JPS6326049Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は可動書棚装置に関し、更に詳しくは各々
棚板にて内部を数段に区画した棚箱を前・後横方
向に配設し後列棚箱を固定状態となし、前列の各
棚箱を横方向スライド可能となすとともに当該前
列棚箱の何れか一つ又は複数個を装置本体内への
収納時において他のスライド棚箱のスライドを阻
止するストツパー棚箱となし、このストツパー棚
箱を回転引出し可能に隣接するスライド棚箱に取
付けることによつて前、後列の各棚箱への書籍等
の物品出し入れを容易にするとともに、このスト
ツパー棚箱を本体から引き出せばその配置スペー
スを利用して他のスライド棚箱のスライドを可能
となして装置本体内にデツトスペースを生ずるこ
となく収納量を増大せしめ、且つストツパー棚箱
を装置本体内に収納したときには当該ストツパー
棚箱でもつて他のスライド棚箱の不用意なスライ
ドを防止するようになしたものである。

従来の可動書棚装置は、例えば後列に３個分の
固定棚箱を設け、前列には固定棚箱と略同一寸法
の移動棚箱を２個スライド可能に設けて、後列の
固定棚箱に収納されている物品を取り出せるよう
に構成しているため、前列は後列と比較して１個
分前列の棚箱をスライド可能にするための空間を
必要としていた。この為空間が物品収納不能なデ
ツトスペースとなるだけでなく、外観を損なうこ
とになり、又前列の各棚箱は床面の僅かな傾き等
によつて簡単にスライドするという欠点があつ
た。

又、後列の棚箱への物品の出し入れの時に前列
の棚箱を書籍装置の外側方へスライドさせたり、
又は書棚の外側方へ回転引出しする構造のもので
は、書棚装置内に棚箱をスライドさせるためのデ
ツトスペースは生じないものの、書棚装置の両側
に他の棚体等が置かれた場合や、書棚装置をその
側面を室内の壁面等に当接させて設置するような
場合には後列の棚箱への物品の出し入れ作業の邪
魔になるという欠点があつた。

本案はこのような従来の欠点を除くべく考案し
たもので、以下本案の可動書棚装置を添付の実施
例にて詳説すれば、第１図及び第２図の例は前
列、後列共に３個の棚箱を並列配置し、後列の各
棚箱３…は前面開口となして装置本体の上板１底
板２間に適宜手段にて固定され、前列の棚箱４，
４′，４のうち中央の棚箱４′を除いて、これに隣
接する棚箱４，４を後列の固定棚箱３…の前側位
置において後列の棚箱に対面した状態、即ち装置
本体の幅寸法の範囲内において横方向スライド可
能なスライド棚箱となすとともに、当該中央の棚
箱４′をスライド棚箱４，４の何れか片方（図中
では右方）の前側端部に蝶番５を用いて蝶着する
ことにより前方へ回転引出し可能に連結し、装置
本体内に収納した時には隣接するスライド棚箱
４，４間に位置して両スライド棚箱のスライドを
阻止し得るストツパー棚箱４′となしている。該
ストツパー棚箱４′は前縁部横幅を両隣のスライ
ド棚箱間の間隔と略同寸となしてスライド棚箱の
スライドを阻止する機能を付与し、内奥部は蝶番
５を中心とする回転によつて両隣の棚箱間の収納
部内に収納可能な寸法となすものである。而して
このストツパー棚箱４′を前方へ回転して装置本
体内から引き出せば、このストツパー棚箱４′の
棚部及び後位の後列棚箱への物品出し入れを行う
ことができ、又引き出した後の収納部を利用して
両隣のスライド棚箱４をスライド可能となし、し
かもこのストツパー棚箱４′は連結したスライド
棚箱４のスライドによつて引出し状態のままでス
ライドさせることができ、前、後列棚箱への物品
の出し入れを行うことができるものである。而し
てストツパー棚箱４′をスライド棚箱４に回動可
能に連結する構造としては前述の蝶番５に限るこ
となく、枢支孔を有する連結板と該枢支孔に嵌合
すべき枢軸をスライド棚箱か若しくはストツパー
棚箱に設けて枢軸を中心として回動可能に連結し
てもよい。又ストツパー棚箱４′を引出した状態
でスライドさせる場合にストツパー棚箱の荷重に
よつてこれに連結したスライド棚箱が前傾するこ
とによつて該スライド棚箱のスライドを困難に
し、又ガイド及びスライダーからなるスライド機
構を破損する等のおそれがあるが、本案ではこの
問題を解決すべく、ストツパー棚箱４′と連結さ
れるスライド棚箱４の上面と装置上板１間に設け
られるスライド機構を改良している。例えば、第
３図に示すように装置上板１の下面に設けたガイ
ドレール６内に、スライド棚箱４上面に設けたロ
ーラその他のスライダー７をレールの溝方向スラ
イド可能に嵌合するとともに該スライド棚箱４の
上面にローラ等の転動部材からなるスペーサー８
を設けてこれをレール６の上壁に密接させて、該
レール内に嵌合させることによつて装置本体の上
板１下面とスライド棚板４の上板９との相対間隔
を常に一定に保ち得るようになし、もつてストツ
パー棚箱４′を引き出した場合にスライド棚箱４
に引き出し状態のストツパー棚箱による前傾荷重
がかかつても上記のスペーサー８によつて当該ス
ライド棚箱４と装置上板間の間隔を保持して前傾
を防止してスライダー、即ちスライド棚箱４のス
ライドに支障をきたすおそれは全くないのであ
る。

尚、第３，４図に示す実施例ではスペーサー８
をローラとなしており、図中１０はローラ軸、１
１は軸受金具、１２は硬質ゴム等からなる支持板
であり、スライド棚箱４の上板９に取付けられた
ナツト１３に上板９の下方から螺合した調節ネジ
１４によつて支持板１２軸受金具１１とともにス
ペーサー８を押し上げてレール６の上壁に当接さ
せるようになしている。又ストツパー棚箱４′及
びこれを連結するスライド棚箱４の前面にはスト
ツパー棚箱を引き出した状態で保持し得るように
マグネツトキヤツチ等の保持部材１５を設けてい
る。尚、第１図、第２図において１６はマガジン
ラツク部、第３図中１７は止め片を示す。

以上のようになる本案の可動書棚装置によれ
ば、前列の棚箱のうち何れか単又は複数個の棚箱
を装置の前方へ回転引出し可能に設けてストツパ
ー棚箱４′となしたので、該ストツパー棚箱４′を
本体から引き出せば、その収納空間を利用して隣
接するスライド棚箱４を横方向へスライド可能と
なして装置本体内にデツトスペースを生ずること
なく収納量を増大させるとともに前、後列の棚箱
への物品出し入れを容易にすることができるうえ
に、ストツパー棚箱４′を前方へ引き出してスラ
イド棚箱を装置本体の幅寸法の範囲内で横方向へ
スライドする構造として後列の棚箱への物品の出
し入れに際して前列のストツパー棚箱４′及びス
ライド棚箱４の何れも装置の幅寸法範囲から外側
方へ突出することがないので、書棚装置の両側に
該書棚装置と同じ奥行きの棚体等が置かれたり、
又は本書棚装置をその側面を室内の壁面へ当接し
て設置したりする場合でも後列の固定棚箱への物
品の出し入れの作業の邪魔になることもなく、又
ストツパー棚箱４′を本体内へ収納すれば隣接す
るスライド棚箱の不用のスライドを防止すること
ができ、しかもストツパー棚箱は隣接するスライ
ド棚箱の側部前縁に蝶着、若しくは枢着等の手段
にて取付けられるので前方へ回転引出し可能であ
るとともに連結されたスライド棚箱とともに横方
向へのスライドも可能となり、物品の出し入れ時
の操作をより一層容易にすることができ、更に引
き出し時のストツパー棚箱の荷重によつて、当該
ストツパー棚箱に連結するスライド棚箱が前傾し
ようとした場合でも、前記実施例の如くスライド
棚箱の上面にスペーサーを設ければ、スライド棚
箱上面と装置上板の間隔を一定に保持してスライ
ド棚箱の前傾を確実に防止することができるので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本案装置の一例を示す正面図、第２
図は同じく横断平面図、第３図はスライド棚箱の
上面部を示す拡大縦断正面図、第４図は第３図中
のＸ−Ｘ線断面図である。 １：上板、２：底板、３：後列棚箱、４：前列
スライド棚体、４′：前列ストツパー棚箱、５：
蝶番、６：レール、７：スライダー、８：スペー
サー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の棚箱を前・後列に配置し、後列の各棚箱
   を固定状態となし、前列の各棚箱の何れか一つ又
   は複数個を隣接する前列の棚箱の側部前縁に蝶着
   又は枢着にて前方へ回転引出し可能に連結してス
   トツパー棚箱とするとともに、残りの棚箱を後列
   棚箱の前側位置において後列の棚箱に対面した状
   態で横方向へスライド可能に取付けてスライド棚
   箱としてなり、前記ストツパー棚箱を前方へ回転
   引出した後の空間を利用してスライド棚箱を横方
   向へスライド可能となしたことを特徴とする可動
   書棚装置。