JPH0247855Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、部屋のコーナー部に設けられるコー
ナー用収納庫に関する。

（従来の技術） 従来のコーナー用収納庫としては、例えば、実
公昭47−24997号公報等に記載されているような
ものが知られている。

この従来のコーナー用収納庫は、背面がコーナ
ー壁両面に当接する状態で配置されたキヤビネツ
トの内部に、回転軸を中心に水平方向へ回転可能
な回転棚を設けたもので、回転棚を回転させるこ
とにより回転棚を任意の方向に向けてものの出し
入れが行なえるようになつていた。

しかしながら、このようなコーナー用収納庫に
あつては、キヤビネツトの内部で回転棚を回転可
能にするためには、回転棚の平面形状を円形もし
くは部分円（２分の１円、４分の３円等）に形成
しなければならないため、キヤビネツト内部の回
転棚周縁部分には、収納空間として使用できない
ロス空間がかなり生じてしまうという問題点があ
つた。

上述の問題点を解消し、キヤビネツト内部のほ
とんどを収納空間として利用しようとして実開昭
59−79033号公報等に記載されているようなコー
ナー用収納庫が考案された。

この従来のコーナー用収納庫は、前面に開口部
が設けられたキヤビネツトの内部に、前後方向へ
スライド可能な可動棚が設けられると共に、可動
棚を囲む縁部空間に固定棚が設けられたものであ
つた。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、このような従来のコーナー用収
納庫において物品の出し入れを行なう際には、可
動棚については前方へのスライドによりキヤビネ
ツトの外部まで引き出して行なうことができて
も、固定棚については、可動棚を外部まで引き出
してキヤビネツトの開口部を開放した後、キヤビ
ネツト内部の可動棚収納空間よりも奥までいちい
ち手を入れて行なわなければならず不便であつ
た。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上述のような問題点を解決すること
を目的として成されたもので、この目的達成のた
めに本考案では、部屋のコーナー部に設けられ、
前面の右部あるいは左部に開口部が形成されたキ
ヤビネツトと、該キヤビネツトの内部に左右に配
置して設けられる開口部側の第１可動棚及び奥側
の第２可動棚と、キヤビネツトの内面側と第１可
動棚との間に設けられたレール部材と、レール部
材に沿つてスライドし回転するスライドピンと、
を備え、前記第１可動棚が、レール部材に沿つて
前後方向へスライド可能に設けられると共に、前
方へのスライドにより開口部前方空間に突出した
後、開口部前方空間から開口部前方空間の側方位
置までの間で前記スライドピンによつて回転移動
可能になされ、かつ、前記第２可動棚が、左右方
向へスライド可能に設けられているコーナー用収
納庫とした。

（作用） 本考案のコーナー用収納庫において物品の出し
入れを行なう際には以下のようにして行なう。

第１可動棚における物品の出し入れは、第１可
動棚をキヤビネツトの内部に格納したままキヤビ
ネツトの開口部から行なうか、また、前方へスラ
イドさせることにより開口部前方空間まで突出さ
せて行なうか、開口部前方空間へのスライド後、
更に、開口部前方空間の側方位置まで移動させて
行なう。

第２可動棚における物品の出し入れは、第１可
動棚を開口部前方空間の側方位置まで移動させた
後、第２可動棚を右方向あるいは左方向へのスラ
イドにより開口部側へ移動させて行なう。

従つて、第１可動棚及び第２可動棚は、キヤビ
ネツトの内部に配設可能な最大限の大きさに形成
することができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面により詳述する。

まず、第１図〜第７図に示す実施例についてそ
の構成を説明する。

本実施例のコーナー用収納庫は、部屋のコーナ
ー部に配置されるキヤビネツト１と、該キヤビネ
ツト１の内部に左右に配置して設けられる第１可
動棚２及び第２可動棚３と、キヤビネツト１の側
面と第１可動棚２との間に設けられるレール部材
４と、を備えている。

キヤビネツト１は、幅広の箱状に形成され、一
方のコーナー壁面５と背面を当接させると共に他
方のコーナー壁面６に右側面を当接させて配置さ
れており、前板１１の左部には開口部１２が形成
され、かつ、該開口部１２には外方への回動によ
り開口部１２を閉鎖・開放する開閉扉１３が設け
られている。

また、このキヤビネツト１の左側方及び右前方
位置には、それぞれ収納ユニツト７，８がキヤビ
ネツト１とコーナー壁面５，６とに当接状態で設
置されている。

第１可動棚２及び第２可動棚３は、キヤビネツ
ト１の内部空間に配設可能であるほぼ最大限の大
きさに形成されている。

前記第１可動棚２は、キヤビネツト１内部の左
側即ち開口部１２側に配置されており、底板２１
と背板２２と左側板２３と棚板２４とで形成さ
れ、上面、前面及び右側面が開口されている。

この第１可動棚２の左側板２３には、後部に下
向きにスライドピン２５が突設されると共に、前
端部に係止片２６が突設されている。

前記第２可動棚３は、キヤビネツト１内部の右
側即ち奥側に配置されており、底板３１と背板３
２と右側板３３及び左側板３４と棚板３５とで形
成され、上面及び前面に開口されている。

また、前記両可動棚２，３の底板２１，３１の
４隅には、自在キヤスター９が設けられている。

レール部材４は、前記キヤビネツト１の左側板
１４内面側に設置され、第１可動棚２を、キヤビ
ネツト１の内部から開口部前方空間１５までの間
で前後方向にスライド可能にすると共に、開口部
前方空間１５とその前方位置との間を回動により
移動可能にするものである。

このレール部材４は左側板１４の水平方向ほぼ
全長に亘つて設けられたアウタレール４１と、該
アウタレール４１の前部に設けられ、アウタレー
ル４１の前方側へスライドにより突出可能なイン
ナレール４２と、により構成されており、このア
ウタレール４１及びインナレール４２には、第１
可動棚２のスライドピン２５がスライドするスラ
イド溝４３，４４が連続して形成されている。

次に、実施例の作用を説明する。

まず、キヤビネツト１の開閉扉１３を外方へ回
動させて開口部１２を開放する。

この状態においては、第１可動棚２の前面から
物品の出し入れを行なうことができる。

次に、第１可動棚２をレール部材４に沿つて前
方へスライドさせ、開口部前方空間まで突出させ
る（第４図参照）。

この状態で第１可動棚２は上面も開口されるた
め、棚板２４における物品の出し入れを上方から
行なうことができる。

ここで、スライド時におけるスライド機構の作
動について説明する。

第１可動棚２がキヤビネツト１の内部に配置さ
れている際、スライドピン２５はアウタレール４
１のスライド溝４３後端部に配置されているが、
第１可動棚２を前方にスライドさせると、スライ
ドピン２５はアウタレール４１のスライド溝４３
に沿つてスライドした後、連続してインナレール
４２のスライド溝４４に沿つてスライドする。

そして、スライドピン２５は、スライド溝４４
の前端まで達するとその後、インナレール４２を
前方へ突出させながらインナレール４２と一体に
前方移動する。

この前方移動は、インナレール４２の後端に形
成されたストツパ４５がアウタレール４１の前端
に形成された折曲片４６に当接するまで可能にな
つており、最大限スライドさせた状態でスライド
ピン２５がキヤビネツト１の前面よりも前方に配
置されるようになつている。

次に、第１可動棚２を最大限前方移動させた
後、スライドピン２５を回動軸として第１可動棚
２を左側へ90゜回動させ、開口部前方空間１５を
開放する（第５図参照）。

この時、第１可動棚２は上面、前面、側面の３
面が開口されるため、物品の出し入れがより行な
い易い状態になる。

そして、第２可動棚３において物品の出し入れ
を行なう際には、更に、第２可動棚３をキヤスタ
ー９の転動により左方にスライドさせて開口部１
２側に配置し、開口部１２から行なう。

物品の出し入れ終了後は、第２可動棚３を右方
へスライドさせて奥側へ配置した後、第１可動棚
２を右側に90゜回動させて開口部前方空間１５に
配置し、更に、第１可動棚２を後方へスライドさ
せてキヤビネツト１の内部に配置する。

この時、スライドピン２５はインナレール４２
及びアウタレール４１のスライド溝４４，４３を
後方にスライドし、突出状態になつているインナ
レール４２は係止片２６によりアウタレール４１
の内部まで押し戻されるようになつている。

以上、本考案の実施例を図面により詳述してき
たが、具体的な構成はこの実施例に限られるもで
はなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲における
設計変更等があつても本考案に含まれる。

例えば、レール部材は実施例で示した構造のも
のに限られないし、第１可動棚も棚板が支柱によ
り支持され、側面が４方向ともに開放された構造
のものであつてもよい。

（考案の効果） 以上説明してきたように、本考案のコーナー用
収納庫にあつては、第１可動棚が、レール部材に
沿つて前後方向へスライド可能に設けられると共
に、前方へのスライドにより開口部前方空間に突
出した後、開口部前方空間から開口部前方空間の
側方位置までの間でスライドピンによつて回転移
動可能になされ、かつ、前記第２可動棚が、左右
方向へスライド可能に設けられているため、物品
の出し入れが行ない易く便利であり、かつ、第１
可動棚及び第２可動棚をキヤビネツトの内部に配
設可能な最大限の大きさに形成することにより、
キヤビネツトの内部空間のほぼ全体を収納空間と
して有効的に利用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例のコーナー用収納庫を示
す横断面図、第２図は第１図の要部Ａを示す図、
第３図は実施例のコーナー用収納庫の可動棚を示
す斜視図、第４図及び第５図は実施例の作用説明
図、第６図は第５図の要部Ｂを示す図、第７図は
第１可動棚格納時の要部Ａの作用説明図である。 １……キヤビネツト、２……第１可動棚、３…
…第２可動棚、４……レール部材、１２……開口
部、１４……開口部前方空間、２５……スライド
ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 部屋のコーナー部に設けられ、前面の右部ある
   いは左部に開口部が形成されたキヤビネツトと、
   該キヤビネツトの内部に左右に配置して設けられ
   る開口部側の第１可動棚及び奥側の第２可動棚
   と、キヤビネツトの内面側と第１可動棚との間に
   設けられたレール部材と、レール部材に沿つてス
   ライドし回転するスライドピンと、を備え、前記
   第１可動棚が、レール部材に沿つて前後方向へス
   ライド可能に設けられると共に、前方へのスライ
   ドにより開口部前方空間に突出した後、開口部前
   方空間から開口部前方空間の側方位置までの間で
   前記スライドピンによつて回転移動可能になさ
   れ、且つ、前記第２可動棚が、左右方向へスライ
   ド可能に設けられていることを特徴とするコーナ
   ー用収納庫。