JPH0247259Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は遠心式リコイルスタータのラチエツ
ト取付け構造に関するものである。

（従来の技術） 第３図は従来のこの種リコイルスタータの断面
図で、図に示すように、ロープ１の一端を引く
と、リール２が回転する。一方、エンジンに直結
したスタータプーリ３にはラチエツト４が回動可
能に取付けられ、このラチエツト４の爪と前記リ
ール２の円筒部に設けた歯車５とがラチエツト４
の回動軸４ａに取付けたリタンスプリング６によ
つて噛み合い、スタータプーリ３が回転してエン
ジンを始動するようになつている。なお、エンジ
ンの始動後はラチエツト４と歯車５は遠心力によ
つて噛み合いは解除される。なお７は機枠、８は
ゼンマイを示す。上記のようなリコイルスタータ
において、ラチエツト４のプーリ３への取付け
は、第４図ａ，ｂに示すように、ラチエツト４の
回動軸４ａをプーリ３の穴３ａ又は３ｂに貫通さ
せ、貫通後はＥ形止め輪９を軸端部に設けた溝に
嵌め込んで抜け出さないよう保持する構造であつ
た。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上記構成のラチエツト４ではプ
ーリ３にラチエツト４を軸支するためにはリタン
スプリング６の外にＥ形止め輪９が必要で、その
上、Ｅ形止め輪９とプーリ３の摺動部に微量のグ
リスを摩耗対策として塗布する必要があるという
問題点があつた。

したがつて、この考案は前記従来技術が持つて
いた問題点を除去し、その上、部品点数を削除し
て組立工数を大巾に削減できるラチエツト構造を
提供するものである。

（問題点を解決するための手段） この考案は前記問題点を解決するため遠心式リ
コイルスタータのラチエツト構造において、ラチ
エツトの回動軸の先端部に突部を有しかつ回動軸
の軸方向に割り溝を設けて、プーリの穴に軸径を
小さく変形させて貫通させ、貫通後の復元力を利
用して係合・軸支せしめるようにしたものであ
る。

（作用） この考案によれば、以上のようにラチエツトを
構成したので、従来のようにＥ形止め輪が不要と
なり、単に回動軸を押し込むのみで、その復元に
よつて組立てが完了し、さらにグリスアツプの必
要もなくなる。

（実施例） 第２図は本考案ラチエツト構造の一実施例を示
す平面図であつて、ラチエツト１０の回動軸１０
ａの先端に突部１０ｂを設け、この回動軸１０ａ
に軸方向の割り溝１０ｃを設けるようにしたもの
である。

このようにしたラチエツト１０の取付けには、
第１図に示すように軸径を小さく変形させプーリ
３の穴３ａ又は３ｂに貫通させるだけで、回動軸
１０ａの復元力によつて自然に元の形状になるの
で、そのまま回動軸１０ａと係合し、プーリ３の
穴３ａ又は３ｂから抜けることはない。したがつ
てラチエツト１０の回動軸１０ａを単に押し込む
だけで組立てが完了する。したがつて従来のよう
な止め輪を使用しないので、グリスアツプの必要
もない。

（考案の効果） 以上詳細に説明したように、本考案によればラ
チエツトの回動軸先端に突部を有し、かつ回動軸
の軸方向に割り溝を設け、ラチエツトをプーリの
穴に押し込むだけで組立てができるようにしたの
で、部品点数、すなわちＥ形止め輪が削減でき、
その上組立工数が大巾に削減できる。またＥ形止
め輪を使用しないのでグリスアツプの必要がなく
なる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは本考案ラチエツト取付け構造を
示す断面図及び側面図、第２図は本考案ラチエツ
トの平面図、第３図は従来のリコイルスタータの
断面図、第４図ａ，ｂは従来のラチエツト取付け
構造を示す断面図及び側面図である。 １……ロープ、２……リール、３……スタータ
プーリ、４……ラチエツト、５……歯車、６……
リタンスプリング、７……機枠、８……ゼンマ
イ、９……Ｅ形止め輪、１０……ラチエツト、１
０ａ……回動軸、１０ｂ……突部、１０ｃ……割
り溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ロープを引くことによりリールを回転せしめて
   リールに取付けた歯車と、エンジンに直結したス
   タータプーリに回動可能に取付けたラチエツトの
   爪との噛み合いでエンジンを始動する遠心式リコ
   イルスタータにおいて、ラチエツトの回動軸部先
   端に突部を有し、かつ軸方向に割り溝を設けてプ
   ーリの穴に軸径を小さく変形させて貫通させ、貫
   通後はその復元力を利用して係合・軸支せしめる
   ことを特徴とするリコイルスタータのラチエツト
   取付け構造。