JPH0246661Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は脱穀機における選別風路装置に関するも
のである。

本来穀物を軸方向に搬送するために用いられて
いたスクリユーオーガーについて、その径を拡大
すると共に所定の回転速度を与え、作物にとつて
必要な周速度をスクリユー羽根に維持させると作
物を搬送する作用に加えて脱穀機能を持つように
なる。

又、この時スクリユーオーガーの受樋部分を作
物にとつて適切な大きさの受網に変えると扱室内
で脱穀した穀粒を受網から下方に漏下させ、茎や
藁屑の稈は軸方向に搬送して機外に排出するいわ
ゆる選別機能をも持ち合わせるようなる。

これがスクリユー型脱穀機である。

本案は脱穀機例えば以上のようなスクリユー型
脱穀機に用いられる選別風路の改良にかかるもの
である。

この種の選別風路としては扱胴終端に設けた吸
引フアンと扱胴下方に設けた送風フアンとで１つ
の選別風路が一番樋上に構成されているが、穀物
が大豆であると大豆の殻が重いためこれが風選さ
れずに一番樋に落下するという欠点がある。

本案は以上のような点に鑑みて考案されたもの
で穀物の種類に応じて適切な選別風路が形成され
る脱穀機をうることを目的として次のような構成
を採用した。

すなわち、扱胴終端に設けた吸引フアンと、扱
胴下方に設けた送風フアンとで一番樋を境として
２分割された二重の選別風路を構成し、かつ一番
樋の流穀板先端部を角度調節可能に設け、これに
よつて２分割された選別風路のそれぞれの風力を
調節可能としたものである。

本案のものによれば穀物とくに大豆等のような
殻が重いようなものを脱穀処理するとき、一番樋
の流穀板を寝かせてその傾斜を緩やかにし、一番
流穀板部の風力を強くして、一番樋に大豆の殻が
流れ込まないようにし、又大豆以外の稲、麦等の
場合、一番樋の流穀板を起こして傾斜を急にしこ
れによつて二番樋上の風力を強くして藁が二番樋
に入らないようにすることができるという特徴が
ある。

以下図面に示す実施例について説明する。先ず
第１図に示すスクリユー型脱穀機の全体から説明
する。

作物は掻込リール１で掻き込まれて刈刃２で刈
り取られ、刈り取られた作物は掻込リールオーガ
３からフイダーハウス４のチエーンコンベア５で
扱室６に運ばれ、スクリユー式扱胴７で脱穀され
る。

脱穀されたものは受網８から選別オーガ９に落
下し、回転するオーガ９によりその終端側に向け
移動する。

この搬送過程で穀類と細かい藁屑はオーガ９の
受樋部分に張設された受網１０から下方に漏下
し、長藁のみ排稈部１１方向に運ばれる。

受網１０から落下した穀粒を含む漏下物は唐箕
のような送風フアン１２と扱胴終端の吸引フアン
１８とによる選別風をうけて穀類は一番樋１３
に、二番物は二番樋１４に落下し、一番樋１３に
落下した穀類は籾タンクに運ばれ、二番物はスロ
ワー筒１５を経て扱室６に還元されるようになつ
ている。

１６は脱穀機を搭載したクローラであり、１７
は操縦部を示す。

ところでスクリユー式扱胴７の始端部における
形状を第３，４図のようなものとするとスクリユ
ー始端部への穀稈のからみ付きが多くなり、スム
ースな稈の流れとならず、詰まり等の原因とな
る。

そこで第５，６図の如く、スクリユー始端部に
後退角θ゜を持させ、かつスクリユー外径と後退角
の接点をＲで結んだものとすると、フイダーハウ
スよりの受継ぎが円滑に行われる。

又、スクリユー始端部におけるピツチＰを後方
ピツチP′よりも大きく構成すると、始端部での送
りが早くなつて、フイダーハウスからの受継がス
ムースに行われる。

かりに始端部でのピツチを後方ピツチP′と同様
なピツチとすると、ピツチが小さくなつて送りが
停滞し勝ちで円滑な受継ぎは行われない。

以上のような脱穀機において扱胴終端に配設さ
れた吸引フアン１８と送風フアン１２とで選別風
路を形成するに当たり、本案は一番樋１３を境と
して二重風路を構成したもので、その１つの風路
は一番樋１３上の風路ａで他の風路は一番樋１３
の下方の風路ｂである。

以上のような風路を形成するために送風フアン
のケースの中には一番樋１３の流穀板につながる
分流板１９が設けられ、図示矢印の如く送風フア
ンの風力は分流板１９で分流されてそれぞれ一番
樋１３上下の風路ａ，ｂに向かつて吹き出される
ものである。

本案は以上の如く二重風路を構成すると共に一
番樋の流穀板２０を角度調節可能に設け、それぞ
れの風力を調整可能としたものである。

第７図に具体的に図示した如く、一番樋１３の
流穀板２０は基部が樋１３上縁に枢支２１され、
上端部のスリツト溝２２に係合するボルト２３が
機枠に設けられている。

したがつてボルト２３を緩めて流穀板２０の傾
斜角を調整することができるもので、流穀板２０
の断面は正面視で図示の如く略倒三角形状を呈し
ている。

作物が大豆であるとき流穀板２０を図上で時針
方向に回動させてその傾斜角を緩やかにする。す
ると、風路ａにおける風力が強くなつて選別精度
がアツプする。

稲、麦の場合には流穀板２０を図上で反時計方
向に回動させてその傾斜角を急にする。すると、
風路ｂの風力が強くなるので一番樋１４上の風力
が強くなり、一番樋に藁が混入することはない。

以上説明したように作物の種類に応じて選別風
路を変更して、選別を効果的に行うことができ
る。

なお、以上のような選別を更に効果的に行うよ
うにするためにオーガ９の終端に羽根９ａを設け
ると吸引フアン１８と相俟つて風力を麗増大する
ことができ、又、二番樋の流穀板２４を排稈口１
１に向かつて引出自在とすると、作物によつて選
別ロスを少なくすることができる。その他、受網
１０の網目は受網８の網目と同一とするが二番樋
上の受網１０の網目１０ａを大とすると吸引フア
ン１８の吸引力が増大し、オーガでの選別をアツ
プすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はスクリユー脱穀型コンバイン全体の正
面からみた説明図、第２図は第１図Ａ−Ａ断面
図、第３，４図はスクリユー式扱胴の始端部を示
す正面図と側面図、第５，６図は第３，４図のス
クリユー式扱胴とは異なる始端部の正面図と側面
図、第７図は本案装置を示す正面図である。 ７……扱胴、９……オーガ、１０……受網、１
２……送風フアン、１３……一番樋、１８……吸
引フアン、１９……分流板、２０……一番流穀
板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扱胴終端に設けた吸引フアンと、扱胴下方に設
   けた送風フアンとで一番樋を境として２分割され
   た選別風路を構成し、かつ一番樋の流穀板先端部
   を角度調節可能に設け、これによつて２分割され
   た選別風路のそれぞれの風力を調節可能としたこ
   とを特徴とする脱穀機における選別風路装置。