JPH0248803Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は光フアイバケーブル延長方向に引かれ
るのを防止する光フアイバケーブルの引き止め具
に関する。

光通信に用いられる光信号伝送路としての光フ
アイバは素線の状態ではなく、その外部をポリエ
チレン・ポリイミド等樹脂で被覆し、単芯或いは
複数芯の光フアイバを収容して光フアイバコー
ド・光フアイバケーブル（以下光フアイバケーブ
ル或いは単にケーブルと称する）として一般に多
く用いられる。このような光フアイバケーブルは
内部の光フアイバを外部からの外力やケーブルの
延長方向に加わる延伸力から保護するため、光フ
アイバと外部被覆との間にポリイミド樹脂（商品
名ナイロン）等からなる繊維状抗張力体が介在せ
られる。

光フアイバケーブルをその端部で固定すのに、
従来ケーブル固定金具に紐等で固縛する。固定ピ
ン等に抗張力体を結び縛り付ける。またテーパを
有するブツシユとそれに嵌合するリングとの間に
抗張力体を挾み込むなどがあるが、何れも煩雑
で、とくに第１、第２のものは作業者による程度
差が生じ易く、固定した後に弛むなどの不都合を
生じる恐れがある。第３のものは光フアイバ同士
の接続時のブツシユ、リングが邪魔になり、作業
性が悪く、ブツシユとリングを高精度に製しなけ
ればならないという欠点がある。

そのほかケーブル端部を押圧挾持する挾持具で
固定すると内部の光フアイバに局部的な横方向の
力が作用するほか、長期には外被の変形、クリー
プ等で延長方向への移動が避けられず完全な固定
ができない。

本考案は上記従来の問題点に鑑み、光フアイバ
ケーブル内に介在せる抗張力体を確実に挾着挾持
して延長方向への引張りに耐え得る光フアイバケ
ーブル引き留め具の提供を目的とする。

添付図を参照して以下本考案に係る実施例を説
明する。

第１図は本考案の一実施例で光フアイバケーブ
ルの接続箱の要部斜視図である。図において接続
箱１の両側から複数芯の光フアイバ２１を並列配
置した扁平光フアイバケーブル２が導入対向し、
それぞれケーブル２の外被部分がクランプ１１に
よつて接続箱に挾持されている。複数芯の光フア
イバ２１は双方のケーブル２から引き出された形
でそれぞれ対応して接続部２２で接続される。な
お図は１個所のみ示し、光フアイバ２１は図では
直線状態であるけれども若干若しくは相当の弛み
が与えられる。

以上とは別に光フアイバケーブル２の端部から
光フアイバ２１と同様に、介在せる抗張力体２３
が双方から引き出されており、ケーブル対向端部
間に本考案になる光フアイバケーブル引き留め具
３が位置する。すなわち第２図の要部のみ示す詳
細分解図のように、光フアイバケーブル引き留め
具３は２枚の板状片からなり、互いの対向面には
光フアイバケーブル２の延長方向と直交方向に断
面が三角形小波形３１が多数形成された粗面でな
り、この対向２面間に双方の抗張力体２３が引き
込まれて互いに反対側に引き出され、緊張状態で
ねじ３２を挿入して締結すると２面間が挾着され
る。

このようにして抗張力体２３は波形３１間に圧
接支持されるので光フアイバケーブル２の互いの
離間方向が引き留められる。この引き留め具３は
その中央部の孔３３に接続箱１の突起１２を挿入
させて（第１図）その位置を固定させる。

上記引き留め具３は扁平な板状片であるから光
フアイバの接続、配設等への支障が極めて少なく
効率的であり、引き留め具の挾着も容易かつ確実
である。

本考案の引き留め具は光フアイバケーブルをそ
の延長方向の一方のみを引き留めるものであるか
ら光フアイバケーブル２端部を挾持するクランプ
１１が反対方向への押し込み力や光フアイバケー
ブルの不要な曲げ等を受容するものであつて、こ
のようなことは適当な導入部の案内構造でも十分
目的は達せられる。そのほか光フアイバケーブル
は扁平でなく丸形であつても単芯の光フアイバケ
ーブルでも同様に実施できる。

本考案の光フアイバケーブル引き留め具の実施
例は説明の都合上板状の２片としたが、このよう
なことに限らず例えば一方を接続箱、その他等に
一体的に形成したことであつても、さらには両者
を扁平な板状で、すなわち対向２面を同一平面と
して中間から折り返して蝶番式に形成したもので
あつてもよい、とくに前者では中央部の係止孔を
不要とし得る。

また、抗張力体が導入される引き止め具の対向
面に例えば適当な接着材を塗布すればさらに強固
な固定がなし得る。

引き止め具は金属、合成樹脂等で、切削、形押
し、引き抜き切断、モールド等で製することがで
きるほか対向面の波形は三角形の場合曲面を付し
て抗張力体の切断を防止するほか、面の形態も第
３図に示す綾目３４の粗面、或いは第４図に示し
た研摩布３５の研摩面を対向面にして貼着、若く
は同様の粒子を塗布被着させて形成した粗面とし
てもよく、さらには護謨質の弾性を有し、かつ摩
擦係数の大きな摩擦的に粗面としたものであつて
もよい。

そうして引き留め具の対向する２面の少なくも
一方は上記各種形態の粗面であればよく、他方の
面がその他の形態として組み合せ可能なことは勿
論のことである。

本考案による光フアイバケーブル引き留め具
は、対向する２面間に光フアイバケーブルの抗張
力体をその延長方向に導入して挾着したものであ
るから構成が簡易であり、操作性もよく、確実で
あり実用上の効果は大きい。なお本考案は光フア
イバケーブル間の接続部のみに供されるものでは
なく一方の光フアイバケーブルのみの引き留めに
も、或いはそれぞれの光フアイバケーブルにそれ
ぞれ用いてもよく、形状、挾着手段も実施例に限
定するものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を光フアイバケーブ
ルの接続箱に用いた場合の斜視図、第２図は第１
図の要部を分解状態の斜視図、第３図及び第４図
は何れも本考案の対向面のその他の実施例を示
す。 図において、１は接続箱、２は光フアイバケー
ブル、３は光フアイバケーブル引き留め具、２１
は光フアイバ、２３は抗張力体、３１，３４，３
５は粗面である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 互いに対向する２面間に光フアイバケーブル
   内からの繊維状抗張力体を該光フアイバケーブ
   ルの延長方向より導入し、前記２面間を挾着手
   段により挾着して前記光フアイバケーブルを引
   き留めるようにしたことを特徴とする光フアイ
   バケーブル引き留め具。 (2) 前記光フアイバケーブルの延長方向に対して
   前記互いに対向する２面の少なくも一面を粗面
   としたことを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項に記載の光フアイバケーブル引き留め
   具。 (3) 前記互いに対向する２面の少なくも一面を護
   謨質摩擦材としたことを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項に記載の光フアイバケーブ
   ル引き留め具。