JPH0246773Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、洗面ユニツトの改良に関し、詳しく
は洗面場の壁面とは別体のキヤビネツトとして形
成された洗面ユニツトの改良に関する。

〈従来の技術〉 従来洗面ユニツトとして、洗面者の身長や椅子
に座つた状態での洗面の便を図るべく洗面ボウル
等の洗面装備が、上下に摺動するものが提案され
ている。例えば洗面場の壁面に上下へ伸びるレー
ルをあらかじめ設けておき、これのレールと対応
するコロ等を背面に備えた洗面ボウルをレールに
固定するものが提案されていた。

上記のように室内に施工することを臨まない場
合は、壁面とは別体のキヤビネツト状にユニツト
を形成し、これに上記摺動手段を施して実施する
ものが使用された。この場合キヤビネツト内にレ
ールを納めることか前提となるので、レールの大
きさ（横断面積）は著しく制限される。従つて洗
面ボウルを長期に渡つて確実に支持する（洗面ボ
ウルがユニツト本体から脱落しない）為には、洗
面ボウル底面と床との間に別途支持体を介して、
洗面ボウルの自重或は洗面の際に懸かる力によつ
て生じ且つ洗面ボウル基部を中心とするモーメン
トを減殺することを要した。

〈考案が解決しようとする課題〉 ところが、このような場合使用者が洗髪等椅子
に座つて洗面ボウルへ臨む場合足を置く場所が上
記支持体によつてふさがれ、中腰になるか、或は
極端に両足を開く等無理な姿勢を強要された。

本考案は上記課題の解決を目的とする。

〈課題を解決するための手段〉 そこで本考案は、建造物とは、別体に形成され
た洗面ユニツトにおいては、ユニツト本体をなす
固定部分と、固定部分前面に位置する洗面装備部
とを有してなり、ユニツト本体は中空であり、そ
の内部に上下へ伸びる適宜数のレールが固定され
ており、更に本体前面の少なくとも上記レールと
対応する位置は外部に開口する長孔が形成されて
おり、固定部分と別体に形成された上記洗面装備
部は、洗面ボウルを前面に有し且つ固定部分前面
を臨む側に滑車が突出しており、この滑車が上記
長孔を通り固定部分内部のレールと係合すること
によつて洗面装備部は固定部分前面へ当接した状
態に支持されると共に固定部分に対して上下に摺
動可能となつており、上記洗面ボウルは、基部即
ち固定部分と当接する側の下方周縁に、固定部分
前面へ当接した状態で下方へ突出する舌片を有す
るものであることを特徴とする洗面ユニツトの提
供を図るものである。

〈作用〉 滑車がレールに沿つて転がることによつて、レ
ールに沿つて洗面装備部が摺動するに際し、洗面
ボウルの舌片は、固定部分前面に当接しているた
め、洗面ボウルの手前に力が懸かつた場合或は洗
面ボウルの自重によつて生じた洗面装備部基部を
中心とするモーメントが減殺される。

〈実施例〉 以下図面を参照して本考案の好適な実施例につ
いて説明する。

第１図は本考案の洗面ユニツトの正面図、第２
図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第３図は第１図の
Ｂ−Ｂ線断面図である。

まず本考案の主構成を述べる。洗面ユニツト本
体は、建造物とは、別体に即ちキヤビネツト状に
形成される。

ユニツト本体は、ユニツト本体をなす後述の固
定部分Ｆと、固定部分Ｆ前面に位置する洗面装備
部Ｍとを有する。ユニツト本体は中空であり、内
部に上下へ伸びる適宜数の垂直レール２０が固定
されている。更に本体前面の少なくとも上記レー
ル２０と対応する位置は外部に開口する長孔３０
が形成されている。固定部分Ｆと別体に形成され
た上記洗面装備部Ｍは、洗面ボウル４を前面に有
し且つ固定部分Ｆ前面を臨む側にコロ２１が突出
している。このコロ２１が上記長孔３０を通り固
定部分Ｆ内部のレール２０と係合することによつ
て洗面装備部Ｍは固定部分Ｆ前面へ当接した状態
に支持される。このような構成をとることによつ
て固定部分Ｆに対して洗面装備部Ｍは上下に摺動
可能となつている。上記洗面ボウル４は、基部即
ち固定部分Ｆと当接する側の下方周縁に、固定部
分Ｆ前面へ当接した状態で下方へ突出する舌片３
１を有する。舌片３１は正面視した際矩形となる
よう形成されているが、矩形に限定するものでは
なく、他の形状であつても実施可能である。舌片
３１の肉厚は、足を伸ばすに邪魔とならない程度
のものである。本実施例において、洗面ボウル４
の一部が本体内部に入る構成を取つている為洗面
ボウル４の摺動する範囲に渡つて、上記長孔３０
は幅が広くなつており、上記ボウル４の一部が本
体へ挿入された状態で摺動可能となつている。第
２図においては現れないが、本体上部前面のF′位
置において、少なくともコロ２１が挿入可能な幅
に形成された状態の長孔３０が伸びている。

第２図に示すように、洗面ボウル４へかかる力
P₁によつて生じたモーメントＴは、舌片３１で
生ずる抗力P₂によつて打ち消される。

次に本考案の細部について詳述する。１が鏡
で、鏡１の下端には拡大鏡２が埋設されている。
この拡大鏡２は、口の中などを拡大して見るため
のものである。鏡１の左右端には２本の直管蛍光
灯３，３が立設している。鏡１の下方には前面に
突出している洗面ボウル４があり、その上部には
水道の蛇口５が取り付けられている。１から５ま
での各部材が一体となつて、洗面装備部Ｍを構成
し、第２図の破線の如く固定部分Ｆに対し）上下
に摺動可能となつている。

一方後述する固定部分Ｆは、洗面ハウジング６
内に次のものがユニツト化されている。先ずユニ
ツト本体上へ位置する部鏡１の右方には、３段の
棚７が水平に設けられている。勿論段数はこれ以
上であつてもこれ以下であつても実施可能であ
る。のこ棚７は、歯磨きやクリーム等の洗面用具
や、歯科器材等の小物が収納できるものである。
棚７の前面には、蝶番８，８によつて片開きの扉
９が開閉自在に取り付けられている。

この扉９の内面には、磁性板となる鉄板１０が
サンドイツチ状に埋設され、表面にはメラミン化
粧板が覆装されている。これにより、メモ書きし
た用紙等を丸型やゴムバンド状の磁石片を介し
て、扉９の表面に仮止めすることが出来る。

扉９の下方には、歯ブラシ立て１１が、又その
下方には電源差し込み用のコンセント１２が取り
付けられている。ハウジング６の右下方には、ゴ
ミ箱１３が内臓されており、コンセント１２の下
部には、ゴミ投入口１４が穿設されている。この
ゴミ投入口１４の下部には折り畳み式テーブル１
５がユニツト化されており、蝶番１６によつて常
時垂直に吊り下げられている。テーブル１５を使
用する際は、鉛直につり下げられているテーブル
の下端を持つて、水平となるように手前に起こ
し、係止具１７を立ててテーブル１５下面を支持
させる。６から１７までの各部材が一体となつ
て、前述の固定部分Ｆを構成している。しかし、
棚７や歯ブラシ立て１１、コンセント１２は、洗
面装備部Ｍ側に固定され、洗面装備部Ｍと共に摺
動するものとして構成することも可能である。

固定部分Ｆと洗面装備部Ｍとの間において、洗
面ボウル４の排水口１８は、可撓性ホース１９に
よつて結ばれている。又同様に水道の蛇口５もフ
レキシブルホース（図示しない）にて結ばれてい
る。

前述した通り固定部分Ｆ（本体内部）には垂直
レール２０が立設されており、レール内には洗面
装備部Ｍに連結されたコロ２１が、上下に摺動し
うるように当接する。レール２１は断面がコの字
形に形成され、このコの字の内部にコロ２１が保
持される。

〈考案の効果〉 洗面場等の壁面とは別体の即ちキヤビネツト状
に形成された洗面ボウルの摺動可能な洗面ユニツ
トにおいて、洗面ユニツトに対する洗面ボウルの
堅牢な保持が可能となつた。従つて洗面ユニツト
と床との間に洗面ユニツトを補助的に支持する支
持体を不要せしめ、洗面ユニツトの下に足を伸ば
すことが可能となり、椅子に座して快適な洗面・
洗髪等が行なえる。更に舌片を設けることによつ
て、ブレを排し洗面装備部の摺動が安定し、円滑
に行える。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す正面図であ
る。第２図は、第１図のＡ−Ａ線断面図であり、
第３図は、第１図のＢ−Ｂ線断面図である。 ４……洗面ボウル、３１……舌片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建造物とは、別体に形成された洗面ユニツトに
   おいて、ユニツト本体をなす固定部分と、固定部
   分前面に位置する洗面装備部とを有してなり、ユ
   ニツト本体は中空であり、その内部に上下へ伸び
   る適宜数のレールが固定されており、更に本体前
   面の少なくとも上記レールと対応する位置は外部
   に開口する長孔が形成されており、固定部分と別
   体に形成された上記洗面装備部は、洗面ボウルを
   前面に有し且つ固定部分前面を臨む側に滑車が突
   出しており、この滑車が上記長孔を通り固定部分
   内部のレールと係合することによつて洗面装備部
   は固定部分前面へ当接した状態に支持されると共
   に固定部分に対して上下に摺動可能となつてお
   り、上記洗面ボウルは、基部即ち固定部分と当接
   する側の下方周縁に、固定部分前面へ当接した状
   態で下方へ突出する舌片を有するものであること
   を特徴とする洗面ユニツト。