JPH0247362B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、自動車に具備されたサツシユレス
ドアにおけるコーナピース部構造に関するもので
ある。

従来技術 一般に、ハードトツプ等と称されるタイプの自
動車には、例えば第５図のようなサツシユレスの
フロントドア１（以下「ドア１」と称す）が設け
られており、このドア１のウエスト部１ａの前端
部に、第６図および第７図に示すようなコーナピ
ース２が上方へ向つて突設されている。このコー
ナピース２は、略直角三角形状を呈し、水平断面
が大略Ｕ字状に形成され、このコーナピース２
の、ドアウインドパネル３の前側縁部３ａに対向
する一辺部２ａには、この前側縁部３ａに弾接し
てシールを行うグラスラン４が嵌装されている。
また、車体５のドア開口周縁部５ａの、前記ウエ
スト部１ａより上側部位には、ドア１との間をシ
ールするボデイサイドウエザストリツプ６がリテ
ーナ７を介して配設される一方、ドア１の周縁部
１ｂには、車体５との間をシールするドアウエザ
ストリツプ８が装着されている。このドアウエザ
ストリツプ８は、上端部８ａがドアウエスト部１
ａまで延長されて、この上端部８ａがコーナピー
ス２の下端部２ｂに連続するように弾接されてい
る。そして、このドアウエザストリツプ８より上
側ではコーナピース２の他辺部２ｃが、ボデイサ
イドウエザストリツプ６に弾接するようになつて
いる。さらに、このコーナピース２の上端部２ｄ
にはグラスラン４の上端部４ａの下端が弾接し、
コーナピース２より上側ではグラスラン上端部４
ａが、ボデイサイドウエザストリツプ６に弾接す
るようになつている。勿論、このグラスラン上端
部４ａより上側ではドアウインドパネル３がボデ
イサイドウエザストリツプ６に弾接するようにな
つている（昭和55年11月 日産自動車(株)発行ニツ
サンローレル31型車 整備要領書384頁参照）。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、このような従来の構造にあつて
は、ドアウエザストリツプ上端部８ａとコーナピ
ース下端部２ｂとの境界部位Ａや、コーナピース
上端部２ｄとグラスラン上端部４ａとの境界部位
Ｂに、取付誤差や経時変化により隙間が発生し、
雨水等がここから車室内へ浸入する虞がある。特
に、境界部位Ｂにおいては、グラスラン上端部４
ａにボデイサイドウエザストリツプ６からの弾接
反力Ｐが作用して、グラスラン４が矢印Ｃ方向へ
倒れて、隙間が一層大きくなり、その分雨水等の
浸入量が多くなる、という問題点があつた。

問題点を解決するための手段 かかる問題点を解決するため、この発明は、サ
ツシユレスドアのウエスト部の端部に、ウインド
開口部側へ突出する基板を固定し、該基板の車内
側および車外側に、前記ウインド開口部のコーナ
部を略閉成する大きさの三角形のインナカバーお
よびアウタカバーを取り付けてコーナピースを構
成し、該コーナピースの両カバーの、ドアウイン
ドパネル側縁部に対向する両一辺部で、該一辺部
に沿つて略上下方向に配設されて前記ドアウイン
ドパネル側縁部に弾接するグラスランを挟持する
一方、前記両カバーの、車体のドア開口周縁部に
対向する両他辺部を、該他辺部に沿つて上方へ延
長されたドアウエザストリツプの延長部の溝部に
挿入することにより、該両他辺部にて該延長部を
挟持し、該ドアウエザストリツプ延長部の上端部
と前記グラスランの上端部とを接続し、該接続部
に前記両カバーの上端角部が差り込まれて該両角
部を保持する一対の袋部を形成した自動車用サツ
シユレスドアにおけるコーナピース部構造とした
ことを特徴としている。

実施例 以下、この発明を実施例に基づいて説明する。

第１図ないし第４図はこの発明の一実施例を示
す図である。

まず構成を説明すると、図中符号１１は、例え
ばハードトツプと称される自動車のサツシユレス
ドアであるフロントドア（以下「ドア」と言う）
で、このドア１１のウエスト部１１ａの前端部に
は、ウインド開口部１２のコーナ部１２ａを略閉
成する直角三角形状のコーナピース１３が突設さ
れている。

このコーナピース１３は、ドア１１に溶接され
た基板１４に、チヤンネルプレート１５が溶接さ
れると共に、インナカバー１６およびアウタカバ
ー１７が取り付けられて構成されている。具体的
には、基板１４は、鋼板製で、水平断面が略コ字
状を呈し、後端部の折曲片部１４ａに略上下方向
に沿つて配設されたチヤンネルプレート１５が溶
接されている。このチヤンネルプレート１５に
は、ドアウインドパネル１８の前側縁部１８ａに
弾接してシールを行うグラスラン１９が保持され
るようになつている。一方、インナカバー１６お
よびアウタカバー１７は、樹脂製で、略直角三角
形状に形成され、それぞれ基板１４の車内側およ
び車外側に取り付けられている。つまり、インナ
カバー１６およびアウタカバー１７には、それぞ
れ基板１４に向つて複数のボス部１６ａ，１７ａ
が突設され、このボス部１６ａ，１７ａに基板１
４を介してビス２０が螺合されて、両カバー１
６，１７が基板１４に取り付けられている。そし
て、この両カバー１６，１７の、ドアウインドパ
ネル前側端部１８ａに対向する一辺部である後側
縁部１６ｂ，１７ｂで、前記グラスラン１９、正
確にはチヤンネルプレート１５を挟持している。
一方、両カバー１６，１７の、車体２１のドア開
口周縁部２１ａに対向する他辺部である前側縁部
１６ａ，１７ｃにおいては、ドア１１の周縁部１
１ｂに装着されたドアウエザストリツプ２２が、
両カバー１６，１７の前側縁部１６ｃ，１７ｃに
沿つて上方へ延長され、この延長部２２ａの両溝
部２２ｂに両前側縁部１６ｃ，１７ｃが差し込ま
れた状態で、延長部２２ａが両前側縁部１６ｃ，
１７ｃにて挟持されている。と同時に、この延長
部２２ａに形成された切欠部２２ｃに前記基板１
４の前側の折曲片部１４ｂが係合されている。

そして、ドアウエザストリツプ延長部２２ａの
上端部とグラスラン１９の上端部とが、両カバー
１６，１７の上端の角部１６ｄ，１７ｄにおいて
接続されている。この接続部２３には、両カバー
１６，１７の両角部１６ｄ，１７ｄが差し込まれ
てこの両角部１６ｄ，１７ｄを保持する一対の袋
部２３ａ，２３ｂが形成されている。

また、車体２１のドア開口周縁部２１ａには、
従来と同様にボデイサイドウエザストリツプ２４
がリテーナ２５を介して装着され、このボデイサ
イドウエザストリツプ２４はドアウインドパネル
１８およびドアウエザストリツプ延長部２２ａと
弾接してシールするようになつている。

このような構成のコーナピース部構造とする
と、ドアウエザストリツプ２２に延長部２２ａが
形成され、さらにこの延長部２２ａがグラスラン
１９に接続されているため、従来のような境界部
位Ａ，Ｂを廃止でき、この部位Ａ，Ｂから車内へ
雨水等が浸入することなく、シール性が確保され
ることとなる。

また、ボデイサイドウエザストリツプ２４から
の弾接反力Ｐが接続部２３に作用しても、延長部
２２ａとグラスラン１９とが連続して前述のよう
に境界部位Ｂが廃止されているため、グラスラン
１９の倒れが抑制され、従来のように間隙が大き
くなることは勿論なく、シール性は確実に保たれ
る。

ところで、上方に延長されたドアウエザストリ
ツプ延長部２２ａをコーナピース１３で保持する
必要があるが、これは、２分割された両カバー１
６，１７で挟持するようにしているため、両カバ
ー１６，１７で両側から挟むだけで容易に保持作
業が行なわれることとなる。ちなみに、両カバー
１６，１７が一体となつている場合には、アリ溝
のような部位を形成してこの溝に順次延長部を挿
通しなければならず、作業が非常に面倒である。
一方、このように分割すると、第４図のように、
ドアウインドパネル１８がＸ線、チヤンネルプレ
ート１５がＹ線まで両カバー１６，１７の後側縁
部１６ｂ，１７ｂ内に入り込んでいるため、図中
斜線部分での両カバー１６，１７の取り付けが出
来なくなつている。従つて、両カバー１６，１７
の後側縁部１６ｂ，１７ｂが車内・車外側へ開い
てしまつて、外観品質が悪化すると共に、車両走
行時のドアウインドパネル１８の振動等によつて
振動してしまい異音発生の原因ともなる。しか
し、この発明によると、接続部２３の袋部２３
ａ，２３ｂに、両カバー１６，１７の後側縁部１
６ｂ，１７ｂの角部１６ｄ，１７ｄが保持されて
いるため、後側縁部１６ｂ，１７ｂの開きや振動
等が抑制されて、外観品質が良好に保たれると共
に、異音発生が防止されることとなる。

なお、この実施例ではチヤンネルプレート１５
を設けていたが必ずしも必要でなく、グラスラン
１９を両カバー１６，１７に直接装着するように
しても良いことは勿論である。

発明の効果 以上説明してきたように、この発明によれば、
ドアウエザストリツプ延長部とグラスランの延長
部とを連続させることによりシール性の向上が図
られる。また、コーナピースのカバーを２分割構
造とし、ドアウエザストリツプ延長部の溝部に、
その両カバーの両他辺部を嵌合させて、両カバー
にてその延長部を挟持するようにしているため、
この両カバーにてその延長部との間のシール性も
確保することができると共に、取付け作業性を向
上させることができる。しかも、ドアウエザスト
リツプ延長部とグラスランの延長部に袋部を形成
しているため、この袋部にて、両パネルを保持す
ることができ、外観品質の確保および異音発生の
防止を図ることができると共に、両カバーの上端
角部を袋部に差し込むことにより、接続部の剛性
を高め、接続部の車内・車外への倒れを確実に防
止することができる、という実用上有益な効果を
発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図はこの発明の自動車用サツ
シユレスドアにおけるコーナピース部構造の一実
施例を示す図で、第１図は第２図の−線に沿
う断面図、第２図はコーナピース部における自動
車の側面図、第３図はドアウエザストリツプとグ
ラスランとを示す斜視図、第４図はサツシユレス
ドアのコーナピース部を示す側面図、第５図ない
し第７図は従来の自動車用サツシユレスドアにお
けるコーナピース部構造を示す図で、第５図は自
動車の側面図、第６図は第５図のＺ部の拡大図、
第７図は第６図の−線に沿う断面図である。 １１……フロントドア（サツシユレスドア）、
１１ａ……ウエスト部、１２……ウインド開口
部、１２ａ……コーナ部、１３……コーナピー
ス、１４……基板、１６……インナカバー、１７
……アウタカバー、１６ｂ，１７ｂ……後側縁部
（一辺部）、１６ｃ，１７ｃ……前側縁部（他辺
部）、１６ｄ，１７ｄ……角部、１８……ドアウ
インドパネル、１８ａ……前側縁部（側縁部）、
１９……グラスラン、２１……車体、２１ａ……
ドア開口周縁部、２２……ドアウエザストリツ
プ、２２ａ……延長部、２３……接続部、２３
ａ，２３ｂ……袋部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ サツシユレスドアのウエスト部の端部に、ウ
   インド開口部側へ突出する基板を固定し、該基板
   の車内側および車外側に、前記ウインド開口部の
   コーナ部を略閉成する大きさの三角形のインナカ
   バーおよびアウタカバーを取り付けてコーナピー
   スを構成し、該コーナピースの両カバーの、ドア
   ウインドパネル側縁部に対向する両一辺部で、該
   一辺部に沿つて略上下方向に配設されて前記ドア
   ウインドパネル側縁部に弾接するグラスランを挟
   持する一方、前記両カバーの、車体のドア開口周
   縁部に対向する両他辺部を、該他辺部に沿つて上
   方へ延長されたドアウエザストリツプの延長部の
   溝部に挿入することにより、該両他辺部にて該延
   長部を挟持し、該ドアウエザストリツプ延長部の
   上端部と前記グラスランの上端部とを接続し、該
   接続部に前記両カバーの上端角部が差し込まれて
   該両角部を保持する一対の袋部を形成したことを
   特徴とする自動車用サツシユレスドアにおけるコ
   ーナピース部構造。