JPH0246420Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、バン型車両などの車両の荷室内に
配置されるヘツドレスト付き折畳み座席の脚部構
造に関するものである。

（従来の技術） 従来、バン型車両の荷室における、ヘツドレス
ト付き折り畳み座席、たとえば荷室内側部に設置
されたスペースアツプ用の座席、の折畳みは座席
を荷室内側方に折畳んだ後、横向きに位置する背
当のヘツドレストを抜き取り、座部の脚部の保持
部材に縦向きに嵌めてヘツドレストを保持するよ
うにされる。このため、この種の座席の従来の脚
部には脚部を使用する際の防振部材と、脚部を折
畳んだ際にヘツドレストを保持する保持部とが
各々独立状に取付けられ、この両部材の取付けに
は手間を要する問題があつた。

そして、防振部材と保持部とを脚部に取付ける
場合には防振部材と保持部が干渉し保持部の間隔
が充分にとれない場合もあり、不都合な問題点が
あつた。

（考案が解決しようとする問題点） しかして、この考案は前記した従来の問題点を
解決しようとしたものであり、防振部材と保持部
との本来の機能が充分なされるのは勿論であり、
ヘツドレストの挿着に必要な間隔がとり易く、か
つ取付け作業がし易くなした車両用折畳み座席の
脚部構造を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 上記した問題点を解決するためにこの考案の手
段は、車両の荷室内に配置され座部が折畳み可能
で座部の脚部には車両床面との振動を防止する防
振部材が取付けられかつ背当にはヘツドレストが
取外し可能に取付けられた車両用の座席におい
て、前記脚部の防振部材が前記ヘツドレストの保
持部を有する形状に弾性体にて形成せしめるよう
にしたものである。

（作用） 本考案において、座席を使用する際は防振部材
が床面と脚部下端部との間に介在し座席の防振お
よび異音防止の作用をなす。座席を折畳んだ際の
ヘツドレストは背当から抜かれ、折畳んだ脚部の
防振部材の保持部に保持される。

（実施例） 次に本考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図はバン型車両（図示せず。）荷室３内の
一側方に配置された折畳み可能構造の座席４を示
したものである。前記座席４の座部５は車両側の
側部においてヒンジ部６を介して車両側部に支持
され、かつ座部５他側部、本例では他側部座部５
側の裏面５Ｂには、脚部８が取付けられてほぼ水
平状に支持されている。

すなわち、前記座部５はヒンジピン６Ａを支点
として座部５上面５Ａが車両側面に沿う位置まで
回動可能である。前記脚部８はヒンジブラケツト
７を介して座席４他側部、本例では座部５裏面５
Ｂに取付けられ、座部５を支持する縦向き位置よ
り座部５裏面５Ｂに沿う位置まで回動可能であ
る。前記脚部８が車両荷室３内の床面１と接触す
る脚部下端８Ａ部位には防振部材９が嵌着されて
いる。防振部材９は脚部８が座部５を支持する際
に脚部８下端８Ａと床面１との間に介在される防
振部１０Ａと、外方に突出し後述のヘツドレスト
１４の支持脚１４Ａの挿入孔１０Ｃを有する保持
部１０Ｂとを備え、嵌着片１０Ｄにより脚部８下
端８Ａの所定部位に嵌着されビス１１にて止着さ
れている。防振部材９はゴム、合成樹脂などの防
振特性の高い弾性体にて形成される。本例の防振
部材９はヘツドレスト１４支持脚１４Ａの間隔に
合せて２個取付けられている。なお、防振部材９
は支持脚８が挿入保持できる長形のものとなして
１個取付けるようにしてもよい。

前記座部５の後端部にはヘツドレスト１４を有
する背当１２がリクライニング装置１３を介して
取付けられ、水平状の座部５に対して背当１２は
起立した正規状態より、座部と背当がフルフラツ
トになるまで後方にリクライニング可能とされて
いる。ヘツドレスト１４は二本の支持脚１４Ａが
背当１２上端中央部の挿入孔１２Ａに抜き取り可
能に挿入されて支持されている。

しかして、正規状態の座席４は着座用に使用し
れる。荷室３内に荷物を載せる際は、座席４が折
畳みされる。座席４の折畳みは、背当１２を座部
５と同一面まで後傾してフルフラツトになし、座
部５のヒンジ部６を介してフルフラツト状の座部
５と背当１２を荷室３側面２側に倒立させ、脚部
８を座部５裏面５Ｂ側に回動させることにより行
なわれ、横向き状となつたヘツドレスト１４は背
当１２より取外し、脚部８防振部材９の保持部１
０Ｂの挿入孔１０Ｃに、ヘツドレスト１４の支持
脚１４Ａを挿入させてヘツドレスト１４が保持さ
れる（第４図および第５図参照）。車両の走行に
おいてヘツドレスト１４の保持性は良好であり、
かつ保持部１０Ｂは弾性体よりなるので走行時の
振動および異音の発生が防止される。

前記実施例の防振部材９は、嵌着片１０Ｄにビ
ス１１止めして脚部８に固着したが、防振部材の
固着手段は、たとえば第６図に示す防振部材１９
あるいは第７図に示す防振部材２９のように、嵌
着片となる係止部２０，２０あるいは３０，３０
に、係止板２１あるいは３１を係合させることに
より、脚部８に固着させるようにしてもよい。

（考案の効果） 本考案によれば、折畳み可能な座席の脚部に取
付ける防振部材を、ヘツドレストの保持部を有す
る一体構造のものとなしたため、防振部材と保持
部とが別体の従来の場合に較べ、脚部への取付け
が簡単となり、ヘツドレストの挿着に必要な間隔
がとり易くて都合がよい。

また、本考案においては、防振部材は保持部と
ともに弾性体にて形成されるので、防振および防
音の本来の効果はもちろん充分に達成される。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであり、第
１図は折畳み座席の正面図、第２図は折畳み座席
の側面図、第３図は防振部材の拡大斜視図、第４
図は座席を折畳んだ状態の斜視図、第５図は防振
部材の保持部にヘツドレストを保持した状態の拡
大説明図、第６図および第７図は防振部材の他例
を示す斜視図である。 １……床面、３……荷室、４……座席、５……
座部、６……ヒンジ部、８……脚部、８Ａ……下
端、９，１９，２９……防振部材、１０Ａ……防
振部、１０Ｂ……保持部、１０Ｃ……挿入孔、１
２……背当、１３……リクライニング装置、１４
……ヘツドレスト、１４Ａ……支持脚。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両の荷室内に配置され座部が折畳み可能で座
   部の脚部には車両床面との振動を防止する防振部
   材が取付けられかつ背当にはヘツドレストが取外
   し可能に取付けられた車両用の座席において、前
   記脚部の防振部材が前記ヘツドレストの保持部を
   有する形状に弾性体にて形成されてなることを特
   徴とした車両用折畳み座席の脚部構造。