JPH0248302Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は車両用台車に係り、特にスペアタイヤ
収納部を被いトランクの荷台フロアに対して着脱
可能な蓋板から成る車両用台車に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

従来、商用の自動車において多数の小荷物等を
この車両まで運搬したり、この車両から荷物を降
ろして運んだりするのにキヤスターの付いて手押
し式の台車を用いており、この場合、常時この台
車を他の荷物と一緒に当該車両のトランクに積込
んでいた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記のように従来の台車は、車両のトランクに
他の荷物と一緒に積載しなければならず、車両に
積載できる荷物の量が制限されたり、一緒に積載
する荷物と関連してこの台車の積載位置を決定す
るのに苦労するという問題点を有していた。

本考案はこのような問題点を解消するためにな
されたもので、車両のトランクスペースを有効利
用できる車両用台車を提供することを目的とする
ものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案に係る車両用台車は、トランクに形成さ
れた凹状のスペアタイヤ収納部を被い、かつ上面
がトランクの荷台フロアのフロア面と同一面とな
つてトランクの荷台面となるように上記荷台フロ
アに取付けられる蓋板より成り、この蓋板の一方
の面にキヤスタを設けるとともに、他方の面に握
手を設けて、当該蓋板を荷台フロアからはずして
台車の荷台として使用可能としたものである。

〔作用〕

本考案においては、蓋板を荷台フロアに装着す
ることによりこの蓋板がトランクの荷台となり、
蓋板を荷台フロアから取りはずすと台車の荷台と
して使用できる。

〔実施例〕

第１図は本考案による車両用台車の一実施例を
示す斜視図であり、第２図はそれを車両に取付け
た状態を示す車両後部の荷台の斜視図である。図
中、１は後部座席であり、２はトランク１ａの荷
台フロア２ａをリアタイヤに対応して隆起させて
形成したタイヤハウスである。３は蓋板で、これ
はスペアタイヤ４を収納する上記トランク１ａに
形成された凹状のスペアタイヤ収納部５を被うた
めに合成樹脂等より矩形状に形成されたもので、
上記スペアタイヤ収納部５の両側壁５ａ，５ａの
上側に形成された段差面２ｃにその両側縁３ｓ，
３ｓを載せた状態で荷台フロア２ａに取付けら
れ、上面が荷台フロア２ａのフロア面２ｆと同一
面となつてトランク１ａの荷台面２ｂとなるもの
である。尚、上記フロア面２ｆと段差面２ｃとで
上記荷台フロア２ａを形成する。この蓋板３の下
面にはキヤスタ６が４個各角付近に取付けてあ
り、上面には金属製のパイプ等をコ字形に折曲し
て成る握手７が取付けてある。この握手７の取付
元７ａは、この蓋板３の一短辺付近に有り、この
握手７は第３図ａ，ｂに示すように軸７ｂを軸と
して矢印Ａのように蓋板３側に倒して蓋板３の上
面に設けられた握手溝８に収めることができ、矢
印Ｂのように立てて手押しが容易なようにするこ
とができる。この場合図示しないロツク機構で握
手７が倒れないように垂直位置でロツクされる。
８ａは握溝であり、握手溝８に収められた握手７
を立てるときに引上げやすいように手をさし込め
る溝である。上記握手７の取付元７ａの有る一辺
の中央部付近にはロツク穴９が設けてあり、この
穴９を介して、当該蓋板３を第２図のように液台
フロア２ａに取付けたとき、ずれてしまわないよ
う保持するための第４図ａ，ｂのようなロツク機
構を手によつて操作できるようになつている。こ
のロツク機構は、蓋板３の下面のロツク穴９に対
応して設けられる金属等から成る固定部材１０か
ら成り、この固定部材１０は矩形の基片１０ａと
この両端に設けられたレバー保持片１０ｂと蓋板
３に取付けるための取付片１０ｃとから成つてい
る。取付片１０ｃには取付穴１０ｄが有り、この
取付穴１０ｄにボルト又リベツト等を通して、固
定部材１０を蓋板３下面に取付けるようになつて
いる。また、レバー保持片１０ｂには軸受穴１０
ｅが有り、板状のレバー１１の一端がレバー軸１
２によつてこの軸受穴１０ｅに取付けられてい
て、レバー１１は、矢印ｃ方向に少し回動できる
ようになつている。このレバー軸１２の一方には
スプリング１３が取付けられ、レバー１１を矢印
Ｄ方向に附勢している。レバー１１の下面にはフ
ツク１１ａが設けてあり、スペアタイヤ収納部５
内面の床１４から伸びるように取付けられた係止
棒１５に上記フツク１１ａがひつかかるようにな
つている。

以上のように構成された本実施例の動作を次に
説明する。通常第２図のように蓋体３はスペアタ
イヤ収納部５を被うように荷台フロア２ａに装着
されている。蓋板３を荷台フロア２ａよりはずし
て台車の荷台として使用する場合は、まずロツク
穴９に手をさし込みレバー１１に手をかけて矢印
Ｃ方向に引く。これによりフツク１１ａが係止棒
からはずれるので、そのまま蓋板３を上へ引上
げ、荷台フロア２ａより取りはずして外に出す。
次に、握溝８ａに手をさし込み、握手７を引上げ
て第１図のように垂直に立てる。このとき、この
握手７は倒れないようにロツクされているので、
この握手７を把んで希望方向に押すか引くかして
下面に取付けられたキヤスター６を回転させて移
動する。したがつて、蓋板３を台車の荷台として
使用することができ、荷物等を運搬するときには
この荷台面３ａ上に荷物等を積載して移動する。
そして作業が終了したら上記とは逆に、握手７の
ロツクを解いて握手７を握手溝８に収め、第２図
のように車両のスペアタイヤ収納部５を被つて、
フツク１１ａを係止棒１５にひつかけて蓋板３を
固定する。その後はこの蓋板３上面に荷物等を積
載することができる。上記実施例によれば、蓋板
３を荷台フロア２ａに装着することによりこの蓋
板３がトランク１ａの荷台となり、蓋板３を荷台
フロア２ａから取りはずすと台車の荷台として使
用できるので、トランク内に積込んでも邪魔にな
らず、トランクスペースを有効利用できる車両用
台車となる。

なお、上記実施例では、握手７の取付元７ａの
取付けを軸７ｂによつていたが、軸７ｂを設けず
取付元７ａにブラケツト等の軸受部（図示せず）
を設け、握手７を垂直方向に抜射しできるように
して着脱自在としても握手７としての目的を達す
ることができる。

〔考案の効果〕 本考案の車両用台車によれば、トランクに形成
された凹状のスペアタイヤ収納部を被い、かつ上
面がトランクの荷台フロアのフロア面と同一面と
なつてトランクの荷台面となるように上記荷台フ
ロアに取付けられる蓋板より成り、この蓋板の一
方の面にキヤスタを設けるとともに、他方の面に
握手を設けて、当該蓋板を荷台フロアからはずし
て台車の荷台として使用可能としたので、トラン
クスペースを有効利用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による車両用台車の一実施例を
示す斜視図、第２図はそれが車両に取付けられた
ところを示す斜視図、第３図ａ，ｂは握手の取付
構造を示す部分断面図、第４図ａは蓋板のロツク
機構を示す斜視図、第４図ｂはその断面図であ
る。 １ａ……トランク、２ａ……荷台フロア、２ｂ
……荷台面、２ｆ……フロア面、３……蓋板、５
……スペアタイヤ収納部、６……キヤスタ、７…
…握手。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トランクに形成された凹状のスペアタイヤ収納
   部を被い、かつ上面がトランクの荷台フロアのフ
   ロア面と同一面となつてトランクの荷台面となる
   ように上記荷台フロアに取付けられる蓋板より成
   り、この蓋板の一方の面にキヤスタを設けるとと
   もに、他方の面に握手を設けて、当該蓋板を荷台
   フロアからはずして台車の荷台として使用可能と
   したことを特徴とする車両用台車。