JPH0246287Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はハニカム状のシートを用いた釣竿用
管体に関する。

〔従来技術〕

従来繰り出し本数の少ない継ぎ竿の元竿の元竿
の外径は手で握るに適した太さが必要であるが小
径になり、釣竿素材で肉厚にして太く形成すると
重くなるため紡錘状の握り部が作られて嵌合固定
されているが釣竿と別体に紙を巻き付けたり、コ
ルクを用いて作られているので製作が面倒な欠点
がある。

〔考案の目的〕

本考案は前記欠点に鑑み、ハニカム状のシート
を空胴が放射方向になるように筒状に捲回して中
間層を形成し、軽く、握り易い太い元竿や握り部
とすることも出来る釣竿用管体を提案することに
ある。

〔考案の構成〕

本考案は、ハニカム状のシートを空胴が放射方
向になるように筒状に捲回した中間層に形成し、
該中間層の外側に軸線方向の繊維量を多くした熱
硬化性合成樹脂含浸繊維補強プリプレグで外層を
形成し、前記中間層の内層の周方向の繊維を有す
る熱硬化性合成樹脂含浸繊維補強プリプレグで内
層を形成したことである。

〔実施例〕

以下、図示の一実施例によつて本考案を説明す
ると、第１図で釣竿用管体１はハニカム状のシー
ト２が空胴３が放射方向になるように筒状に捲回
した中間層４に形成され、この中間層４の外側に
軸線方向の繊維量を多くした熱硬化性合成樹脂含
浸繊維補強プリプレグで外層５が形成され、中間
層４の内側に周方向の繊維を有する熱硬化性合成
樹脂含浸繊維補強プリプレグで内層６が形成され
ている。

前記ハニカム状のシート２は空胴３の形状が蜂
の巣のような正六角形や多角形又は円形や楕円形
等のシートが用いられる。

釣竿用管体１が形成される時は第２図、第３図
のように芯金７の外周にパラフイン系ワツクスを
トルエン等で溶かした液状の離型剤を刷毛で塗布
し、乾操して離型剤層を形成し、次に四辺形に裁
断したガラス繊維やカーボン繊維やアラミド繊維
などの補強繊維にエポキシ樹脂、フエノール樹
脂、ポリエステル樹脂等の熱硬化性合成樹脂を含
浸したプリプレグ８の上にハニカム状のシート２
を空胴が垂直方向になるように重ね、更にその上
に前記補強繊維と略同素材の熱硬化性合成樹脂含
浸繊維補強プリプレグ９が重ねられた管体素材１
０が用意され、この管体素材１０が前記処理がな
された芯金７の外周に筒状に捲回され、その外周
に熱収縮性チユーブで被覆するかテープを螺施状
に重ねてテーピングを施し、加熱炉の中に入れて
熱硬化処理で一体に形成し、熱硬化処理後芯金７
を抜き取ると共にテープが剥離されて第１図の釣
竿用管体１が製作され、これを元竿或は握り部と
して用いられる。

前記ハニカム状のシート２で形成された中間層
４の外層５と内層６の補強繊維は、外層５は軸線
方向の繊維量を多くした熱硬化性合成樹脂含浸繊
維補強プリプレグ９で、内層６は周方向の繊維を
有する熱硬化性合成樹脂含浸繊維補強プリプレグ
８で形成すると釣竿に用いて曲がりに対して強い
釣竿となると共に潰れにも強い釣竿となる。

又外層５が形成される外側の熱硬化性合成樹脂
含浸繊維補強プリプレグ９はハニカム状のシート
２よりも大きく裁断されて捲回されている。

前記のように釣竿用管体１が形成されると、軽
く、ハニカム状のシート２の厚さ又は巻数に応じ
た太い管体が形成され、筒状に捲回された中間層
４のハニカム状のシート２は第４図のように空胴
３が放射方向になると共に中心側の空洞は潰れて
狭められ、外側は拡大され、内側と外側の熱硬化
性合成樹脂含浸繊維補強プリプレグ８，９の合成
樹脂材がハニカム状の空洞３の内側に入り込んで
硬化され、拡大された外側の空洞３の形状が狭め
られないように合成樹脂材で固定されて筒状の保
持されると共に内側の強度が強化される。

前記説明ではハニカム状のシート２の上下に熱
硬化性合成樹脂含浸繊維補強プリプレグ８，９が
重ねられた管体素材１０が用意されて芯金７の外
周の空胴３が放射方向になるように筒状に捲回さ
れたが、前記処理がなされた芯金７の外周に順に
熱硬化性合成樹脂含浸繊維補強プリプレグ８を捲
回し、その外側にハニカム状のシート２を筒状に
捲回し、更にその外側に熱硬化性合成樹脂含浸繊
維補強プリプレグ９を捲回して熱硬化処理し、周
方向の繊維を有する内層６と空胴３が放射方向に
なつた中間層４と軸線方向の繊維量を多くした外
層５からなる釣竿用管体１を形成してもよい。

更に前記熱硬化性合成樹脂を含浸したプリプレ
グ８，９を補強繊維の束を軸線方向に対し斜方向
に交又するようにスパイラル状に編み組み形成し
て外径方向と軸線方向の寸法に自由度のあるプリ
プレグの筒状編組材を芯金７とハニカム状のシー
ト２を空胴３が放射方向になるように筒状に捲回
した外側に夫々被覆し、熱硬化処理で釣竿用管体
１を形成してもよい。

〔考案の効果〕

本考案は前述のように中間層がハニカム状のシ
ートを空胴が放射方向になるように筒状に捲回し
て形成されたので外径が太く、握り易く、軽く、
中間層の外側は軸線方向の繊維量を多くした熱硬
化性合成樹脂含浸繊維補強プリプレグで外層が形
成されたので曲げに強く、中間層の内側は周方向
の繊維を有する熱硬化性合成樹脂含浸繊維補強プ
リプレグで内層が形成されたので潰れに強い等実
用上優れた効果を奏する釣竿用管体を提供するこ
とが出来る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例が示され、第１図は釣
竿用管体の要部断面側面図、第２図は釣竿用管体
が形成される説明図、第３図は芯金に捲回される
前の管体素材の分解斜視図、第４図は釣竿用管体
の断面正面図である。 １…釣竿用管体、１…ハニカム状のシート、３
…空洞、４…中間層、５…外層、６…内層、、８
…周方向の繊維を有する熱硬化性合成樹脂含浸繊
維補強プリプレグ、９…軸線方向の繊維量を多く
した熱硬化性合成樹脂含浸繊維補強プリプレグ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハニカム状のシートを空胴が放射方向になるよ
   うに筒状に捲回した中間層に形成し、該中間層の
   外側に軸線方向の繊維量を多くした熱硬化性合成
   樹脂含浸繊維補強プリプレグで外層を形成し、前
   記中間層の内側に周方向の繊維を有する熱硬化性
   合成樹脂含浸繊維補強プリプレグで内層を形成し
   たことを特徴とする釣竿用管体。