JPH0246741Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は卓子板に関する。

（従来の技術およびその問題点） 従来、こたつ等の上にのせてテーブルとする卓
子板が各種提供されている。これらの卓子板のう
ち、その側面に収納穴を設け、この収納穴に小物
入れを引出し状に設けたものがある。この小物入
れは卓子板の上下面の間に引出し自在に収納され
るものであり、小物を収納するのに都合のよいも
のである。この小物入れを取り付ける形態には各
種あつて、矩形の小物入れを卓子板の４方の側面
にそれぞれ前後に引き出すように設けたもの、小
物入れを半円形に形成して回転することにより卓
子板内に収納できるようにしたもの、小物入れを
卓子板の四隅部分に収納するようにしたもの等が
ある。

これらの卓子板は通常その表裏のどちらも表面
にして使用することができるように構成されてい
るものであり、こたつ板として使用する場合は、
頻繁に表裏を逆転させて使用するものである。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、従来の小物入れを備えた卓子板で
は、表裏を逆転すると、小物入れも逆転してしま
い小物入れが使えなくなつたり、小物入れをその
つど上下差し変えて使用しなければならないとい
う問題点がある。とくに、小物入れを回転して卓
子板に収納する方式の卓子板では、表裏を逆転し
た際は小物入れがまつたく使用できなくなる。

そこで、本考案は上記問題点を解消すべくなさ
れたものであり、その目的とするところは、小物
入れを備えた卓子板の表裏を逆転させても、その
ままで小物入れを使用することのできる卓子板を
提供するにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記目的を達成するための次の構成を
そなえる。

すなわち、板面の側面に収納穴が設けられ、こ
の収納穴に引出し自在に収納される小物入れを備
えた卓子板において、前記小物入れの底板を該底
板を囲む枠板の内側面に摺接して設け、前記枠板
の上端および下端の内側面に枠板の内方に突出し
て前記底板を係止する係止部を設けたことを特徴
とする。

（作用） 次に、作用について説明する。

卓子板１０の表裏を逆転させると、それにとも
なつて小物入れ１２の底板１４が枠板１６の内側
面をスライドし、枠板１６の係止部１８に底板１
４の周縁部が係止される。また、再度卓子板１０
を表裏逆転させると、底板１４がスライドして小
物入れ１２の下板となる。このようにして、卓子
板の表裏の上下位置にかかわらず常に底板１４が
小物入れ１２の下板として作用する。

（実施例） 以下本考案の好適な実施例を添付図面に基づい
て詳細に説明する。

第１図ａは、本考案に係る卓子板の一実施例を
示す平面図であり、第１図ｂは側面図である。

図で１０は卓子板であり、１２はこの卓子板に
収納される小物入れである。この実施例では小物
入れ１２は引出し状に構成されており、卓子板１
０の各辺にそれぞれ１つずつ収納される。第１図
ｂに示すように小物入れ１２は卓子板１０の面板
間に挿入される。

第１図ａで１４は小物入れ１２の底板、１６は
矩形の枠形に組立られている枠板である。この枠
板１６の内側面にたいして前記底板１４の大きさ
はわずかに小さく作られており、底板１４は枠板
１６の内側面にそつてスライド自在に構成され
る。第１図ｃは前記小物入れ１２の枠板１６と底
板１４との配設を示す断面図である。同図で１８
は前記枠板１６の上端縁および下端縁に枠体１６
の内方に向けて突出するように設ける係止部であ
る。この係止部１８は前記枠板１６の四面にわた
つて設けてもよいし、枠板１６の対向する面にの
み設けるようにしてもよい。また、場合によつて
は枠板１６の四隅に爪状の突起として設けてもよ
い。

この上述した実施例の卓子板１０によれば、卓
子板１０の表裏を逆転した際、小物入れ１２も同
時に上下逆転するが、このとき底板１４は枠板１
６の内側面をスライドして枠板１６の他方の係止
部１８によつて係止されて支持され下板として作
用する。これによつて、小物入れ１２は卓子板１
０の逆転前と上下が逆転するが、小物入れ１２と
しては逆転前と全く同様に機能する。

また、卓子板１０をふたたび逆転すると、底板
１４はやはり枠板１６内をスライドしてもとの下
板として作用し小物入れ１２として使用すること
ができる。こうして、卓子板の表裏の上下関係に
かかわらず、常に小物入れ１２を使用することが
できる。

なお、第１図ａで２０ａは小物入れ１２の後面
側の枠板１６に取り付けられるマグネツトであ
り、２０ｂは小物入れ１２が収納される収納穴の
最奥部に固定されるマグネツトである。前記マグ
ネツト２０ａおよび２０ｂは小物入れ１２が卓子
板１０内に収納された際に、たがいに吸着力を及
ぼすように着磁されている。したがつて、小物入
れ１２が卓子板１０内に収納されていれば、卓子
板１０が傾いてもマグネツト２０ａと２０ｂの吸
着力により、小物入れ１２がとび出すことを防止
することができる。

第２図は卓子板の他の実施例を示す平面図であ
る。この実施例の卓子板１０では小物入れ１２を
半円形状に形成し、小物入れ１２を回転させて卓
子板１０内に収納するように構成している。２２
は半円形状に形成した小物入れ１２を収納位置と
引出し位置に回動する際に小物入れ１２を支持す
る軸である。この実施例では、底板１４は枠板１
６の内周面と同形の半円形に形成され、底板１４
が枠板１６の内側面にそつてスライドするよう
に、枠板１６の内周面よりもやや小さく形成され
ている。そして、枠板１６の上端および下端の内
側面には内方に突出させて係止部が設けられ、前
記底板１４の周縁部はこの係止部によつて係止さ
れる。この実施例の場合も、上述した実施例と同
様に卓子板１０の表裏を逆転することにより、底
板１４が枠板１６の内側面にそつてスライドする
から、卓子板１０を逆転しても常に小物入れ１２
を使用することができる。

第３図ａは卓子板のさらに他の実施例を示す平
面図であり、第３図ｂは側面図である。

この実施例では、小物入れ１２を卓子板１０の
四隅部分に収納するように構成される。この実施
例の小物入れ１２は扇形状に形成され、この扇形
状の小物入れ１２を卓子板１０の四隅部分で回動
することにより、卓子板１０にぴつたりと収納す
ることができる。２４は小物入れ１２を回動する
際の軸である。この実施例の場合も、底板１４を
枠板１６の内側面にそつてスライドできるように
構成し、枠板１６に係止部を設けて底板１４を係
止するように構成する。これによつて、卓子板１
０を逆転した際、底板１４が枠板１６の内側面を
スライドしていずれの位置においても、底板とし
て機能して常に小物入れとして使用することがで
きる。

なお、第２図で２６は卓子板１０のコーナー部
が設けられるねじ穴であり、卓子板１０を支持す
る脚をねじ止めするためのものである。このねじ
穴２６に脚を固定することにより、卓子板１０を
単体として使用するばかりでなく、テーブルとし
ても使用することができ、使用範囲がひろげるこ
とができる。このねじ穴２６は第１図、第３図の
卓子板１０にたいしても同様に設けることができ
る。

（考案の効果） 本考案によれば、上述したように、小物入れの
底板を枠板の内側面にそつてスライドするように
設けたから、卓子板を表裏逆転した際にそのまま
底板がスライドし、卓子板の表裏の上下位置にか
かわらず、常に小物入れを使用することができ
る。また、底板をスライドするように構成したか
ら、小物入れを回動して収納する形式の卓子板で
逆転した際に小物入れの使用が不可能であつたも
のでも、卓子板の表裏の位置にかかわらず小物入
れの使用が可能となるという著効を奏する。

以上、本考案について好適な実施例を挙げて
種々説明したが、本考案はこの実施列に限定され
るものではなく、考案の精神を逸脱しない範囲内
で多くの改変を施し得るのはもちろんのことであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図ａおよびｂは本考案に係る卓子板の一実
施例を示す平面図および側面図、第１図ｃは小物
入れの断面図、第２図は他の実施例を示す平面
図、第３図ａおよびｂはさらに他の実施例を示す
平面図および側面図である。 １０……卓子板、１２……小物入れ、１４……
底板、１６……枠板、１８……係止部、２０ａ，
２０ｂ……マグネツト、２２，２４……軸、２６
……ねじ穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 板面の側面に収納穴が設けられ、この収納穴に
   引出し自在に収納される小物入れを備えた卓子板
   において、前記小物入れの底板を該底板を囲む枠
   板の内側面に摺接して設け、前記枠板の上端およ
   び下端の内側面に枠板の内方に突出して前記底板
   を係止する係止部を設けたことを特徴とする卓子
   板。