ａ内に収納される。そのばあいパイ
プ６内のコインの重量は底板２６によつて支えら
れている。ついで摺動板１２が矢印Ｅ方向に移動
すると、コイン格納孔１２ａとコイン払出ガイド
部６ｂとが連通し、コインがコイン払出ガイド部
６ｂ内に落下する。そのときはパイプ６内のコイ
ンの重量は摺動板１２を介して底板によつて支え
られている。

叙上のごとく摺動板１２の一往復ごとに、した
がつてデイスク１５の一回転ごとに一定枚数のコ
インがパイプ６からコイン払出ガイド部６ｂに送
り出される。

摺動板１２の端部には突起１９が設けられてお
り、突起１９は摺動板１２の一往復ごとに第４セ
ンサ１８によつて検知され、たとえば制御回路２
５内のカウント回路によつて摺動板１２の往復回
数をカウントし、挿入された紙幣や硬貨に応じた
枚数のコインを払出すことができる。

なお第１図に示されるようにコイン収納用のパ
イプ６の一部６ａを傾けておくときは、コイン払
出装置７にかかるコインの重量を軽減することが
でき、摺動板１２の動きをスムーズにすることが
できる。

以上のように構成されるコイン貸出機の全体の
動作はたとえばTTL回路などの制御回路２５に
より制御しうる。

［考案の効果］ 本考案では、つぎの効果を奏する。

コイン補給口をハウジング上部付近に設ける
とともにコイン払出装置をハウジングの下部前
面に設け、それらの間を連結するようにコイン
収納を連結したので、コイン収納部をハウジン
グの高さにほぼ等しい長さとすることができ、
充分大きな貯蔵量を確保することができる。

コイン収納部の直立部分に収納された多数の
コインの重量を、コイン収納部の直立部分と傾
斜部分との間の屈間した部分で支えるので、そ
の分だけコイン払出装置に作用する負荷が小さ
くなりコイン払出装置の小型化が可能となる。
したがつて、ハウジングをさらに薄形化するこ
とができる。またコイン払出装置の作動を確実
にすることができる。

紙幣識別機や、硬貨識別機、コイン払出装置
が上下方向に並べて配置されているので、ハウ
ジングの奥行きが小さくなる。この効果は、ゲ
ーム器の背部に各種の装置を設ける必要がある
ことから、ゲーム機設計上のメリツトが大き
い。

コイン払出装置がハウジング内の下部にある
ので、遊戯者が椅子に座つたままコインを楽に
取出すことができる。

両識別機やコイン収納部などの全ての部品が
ハウジングの中に入つているので、ハウジング
の外部に出張りがない。そのため、輸送時や現
場での施工時における取扱いを容易にすること
ができる。

コイン収納部が単一の収納パイプで構成され
ているため、コイン払出装置の構成が簡単であ
る。そのため、ハウジングの薄形化が容易であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の薄形コイン貸出機の一実施例
を示す斜視図、第２図は本考案にかかわるコイン
払出装置の一実施例を示す要部斜視図、第３図は
第２図の薄形コイン貸出機の配置状態を示す一部
切欠斜視図である。 図面の主要符号、１：ハウジング、２：紙幣識
別機、２ａ：紙幣挿入口、３：硬貨識別機、３
ａ：硬貨挿入口、４：コイン供給口、５：コイン
出口、６：パイプ、７：コイン払出装置、８：コ
イン受け、１０：モータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ゲーム器とゲーム器との間に配置される比較的
   幅の狭いハウジング内において、該ハウジング内
   の上部前面側に紙幣識別機と硬貨識別機とが配置
   されており、前記ハウジング内の下部前面側にコ
   イン払出装置が配置され、前記ハウジング内の上
   部近辺にコイン補給口が設けられた薄形コイン貸
   出機であつて、前記コイン補給口に投入されたコ
   インを前記コイン払出装置に供給案内するための
   コイン収納部を、前記両識別機とハウジングの背
   面との空間では直立させ、かつ前記両識別機の下
   方の空間では斜めに傾斜させて配設したことを特
   徴とする薄形コイン貸出機。