JPH0247824Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案はエンジンの吸気管等に流体を流入する
ための開口を開閉するための弁装置に関するもの
である。

〔従来の技術〕

従来のこの種の弁装置は第３図に示すように、
隔壁１の空気通孔２を塞ぐ板状の弁部３と、この
弁部３を先端に有するピストン４と、このピスト
ン４が収納されるとともに連通孔Ｎを有するシリ
ンダ５と、上記ピストン４を弁部３とは反対方向
に付勢して弁部３を空気通孔２より離すスプリン
グ６と、上記シリンダ５の先端側開口部７を塞ぎ
上記ピストン４の貫通孔８を有するとともにクリ
ツプＫで固定された台座９とを備え、上記シリン
ダ５の後端より空気を圧送しピストン４を空気通
孔２方向に送り出すようにして空気通孔２を塞ぐ
ようにした構成である。これにより、空気通孔２
を介する空気流量Ｐを制御できる。

しかし、従来の装置は上記のように、ピストン
４が貫通孔８との間にほとんど隙間がない状態で
摺動可能に貫通されているため、シリンダ５の後
端より空気を圧送し、ピストン４をスプリング６
に抗して空気通孔２方向に送り出す際に、ピスト
ン４とシリンダ５との間に侵入されている空気の
逃げ場がなく、ピストン４の応答性が大変悪いと
いう問題がある。

〔考案の概要〕

本考案は、従来の装置において、ピストンとそ
の貫通孔との間にクリアランスを設けると共に、
台座の先端面に弁部の裏面に密接する着座面を設
けることにより、シリンダの後端より圧送された
圧搾空気がシリンダ内に侵入された場合において
も、その空気はクリアランスからの空気通孔方向
に逃がされるため、ピストンの摺動に妨げとなる
ことがなく、よりピストンの応答性が向上され、
またピストンが非作動時においては、弁部が台座
の着座面に密着され、空気通孔からの空気がシリ
ンダ内に侵入されるのが防止され、シリンダ内の
圧力の上昇を防止でき、ピストンの作動開始の応
答性をも向上することができるところの弁装置で
ある。

〔考案の実施例〕

以下実施例に基づいて本考案を詳細に説明す
る。第１図は本考案による弁装置を示す断面図
で、図面中、１０はエンジンの吸気管等の流通路
を示しており、この流通路には別の流通路１１が
流体通孔１２を介して連通されている。通孔１２
の流通路１１側端部には弁座１３が形成され、こ
の弁座１３に対峙して流通路１１の側壁には内部
にシリンダ１４が弁座１３に向かつて形成される
シリンダ体１５が貫設される。シリンダ１４内に
は先端に前記通孔１２の弁座１３に就座可能とさ
れる円板状の弁部１６が装着されると共に、基部
にゴム等の可撓性材料で形成されるピストンカツ
プ１７がかしめによつて装着されてなるピストン
１８が摺合される。また、シリンダ１４の先端部
には、ピストン１８が貫通される貫通孔１９がほ
ぼ中央に穿設される板状の台座２０がかしめＺに
よつて固着され、シリンダ１４の先端部が閉鎖さ
れる。シリンダ１４内には、前記ピストン１８の
後部の段部２１と台座２０との間に、ピストン１
８を弁部１６とは反対方向に付勢して弁部１６を
弁座１３より離すスプリング２２が縮設される。
またシリンダ１４の後端部には、圧搾空気を吸入
してピストン１８を弁座１３方向に押圧し、弁部
１６を就座して通孔１２を閉鎖し得る吸気ポート
２３が形成される。

そして、前記台座２０の貫通孔１９とピストン
１８との間にクリアランス２４が形成されると共
に、台座２０の先端部には、前記弁部１６の裏面
に密接される着座面２５が形成される。この着座
面２５に弁部１６の裏面が密接された場合には、
シリンダ１４の先端部の気密性が保持される。な
お、弁部１６の裏面からは第２図に示すリング状
の突起Ｌが突出し、これが着座面２５に当接する
ことによりシールを完全なものとする。なお、突
起Ｌを台座２０に設けてもよい。

〔作用及び効果〕

本考案による装置は以上に述べたようであるか
ら、吸気ポート２３から圧搾空気を吸入し、ピス
トン１８をスプリング２２に抗して第１図左行す
る場合に、ピストン１８が少し左行すれば弁部１
６と着座面２５との間に隙間があき、シリンダ１
４内の空気がクリアランス２４及び同隙間から通
孔１２方向に排出されるため、ピストン１８の左
行がシリンダ１４内の空気によつて妨げられるこ
とがなく、ピストン１８の応答性をより向上する
ことができる。そして、より速く弁部１６が通孔
１２の弁座１３に就座され、通孔１２をすばやく
閉鎖できる効果を有する。また、ピストン１８の
非作動時においては、弁部１６の裏面が突起Ｌに
より着座面２５に密接され、流通路１１内の流体
がシリンダ１４の先端から内部に侵入するのを防
止でき、シリンダ１４内の圧力の上昇を防止でき
るため、次にピストン１８が作動する際により応
答性をよくすることができる効果を有するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案による装置を示す断面
図及び要部断面図、第３図は従来の装置を示す断
面図である。 １０，１１……流通路、１２……流体通孔、１
３……弁座、１４……シリンダ、１５……シリン
ダ体、１６……弁部、１７……ピストンカツプ、
１８……ピストン、１９……貫通孔、２０……台
座、２１……段部、２２……スプリング、２３…
…吸気ポート、２４……クリアランス、２５……
着座面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 隔壁の空気通孔を塞ぐ板状の弁部と、この弁
   部を先端に有するピストンと、このピストンが
   収納されるシリンダと、上記ピストンを弁部と
   は反対方向に付勢して弁部を上記空気通孔より
   離すスプリングと、上記シリンダの先端開口部
   を塞ぎ上記ピストンの貫通孔を有する台座とを
   備え、上記シリンダの後端より空気を圧送しピ
   ストンを空気通孔方向に送り出すようにして空
   気通孔を塞ぐようにした弁装置において、上記
   台座の貫通孔とピストンとの間にクリアランス
   を設け、かつこの台座先端面に弁部の裏面に密
   接する着座面を設けたことを特徴とる弁装置。 (2) 台座の先端面と弁部裏面との対向面のいずれ
   か一方に封止用の突起を設けたことを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の弁装
   置。