JPH0248242Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、車室内前部に設けられ、車両運転
時に日除けとして使用されるサンバイザー装置に
関する。

（従来の技術） 自動車には、一般に、運転者を直射日光等から
保護するためのサンバイザー装置が装備されてい
る。

従来のサンバイザー装置においては、車室内ル
ーフパネルのフロントピラー近傍に略Ｌ字形のア
ームがフロントガラスとドアガラスの間を略水平
回動自在に取り付けられており、上記アームには
サンバイザーが上下方向に回動自在に支持されて
いる。

上記サンバイザー装置の場合には、非使用時に
は邪魔にならないように上方に回転しておき、そ
して、フロントガラス側から入射する光がまぶし
い時には、アームをフロントガラス側に配置しサ
ンバイザーを上記アーム廻りに下方に回転して使
用し、又、ドアガラス側から入射する光がまぶし
い時には、アームを回転しドアガラス側に配置し
て使用している。

しかしながら、自動車の走行経路によつては、
光の入射方向が頻繁に変わる場合があり、それた
び毎にアームを回動しサンバイザーの位置を変え
ていたのでは、運転に支障を来すこともあり好ま
しくなかつた。

この解決策としては、フロントガラスの上縁に
沿うアームと、ドアガラスの上縁に沿うアームを
別々に設置し、各アームにフロントガラス専用の
サンバイザーとドアガラス専用のサンバイザー
を、それぞれ上下方向に回動自在に取り付けるこ
とも考えられるが、このようにすると、サンバイ
ザーの非使用時には、各サンバイザーは別々に上
方に回転されルーフパネルに沿つて収納されるの
で、車室内空間が狭くなる等の不具合があつた。

そこで、フロントガラス用サンバイザーとドア
ガラス用サンバイザーとを有し、且つ、両サンバ
イザー非使用時におけるサンバイザーの収納場所
が一つで済み、車室内空間を狭めることのない
種々のサンバイザー装置が考案されている。

例えば、実開昭59−4311号公報に開示されたサ
ンバイザー装置においては、車室内ルーフパネル
のフロントピラー近傍に略Ｌ字形のアームが略水
平回動自在に取り付けられ、このアームの水平部
の基部には補助アームが回動自在に取り付けられ
ており、上記アームにはフロントガラス用サンバ
イザーが上下方向に回動自在に支持され、補助ア
ームにはドアガラス用サンバイザーが上下方向に
回動自在に支持されている。

又、実開昭57−194823号公報に開示されたサン
バイザー装置においては、車室内ルーフパネルの
フロントピラー近傍に略Ｌ字形のアームが略水平
回動自在に取り付けられており、このアームには
フロントガラス用サンバイザーが上下方向に回動
自在に支持され、フロントガラス用サンバイザー
のドア側縁部にはヒンジを介してドアガラス用サ
ンバイザーが回動自在に取り付けられている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上記各従来例においては次のよ
うな欠点があつた。

即ち、両サンバイザー装置ともに、非使用時の
サンバイザー収納状態から使用状態に操作する場
合に、フロントガラス用サンバイザーとドアガラ
ス用サンバイザーの両方を同時に操作しなければ
ならず、無駄な操作を伴つていた。

又、実開昭59−4311号公報のサンバイザー装置
の場合には、フロントガラス用サンバイザーとド
アガラス用サンバイザーの両使用時において、ド
アガラス用サンバイザーはその構造上、垂直に配
置され、ドアガラスに密接させることができず、
運転者が違和感を感ずるという不具合があつた。

更に、実開昭57−194823号公報のサンバイザー
装置の場合には、ドアガラス用サンバイザーを使
用する際には必ずフロントガラス用サンバイザー
も使用しなければならないので、更に操作性が悪
かつた。

（問題点を解決するための手段） この考案は上記問題点を解消するためになされ
たもので、その要旨は、車室内ルーフパネルのフ
ロントピラー近傍に略Ｌ字形のアームが略水平回
動自在に取り付けられ、このアームには主サンバ
イザーが上下方向に回動自在に支持され、主サン
バイザーの先部側上縁には軸部が設けられてお
り、フロントガラスの上縁近傍の車室内ルーフパ
ネルにサポートが固定され、このサポートには上
記主サンバイザーの軸部を係合離脱自在に支持す
るフツク部が設けられ、上記サポートにはこのフ
ツク部よりも上方に於いて車幅方向に配置された
シヤフトにより副サンバイザーが上下方向に回動
自在に支持されていることを特徴とするサンバイ
ザー装置にある。

（作用） サンバイザー装置を使用しない場合には、副サ
ンバイザーを上方に回転しておき、更に、主サン
バイザーのアームをフロントガラス側に回転し、
サポートのフツク部を主サンバイザーの軸部に係
合させて、主サンバイザーを上方に回転し、副サ
ンバイザーの下側に主サンバイザーを重ねて配置
することにより一箇所に収納でき、したがつて車
室内空間を狭めることがない。

又、フロントガラスから入射する光だけを遮断
する場合には、上記状態から主サンバイザーだけ
をアーム廻りに下方に回転し、フロントガラスに
対向させ、更に、ドアガラスから入射する光だけ
を遮断する場合には、この状態からアームをドア
ガラス方向に水平回転して、主サンバイザーをド
アガラスに対向させる。

又、フロントガラス、ドアガラスの両方から入
射する光を遮断する場合には、上記のように主サ
ンバイザーをドアガラスに対向させるとともに、
副サンバイザーをサポートのシヤスト廻りに下方
に回転してフロントガラスに対向させて配置す
る。

（実施例） 以下、この考案の一実施例を第１図から第６図
までの図面に基づいて説明する。

第１図において、符号１はサンバイザー装置で
ある。

車室内ルーフパネル２のフロントピラー３近傍
には、略Ｌ字形のアーム４が支持台５を介して、
フロントガラス６とドアガラス７との間を略水平
回動自在に取り付けられている。

上記アーム４には主サンバイザー８が上下方向
に回動自在に支持されている。

主サンバイザー８の先部側の上方には孔９が形
成され、この孔９の上側は軸部２３とされてい
る。

又、フロントガラス６の上縁近傍の車室内ルー
フパネル２の所定位置にはサポート１０が固定さ
れている。

サポート１０は、第５図に示すような形状にさ
れており、下方に略Ｊ字形のフツク部１１を有
し、このフツク部１１よりも上方において車幅方
向に配置されたシヤフト１２，１３を有し、一方
のシヤフト１２の基部は大径部１２ａとされ、大
径部１２ａの端部には断面略半円形の溝１４が多
数形成されている。

サポート１０の上部からはピン１５が突出し、
又、この上部には貫通孔１６が設けられていて、
サポート１０は、ピン１５をルーフパネル２の取
付孔（図示しない）に挿入し、ねじ（図示しな
い）を上記貫通孔１６に通してルーフパネル２に
ねじ込み、固定されている。

上記サポート１０には副サンバイザー１７が取
り付けられている。

副サンバイザー１７は、第６図に示すように、
一端側の上部に切欠部１８を有し、この切欠部１
８の両側において上部には、パイプ状の軸受部１
９，２０が設けられている。

上記一方の軸受部１９の端部には、上記シヤフ
ト１２の大径部１２ａの溝１４に係合する突起２
１が形成されている。

そして、サポート１０のシヤフト１２，１３は
それぞれ副サンバイザー１７の軸受部１９，２０
に挿入されて、副サンバイザー１７はサポート１
０に対して上下方向に回動自在に支持されてい
る。

尚、シヤフト１３にはスプリング２２が取り付
けられていて、副サンバイザー１７の軸受部１９
をサポート１０のシヤフト１２の大径部１２ａに
押圧している。

上述構成において、サンバイザー装置１を使用
しない場合には次のように操作する。

まず、副サンバイザー１７をサポート１０のシ
ヤフト１２，１３廻りに上方に回転させておき、
アーム４をフロントガラス６側に水平回転し、主
サンバイザー８の軸部２３をサポート１０のフツ
ク部１１に係合させ、主サンバイザー８をアーム
４廻りに上方に回転させ、第４図において実線で
示すように、副サンバイザー１７の下側に主サン
バイザー８を重ねて配置する。

その結果、サンバイザー装置１の非使用時に
は、主サンバイザー８と副サンバイザー１７の使
納場所は一箇所で済み、したがつて、車室内空間
が狭められることはない。

又、フロントガラス６から入射する光だけを遮
断したい場合には、上記状態から主サンバイザー
８だけをアーム４廻りに下方に回転し、フロント
ガラス６に対向させる。

この時、サポート１０のフツク部１１は主サン
バイザー８の軸部２３を支持しているので、上記
回転中にアーム４が下方にたわむことはない。

尚、第２図は主サンバイザー８をフロントガラ
ス６に対向させた使用状態を示すものであり、図
示の都合上、副サンバイザー１７、サポート１０
等は省略してある。

又、副サンバイザー１７は、軸受部１９の突起
２１をシヤフト１２の大径部１２ａの溝１４に係
合させているので、副サンバイザー１７の自重、
あるいは走行中の振動に抗して、上記非使用時の
状態を維持し続ける。

更に、ドアガラス７から入射する光だけを遮断
したい場合には、上記状態から主サンバイザー８
の軸部２３とフツク部１１との係合を解除し、ア
ーム４をドアガラス７側に水平回転して主サンバ
イザー８をドアガラス７に対向させ、更に必要に
応じて主サンバイザー８をアーム４廻りに回転
し、調整する。

尚、上記主サンバイザー８をドアガラス７側に
配置して使用している時も、前記同様に副サンバ
イザー１７は非使用時の状態を維持している。

次に、フロントガラス６とドアガラス７の両方
から入射する光を遮断したい場合には、上記のよ
うに主サンバイザー８をドアガラス７側に配置し
た後に、副サンバイザー１７ををサポート１０の
シヤフト１２，１３廻りに下方に回転し、フロン
トガラス６に対向させる。

尚、第１図は上記のように主サンバイザー８と
副サンバイザー１７を同時に使用した場合を示す
ものである。又、第３図は副サンバイザー１７の
使用状態を示すものである。

上述のように、主サンバイザー８、副サンバイ
ザー１７はそれぞれ独立して操作することができ
るので、極めて操作性が良くなる。

この考案は上記実施例に制約されず種々の態様
が可能である。

（考案の効果） 以上説明したように、この考案によれば、主サ
ンバイザーと副サンバイザーは、それぞれ独立し
て操作することができるので、サンバイザー装置
は極めて操作性が良くなる。

又、主サンバイザーを下方に回転させる時に、
主サンバイザーの軸部はサポートのフツク部に係
合しているので、アームに無理な力が作用して下
方にたわむことがなく、故障することのないサン
バイザー装置を得ることができる。

更に、サンバイザー装置は非使用時において、
主サンバイザーと副サンバイザーとを重ねて一箇
所に収納することができるので、自動車の車室内
空間を広くすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図から第６図までの図面はこの考案の一実
施例を示すものであり、第１図は主サンバイザー
と副サンバイザーを同時に使用した場合の車室側
からの概略斜視図、第２図は主サンバイザーをフ
ロントガラス側で使用した時の正面図、第３図は
副サンバイザー使用時の正面図、第４図はサンバ
イザー装置非使用時の部分断面側面図、第５図は
サポートの拡大斜視図、第６図は副サンバイザー
の要部拡大斜視図である。 １……サンバイザー装置、２……ルーフパネ
ル、３……フロントピラー、４……アーム、６…
…フロントガラス、８……主サンバイザー、１０
……サポート、１１……フツク部、１２，１３…
…シヤフト、１７……副サンバイザー、２３……
軸部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車室内ルーフパネルのフロントピラー近傍に略
   Ｌ字形のアームが略水平回動自在に取り付けら
   れ、このアームには主サンバイザーが上下方向に
   回動自在に支持され、主サンバイザーの先部側上
   縁には軸部が設けられており、フロントガラスの
   上縁近傍の車室内ルーフパネルにサポートが固定
   され、このサポートには上記主サンバイザーの軸
   部を係合離脱自在に支持するフツク部が設けら
   れ、上記サポートにはこのフツク部よりも上方に
   於いて車幅方向に配置されたシヤフトにより副サ
   ンバイザーが上下方向に回動自在に支持されてい
   ることを特徴とするサンバイザー装置。