JPH0248810B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば、複数のバーナを備え、その
バーナの使用個数を変えることにより給湯能力を
調節するようにしてある給湯器で代表される燃焼
器具で、詳しくは、複数のバーナを設け、燃料ガ
ス供給路のうち、各バーナへの分岐路部分それぞ
れに各別に作動する能力調節用開閉弁を介装する
とともに、分岐部の上流側箇所にダイヤフラム式
の流量調整弁を介装し、かつ、この流量調整弁の
上流側箇所に開閉弁を介装してある燃焼器具に関
する。

〔従来の技術〕

従来のこの種の燃焼器具は、給湯器を例にとる
と、給水路に介装した水量センサのOFF等の消
火指令に基づいて、能力調節用開閉弁のうちの開
放しているものと下流側の開閉弁とを同時に自動
閉塞させることによつて消火するものであつた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし、前記従来の給湯器（燃焼器具）による
ときは、消火時、能力調節用開閉弁と開閉弁とが
同時に閉塞するため、燃料ガス供給路のうち、流
量調整弁と下流側の能力調節用開閉弁との間の部
分のガス圧の逃げ場がなく、その供給路部分のガ
ス圧が高い状態に維持される。その結果、燃焼停
止期間中、ずつと、その高いガス圧が流量調整弁
のダイヤフラムに作用し続けて、そのダイヤフラ
ムが変形を被り、点火のために能力調節用開閉弁
および開閉弁を開放したとき、ダイヤフラムが元
の正規形状に復元しないことが生じ、ダイヤフラ
ムが早期に機能障害を起こし易いといつた欠点が
あつた。

本発明の目的は、前述したダイヤフラムの異常
変形を防止する点にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明による燃焼器具の特徴構成は、消火指令
に基づいて、前記能力調節用開閉弁のうちの特定
の開閉弁と上流側の開閉弁とを同時に閉塞させた
のち、閉塞している他の能力調節用開閉弁の１つ
を一時的に開放させて閉塞させるコントローラを
設けてある点にある。そして、それによる作用・
効果は次の通りである。

〔作 用〕

消火指令に基づいて、開放している能力調節用
開閉弁と下流側の開閉弁とを同時に閉塞して消火
したのち、閉塞している他の能力調節用開閉弁の
１つを一時的に開放させて閉塞することにより消
火を完了するため、他の能力調節用開閉弁の一時
的な開放によつて、燃料ガス供給路のうちの流量
調整弁の下流側部分内のガス圧をバーナから外部
に逃すことができる。

しかも、複数の能力調節用開閉弁は、その機能
上、各別に作動するものであることに着目して、
ガス圧を逃す際、下流側の開閉弁と同時に閉塞さ
せた能力調節用開閉弁を用いるのではなく、他の
能力調節用開閉弁を用いるため、例えば、下流側
の開閉弁に同時に閉塞させた能力調節用開閉弁を
用いる場合に比較して、開閉弁を簡単な構成およ
び制御をもつて合理的に開閉できる。つまり、下
流側の開閉弁と同時に閉塞させた能力調節用開閉
弁を用いる場合には、その能力調節用開閉弁と下
流側の開閉弁とを各別に作動させる必要があり、
その結果、開閉弁の開閉作動制御用のリレーが、
各開閉弁それぞれに対して必要となる。ところ
が、本発明のように、他の能力調節用開閉弁を用
いる場合には、下流側の開閉弁と、これと同時に
閉塞される能力調節用開閉弁との作動が同じで、
それらの間でリレーを兼用できるため、リレーの
使用数が少なくて済み、かつ、それ故、制御も簡
単となる。

〔発明の効果〕

その結果、本発明によれば、燃焼停止中におい
て流量調整弁のダイヤフラムに高いガス圧を作用
させることがなくて、ダイヤフラムの異常変形を
防止でき、ダイヤフラムの耐久性を向上できるよ
うになつた。

〔実施例〕

次に本発明の実施例を示す。

第１図に示すように、隣接する２つのバーナ１
Ａ，１Ｂと、これらバーナ１Ａ，１Ｂにより給水
を加熱させる熱交換器２と、燃焼用空気供給用の
フアン３とを設け、前記バーナ１Ａ，１Ｂへの燃
料供給路４のうち、各バーナ１Ａ，１Ｂへの分岐
路部分４Ａ，４Ｂのそれぞれに能力調節用開閉弁
としての電磁弁５Ａ，５Ｂを、分岐部の上流側箇
所にダイヤフラム式の流量調整弁６を、これの上
流側箇所に開閉弁としての電磁弁７を設け、か
つ、コントローラ８を設けて、２つのバーナ１
Ａ，１Ｂで給水加熱を行う大能力と１つのバーナ
１Ｂで給水加熱を行う小能力とに切替自在な瞬間
式の給湯器（燃焼器具の一例）を構成する。

前記流量調整弁６は、ダイヤフラム６ａに作用
するガス圧とスプリング６ｂによる力との関係に
基づいてガス圧変動にかかわらず流量を設定値に
維持するガバナ６Ａと、前記スプリング６ｂの力
を変更して前記の設定値を変更するソレノイド６
Ｂとからなる比例弁である。

かつ、給湯器は、前記バーナ１Ａ，１Ｂのうち
の一方のバーナ１Ａに点火するための点火プラグ
９と、他方のバーナ１Ｂの燃焼炎を検出するフレ
ームロツド１０と、前記点火プラグ９を放電作動
させるイグナイタ１１とを有し、前記熱交換器２
への給水路１２には、水量を検出する水量センサ
１３が介装されており、前記熱交換器２から水栓
１４（給湯栓）への給湯路１５には、水量調節弁
１６と出湯温検出用の温度センサ１７が設けられ
ている。なお、他方のバーナ１Ｂは、一方のバー
ナ１Ａからの火移りにより点火されるのであり、
小能力とするために消火されるバーナは、一方の
バーナ１Ａであり、以下、一方のバーナ１Ａおよ
びそれに対応する能力切替用電磁弁５Ａをそれぞ
れ、第１バーナ及び第１電磁弁と称し、他方のバ
ーナ１Ｂおよびそれに対応する能力切替用電磁弁
５Ｂをそれぞれ、第２バーナおよび第２電磁弁と
称する。また、下流側の電磁弁７を安全弁と称す
る。

前記コントローラ８は、前記フレームロツド１
０、水量センサ１３、温度センサ１７、温度設定
器１８、電源スイツチSW１、運転スイツチSW
２からの情報に基づいて、第１、第２の電磁弁５
Ａ，５Ｂ、安全弁７、比例弁６、水量調節弁１
６、イグナイタ１１、運転LED１９、燃焼LED
２０を制御するものであつて、その制御を第２図
に基づいて次に説明する。

電源スイツチSW１がONした状態で運転スイ
ツチSW２がONすることにより、運転LED１９
を作動（点灯）させ、給湯可能な状態となる。

前記の状態で水栓１４の開に伴つて水量センサ
１３からの情報が設定水量以上となつたとき、フ
アン３の作動を開始する。これによつてプレパー
ジを行う。なお、フアン３は、最初、最大回転数
N_nで第１設定時間t₁（0.3秒程度）作動させたの
ち、定格回転数N_Rで作動させる。

第２設定時間t₂（１秒程度）に亘るプリパージ
完了後、イグナイタ１１を作動させると同時に、
第１電磁弁５Ａを開放させ、その後、第３設定時
間t₃（0.1秒程度）が経過したとき、第２電磁弁５
Ｂと安全弁７とを開放させるとともに、比例弁６
をガス供給量Ｑが設定流量ｑとなるように作動さ
せる。

これによつて、点火し、フレームロツド１０の
フレームロツド電流Ｉが発生したときには、フレ
ームロツド電流Ｉの発生開始時から第４設定時間
t₄を待つて、イグナイタ１１を停止させるととも
に、燃焼LED２０を作動（点灯）させる。

以上が点火制御で、第１、第２のバーナ１Ａ，
１Ｂへのガス供給量Ｑが比例弁６で最大（max）
ではなく設定流量ｑに絞られているため、点火は
緩点火となつて、点火性が向上される。

そして、その後においては、温度センサ１７の
検出温度と温度設定器１８の設定温度とに基づい
て、ガス供給量Ｑが検出温度を設定温度とさせる
流量となるように比例弁６を作動させるととも
に、そのガス供給量Ｑに応じて、フアン３の回転
数を制御し、かつ、前記検出温度と設定温度との
差が設定以下のときおよび、設定温度が設定値以
下のとき、第１電磁弁５Ａを可逆的に閉塞させ、
加えて、加熱能力が最大でも検出温度が設定温度
まで上昇しない場合には、水量調節弁１６を絞り
作動させる。これが、能力切替を伴う温度調節用
の燃焼制御である。なお、燃焼制御の初期におい
ては、設定温度と検出温度との差が設定以上であ
るため、ガス供給量Ｑは最大（max）となり、
フアン３も最大回転数N_nで作動する。

そして、水栓１４の閉に伴つて水量センサ１３
からの情報が設定水量以下となつたとき、第２電
磁弁５Ｂと安全弁７と比例弁６とが閉塞されると
ともに、燃焼LED２０が消灯され、かつ、この
時点から第５設定時間t₅（７分程度）に亘る定格
回転数N_Rでのフアン３の作動が開始される。他
方、前記の時点において、第１電磁弁５Ａが既に
閉塞されていた場合には、その第１電磁弁５Ａが
第６設定時間t₆（１秒程度）に亘つて開放された
のち閉塞され、第１電磁弁５Ａが開放されていた
場合には、前記の時点、つまり、第２電磁弁５Ｂ
〔安全弁７が閉塞されたのち、前記の第６設定時
間t₆が経過したときにその第１電磁弁５Ａが閉塞
される。これが正常時の消火制御である。

また、前記の点火制御において、前記第１電磁
弁５Ａが開放したのち第７設定時間t₇が経過して
も、フレームロツド電流Ｉが発生しない場合は、
不着火と判断して、前記第２電磁弁５Ｂと安全弁
７と比例弁６とを直ちに閉塞させるとともに、前
記燃焼LED２０を点滅させ、かつ、前記フアン
３を第８設定時間t₈（10秒程度）に亘つて作動さ
せる一方、前記安全弁７が閉塞したときから第６
設定時間t₆が経過したとき、第１電磁弁５Ａを閉
塞させるとともに、イグナイタ１１を停止させ
る。これが不着火時の制御である。

更に、燃焼時においてフレームロツド電流Ｉが
消失したときには、断火と判断し、遅延されて、
第１、第２の電磁弁５Ａ，５Ｂと安全弁７、比例
弁６が閉塞されるとともに、燃焼LED２０が点
滅され、かつフアン３が最大回転数N_nで第８設
定時間t₈に亘つて作動される。

上記実施例においては、第２電磁弁５Ｂが安全
弁７と同時に開閉されるものの、第１電磁弁５Ａ
が、点火時には安全弁７に先行して開放し、消火
時には安全弁７に遅延して閉塞する。その結果、
点火のために安全弁７が開放したとき、第１電磁
弁５Ａが既に開放して燃料ガスが第１バーナ１Ａ
から噴出できる態勢にあるため、安全弁７を開放
したとき、燃料ガスがスムーズに流れて、ガス圧
が比例弁６のダイヤフラムに衝撃として作用する
ことがない。しかも、消火のために安全弁７が閉
塞したのちも、第１電磁弁５Ａが開放するか、あ
るいは、開放したままとなつて、燃料ガス供給路
４のうち比例弁６よりも下流側の部分が第１バー
ナ１Ａにおいて外部に開放し、ガス圧が逃げるた
め、比例弁６のダイヤフラムに過剰なガス圧を作
用させることがない。

以下、本発明の別実施例を示す。

〔1〕 上記実施例においては、流量調整弁６とし
て、比例弁を設けたが、流量調整弁６は、ガバ
ナであつても良い。

〔2〕 上記実施例では、能力調節を行うために２
つのバーナ１Ａ，１Ｂを設けたが、バーナ１
Ａ，１Ｂは３つ以上であつても良い。

もちろん、バーナ１Ａ，１Ｂが２つで、流量
調整弁６がガバナである組合せ、バーナ１Ａ，
１Ｂが３つ以上で、流量調整弁６が比例弁であ
る組合せのいずれでも実施することができる。

〔3〕 上記実施例では、給湯器を示したが、本発
明は、フアンヒータ等、他の燃焼器具に適用で
きることは言うまでもない。

尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る燃焼器具の実施例を示し、
第１図は、概略構成図、第２図はタイムチヤート
である。 １Ａ，１Ｂ……バーナ、４……燃料ガス供給
路、４Ａ，４Ｂ……分岐路部分、５Ａ，５Ｂ，７
……開閉弁、６……流量調整弁、８……コントロ
ーラ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数のバーナ１Ａ，１Ｂを設け、燃料ガス供
   給路４のうち、各バーナ１Ａ，１Ｂへの分岐路部
   分４Ａ，４Ｂそれぞれに各別に作動する能力調節
   用開閉弁５Ａ，５Ｂを介装するとともに、分岐部
   の上流側箇所にダイヤフラム式の流量調整弁６を
   介装し、かつ、この流量調整弁６の上流側箇所に
   開閉弁７を介装してある燃焼器具であつて、消火
   指令に基づいて、前記能力調節用開閉弁５Ａ，５
   Ｂのうちの特定の開閉弁５Ｂと上流側の開閉弁７
   とを同時に閉塞させたのち、閉塞している他の能
   力調節用開閉弁５Ａの１つを一時的に開放させて
   閉塞させるコントローラ８を設けてある燃焼装
   置。