JPH0248265Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、車両における手押車の格納装置に関
する。

〔従来技術〕

車体の一形式として、車体の後部に左右方向へ
回動可能に組付けられて同後部に設けた乗降口を
開閉し、または車体の側部に前後方向へ摺動可能
に組付けられて同側部に設けた乗降口を開閉する
ドアを備えた形式の車両がある。当該車両は一般
には商業車両として使用されているもので、その
乗降口を通して積荷、積下し作業がなされる。こ
のため、当該車両には積荷される荷物や積下され
た荷物を運搬する手押車を常備させることが望ま
しい。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、従来の車両においては、かかる
手押車を格納する専用の格納装置を備えておら
ず、手押車を常備させるには荷物とともに車室内
に積込まなければならず、手押車の積込み、積下
しが面倒であり、かつ手押車により限られた車室
内空間を占有されることになる。このため、この
種形式の車両においては、手押車の格納および取
出しが容易な格納装置の設置が望まれる。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案はかかる問題に対処すべく、上記した形
式の車両において、前記車体の乗降口に対応する
下面に車体外側に開口し手押車が格納されるボツ
クスを設けるとともに、前記ドアの下端部には前
記乗降口を閉鎖したとき前記ボツクスの開口部に
臨みかつ車体外側への回動を規制されるプレート
状の掛止部材を設けたことを特徴とするものであ
る。

〔考案の作用・効果〕

かかる構成の格納装置においては、乗降口を閉
鎖しているドアを開いて乗降口を開放すると、ド
アに設けた掛止部材がボツクスの開口部から退出
し同開口部を開放する。このため、手押車を車体
外側からボツクス内に容易に格納することがで
き、かつボツクス内に格納されている手押車を容
易に取出すことができる。また、手押車をボツク
ス内に格納した後ドアを閉じて乗降口を閉鎖すれ
ば、ドアに設けた掛止部材がボツクスの開口部に
臨んでボツクス内からの手押車の脱落を防止し、
手押車の格納状態を保持する。また、掛止部材を
内方へ回動可能に構成して、同掛止部材を回動さ
せることによりボツクスの開口部から退出するよ
うにすれば、ドアを閉じた状態においても手押車
をボツクス内に格納することができる。

従つて、当該格納装置においては、手押車の取
出し、格納が容易であるとともに、手押車を格納
することによつて限られた車室内空間が占有され
るようなことはない。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
るに、第１図には本考案の第１実施例に係る格納
装置を備えた車両の背面が示されている。当該車
両は運転室の後部全体が荷物室に形成された商業
車両で、車体１１後部に設けた乗降口１１ａは左
右の回動式のドア１２，１３により開閉されるも
のである。当該車両においては、左側ドア１２を
開けば乗降口１１ａの左半分が開放され、また左
側ドア１２を開いた後右側ドア１３を開けば乗降
口１１ａの全体が開放される。

しかして、当該車両においては第１図および第
２図に示すように、車体１１の乗降口１１ａに対
応する下面に手押車Ａを格納するボツクス１４が
設けられている。このボツクス１４は車体１１の
下面にて左右のバンパブラケツト１５ａ，１５ｂ
を支持するメインブラケツト１６ａ，１６ｂに左
右のブラケツト１７ａ，１７ｂを介して組付けら
れていて、リヤバンパ１８の上部にて後方に開口
するとともに前方へ下降傾斜して所定長さ延びて
いる。

一方、左側ドア１２の右側下端部には掛止部材
１９が設けられている。この掛止部材１９は、第
１図〜第３図に示すように固定プレート１９ａと
回動プレート１９ｂからなり、固定プレート１９
ａはその上部にて左側ドア１２に固着されて同ド
ア１２の下端から下方へ突出し、また可動プレー
ト１９ｂはその上端にてヒンジピン１９ｃを介し
て固定プレート１９ａの略中央部に組付けられて
ボツクス１４の後方開口部１４ａの後方に臨み、
かつ前方（内方）へ所定量回動可能になつてい
る。なお、これら両プレート１９ａ，１９ｂには
第３図に示すように互いに対向する貫通孔が設け
られていて、必要により錠前等のロツク手段Ｂに
よりプレート１９ａ，１９ｂを互いにロツクして
回動プレート１９ｂの回動を規制し得るようにな
つている。

かかる格納装置には、第４図および第５図に示
す手押車Ａが格納保持されている。この手押車Ａ
は台車ａ１の後端部に把手ａ２を起伏可能に組付
けてなるもので、その使用時には第４図に示すよ
うに把手ａ２は起立してこれをロツクされ、かつ
非使用時には第５図に示すように把手ａ２は倒伏
され、この状態で格納装置のボツクス１４内に格
納される。

かかる手押車Ａの格納に際しては、当該車両の
左側ドア１２を開いた状態でまたは同ドア１２を
閉じた状態で、ボツクス１４の後方開口部１４ａ
から手押車Ａを同ボツクス１４内に挿入する。し
かして、左側ドア１２を開いた状態においては、
同ドア１２を設けた掛止部材１９がボツクス１４
の後方開口図１４ａから退出しているため同ボツ
クス１４内に手押車Ａを容易に挿入することがで
きる。手押車Ａは挿入後左側ドア１２を閉じる
と、掛止部材１９がボツクス１４の後方開口部１
４ａの後方に臨み、手押車Ａのボツクス１４内か
ら外部への脱落を防止する。

また、掛止部材１９の可動プレート１９ｂは内
方へ回動可能であるため、左側ドア１２を閉じた
状態において手押車Ａをボツクス１４内に挿入し
ようとすると、可動プレート１９ｂは第２図の２
点鎖線で示すように内方へ回動し、手押車Ａのボ
ツクス１４内への挿入を許容する。従つて、左側
ドア１２を閉じた状態においても、手押車Ａをボ
ツクス１４内に容易に挿入することができ、挿入
が完了した時点においては可動プレート１９ｂが
第２図の実線に示す状態に復帰し、手押車Ａのボ
ツクス１４内から外部への脱落を防止する。

なお、本実施例においては、左側ドア１２を閉
じると掛止部材１９の作用により手押車Ａのボツ
クス１４内から外部への脱落が防止されるが、掛
止部材１９の可動プレート１９ｂを内方へ回動す
れば手押車Ａをボツクス１４内から取出すことが
できる。このため、掛止部材１９の両プレート１
９ａ，１９ｂを第３図に示すように錠前等ロツク
手段Ｂにて互いにロツクすれば、手押車Ａの盗難
防止を図ることができる。

第６図および第７図には、本考案の第２実施例
に係る格納装置を備えた車両の側面が示されてい
る。当該車両においては、車体２１の側部に設け
た乗降口２１ａがスライド式ドア２２により開閉
されるもので、車体１１の乗降口２１ａに対応す
る下面に手押車Ａを格納するボツクス２３が設け
られている。また、ドア２２の後方下端部には掛
止部材２４が組付けられており、同掛止部材２４
は第６図に示すようにドア２２開いた状態におい
てはボツクス２３の側方開口部２３ａから退出
し、かつ第７図に示すようにドア２２を閉じた状
態においては同側方開口部２３ａの側方に臨む。
掛止部材２４は第１実施例における掛止部材１９
と同様固定プレート２４ａと可動プレート２４ｂ
とからなり、同掛止部材１９と同様に機能しかつ
同様の効果を奏する。

なお、本考案においては、掛止部材１９，２４
を１枚の固定プレートにて形成してもよく、かか
る掛止部材を採用した場合にはドア１２，２２を
開かないかぎりボツクス１４，２３に対する手押
車Ａの格納、取出しができないが、ロツク手段Ｂ
を用いることなく手押車Ａの盗難防止を図ること
ができるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例に係る格納装置を
備えた車両の背面図、第２図は第１図の矢印−
方向にみた拡大部分断面図、第３図は掛止部材
の拡大斜視図、第４図および第５図は手押車の斜
視図、第６図および第７図は第２実施例に係る格
納装置を備えた車両の部分斜視図である。 符号の説明、１１，２１……車体、１１ａ，２
１ａ……乗降口、１２，２２……ドア、１４，２
３……ボツクス、１４ａ，２３ａ……開口部、１
９，２４……掛止部材、１９ａ，２４ａ……固定
プレート、１９ｂ，２４ｂ……可動プレート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体の後部に左右方向へ回動可能に組付けられ
   て同後部に設けた乗降口を開閉し、または車体の
   側部に前後方向へ摺動可能に組付けらて同側部に
   設けた乗降口を開閉するドアを備えた車両におい
   て、前記車体の乗降口に対応する下面に車体外側
   に開口し手押車が格納されるボツクスを設けると
   ともに、前記ドアの下端部には前記乗降口を閉鎖
   したとき前記ボツクスの開口部に臨みかつ車体外
   側への回動を規制されるプレート状の掛止部材を
   設けたことを特徴とする車両における手押車の格
   納装置。