JP4102049B2 - 浴室構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、防水床と浴槽とを備える浴室構造に係り、特に、高齢者や身体に障害を有する人が好適に使用することができる浴室構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の浴室として、実用新案登録公報第2564327号公報に記載の浴室がある。この公報に記載の浴室は、浴槽に隣接して移乗台を備え、浴槽の一側とこれに相対する室壁との間に配設スペースを形成し、配設スペース内に移乗台を配備すると共に、室壁には移乗台の上方に突出する使用位置と、室壁に設けた凹部に収容されて室壁内に埋没する未使用位置との間を回動自在に配設される水栓を設置してなるものである。また、浴槽の他側に隣接して立ち上がる室壁に沿って、移乗台と相対するカウンターを設け、洗い場面におけるカウンター手前側を通常の使用スペースとする一方、洗い場面における移乗台周辺を、非健常者等の使用スペースとするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記構造の浴室は、移乗台は比較的大型に形成され主として浴槽への出入り用として使用する移乗台部と、これより一回り小さく形成され主として洗い座として使用する座部とからなり、両者ともに方形状の天板四角に固定脚若しくは移動脚を垂設して形成されている。このため、使用者が天板の端に座ったとき等、移乗台が持ち上がってしまう虞があった。また、天板四角に4本の脚部を設けており、構成が複雑になりコストの増大を招いていた。
【0004】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、簡単な構成で移乗台となる移乗用板を安定して設置でき、高齢者や身障者等が安心して使用することができ、コストダウンを達成できる浴室構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成すべく、本発明に係る浴室構造は、床部の端部に立上壁が立設された防水床と、前記床部に設置される浴槽とを備える浴室構造であって、前記立上壁及び前記浴槽の各々に水平方向に突出した凸条の支持部を設け、対向する支持部間に移乗用板の凹溝をスライド嵌合させて着脱自在に設置することを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係る浴室構造の好ましい具体的な態様としては、前記浴槽は、下方に開口する凹部が外周部に形成された浴槽本体と、該凹部に挿入する挿入部を有し前記浴槽本体に固定されるエプロンとを備え、前記浴槽側の支持部は、前記挿入部に隣接して前記エプロンに形成されていることを特徴としている。
【0008】
さらに、本発明に係る浴室構造において、前記移乗用板は、前記支持部に着脱自在となす嵌合状態で取り付けられていることが好ましい。
前記防水床は両側と奥行部の3面に立上壁が立設され、該3面の立上壁に連続して前記支持部が形成され、前記両側の立上壁に設けられた支持部のいずれか一方と浴槽側の支持部とに前記移乗用板が設置されていることが好ましい。
前記浴槽は、浴槽本体と、前記浴槽本体の一側面に固定されるとともに浴槽側の支持部が形成されたエプロンとを備え、さらに、浴槽本体の他側面が、前記立上壁の他方に対接して配置されていることが好ましい。
【0009】
このように構成された本発明の浴室構造は、立上壁と浴槽に設けた支持部に移乗用板を設置するという簡単な構成により、移乗用板を安定して設置固定することができ、身障者等が安心して腰掛けて身体を洗うことができ、この移乗用板を利用して入浴も容易に行える。浴槽本体にエプロンを固定し、このエプロンに支持部を形成して移乗用板の一方を浴槽に設置すると、簡単な構成で浴槽と立上壁に安定して移乗用板を設置できる。また、エプロンは浴槽本体の凹部に挿入して固定でき、浴槽本体への固定が容易に行える。浴槽の両側の凹部に選択的にエプロンを挿入できるため、浴槽の両側の一方側を選択して移乗用板を固定できる。さらに移乗用板と浴槽のリブの厚さが略等しいので段差ができず、浴槽への入浴が滑らかに行える。
【0010】
上記のように構成された本発明の浴室構造において、前記移乗用板を、前記支持部に着脱自在となす嵌合状態で取り付けるようにすると、移乗用板の不要時に簡単に取り外すことができ、移乗用板下方の清掃等が容易に行える。
また、前記防水床の両側と奥行部の3面に立上壁を立設し、該3面の立上壁に連続して前記支持部を形成し、前記両側の立上壁に設けられた支持部のいずれか一方と浴槽側の支持部とに前記移乗用板を嵌入して設置するようにすると、左マヒ、右マヒのいずれであっても、入浴する人の利用し易い側を選択して移乗板を設置でき、洗体や入浴を容易に行える。
また、前記浴槽は、浴槽本体と、前記浴槽本体の一側面に固定されるとともに浴槽側の支持部が形成されたエプロンとを備え、さらに、浴槽本体の他側面を前記立上壁の他方に対接して配置すると、簡単な構成で浴槽と立上壁に安定して移乗板を設置できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る浴室構造の一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る浴室構造の斜視図、図2は、図1のA−A線断面図、図3は、図1のB−B線断面図である。図1〜3において、防水床1は、平面形状が長方形状の浴槽配置床2aと洗い場床2bとを備える床部2と、床部2の浴槽配置床2aから立設した立上壁3、4、5とを備えている。この例では、立上壁3、4、5は浴槽配置床2aの洗い場床2bと面する面以外の3面から鉛直方向に立設されている。すなわち、立上壁3、4、5は、洗い場床2bから見ると両側と奥行部の3面に立設されている。
【0012】
浴槽配置床2aは洗い場床2bより床面が低く設定され、洗い場からの水が浴槽配置床2aに流れるように構成されている。防水床1は浴槽10が配置され浴槽内の水を支持すると共に人が入浴するため、所定の強度を有するFRP(繊維強化プラスチック)等で形成されている。洗い場床2bの床面は、浴槽配置床2aの方向に水が流れるように勾配がつけてあり、洗い場床2bの浴槽配置床2aの近傍には排水溝6が形成されている。排水溝6の排水口と、浴槽配置床2aの排水口(共に図示せず)は、合流されて排水管に接続される。
【0013】
洗い場床2bにも浴槽配置床2aと対向する面以外の3面に、高さの低い壁部7が立設され、防水性能を向上させている。浴室へ入室するドア(図示せず)は、この低い壁部7の上部に設置される。立上壁3、4、5は上部に2段の水平面で構成される壁パネル載置部と支持部が形成され、上方の壁パネル載置部3a、4a、5aと下方の支持部3b、4b、5bが形成され、両者は水平面で連続している。壁部7は上部に1段の水平面で連続して構成される壁パネル載置部7aが形成されている。立上壁の上方の壁パネル載置部3a、4a、5aと、壁部7の壁パネル載置部7aは図示していない壁パネルや浴室ドアの載置面とされる。下方の支持部3b、4b、5bは、浴槽10と共に、後述する移乗用板20を設置するものであり、水平方向の幅がwに設定されている。
【0014】
ここで、浴槽配置床2aに配置される浴槽10について、図4を参照して説明する。浴槽10は浴槽本体11と、浴槽本体の前面に固定されるフロントエプロン12と、浴槽本体の左右両側側面に固定されるサイドエプロン13とから構成される。浴槽本体11はFRP等で形成され、水を入れる湯船11aと、湯船の周縁に水平方向に延出された水平状の框11bと、框から垂下するリブ11cとから構成され、リブ11cの内側には下方に開口する凹部11d(図2参照)が形成されている。
【0015】
フロントエプロン12は平板状のプラスチック板材から形成され、上部の1辺には浴槽本体11のリブ11cの厚さと略等しい段差部が形成され、この段差部により形成された挿入部12aがリブ11cの内側の凹部11dに挿入する構成となっている。このため、浴槽本体11の凹部11dにフロントエプロン12の挿入部12aを挿入して固定すると、浴槽10の前面のリブ11cとフロントエプロン12の前面は面一となるように構成されている。
【0016】
サイドエプロン13の横幅は、浴槽本体11の奥行からフロントエプロン12の厚さと、立上壁4の2段目の支持部4bの幅wを引いた幅に設定されており、正面から見たときフロントエプロン12の後方にサイドエプロン13が位置してサイドエプロンの厚さが見えないフロントエプロンがちとなっている。そして、サイドエプロン13はフロントエプロン12より肉厚の大きい平板状のプラスチック板材から形成され、上部の1辺にはリブ11cの厚さより大きい段差部が形成され、この段差部により形成された挿入部13aが、浴槽本体11の全周に形成されたリブの内側の凹部11dに挿入する構成となっている。
【0017】
このため、浴槽本体11の凹部11dにサイドエプロン13の挿入部13aを挿入すると、リブ11cの外面に対しサイドエプロン13の側面は側方に突出し、挿入部13aに隣接して水平な支持部13bが形成される。この段差により形成された支持部13bは、立上壁3、4の2段目の支持部3b、4bと同じ高さに設定されている。本実施の形態の浴槽10は、浴槽本体11の前方にフロントエプロン12を固定し、一方の側にサイドエプロン13を固定して構成される。このように浴槽10は、浴槽本体11とフロントエプロン12、サイドエプロン13とから構成され、支持部(段差部)を必要に応じて一方の側に設けることができ、浴槽10に対して移乗用板20は、必要に応じて左右どちらの側にも載置固定することができる。
【0018】
移乗用板20は平面形状が長方形状で、ABS等のプラスチック板で形成され、複数の水抜き用の貫通孔21が穿設されている。移乗用板20の厚さtは、浴槽本体11の全周に形成したリブ11cの垂直方向の高さhと略等しく設定されている。移乗用板20は、図示の例では前面端部が開放状態であり、左側面端部及び奥側の端部は立上壁3、4の2段目の支持部3b、4bに設置され、右側面端部はサイドエプロン13の段差により形成された支持部13bに設置される。そして、移乗用板20は設置された状態を保持するように、L字金具25と固定ねじ26により立上壁3とサイドエプロン13に固定され、台として機能する。
【0019】
浴槽配置床2aの奥側の下方角部には、床面から所定距離上昇した規制面2cが一体的に形成され、規制面2cのサイドエプロン13と対向する位置に位置決め凹部2dが形成されている。この位置決め凹部2dの幅はサイドエプロン13の下方の厚さと一致している。サイドエプロン13は上部が浴槽本体11のリブ11cの内側の凹部11dに挿入され、下方が位置決め凹部2dにより規制されて安定状態となる。
【0020】
前記の如く構成された本実施形態の浴室構造の動作について以下に説明する。浴槽本体11の前方のリブ11cにより形成された凹部11dに、フロントエプロン12の上部の挿入部12aを挿入して固定する。また浴槽本体11の左方のリブ11cにより形成された凹部11dに、サイドエプロン13の上部の挿入部13aを挿入して固定する。フロントエプロン12の前面と浴槽本体11のリブ11cの前面は面一となるが、サイドエプロン13の側面はリブ11cから突出して水平の支持部13bが形成される。これにより浴槽10は、浴槽本体11にフロントエプロン12とサイドエプロン13を固定されて一体化する。
【0021】
この浴槽10を防水床1に配置固定する。浴槽10は洗い場床2bより1段低い浴槽配置床2aに落とし込まれて配置され、このときサイドエプロン13の奥側の下端部が位置決め凹部2dに挿入するように配置する。浴槽10の右面はサイドエプロン13が無い状態で立上壁5に対接する。このとき、右側の支持部の上に右側の框11bが位置するようになされている。一方、浴槽10の左側面と左の立上壁3との間は空間となる。この空間部分に移乗用板20を設置して固定する。移乗用板20は左の端部と奥側の端部が、防水床1の立上壁3、4に形成した下方の支持部3b、4bに設置され、右の端部がサイドエプロン13の支持部13bに設置されて安定し、L字金具25と固定ねじ26より固定されて安定状態が保持される。
【0022】
移乗用板20は、主として高齢者や身障者が浴槽への出入りの際に使用するもので、身体を洗う際には腰掛けて利用するものである。また浴槽10に身障者を入浴させるときに、介助者が身障者を移乗用板20に一旦腰掛けさせ、その後身障者の向きを変えて脚を浴槽10内に入れて、徐々に身体全体を浴槽10に入れることができる。移乗用板20は3辺が支持部3b、4bと支持部13bに載置した状態でL字金具25と固定ねじ26より固定され、身障者や高齢者を腰掛けさせ、浴槽に出入りさせても固定状態が安定しており、不安を感じることが無い。移乗用板20と浴槽10とは段差ができず滑らかに入浴できる。
【0023】
移乗用板20は板材のみで形成され、脚部等が無く構成が簡単であり、また立上壁と一体の支持部3b、4bや浴槽に形成された支持部13bは構成が簡単であり、移乗用板20は3辺が水平に支持されて設置状態が安定し、L字金具25と固定ねじ26で固定されて安定状態が保持される。また、L字金具25と固定ねじ26を外すことにより移乗用板20を容易に取り外すことができ、清掃も容易にできる。移乗用板20は複数の貫通孔21が穿設され、入浴中に水がかかっても排水され、腰掛け中や洗っているときにも、滑って不安定になることが回避できる。
【0024】
なお、図示の実施の形態では、浴槽10は右側の立上壁5に対接した状態で配置されており、この場合は浴槽本体11に対しサイドエプロン13は左側に固定しているが、反対に浴槽10を左側の立上壁3に対接して配置するときは、サイドエプロン13は右側に固定し、右側の空間に移乗用板20を設置する。浴槽配置床2aに形成された位置決め凹部2dは、浴槽10を図示のように右側に配置する場合と、左側に配置する場合とを考慮して、2個所に形成しておくと好適である。
【0025】
移乗用板20を固定するL字金具25と固定ねじ26は、前方の2個所で固定する例を示したが、奥側の立上壁4を含めて3個所で固定するようにするとさらに固定状態が安定し、両側の2個所ずつ合計4個所固定するようにしても良い。
【0026】
つぎに、本発明に係る浴室構造の別の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図5は本実施形態に係る浴室構造の斜視図、図6は図5のA−A線断面図、図7は図5のB−B線断面図、図8(イ)図は移乗用板の斜視図、(ロ)図は(イ)図のA−A線断面図、(ハ)図は(イ)図のB−B線断面図である。
以下の実施の形態を説明する図面において、前記実施の形態と本質的に同じものには同符号を付けて説明を省略し、異なるものだけ別符号を付けて説明する。
【0027】
本実施形態の防水床1の浴槽配置床2aから立設された立上壁3、4、5の上部に、2段の水平面から構成される壁パネル載置部と支持部が形成され、上方に水平面で構成される壁パネル載置部3a、4a、5aが連続して形成され、これら壁パネル載置部3a、4a、5aの夫々の下方に、浴室の内側に向けて水平方向に突出した凸条の支持部3c、4c、5cが同じ高さ位置に連続して形成されている。
立上壁3、4、5の上部の壁パネル載置部3a、4a、5aは、前記実施の形態と同様、浴室を構成する壁パネルの載置面とされる。壁パネル載置部3a、4a、5aより下方の凸条の支持部3c、4c、5cは、後述する移乗用板30を設置するものである。
【0028】
ここで、浴槽配置床2aに配置される浴槽10について、図9を参照して説明する。浴槽10は、前記実施形態と同様、浴槽本体11と、浴槽本体の前面に固定されるフロントエプロン12と、浴槽本体の側面に固定されるサイドエプロン13とから構成される。
【0029】
本実施形態のサイドエプロン13は、前記実施形態のものと本質的に同じであるが、上辺に形成された挿入部13aの下方に、外面から水平方向に突出した凸条の支持部13cが形成されている点が、前記実施の形態と異なっている。
挿入部13aが、浴槽本体11の全周に形成されたリブ11cの内側の凹部11dに挿入されると、サイドエプロン13の外面はリブ11cの外面と略面一になされるのに対し、凸条の支持部13cはリブ11cの外面より突出する(図6参照)。
上記支持部13cは、立上壁3、4、5の支持部3c、4c、5cと同じ高さ位置に設定されている。さらに、支持部13cと支持部3c、5cは、それぞれ平行になされている。
【0030】
サイドエプロン13は、図9に示すように、奥側に向かって左側の立上壁3と相対向する側の浴槽本体11に固定されるが、これと反対側にも固定できる。
浴槽本体11を右側の立上壁5に対接して配置したとき、左側の立上壁3とサイドエプロン13との間には空間部が形成され、この空間部に後述する移乗板30が設置される。
【0031】
本実施形態の移乗用板30は、図8に示すように、平面形状が長方形の板状体で、移乗用板30は、長辺側の左端面と右端面にそれぞれ凹溝32が形成され、奥側端面には上面と面一に突出する凸部33が形成されている。凸部33と凹溝32の上側のフランジ部の厚みは、浴槽本体のリブ11cの厚みに等しくなされている。
【0032】
対向する平行な支持部13c、3cに移乗用板30がスライド嵌合される。この際、移乗用板30左端面の凹溝32には、立上壁3の凸条の支持部3cが嵌入され、右端面の凹溝32には、サイドエプロン13の凸条の支持部13cが嵌入される。また、奥側端面の凸部33は、奥側の立上壁4の凸条の支持部4cの上面に設置される(図6、図7参照)。
上記左端面の凹溝32と右端面の凹溝32は、それぞれ、立上壁3の凸条の支持部3cと、およびサイドエプロン13の凸条の支持部13cとの間に隙間を形成することにより、移乗用板30を着脱自在にしている。
【0033】
上記の如く構成された本実施形態の浴室構造の動作について以下に説明する。浴槽10を防水床1に配置固定する。このとき浴槽本体11の右面はサイドエプロン13が無い状態で立上壁5に対接し、浴槽10の左側面と左の立上壁3との間は空間となる。この空間部分に移乗用板30を設置する。
移乗用板30を設置する際、支持部3c、13cのそれぞれと移乗用板30の左右の端面とを、移乗用板30を着脱自在となす嵌合状態で接合するようにしたので、移乗用板30の不要時に簡単に取り外すことができ、移乗用板30の下方の清掃等が容易である。
【0034】
移乗用板30は、前記実施形態と同様、主として高齢者や身障者が浴槽への出入りの際に使用され、身体を洗う際には腰掛けて利用するものである。また浴槽10に身障者を入浴させるときに、介助者が身障者を移乗用板20に一旦腰掛けさせ、その後身障者の向きを変えて脚を浴槽10内に入れて、徐々に身体全体を浴槽10に入れることができる。移乗用板30は嵌合状態で設置され、身障者や高齢者を腰掛けさせ、浴槽に出入りさせても設置状態が安定しており、不安を感じることが無い。
また、移乗用板30の上面は、浴槽本体11の框11bの上面と面一に設置されるので、移乗用板30と浴槽10とは段差ができず滑らかに入浴できる。
【0035】
移乗用板30は板材のみで形成され、脚部等が無く構成が簡単であり、また立上壁と一体の支持部3c、4cや浴槽に形成された支持部13cは構成が簡単であり、移乗用板30は3辺が水平に支持されて設置状態が安定する。
【0036】
上記本実施の形態に示した浴室構造では、立上壁3、4、5を両側と奥行部の3面に立設し、左右両側の立上壁3、5のいずれか一方、ここでは左側の立上壁3及び浴槽10の各々に設けた支持部3c、13c間に移乗板30を設置したものであった(図5参照)。
しかしながら、本実施の形態の浴室構造は、図10に示すように、他方、すなわち右側の立上壁5を選択すれば、この右側の立上壁5及び浴槽10の各々に設けた支持部5c、13c間に移乗板30を設置することができる。
【0037】
すなわち、選択した右側の立上壁5と相対向させてサイドエプロン13を浴槽本体11の右側に固定し、この浴槽本体11をサイドエプロン13が無い状態で左側の立上壁3に対接して配置すると、サイドエプロン13と立上壁5との間に右側空間が形成される。
そこで、移乗用板30を右側空間に挿入し、立上壁5及びサイドエプロン13の各々に設けた凸条の支持部5c、13cを移乗板30の左右両側の凹溝32、32に挿入するようにして移乗板30を設置すれば、移乗板30を浴槽10の右側空間に嵌合状態で設置できる。
【0038】
浴槽本体11が左右対称の場合は、左右反転させてもよいし、左側に固定したサイドエプロン13を一旦取り外してから浴槽本体11を左側方向にスライドし、左側の立上壁3に対接してから取り外したサイドエプロン13を浴槽本体11の右側に固定するようにしてもよい。
浴槽本体11が左右非対称の場合は、サイドエプロン13を取り外さないで左右反転させてから、浴槽本体11を左側の立上壁3に対接すればよい。
【0039】
本実施の形態の浴室構造によると、両側の立上壁3、5のいずれか一方を選択し、選択した一方の立上壁3(または他方の立上壁5)及び浴槽10の各々に設けた支持部3c、13c(立上壁5を選択したときは支持部5c、13c)間に移乗板30を設置可能にしたことにより、左マヒ、右マヒのいずれであっても、入浴する人の利用し易い側に移乗板30を設置でき、洗体や入浴を容易に行える。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明から理解できるように、本発明の浴室構造は、簡単な構成で移乗用板を取付けることができ、しかも設置状態が安定しており高齢者や身障者が安心して腰掛けることができ、入浴することができる。また、エプロンは浴槽に容易に挿入固定でき、浴槽側の支持部は挿入部に隣接して形成され構成が簡単となる。さらに、浴槽の両側の一方側を選択して移乗用板を固定でき、使用者の好みにも対応できる。移乗用板は浴槽と段差ができず、入浴がしやすい等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る浴室構造の一実施形態の斜視図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図1のB−B線断面図。
【図4】本発明に係る浴室構造に使用する浴槽の分解斜視図。
【図5】本発明に係る浴室構造の別の実施形態の斜視図。
【図6】図5のA−A線断面図。
【図7】図5のB−B線断面図。
【図8】(イ)図は図5の浴室構造に使用する移乗板の斜視図、(ロ)図は(イ)図のA−A線断面図、(ハ)図は(イ)図のB−B線断面図。
【図9】図5の浴室構造に使用する浴槽の分解斜視図。
【図10】図5の左右反対側に移乗用板を設置したときの浴室構造の斜視図。
【符号の説明】
1 防水床、 2 床部、 2a 浴槽配置床、 2b 洗い場床、
3、4、5 立上壁、 3b、4b、5b、3c、4c、5c 支持部、
10 浴槽、
11 浴槽本体、 11a 湯船、 11b 框、 11c リブ、
11d 凹部、 12 フロントエプロン、 12a 挿入部、
13 サイドエプロン、 13a 挿入部、 13b、13c 支持部、
20、30 移乗用板、 21、31 貫通孔、
25 L字金具、 26 固定ねじ
Claims (6)
- 床部の端部に立上壁が立設された防水床と、前記床部に設置される浴槽とを備える浴室構造であって、前記立上壁及び前記浴槽の各々に水平方向に突出した凸条の支持部を設け、対向する支持部間に移乗用板の凹溝をスライド嵌合させて着脱自在に設置することを特徴とする浴室構造。
- 前記浴槽は、下方に開口する凹部が外周部に形成された浴槽本体と、該凹部に挿入する挿入部を有し前記浴槽本体に固定されるエプロンとを備え、前記浴槽側の支持部は、前記挿入部に隣接して前記エプロンに形成されていることを特徴とする請求項1記載の浴室構造。
- 前記防水床は両側と奥行部の3面に立上壁が立設され、該3面の立上壁に連続して前記支持部が形成され、前記浴槽は少なくとも両側部に前記凹部が形成されていることを特徴とする請求項2記載の浴室構造。
- 前記移乗用板の前記スライド嵌合方向の奥側端面には、上面と面一に突出する凸部が形成され、前記立上壁の凸状の支持部の上面に前記凸部が設置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の浴室構造。
- 前記防水床は両側と奥行部の3面に立上壁が立設され、該3面の立上壁に連続して前記支持部が形成され、前記両側の立上壁に設けられた支持部のいずれか一方と浴槽側の支持部とに前記移乗用板が設置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の浴室構造。
- 前記浴槽は、浴槽本体と、前記浴槽本体の一側面に固定されるとともに浴槽側の支持部が形成されたエプロンとを備え、さらに、浴槽本体の他側面が、前記立上壁の他方に対接して配置されていることを特徴とする請求項5記載の浴室構造。
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JP2001307795A JP4102049B2 (ja) | 2001-01-04 | 2001-10-03 | 浴室構造 |
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JP2001-156 | 2001-01-04 | ||
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Publications (2)
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