JPH0247126Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、バルコニーの棚体等に取付けて壁面
を構成するのに利用される複合パネルに関する。

（従来の技術） 従来、表面板と裏面板とを備えた複合パネルを
バルコニーの棚体等に取付ける場合、例えば第５
図に示すように複合パネル１の表面板２内面にナ
ツト３を溶接するか、もしくは該表面板２の背面
側へコ字状に折り返した側枠部２ａの背面片２ｂ
にナツト３をかしめて固着しておき、裏面側から
棚体の桟４および裏面板５を貫通してボルト６を
ナツト３に螺合させて締付け固定するのが一般的
である。

しかしながら、このような複合パネル１では、
ナツト３の溶接またはかしめに多大の手間を要す
ると共に、これに使用する溶接機やかめし機等の
治工具が必要となり、製作および備品コストが高
く付く欠点があり、また材質によつては上記溶接
やかかめしが困難ないし不可能な場合があつた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、上述従来の複合パネルがその組付け
用のナツトの固着に多大の手間と専用の治工具が
必要であり、且つ材質が制約されるという問題点
を解決し、もつて製作および組付けが容易で広範
な材質を任意に選択使用できる複合パネルを提供
するこそとを目的としている。

（問題点を解決するための手段） 本考案に係る複合パネルは、上記目的におい
て、背面側へコ字状に折り返した側枠部を有する
と共に、該側枠部の背面片の要所にその端縁に開
放した略Ｕ字状切欠部を形成した表面板と、周面
に上記略Ｕ字状切欠部に嵌合する係止溝を設けた
多角ナツトと、上記表面板の略Ｕ字状切欠部に対
向する縁部位置に上記ナツトの多角周面と適嵌合
する角形切欠部を形成した裏面板とから構成した
ものである。

（実施例） 以下、本考案を図示実施例に基づいて説明す
る。

第１図〜第３図で示すように、略方形の複合パ
ネル１１は、曲げ加工にて背面側へコ字状に折り
返し形成した左右側枠部１３，１３および上下側
枠部１４，１４を有して浅い箱形をなす表面板１
２と、平板状の裏面板１５と、複数個の六角ナツ
ト１６…とから構成されている。

しかして表面板１２は、左右側枠部１３，１３
の各背面片１３ａにその端縁に開放した上下２ケ
所のＵ字状切欠部１７，１７と上中下３ケ所の挿
通孔１８ａ…が形成されており、上下側枠部１
４，１４の各背面片１４ａの両端部が左右側枠部
１３，１３のそれと重合せずに同一平面をなすよ
うに切除部１９が形成されている。また各角形ナ
ツト１６は周面に上記表面板１２のＵ字状切欠部
１７に嵌合し得る係止溝２０が設けてある。この
係止溝２０の底面線はナツト１６軸線を中心とす
る円形をなし、その幅が表面板１２の背面片１３
ａの厚みと略一致するように設定されており、ま
た係止溝２０にて区切られたナツト１６の後端部
１６ａの幅は裏面板１５の厚みと略一致するよう
に設定されている。一方、裏面板１５は、左右縁
部に表面板１２の各Ｕ字状切欠部１７と対向位置
してナツト１６の六角周面に適嵌合し得る角形切
欠部２１，２１と、表面板１２の各ブラインドリ
ベツト挿通孔１８ａに対向位置した同様のブライ
ンドリベツト挿通孔１８ｂ…とが形成されてい
る。

上記構成の複合パネル１１をバルコニーの棚体
等に組付けるには、表面板１２の各Ｕ字状切欠部
１７にナツト１６をその係止溝２０を介して嵌合
係止させ、裏面板１５をその各角形切欠部２１が
ナツト１６の後端部１６ａに嵌合するように表面
板１２の背面側に重合する。この時、ナツト１６
は、表面板１２の背面片１３ａと裏面板１５とに
両側から挟み付けられて垂直面内各方向に対して
移動不能になると共に、係止溝２０とＵ字状切欠
部１７との嵌合により前後方向にも移動不能とな
り、且つ後端部１６ａと裏面板１５の角形切欠部
２１との嵌合によつて回転止めされた状態とな
る。次に第４図で示すように、棚体の縦桟２２に
裏面側から挿通させたボルト２３をナツト６に螺
合して締め付けることにより、組付けが完了す
る。すなわち、この組付けと同時に複合パネル１
１の組立てが行われる。２４は座金である。尚、
表面板１２と裏面板１５とをブラインドリベツト
挿通孔１８ａ，１８ｂを介してブラインドリベツ
ト２５にて適宜固着してもよい。

上記実施例では六角ナツト１６を用いたが、こ
れ以外に四角ナツト等の他の角形ナツトも同様に
使用でき、その角形に応じて裏面板１５の角形切
欠部２１の形状を設定すればよい。また本考案で
は多角ナツトの嵌合位置および使用個数は組付け
強度や組付け対象物に応じて種々変更できる。

（考案特有の効果） 本考案に係る複合パネルは、その組付けに利用
するナツトを表面板等に固着する必要がないか
ら、該固着に要する溶接やかしめの手間が省か
れ、固着用の治工具も不要であり、その製作およ
び備品コストが大きく低減され、また棚体等への
組付け時に同時にパネルの組立てが完了するか
ら、施工現場まで部品状態で搬送でき、しかも極
めて簡単な操作にて確実に強固に組付けを行え
る。更に本考案の複合パネルは、その材質が制約
されず、例えば溶接困難な表面処理鋼板やアルミ
ニウム等の非鉄金属板、プラスチツク等の非金属
板をもパネル材として利用可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係る複合パネルの展
開斜視図、第２図Ａは同実施例に使用した六角ナ
ツトの側面図、第２図Ｂは同ナツトの一部切欠正
面図、第３図は同複合パネルの組立て状態におけ
る要部の背面図、第４図は同複合パネルの棚体へ
の組付け状態を示す要部の水平断面図、第５図は
従来の複合パネルの棚体への組付け状態を示す要
部の水平断面図である。 １……複合パネル、１２……表面板、１３……
側枠部、１３ａ……背面片、１５……裏面板、１
６……六角ナツト、１７……Ｕ字状切欠部、２０
……係止溝、２１……角形切欠部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 背面側へコ字状に折り返した側枠部を有すると
   共に、該側枠部の背面片の要所にその端縁に開放
   した略Ｕ字状切欠部を形成した表面板と、周面に
   上記略Ｕ字状切欠部に嵌合する係止溝を設けた多
   角ナツトと、上記表面板の略Ｕ字状切欠部に対向
   する縁部位置に上記ナツトの多角周面と適嵌合す
   る角形切欠部を形成した裏面板とを備えた複合パ
   ネル。