JPH02487Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (a) 考案の技術分野 本考案は比較的重量のある金属筐体等を架等の
所定場所に取付け固定する場合において、筐体等
をガイドさせその取付けの位置決め作業を容易に
するために設けられるガイドピンの形状に関す
る。

(b) 従来技術と問題点 従来は例えば第１図ａに示すように先ほそりテ
ーパ部２と棒状の基準ガイド部３と取付用雄ねじ
部４とからなるガイドピン１が第１図ｂに示す如
く架の基体５の所定位置に設けられたガイドピン
取付孔６にガイドピン取付用雄ねじ部４を挿通し
てナツト７で螺着された架側に対し、取付けよう
とする筐体８の背面板９には所定位置に設けられ
たガイドピン挿通用のガイド孔１０があり、前記
ガイドピン１の先ほそりテーパ部２と前記ガイド
孔１０を係合せしめる位置に筐体８を保持しなが
ら架の基体５側に押込めば、前記筐体８は基体５
に固定されたガイドピン１にガイドされて第１図
ｃに示す基体の所定取付位置に当接して止る。こ
の状態を保持しながら筐体８の固定ビス１１を筐
体固定用取付孔１２に挿通して架の基体５の所定
取付位置のねじ孔１３に螺着して取付けを完了す
る。

この取付作業において固定用ビス１１の螺着が
完了するまでは筐体８の保持を継続していない
と、筐体８の重心が基体５の面より離れた点にあ
るために筐体の背面板９の下方を支点として前傾
する力が働らき、基準ガイド部３が棒状の平行形
状であるためにガイドピンから外れて筐体が落下
する危険があつた。

(c) 考案の目的 以上の欠点に鑑みて本考案はガイドピンが単に
筐体を位置決めガイドさせるだけでなく、同時に
筐体の仮固定の機能を併わせ持たせることにより
筐体落下の危険防止並びに取付作業の容易化を目
的とする。

(d) 考案の構成 そしてこの目的は基体と該基体に着脱可能に止
着される止着体の位置を定めるガイドピンにおい
て、該止着体との係合部に少なくとも荷重方向に
対する小径の係合段部が設けられてなり、該止着
体のガイド孔部が該ガイドピンと係合状態で該段
部に落込むことにより該ガイドピンからの脱出が
係止されるガイドピンによつて達成される。

(e) 考案の実施例 以下第２図ａ乃至第４図ｂにて本考案によるガ
イドピンの実施例を説明する。尚図において第１
図ａ乃至第１図ｃとの対応部分には同一符号を付
してその重複説明を省略する。

第２図ａは本考案の一実施例を示すガイドピン
２１で第２図ｂはガイドピン２１の要部寸法図を
示す。ガイドピン中央の基準ガイド部２３の軸周
上側部において、該ガイドピン２１の基端即ち前
記基準ガイド部２３の基端側より軸線方向に所要
長さｌをもつ切欠面２４を設けその切欠の深さを
ｈとする。

第３図ａ，ｂは本考案のガイドピンの作用を示
す図で筐体８の背面板９の板厚をｔとすれば、前
記切欠面２４の長さｌはｌ＞ｔに設定しかつ背面
板９のガイド孔３０は第３図ｃに示す如く、前記
基準ガイド部２３を挿通させるに充分な直径ｄを
有する下半分が円形でその上半分を一辺ｄの長さ
の正方形の横半分に切欠いた形に形成すると共
に、その上部下向きの水平面４４はガイドピン２
１にガイドされて架の基体５に押込まれた時ガイ
ドピン２１の切欠面２４に深さｈだけ必ず落込ん
で係合し、かつその位置が所定の取付位置となる
ように寸法ｌとｄ及び他の取付孔関係位置を設定
しておく。

以上で前記切欠面２４に落込んだ筐体８のガイ
ド孔３０は筐体の自重のために下に押える力が働
らき段部と係合して仮固定の作用をなす。この状
態で固定ビス１１を筐体固定用取付孔１２に挿通
して架の基体５の所定取付位置のねじ孔１３に螺
着して安全かつ容易に取付けを完了する。

筐体８を基体５から外す時は取付ビス１１を外
した後、筐体８の背面板９を持上げるように筐体
８を保持しながら手前に引けばガイド孔３０はガ
イドピン２１の切欠面２４との係合から離脱して
引外し可能となる。

ガイドピンの断面形状は円形とは限らず図示し
ない角形でも菱形でも利用目的に合わせて設定可
能である。又第４図ａ，ｂに示す如く切欠面の代
りに同じ落込代ｈをもつ同心円柱５４の形のガイ
ドピン５１も簡便であり、この場合の筐体側ガイ
ド孔は第１図ｂのガイド孔１０と同じ丸孔でよく
加工も便利である。又この先ほそりテーパ部５２
の先端面にドライバー用の切込溝５５又は図示し
ない六角形等を設け、かつ基体５のガイドピン取
付孔３６をガイドピン５１の取付用雄ねじ４に螺
合出来るねじ孔にすれば架の前面操作だけでガイ
ドピンの取付けが出来る。又ガイドピンを基体に
カシメ付け又は熔接するのも任意である。尚ガイ
ド孔の形状についても第３図ｃの変形として第３
図ｄの小判形孔６０とか図示しない角形、菱形等
も考えられる。

以上の説明は基体側にガイドピンを植設した場
合について述べたが、本考案によれば筐体側、即
ち止着体側にガイドピンを植設することでもよ
く、この場合には段部の関係が上下逆となる。従
つて基体側にはガイド孔が開けられ筐体側がガイ
ドピンの下方の段部が係合することになるが作用
効果については全く同様である。

(f) 発明考案の効果 本考案のガイドピンによれば単に筐体をガイド
位置決めさせるだけでなく同時に筐体の仮固定の
機能を果たし、しかも筐体の重量が重い程益々仮
固定の安定度が強固となり、危険防止と取付作業
の容易化及び工数の削減に役立つものであつて利
用価値が大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは従来例のガイドピンの形状斜視図、
第１図ｂとｃは夫々同作用前と作用後の機構要部
側断面図、第２図ａとｂは夫々本考案によるガイ
ドピン実施例の形状斜視図と要部側面寸法図、第
３図ａとｂは夫々同作用前と作用後の機獄要部側
断面図第３図ｃは同対向のガイド孔正面図、第３
図ｄは同応用例の対向ガイド孔正面図、第４図ａ
とｂは夫々同応用例の形状斜視図と要部側面寸法
図を示す。 図において２はガイドピンの先ほそりテーパ
部、５は架の基体、８は筐体（止着体）、１１は
筐体固定用ビス、２１は本考案のガイドピン、２
３はガイドピンの基準ガイド部、２４はガイドピ
ンの切欠面（係合段部）、３０は筐体のガイド孔
を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基体と該基体に着脱可能に止着される止着体の
   位置を定めるガイドピンにおいて、該止着体との
   係合部に少くとも荷重方向に対する小径の係合段
   部が設けられてなり、該止着体のガイド孔部が該
   ガイドピンと係合状態で該段部に落込むことによ
   り該ガイドピンからの脱出が係止されることを特
   徴とするガイドピン。