JPH024641A - 巻締缶用イージイオープン蓋及びその製法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は複合ラミネート素材から成る巻締缶用イージイ
オープン蓋及びその製法に関するもので、より詳細には
、耐孔食性、安全性、易開口性及び軽量性の優れた組合
せを有する巻締缶用イージイオープン蓋及びその製法に
関する。

（従来の技術） 従来、格別の器具を用いることなく手で容易に開封でき
る缶詰用缶として、所謂イージイオープン蓋付缶体が広
く使用されている。この缶蓋は、金属素材から成る缶蓋
に、金属板の厚み方向の途中に達するようにスコアを設
けて、開口用部分を区画し、この開口用部分に蓋板自体
でリベットを形成させ、このリベットでプル・タブを固
定したものであり、缶胴部材のフランジとの間に二重巻
締されて使用されるものである。

このイージイオープン蓋用の金属素材としては、加工性
や耐腐食性及び密着性に優れた有機塗膜を設けたアルミ
材や表面処理鋼板が知られている。

また、アルミ材の内面側にポリプロピレンフィルム等を
貼り合わせ、外面側からアルミ材の厚み方向途中に達す
るようにスコアを設けたイージイオープン蓋は既に知ら
れている。

更に、アルミ材の内面側に、最内面側に滑剤含有エポキ
シ系熱硬化性樹脂塗膜を設けた熱可塑性樹脂フィルムを
貼り合せたイージイオープン蓋も、本出願人等により提
案されている（特許出願中）。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、これらの保護被覆を設けた金属素材であ
っても、スコア加工時やリベット加工時にあるいは巻締
加工時に被覆にピンホールやクラック等の傷乃至潜在的
な傷が入るのを避は得ない。しかして、−膜内食缶用の
内容物、例えば、食塩、酸等を含む腐食性の内容物では
、前述した傷や潜在的な傷を通して金属素材の孔食な生
じやすい。

またアルミ板や表面処理鋼板を用いたイージイオープン
蓋、特にフルオーブン型（全面開口型）のものでは、開
口したときに生じる鋭利な切断端縁による指の怪我等を
招きやすく、安全性の問題がある。

有機保護被覆として、樹脂フィルムを用いたものは、所
謂塗料液等から形成される塗膜に比して、連続性、即ち
ピンホール等の欠陥がないという点では確かに優れてい
るが、開封に際してスコアの剪断を必ずしも容易に行い
難く、易開封性やフェザーリング発生の防止という点で
未だ解決すべき問題点を有している。

従って、本発明の目的は、従来のイージイオープン蓋に
おける上記欠点を解消し、耐孔食性、安全性、易開封性
及び軽量性の組合せ性質に優れた巻締缶用イージイオー
プン蓋及びその製法を提供するにある。

（問題点を解決するための手段） 本発明によれば、蓋材、蓋材の開口すべき部分を区画す
るスコア、開口すべき部分に設けられた開口用タブ及び
蓋材外周の巻締部から成る巻締缶用イージイオープン蓋
において、前記蓋材は、缶内面側から缶外面側に向けて
内面樹脂保護層、内面側金属箔、接着剤、中間オレフィ
ン系樹脂フィルム、接着剤、外面側金属箔及び外面樹脂
保護層の層構成の積層体から成り、且つ最外層の動摩擦
係数が０．０５〜０．３であり、スコア部において、少
なくとも中間オレフィン系樹脂フィルム及び内面側金属
箔が完全に連続した状態で維持されていることを特徴と
するイージイオープン蓋が提供される。

本発明によればまた、内面樹脂保護層、内面側金属箔、
接着剤、中間オレフィン系樹脂フィルム、接着剤、外面
側金属箔及び外面樹脂保護層の層構成の積層体から成り
、且つ最外層の動摩擦係数が０．０５〜０．３であるラ
ミネートを外周に巻締部を有する蓋材に成形加工すると
共に、蓋材に開口すべき部分を区画するスコア加工を、
スコア部において少なくとも中間オレフィン系樹脂フィ
ルム及び内面側金属箔が完全に連続した状態で残留する
ように施し、開口すべき部分に開口用タブを取付けるこ
とを特徴とする巻締缶用イージイオープン蓋の製法が提
供される。

（作　用） 本発明においては、ポリオレフィンのフィルムを２枚の
金属箔でサンドイッチし且つ各金属箔外面に動摩擦係数
が０，０５乃至０．３の範囲内にある樹脂保護層を設け
た複合ラミネート材を、イージイオープン蓋材とすると
、以下に詳細に説明する通り、耐孔食性、安全性、易開
封性及び軽量性の優れた組合せ特性が得られる。

本発明に用いる複合ラミネート蓋材の断面構造を示す第
１図において、この複合ラミネート蓋材１は、缶内面側
（図において下側）から缶外面側Ｃ図において上側）に
向けて、内面樹脂保護層２ａ、内面側金属箔３ａ、接着
剤層４ａ、オレフィン系樹脂フィルム５．接着剤層４ｂ
、外面側金属箔３ｂ、及び外面樹脂保護層２ｂの積層構
成を有する。この積層体は、（イ）オレフィン系樹脂フ
ィルム５と、金属箔３ａ及び３ｂとを接着剤４ａ及び４
ｂを介して接着し、金属箔３ａ及び３ｂの外面に樹脂保
護層２ａ及び２ｂを塗料等に設けるか、或は（ロ）金属
箔３ａ及び３ｂの一方の面に樹脂保護層２ａ及び２ｂを
塗装等により設け、この塗装金属箔の２枚の非塗装面と
オレフィン系樹脂フィルム５とを接着剤４ａ及び４ｂを
介して接着することにより製造される。

第２図及び第３図は、蓋材スコア部を金属顕微鏡で観察
した断面図（倍率１２５倍）である。

この蓋材のスコア加工部６においては、缶外面側から缶
内面側に向けられた溝７が設けられている。この溝７は
断面形状が倒立台形であり、この溝７の底部ではラミネ
ートは薄肉となっているが、溝底部に位置する内面側金
属箔１３ａ及びオレフィン系樹脂フィルム１５は完全に
連続した状態に維持されていることがわかる。

第２図に示す好適具体例では、溝底部に位置する外面側
金属箔１３ｂも連続した状態に維持されている。第３図
に示す別の具体例では、溝底部における外面側金属箔１
３ｂには切り込み８が人っているが、この場合にも溝底
部における内面側金属箔１３ａ及びオレフィン系樹脂フ
ィルム１５は完全に連続した状態に維持される。

本発明によれば、上述した複合ラミネート蓋材ｌを用い
ると、これにスコア加工を施した場合にも、このスコア
加工部において、少なくともオレフィン系樹脂フィルム
１５及び内面側金属箔１３ａの連続性が維持される。先
ず、複合ラミネートの両最外層が０．０５乃至０．３と
いう著しく小さい動摩擦係数を有することにより、この
ラミネート材に高速製蓋加工性が賦与されるばかりでな
く、製蓋高低中に塗膜或はその下層の金属箔に傷乃至潜
在的な傷が入るのを防止することができる。特に缶胴に
缶蓋を組合せる巻締加工において缶蓋の巻線内部や缶胴
の巻締部（ボデーフックラジアス部）に傷を付けること
がなくなる。また、２枚の金属箔の間にオレフィン系樹
脂フィルムが介在した構造とすることにより、スコアダ
イによる加工に際して、オレフィン系樹脂フィルムが破
断されることなく薄肉化されると共に、その下層の内面
側金属箔を保護して、スコア加工によるクラック発生等
が有効に防止されることになる。しかも、缶詰製品の保
存中に、下側金属箔が何等かの不都合で腐食されたとし
ても、その上層にオレフィン系樹脂フィルムが連続層と
して存在するため、孔食の発生やそれに伴う微生物缶内
侵入等のトラブルが有効に防止される。

また、厚手の金属板を使用する代わりにオレフィン系樹
脂フィルムを間に挟む薄手の２枚の金属箔を使用するこ
とにより、容器蓋の軽量化が可能となると共に、材料費
をも節約することが可能となる。

更に、オレフィン系樹脂フィルムの両面に剛性の大きい
金属箔を設けたことにより、スコア部におけるラミネー
トの剪断がシャープに行われ、手による開封がフェザー
リングの発生なしに容易に行われる。

更にまた、２枚の金属箔の間にオレフィン系樹脂フィル
ムが介在することによって、スコアの剪断によって生ず
る切断端縁がこの樹脂で保護され、開封者の指先等がこ
の切断端縁で傷付けられるのが有効に防止されることに
なる。

ここで、本発明による蓋を巻締めるための缶胴について
触れる。

缶胴はティン・フリー・スチール、ブリキ、アルミニウ
ムの各材料が用いられ、原則的にどの材料の使用も可能
であるが、実験的には板の硬度が高くなり、板が硬くな
ると巻締時にその押圧により蓋の内面側に擦り傷が生じ
てくる。経験的には、テンパー度４を越すと問題が生じ
るようである。

また、同様な傾向は板厚に関してもみられ、鉄鋼材料の
板厚が０．２４を越すと傷つきの傾向が見られてくるの
で、本発明による蓋を巻締めるための缶胴としてはブリ
キ、ナイン・フリー・スチールにおいてはテンパー度４
以下、板厚０．２４以下の材料を使用することが好まし
い。

なお、アルミニウム缶胴を使用する時はこのような現象
は見られない。

皿蓋坐１】 本発明に用いるイージイオープン蓋の全体の構造を示す
第４図（上面図）及び第５図（側面断面図）において、
このイージイオープン蓋１０は、缶胴側面内面に嵌合さ
れるべき環状リム部（カウンターシンク）２０を介して
その外周側に密封用溝２１を備えており、この環状リム
部２０の内側には開口すべき部分２２を区画するスコア
７が設けられている。この開口すべき部分２２には缶蓋
外面に設けた接着剤層２３があり、開封用プルタブ２４
がこの接着剤層２３による接着で以下に示すように固定
されている。即ち、開封用プルタブ２４は、一端に開封
用先端２５及び他端に把持用リング２６を有し、開封用
先端２５に近接して接着剤層で固定される支点部分２７
が存在する。プルタブ２４は、その開封用先端２５がス
コア７の開封開始部と近接するように設けられる。

前述した密封用溝２１には、密封用ゴム組成物（シーラ
ント）２８がライニングされていて、缶胴フランジとの
間に密封が行われる。

開封に際しては、開封用タブ２４のリング２６を把持し
て、これを上方に持ち上げる。これにより開封用タブ２
４の開封用先端２５が下方に押し込まれ、スコア７の一
部が剪断開始される。ついで、リング２６を把持してこ
れを上方に引張ることにより、スコア７の残留部が破断
されて開封が容易に行われる。

Σ主生二上ＩＭ ｉ）オレフィン系樹脂フィルム オレフィン系樹脂としては、低−１中−１あるいは高−
密度のポリエチレン、アイソタクティックポリブロビレ
ン、ポリブテン−１、ポリ−４−メチルペンテン−１、
結晶性プロピレン−エチレン共重合体、結晶性プロピレ
ン、−エチレン−ブテン−１共重合体、アイオノマー、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸
エステル共重合体あるいはこれらの２種以上のブレンド
物等が使用される。高温加熱殺菌用の缶蓋の用途には、
ポリプロピレンやプロピレン−エチレン共重合体が好適
である。

オレフィン系樹脂は、無充填のフィルムとして使用し得
るほか、所謂充填剤を充填したフィルムとしても使用す
ることができ、後者のフィルムを用いることにより、蓋
の開口性能を一層向上させることができる。充填剤とし
ては、無定形シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、塩基性ケイ酸マグネシ
ウム、タルク、各種クレイ、水酸化アルミニウム、石膏
、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウ
ム等を用いることができ、その粒径は一般に０．５乃至
５０μｍの範囲にあってよい、これらの充填剤は、オレ
フィン系樹脂当たり５乃至５０重量％の量で配合するの
が望ましい。

用いるオレフィン系樹脂フィルムの厚みは、般に５０乃
至３００　ｇｍ、特に１００乃至１５０μｍの範囲内に
あることが易開封性と孔食防止との見地から望ましい。

ｉｉ）金属箔としては、純アルミニウムやアルミニウム
合金から形成されたアルミ箔の他に、鉄箔（電解鉄箔）
、鋼箔、ブリキ箔（スズメツキ鋼箔）、ニッケルメッキ
鋼箔、クロメート処理鋼箔等が使用される。これらの金
属箔の厚みは一般的に言って、１０乃至１５０μｍ、特
に５０乃至１００μｍの範囲にあることが望ましい。

蓋の成形性や缶胴との巻締性、更にはコストの点からは
、金属箔の合計厚みとオレフィン系樹脂フィルムの厚み
との比は、アルミ箔の場合、箔：フィルム＝３　＝１乃
至ｌ：３ 特に　　　２　：ｌ乃至ｌ：１ の範囲内にあり、また鉄乃至鋼箔の場合、箔：フィルム
＝２　：ｌ乃至ｌ：２ 特に　　　１．５　：　１乃至１：１．５の範囲内にあ
ることが望ましい。

１ｉｉ）接着剤 オレフィン系樹脂フィルムと金属箔とを接合するための
接着剤としては、両者に接着性を有する熱可塑性または
熱硬化性重合体が使用される。熱可塑性接着剤としては
、酸乃至酸無水物でグラフト変性されたオレフィン樹脂
或はこの変性オレフィン樹脂を挙げることができる。酸
変性オレフィン樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエ
チレン、プロピレン−エチレン共重合体等のオレフィン
樹脂に、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、フマル酸、無水イタコン酸、シトラコン酸
等のエチレン系不飽和カルボン酸乃至はその無水物をグ
ラフト共重合させたものが使用され、カルボキシル基に
基づくカルボニル基（−Ｃ−）濃度が５乃至７００ｍｍ
ｏｌ／　ｌ　００ｇＩ 樹脂のもの、特に１０乃至５００ｍｍｏｌ／　１００ｇ
樹脂のものが使用される。これらの酸変性オレフィン樹
脂は未変性のオレフィン樹脂とのブレンド物の形で使用
することもできる。

熱硬化性接着剤としては、ウレタン系（イソシアネート
系）接着剤やエポキシ系接着剤が使用される。また、前
述した酸変性オレフィン樹脂や酸化ポリエチレンを有機
塗料、例えば、エポキシ−フェノール系塗料、エポキシ
−アミノ系塗料、エポキシ−アクリル系塗料、エポキシ
−ビニル系塗料等に分散させて、所謂接着ブライマーの
形で用いることができる。この接着プライマーを使用す
る場合、変性オレフィン樹脂や酸化ポリエチレンはプラ
イマー固形分基準で１乃至５０重量％、特に５乃至２０
重量％の量で存在するようにするのが良い。この後者の
態様では、接着ブライマー層の存在により、金属箔の耐
腐食性の一層の向上がもたらされる。

ｉｖ）樹脂保護層 金属箔上に設ける最外保護塗膜は、イージイオープン蓋
への加工や、その後の取扱に際して金属箔を保護すると
ともに、加工工程において素材に必要な滑り性を与える
ものである。この目的に対して、滑剤含有有機塗料が使
用される。塗料としては、例えば、フェノール・アルデ
ヒド樹脂、フラン樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹
脂、ケトン・ホルムアルデヒド樹脂、尿素樹脂、メラミ
ン樹脂、アニリン樹脂、アルキド樹脂、グアナミン樹脂
、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ア
クリル樹脂、・トリアリルシアヌレート樹脂、ビスマレ
イミド樹脂、才しオレジナス塗料等の熱硬化性塗料や、
ビニル系塗料、アクリル系塗料、飽和ポリエステル系塗
料、ナイロン系塗料等の熱可塑性樹脂塗料が、単独また
は２種以上の組合せで使用される。これらの塗料のうち
でも、金属箔への密着性、耐腐食性、イージイオープン
蓋への加工性及び外面塗膜の場合開口用タブとの接着性
等の見地からは、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂に対する
硬化剤樹脂とを含有する塗料を用いるのが最も望ましい
。

この好適態様において、エポキシ樹脂成分としては、こ
の種の塗料中のエポキシ樹脂成分として従来使用されて
いるものはすべて制限なしに使用し得るが、これらの内
代表的なものとしては、エビハロヒドリンとビスフェノ
ールＡ　［２，２’ビス（４−ヒドロキシフェニル）プ
ロパン］との縮合によって製造した平均分子量８００乃
至５５００、特に望ましくは１４００乃至５５００のエ
ポキシ樹脂が挙げられ、このものは本発明の目的に好適
に使用される。このエポキシ樹脂は、下記一般式 式中、Ｒは２．２°−ビス（４−ヒドロキシフェニル）
プロパンの縮合残基であり、 ｎは樹脂の平均分子量が８００乃至 ５５００となるように選択される数である、 で表わされる。

また、エポキシ樹脂に対する硬化剤樹脂成分としては、
水酸基、アミノ基、カルボシキル基等のエポキシ基に対
して反応性を有する極性基を有する任意の樹脂：例えば
、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホル
ムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラ
ミン−ホルムアルデヒド樹脂、極性基含有ビニル樹脂、
極性基含有アクリル樹脂等の１種または２種以上の組合
せが使用される。

これらの硬化剤樹脂の内でも、フェノール−ホルムアル
デヒド樹脂、特に多環多価フェノールを含有するフェノ
ール・アルデヒド樹脂成分を用いることが、フィルムに
対する密着性、腐食成分に対するバリヤー性及び耐加工
性の点で望ましい。

前述したエポキシ樹脂成分（ａｌ　とフェノール・アル
デヒド樹脂成分子ｂｌ　とは、任意の割合で組合せて使
用することができ、特別に制限は受けない。塗膜の耐レ
トルト性の見地からは、（ａｌ　　：　（ｂｌ　＝９０
　二ｌ　Ｏ乃至５０　：　５０特に　　　　　８５：１
５乃至７０　：　３０の重量比で両者を組合せた塗料を
、内面保護塗膜の形成に用いるのが望ましい。

更に、エポキシ樹脂とフェノール・アルデヒド樹脂とは
、２成分系塗料の形で使用する桟わりに、フェノール・
アルデヒド樹脂を予めレゾールの本質が失われない範囲
内でそれ自体公知の変性剤、例えば、脂肪酸、重合脂肪
酸、樹脂酸（乃至ロジン）、乾性油、アルキド樹脂等の
１種乃至２種以上で変性した後、エポキシ樹脂と組合せ
たり、或はこれら両樹脂を、所望により、ビニルアセタ
ール（ブチラール）樹脂、アミノ樹脂、キシレン樹脂、
アクリル樹脂、リン酸等の変性剤で変性することも勿論
である。

塗料中に含有させる滑剤としてはそれ自体公知の滑剤、
例えば、脂肪族炭化水素系滑剤、シリコーン系滑剤、脂
肪酸滑剤、脂肪族アルコール滑剤、ポリグリコール系滑
剤、アマイドまたはアミ′ン系滑剤、−価乃至多価アル
コールの脂肪酸エステル、トリグリセライド系滑剤、ワ
ックス、高級脂肪酸のアルカリ金属塩または多価金属塩
（金属石鹸）、低分子量オレフィン樹脂、フッ素樹脂、
アルカリ共重合体系滑剤等が単独または２種以上の組合
せで使用される。

これらの滑剤の内でも、中味食品のフレーバーに悪影響
を与えないような滑剤が好ましく、特にパーム油、ラノ
リンが望ましい。

また、ここで使用される滑剤は、次のことに留意して選
択されなければならない、即ち、蓋材は１缶胴と巻締に
より接合されるが、このとき両者の間の密封材としてシ
ーリングコンパウンドが使用される。このシーリングコ
ンパウンドは巻締作業の前に予め蓋に塗布、乾燥される
。このシーリングコンパウンドが蓋材に密着せず、巻締
作業の時、容易に移動してしまっては密封材の役目を果
たさなくなる。従って、シーリングコンパウンドと蓋材
の内面側とは巻締時にシーリングコンパウンドが容易に
移動しない程度の密着力は必要である６その値はビール
強度では０．５　Ｋｇ／ｃｍ程度の値である。滑剤の種
類及び量の選択に当たってはこの点に留意しなければな
らない。

これらの滑剤は、最終塗膜の動摩擦係数が０．０５〜０
，３、特に０．０５乃至０．１５の値となるような量で
塗料中に配合する。具体的な配合量は塗膜ベース樹脂や
滑剤の種類によっても相違するが、一般に塗膜ベース樹
脂の固形分を基準にして、０．５乃至５重量％の範囲か
ら、動摩擦係数が前記値となるような配合量を選択する
のが良い。

滑剤は塗料溶液中に配合し、塗膜の乾燥乃至焼付に際し
て、塗膜面に浮かせるようにするのが好ましい、塗布に
用いる塗料液中の固形分濃度は通常のロールコータ−を
用いて塗装する場合、一般に２５乃至３５重量％の範囲
が適当である。

塗膜の厚みは一般に１乃至１０ｇｍ、特に２乃至５μｍ
の範囲とするのが適当である。

■）ラミネート材の製造 ラミネート材は、上述した各素材を用いて任意の手段で
行うことができる０例えば、金属箔の一方の面に樹脂保
護層及び他方の面に接着剤層を設けた塗装金属箔を製造
し、この２枚の塗装金属箔の間に、予め形成したオレフ
ィン系樹脂フィルムまたは押出されたオレフィン系樹脂
フィルムを供給して接着によりラミネート材とする。ま
た、オレフィン系樹脂を中間層及び変性オレフィン樹脂
を両表面層として共押出し、予め形成された共押出フィ
ルムまたは押出されたばかりの共押出フィルムと、塗装
または未塗装の金属箔とを熱接着させる。形成される積
層体の金属箔表面が未塗装である場合には、その表面に
保護樹脂層を設ける。

イージイオープン蓋の°゛６ 本発明のイージイオープン蓋は、前述したラミネート材
を用いる点を除けば、それ自体公知の手段で製造される
。この工程を説明すると、先ずプレス成形工程（Ａｌで
、ラミネート材を円板等の適当な形に打抜くと共に、所
望の蓋形状に成形する。

ついで、ライニング工程（Ｂｌで、蓋の密封用周状溝に
、ノズルを通して、密封用コンパウンドをライニング塗
布し、乾燥して密封剤層を形成させる。

スコア刻設工程（Ｃ）でスコアダイスを使用し、ラミネ
ート蓋材の外面側からスコア刻設を行う。

スコア部におけるラミネート材の残留厚み（ｔ２）は、
ラミネート材の元厚み（ｔｌ）に対して、ｔ２／ｌ、ｘ
ｌＯＯが２５乃至５０％で、かつｔ２が５０乃至１５０
μｍとするのがよい。

この場合、スコア底部において、外面側金属箔が連続し
ていることが望ましいが、外面側金属箔に切り込みやク
ラックが入っていても孔食が防止されることは既に前述
したところである。また、スコア底部幅（ｄ）は２５乃
至１００μｍの範囲が適当である。

スコアで区画された開口すべき部分に開口用タブを取付
けるには、有利には熱接着方式が採用される。即ち、開
口用タブとラミネート蓋材の外面とをポリアミド系接着
剤のような熱接着剤を介して熱接着し、開口用タブの固
定を行う、勿論、開口用タブの固定はリベットによって
も行うことができ、この場合には、リベット形成ダイス
を用いて、スコアで区画された開口用部の外面側に突出
したリベットを形成させ、このリベットに開口用タブを
嵌合させ、リベットの突出部を鋲打ちしてタブを固定さ
せる。

缶胴との二重巻締工程を説明すると、缶胴部材のフラン
ジとイージイオープン蓋の密封用溝部とを嵌合させると
共に、−時巻締用ダイスを用いてフランジの周囲に溝部
を一時巻締させる６次いで、二次巻締工程において、こ
のフランジ部を更に、缶胴側壁部に沿って更に９０°巻
締して、最終缶体とする。

（発明の効果） 本発明によれば、前述した複合ラミネート蓋材を用いる
ことにより、スコア部においてオレフィン系樹脂フィル
ム及び内面側金属箔の連続性が維持されて、孔食の発生
が防止され、またスコア部においてオレフィン系樹脂フ
ィルムの両側に金属箔が存在することにより、フェザー
リングの発生なしに蓋の開口が容易に行われ、更に、両
金属箔の中間にオレフィン系樹脂フィルムが介在するこ
とにより、開口時における切断端縁による指の怪我の発
生等も防止され、安全性が向上した。更にまた、この容
器蓋は軽量性にも優れている。

（実施例） 厚み１００μｍのポリプロピレンフィルムの両面に無水
マレイン酸変性ポリプロピレン２μｍを介し、厚み１０
０μｍのアルミ箔を熱接着し、アルミ箔−接着剤−ポリ
プロピレン−接着剤−アルミ箔の構成となるラミネート
材を得た。

このラミネート材の片面に通常缶内面塗料として用いら
れるエポキシ樹脂８０重量部とレゾール型フェノール樹
脂２０重量部よりなり、ラノリンをｌ　ＰＨＲ添加した
エポキシ・フェノール系塗料を乾燥膜厚５μｍとなるよ
う塗布し、２３０℃、６０秒の乾燥焼付を行った。

また、その反対の面に同一の塗料を乾燥膜厚５μｍとな
るように塗布し、２５０℃、６０秒の乾燥焼付を行った
。

この両面塗装ラミネート材を用い、通常の製蓋機で通称
２１１径のシェル打抜きを行い、更にシーリングコンパ
ウンドをライニングした後、刃幅５０μｍでスコア残厚
９５μｍ及び１１０μｍとなるようスコア加工を行った
。

この時、蓋の動摩擦係数は０．１であり、またコンパウ
ンドと蓋内面塗料の密着性は２　Ｋｇ／ｃｍのＴ型ビー
ル強度を示した。

この時のスコアの断面を第２図及び第３図に示す。この
ようにして成形した２種類の蓋材を別途作成した通称２
１１径のＴ４ＣＡ板厚０．２０溶接缶の缶胴に巻締め、
オレンジジュース、トマトジュース、鯖水煮、鯖トマト
漬を充填し、所期の殺菌操作を施した後、常温で１年経
過後開缶したところ、内容物に異常は認められず、また
缶内面のアルミニウム箔に一部腐食は見られたが、孔食
の発生はなかった。

その時の缶胴に対する缶蓋の巻線部断面を写真に損り観
察したところ、蓋フックがいささかの損傷もなしに、胴
フックと胴頂部との間に完全に巻締められていることが
判明した。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に用いる複合ラミネート蓋材の断面構
造を示す拡大断面図であり、 第２図及び第３図は、実施例における蓋材スコア加工部
の断面を顕微鏡写真に撮ったものの断面図（倍率１２５
倍）であり、 第４図は、イージイオープン蓋全体の上面図であり、 第５゛図は、第４図のイージイオープン蓋の線Ｖ−Ｖに
おける断面図である。 １は複合ラミネート蓋材、２ａは内面樹脂保護層、３ａ
は内面側金属箔、４ａ、４ｂは接着剤層、５は中間オレ
フィン系樹脂フィルム、３ｂは外面側金属箔、２ｂは外
面樹脂保護層、６はスコア加工部、７はスコア溝を示す
。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）蓋材、蓋材の開口すべき部分を区画するスコア、
   開口すべき部分に設けられた開口用タブ及び蓋材外周の
   巻締部から成る巻締缶用イージイオープン蓋において、 前記蓋材は、缶内面側から缶外面側に向けて内面樹脂保
   護層、内面側金属箔、接着剤、中間オレフィン系樹脂フ
   ィルム、接着剤、外面側金属箔及び外面樹脂保護層の層
   構成の積層体から成り、且つ最外層の動摩擦係数が０．
   ０５〜０．３であり、スコア部において、少なくとも中
   間オレフィン系樹脂フィルム及び内面側金属箔が完全に
   連続した状態で維持されていることを特徴とするイージ
   イオープン蓋。
2. （２）内面樹脂保護層、内面側金属箔、接着剤、中間オ
   レフィン系樹脂フィルム、接着剤、外面側金属箔及び外
   面樹脂保護層の層構成の積層体から成り、且つ最外層の
   動摩擦係数が０．０５〜０．３であるラミネートを外周
   に巻締部を有する蓋材に成形加工すると共に、蓋材に開
   口すべき部分を区画するスコア加工を、スコア部におい
   て少なくとも中間オレフィン系樹脂フィルム及び内面側
   金属箔が完全に連続した状態で残留するように施し、開
   口すべき部分に開口用タブを取付けることを特徴とする
   巻締缶用イージイオープン蓋の製法。